__ 
熊谷さんは、一週間の内、一番好きな時間はなんですか?
熊谷 
遊ぶ予定があるとき、寝てる時、あとは、恋愛に関わっている時。稽古している時も好きです。多いなあ、でもそんな感じです。
__ 
先ほども一瞬、稽古場に居させていただきましたが、本番10日前の稽古場の雰囲気っていいですよね。
熊谷 
ちょうどいいですよね、ピリピリしてないけど、それまでの稽古の成果が見えてくるし。
__ 
そうそう、演出も具体的に追加されていって。そんな中で辛い役を演じるんですね。

vol.480 熊谷 みずほ

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2016/春
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熊谷

質問 いのりさんから 熊谷 みずほさんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた、いのりさんから質問を頂いてきております。「ジブリは好きですか?どの作品が好きですか?」ちなみにいのりさんは、ハウル・ラピュタ・ポニョ・紅の豚が好きだそうです。
熊谷 
コクリコ坂が好きです。映画館でもDVDでも面白く見ました。静かな作品なんですよ。恋愛の話でしたしね。
__ 
恋愛大好きですね。
熊谷 
恋愛脳です。

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熊谷
__ 
熊谷さんは、いつかどんな演技が出来るようになりたいですか?
熊谷 
観て喜んでもらえたら。でも、演出の理想に近づけたらなといつも思っています。
合田 
熊谷さんは何か、舞台上で凄く強いんですよ。輪郭がしっかりしているというか。周りの状況にあまり左右されない芯の強さがあって。それと、勘が凄く良いと思います。
熊谷 
うれしい!
合田 
何か、恋される感じ。その強さに委ねられる感じがあります。
__ 
きょうは恋の話多いですね。
熊谷 
私がいるからですかね。
合田 
でも努力クラブ、大体恋が出てきますけどね。
__ 
「彼女じゃない人に起こしてもらう」なんてタイトルからしてそうですからね。
熊谷 
あの話、最終的には付き合うんですか?
合田 
あの後どうなるんですかね?ずっとだらだらと付き合いそうですけどね。
__ 
ああ、心中はしなかったのか。二人。
合田 
結論は出さなかったですけどね。まああの二人はだらしなさそうですから。
__ 
あの二人は本当に、太陽とは関係ない感じですよね。
合田 
いや、太陽の元におんの辛いですからね。眩しいし。

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熊谷
__ 
熊谷さんはご自身の事をどんな演技者だと思われますか?
熊谷 
ふまじめだと思います。
__ 
なるほど。ふまじめな熊谷さんが楽しみですね。
熊谷 
ぜひぜひ!
__ 
今日のインタビューで、何か、もっと喋りたかった事などはありますか?
熊谷 
出来る事なら、もっと私の印象を聞きたかったですね。興味あります。時間さえあるなら。別にインタビューじゃなくて、いつでもいいんですけど。
__ 
熊谷さん美人だと思いますよ。
熊谷 
うわぁい。嬉しい。
合田 
ふふふふふ。
熊谷 
こんなん一生やってたいですね。
__ 
涙袋がチャームポイントですね。
合田 
・・・。
熊谷 
何か言ってくださいよ。
合田 
別に・・・。
熊谷 
涙袋はウチの祖母のれいこちゃんと一緒なんですけど、嬉しい。感謝しよう。
__ 
御祖母様モテてたでしょうね。
熊谷 
お祖父ちゃんにストーカーされたそうです。歳の差があるのに、だいぶ追いかけられたみたいで。
__ 
そりゃ相当惚れられてましたね。アツいですね。あ、そうそう、熊谷さんは結局愛嬌があるんですよ。鼻だってちょうど良い高さだし。
熊谷 
愛される程度の高さですよね。美人になりすぎると嫌われるので・・・何の話でしたっけ?
__ 
合田さん、やっぱり愛嬌が重要だと思うんですよ。確かこの間、Facebookにご自分の顔を載せて「女の子に見える」とか書いてたでしょう?分かりますよ。私だって風呂上りとか、たまに女の子に見えますもん。この現象、50歳ぐらいになっても起こり得ますよ。
熊谷 
だって、性別が違ったとしても顔自体は同じつくりですもんね。
__ 
努力クラブの登場人物は、全員、生命力が無いのにも関わらず愛嬌にあふれているじゃないですか。もしかして、合田さんは、土の中に生きている人に対して、自分にももしかしたら別の素敵な面があるかもしれない、ってそういうエールを(遠回しに)送りたいんじゃないの?
合田・熊谷 
(笑う)
__ 
もしかしたら、いま合田さんが多くの人に自分の作品を見てもらいたいと思うようになったのは、そういう事に気付けたから、じゃないの?
合田 
いや、生命力がないからやと思いますよ。
__ 
・・・?何がですか。
合田 
愛嬌。
__ 
え・・・?
熊谷 
生命力ある人は愛嬌ないですもんね。
合田 
助けられながらじゃないと生きていかれへん人たちだから愛嬌が必要なんですよ。
__ 
・・・太陽は愛嬌がない、って言いたいの?
熊谷 
愛嬌は要らないんですよ。見られる必要ないじゃないですか。
合田 
独立してますからね。
__ 
ああ、そうか、そのうえ勝手に周りが侍ってくるし。そういう事か・・・。じゃあ私もずっと、それにダマされていたって事か。
合田 
何にですか。
__ 
カリスマ性に弱いんですよ。カッコいいリーダーに弱くて、すぐ付いていってしまう。
合田 
弱みの見せ方が上手いんですよ。ああいう人らは。
__ 
それは愛嬌ではなく、計算だった。
熊谷 
いやあ面白い。

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2016/春
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熊谷
__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
熊谷 
可愛がってくれる人、面倒見てくれる人、そんな少数の人たちの前でいいパフォーマンスをしたいと思っています。一緒の稽古場だった人や、2回目呼んでくれる人は大事にしたいですし、大事にされたいです。
__ 
なぜ、そう思われるのでしょうか。
熊谷 
初めてのところだとか、私の事をあまり知らなかったりすると、お互い良いパフォーマンスが出来なかったりするじゃないですか。それは避けつつ。あと、自由なんのが好きなので、あまり忙しくない程度にやれればいいなと思います。
__ 
顔が見える範囲で?
熊谷 
そうですね、お客さんの目が見える範囲、挨拶が出来る規模でずっとやっていきたいですね。
__ 
寿司屋ですね。
熊谷 
うどん屋ではなく?寿司屋、いいですね。寿司屋女優になろう。
__ 
ああ、実は以前のインタビューで、公演の構成を寿司屋のようにする方向性があるんじゃないかという話題があって。開演前にお客さんと交流し、話していたら芝居が始まっていて、さらに終演の区切りを出来るだけ目立たなくする。寿司屋のカウンターのように、目の前で芸術が作られているという実感。
熊谷 
分かります。ライブ感はやっぱり大事っていうか。それが無くていいんだったらTVでいいですからね。そして、私の使い方を知って呼んで下さるところは、お客さんが見たい私のイメージ、と大体近いんだと思うんですよ。
__ 
ありがとうございます。

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2016/春
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熊谷

深谷かほる「夜廻り猫」

__ 
今日はですね、お話しを伺えたお礼にプレゼントを持ってまいりました。
熊谷 
ありがとうございます。開けますね。(開ける)ネコですね。漫画ですか?
__ 
はい。
熊谷 
ありがとうございます。めっちゃ読みますね。

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2016/春
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熊谷

努力クラブ第11回公演 ピエロどうもありがとうピエロ

__ 
ピエロどうもありがとうピエロ。本番10日前になりましたね。
熊谷 
もう?やばいですね。
合田 
そうやで。
熊谷 
チケット売らな。
__ 
合田さん、手ごたえはいかがですか。
合田 
手ごたえ、めちゃくちゃあります。脚本も、演出としても。ここのところずっとショーケースに作品を出させてもらってて、短い作品ですが回数をこなすとやっぱり上手くなりますね。如実に、セリフの運び方とかが上手くなってる気します。
__ 
技術的な面での向上を感じているんですね。
合田 
今回はピエロのような「面白い事をやるヤツ」の話で、ずっとしたかったんです。そういう感じの奴についての話。自分を面白いと思っていた奴が、そこに自信を持てなくなって悩む、という話ですね。
__ 
ありがとうございます。面白さって必ず失われる価値ですから、普遍的なテーマっぽいですね。例えば芝居の稽古で生まれた面白い演技が、練習を重ねると摩耗したりする、みたいな現象もありますよね。面白さと新鮮さってどんな関係を持っているんだろう。
合田 
ビックリする事は常に伴いたいなと思っていて。驚きと面白さは別の事なんですけど、セットになっていないといけない気がしています。稽古し過ぎると自分達に驚きがなくなっていくんですよね。それはあんまり良くないなとは思っています。
__ 
二つを保つコツ、コツって言い方はあんまりかもしれませんけど、どうでしょうか。
合田 
どうなんすかね。ダリが言ってた事なんですけど(うろ覚えなんですけど)「自分がマジメにやっているのかふざけてやっているのか、誰にも知られてはいけない。自分もそれを知っていてはいけない」という言葉があるとどこかで聞いて。それはいつも、心がけるようにはしていますね。
__ 
言いそうですね。
合田 
ダリ言いそうですね。
熊谷 
ダリ(笑う)。
__ 
真剣にふざける。
合田 
そうしていたら、本当に頭がおかしくなる、その瞬間が待っていると思うんですよ。
努力クラブ
2011年3月に佛教大学劇団紫で団長をしていた合田団地と立命館大学劇団西一風で座長をしていた佐々木峻一を中心に結成。現在団員は四名である。京都を中心に活動している。本公演では、ネガティブな題材を用いてコメディをする。不条理なナンセンスコメディなんて自分たちでは言っているが、果たしてどうでしょうか。必見コント集というコントの企画では、今まで笑いの材料として用いられていないものを使って笑いを作ろうと思っています。そういうコントをしようと思っています。なんとなく嫌なものに対しての救いになりたいというのが、僕らの希望です。嗚呼、駄目なものに対して優しくありたい。アトリエ劇研サポートカンパニー。(公式サイトより)
努力クラブ第11回公演「ピエロどうもありがとうピエロ」
作・演出=合田団地
日時=8月5日(金)~8日(月)
8月5日(金)19:15~◇
8月6日(土)14:00~/19:15~
8月7日(日)14:00~/19:15~◆
8月8日(月)14:00~
◇終演後トーク:月亭太遊
◆終演後トーク:西マサト国王(B級演劇王国 ボンク☆ランド)・丸山交通公園(丸山交通公園ワンマンショー)
会場=アトリエ劇研
料金=一般前売2,000円 一般当日2,500円
料金=学生前売1,700円 学生当日2,200円

キャスト
安藤ムツキ(劇団月光斜)
池浦さだ夢(男肉 du Soleil)
大石英史
キタノ万里(dracom)
熊谷みずほ
酒井信古
佐々木峻一
杉本奈月(N2)
西野恭一(劇団ちゃうかちゃわん)
ヒラタユミ(ナマモノなのでお早めにお召し上がりください。)
丸山交通公園(丸山交通公園ワンマンショー)

スタッフ
舞台監督=濱田真輝
照明=吉津果美
衣装メイク協力=若松綾音
制作=築地静香
宣伝美術=きんにく 築地静香
協力=劇団月光斜、男肉 du Soleil、dracom、N2、劇団ちゃうかちゃわん、ナマモノなのでお早めにお召し上がりください。、丸山交通公園ワンマンショー、B級演劇王国 ボンク☆ランド、アートコミュニティスペースKAIKA
共催=アトリエ劇研
企画・製作=努力クラブ

ピエロに対して言いたい放題

__ 
ハイタウン2016での「道をたずねるコメディ」が大変面白かったです。道を踏み外してそのままどこか知らないところへ言ってしまう彼らの彷徨っている姿が美しかった。
合田 
マジすか。美しかったって感想は初めてです。人によっては怖かった、と思われた事もあるみたいで。
__ 
例えばゲームの画面があったとして、彼らはその枠の黒い部分にはみ出ていくんですよ。そのはみ出た姿を克明に描いていたと思うんです。理由はともかく、あてどなくだけれども、どこかへ。外へはみ出すというのは、内にこだわっているからなのかな、とふと思った。今回のテーマである「ピエロ」も、本質的にはハミ出すみたいなところがあるのかなと思う。
合田 
はあ。
__ 
梅田駅にはたまにピエロが出没して手品を見せてくれるんですけど、私も一度みた事があって、すごくナーバスな気分になった事がある。異物感と健気さと・・・。
合田 
存在として悲しいですからねピエロは。人を喜ばせるためだけの存在ですから。
__ 
なのに子供って、ピエロを見たら絶対に泣きますよね。
合田 
感情が見えないから、じゃないでしょうか。
__ 
大人の姿をしているから、かな。
熊谷 
見た目だと思うんですけどね。人って、普通の人と異なるのは怖いじゃないですか。子供からしたら、いつも見ている大人よりも異様に白かったり鼻が赤くて大きかったりするんじゃないですかね。
__ 
ああ、分かります。人類の生活には登場しないですよあのデザインは。ちょっと思いついたんですけど、子供にしてみたら、ピエロは絶対に自分の要望は聞いてくれない。
合田 
ふふふふふ。
__ 
ピエロは結構厳しい存在なんですよ。
ヨーロッパ企画presents ハイタウン2016
公演時期:2016/5/5~8。会場:元・立誠小学校。

残酷なことに時間は平等

__ 
でもピエロの良いところって、一生懸命には生きているところですよねー。人生、そういう目的があったら良いですよね。これまでの努力クラブの作品には生きる目的を見出せない人がたくさん登場しているように思います。
合田 
ああ登場してますね(笑う)。
__ 
そういう人々って、これから先の生きていく時間に対してどんな捉え方をしているんでしょうか。
合田 
どうなんですかね。でも、わりかし辛くは無いと思うんですよ。努力クラブの脚本に登場してくるような人たちですよね。あの、ちょっと逆説的な言い方になるんですけど、生きる目的がないという状況自体は辛いと思うんですけど、辛い状態で居てるという事は、そんなに辛い状態ではないと思う。変な言い方になるんですけど、辛くないという状況が、辛かったり苦しかったりするんだと思う。生きる目的がないという状況があるために、その状況に甘えられると思うので。何の喜びもないし、辛さもないし、でもただただ時間が過ぎていくという生活をしていくんじゃないですかね。
__ 
自分が抱えている無目的さに凭れてしまう。
合田 
その状況自体は辛くはないと思うんですよ。そういう人に瞬間、楽しかったり辛かったりするのが訪れたら、それは極端な経験になると思うんですよね。それはその瞬間だけで終わってしまう。すぐ消えてしまって、感動するというところまで行かない気がしますね。
__ 
自分に何もないうえ、他人とのつながりを持つのも下手な人は何をするんだろうか。テロか?
合田 
それはきっと体力のある人なんだろうと思うんです。

質問 いのりさんから 合田 団地さんへ

__ 
前回インタビューさせていただいたいのりさんから質問を頂いてきております。「ジブリは好きですか?どの作品が好きですか?」ちなみにいのりさんは、ハウル・ラピュタ・ポニョ・紅の豚が好きだそうです。
合田 
好きですよジブリ。宮崎駿じゃないんですけど、平成狸合戦ぽんぽこが好きで、あの脱力の感じがすごく好きなんですよ。ドキュメンタリーみたいな感じで進むじゃないですか。
__ 
渋いですよね。戦争年代記ですもんね。
合田 
ヒロインの狸が凄い可愛くて、ジブリの作品の中で一番、あの子が好きです。

太陽の周り

__ 
次の方への質問を頂けたら、と思います。次回は多分、ドキドキぼーいずの松岡咲子さんです。いかがでしょうか。
合田 
あー・・・じゃあ、「不良になりたいと思った事はありますか?」
__ 
なるほど。ちなみに合田さんは?
合田 
あの、昔クラスの女の子に不良っぽいけど凄い明るい子がいて、好きだったんですよ。その時ちょっと不良になりたかったですね。
__ 
あー、分かる。分かりますよ。私もそうでしたよ。太陽みたいな感じの女の子でした。
合田 
結局、何も無かったんですけどね。
__ 
溶けなくて良かったですね。
熊谷 
あはは。
合田 
あー。
__ 
今はどうですか、いわゆる太陽への憧れはありますか?
合田 
そんなに無いですね。土の中も暖かいことに気づいたので。太陽への憧れも無いことはないですけど。

激しく眩しい

__ 
熊谷さんは、いつかどんな演技が出来るようになりたいですか?
熊谷 
観て喜んでもらえたら。でも、演出の理想に近づけたらなといつも思っています。
__ 
どうですか、合田さん。熊谷さんは。
合田 
何か、舞台上で凄く強い気がするんですよ。輪郭がしっかりしているというか。周りの状況にあまり左右されない芯の強さがあって。それと、勘が凄く良いと思います。
熊谷 
うれしい!
合田 
何か、恋される感じ。その強さに委ねられる感じがあります。
__ 
今日は恋の話多いですね。
熊谷 
私がいるからですかね。
合田 
でも努力クラブ、大体恋が出てきますけどね。
__ 
「彼女じゃない人に起こしてもらう」なんてタイトルからしてそうですからね。
熊谷 
あの話、最終的には付き合うんですか?
合田 
あの後どうなるんですかね?ずっとだらだらと付き合いそうですけどね。
__ 
ああ、心中はしなかったのか。あの二人。
合田 
結論は出さなかったですけどね。まああの二人はだらしなさそうですから。
__ 
あの二人は本当に、太陽とは関係ない感じですよね。
合田 
いや、太陽の元におんの辛いですからね。眩しいし。

努力クラブの「個室」

__ 
努力クラブにおける「個室」の表現って面白いですよね。「船の行方知れず」で風俗店がいっぱい出てくるじゃないですか。その中に入ると男性が幼児化したり、男女とも決まった役割を演じるだけで良いという安心感があったり・・・。現実の個室の方はというと、例えば会社のトイレの個室だとみんな、その時だけは孤独になれたりする。
合田 
ええ。
__ 
太陽が眩しいから個室に逃げるのか。
合田 
逃げる、というのもあるかもしれないですね、暑いし。あの、太陽が絡むとちょっと分かりづらくなる気がする・・・
__ 
あ、失礼しました。
合田 
でも、何かから守られる為に個室に逃げると思います。
__ 
孤独を得るための個室が生存に必要だとは思いませんか?努力クラブの作品は孤独に辿りつくための個室そのもののような気がするんですよ。どうでしょう。
合田 
いやでもすごく、肯定はしていると思います。何者にも成れなかった人がみて面白いと思ってもらえたら凄く嬉しい。何か、勇気とはちゃうんですけど、度胸を与えられたらって思うんです。
__ 
度胸。
合田 
ピエロに憧れる男の話なんですけど、自分の殻を破る度胸です。根幹に関わる話なので言葉を濁しながらですけど・・・自分を閉じ込めている相手に対し、反撃する度胸が付いたらな、と思っています。上手くいってない奴って、上手く行っている奴に何かを奪われていると思っている感じなんじゃないかと思うんです。自分の上手くいっている感じを取り戻すための度胸。革命家とか、虐げられてきた人たちのリーダーって勇気をもらうじゃないですか。そんな話になったらいいなと思っています。
__ 
殻を破る勇気ですね。

もっと見てもらいたい

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
合田 
最近、人に見てもらう事がやっと嬉しくなってきて。たくさんの人に見てもらいたいですね。今まではちょっと、照れみたいなのがあって、まあ何か、うちみたいな変に薄暗いのを好きな人にだけ見てもらったらいいやみたいに思ってたのが。
__ 
私も、努力クラブが単純に色んな人に見てもらえるんだったらそれは嬉しいです。何故、そういう風に変わっていきましたか?
合田 
人の影響なんですけど、中村文則っていう小説家がいてて。その人はすごい暗い話を書くんですよ、読むのがいやになるほどの。その人が、「皆に読んでもらいたい」と発言してたのが大きいですね。中村文則でさえそんな事を言うんだったら、僕も、色んな人に見てもらいたいという欲に素直になってもいいかな、って。

GOOD BAR BOOK 関西版

__ 
今日はですね、お話しを伺えたお礼にプレゼントを持ってまいりました。
合田 
ありがとうございます。あ、前回と同じく本っぽい。(開ける)バーだ。
__ 
まあ、合田さんもそろそろ、バーに行く時期に来ているのではないかと思って。
合田 
でも・・・お酒飲まないんですよね(笑う)
熊谷 
お酒飲まなくてもいいんですよ。お酒じゃないメニューもありますよ。
合田 
そうなんや。バー、面白いですもんね。色々グチってる人とかいて、やっぱり悩みのある人っておるんやなって思いますもん。

歌う日々

___ 
今日はどうぞ、よろしくお願い申し上げます。最近、いのりさんはどんな感じでしょうか。
いのり 
よろしくお願いします。最近は、忙しいです。ジブリのコンサートの全国ツアーに参加するんですが、7月には関西公演が始まります。それから、女優として出演する舞台が色々控えていて、今は休みがない状態です。
___ 
休みがない。凄いですね。ほぼ毎日、稽古か本番?
いのり 
はい、あとは、講師のお仕事もさせて頂いています。充実してます。
___ 
毎日何かあるんですね。しんどくならないですか?
いのり 
しんどくはならないですけど、徐々に体が辛くなってきました。そんな年でもないんですけど。
___ 
お風呂に入るといいらしいですよ。
いのり 
お風呂大好きです。効き目あります。お風呂に入って2、3時間は楽です。
___ 
平日にお風呂入るのは中々難しいですよね。
いのり 
私、銭湯が好きなんです。3時間ぐらいのんびりしています。
ドリームコンサート~ジブリの思い出がいっぱい!~
名門オーケストラで演奏する奏者等で特別に編成されたオーケストラとNHK「みんなのうた」で話題の女性ボーカリストで贈るスタジオジブリ作品の名曲がいっぱい夢のコンサート。
初めてジブリのキャラクターたちと出会った時のあの感動がよみがえる!
詳細
日時:  2016年7月23日(土)
?11:00 ?14:00 (開場は各30分前)
会場:
2Fホール

【出演】
指揮:高曲伸和 管弦楽:ジャパン・ドリーム・オーケストラ
歌:Sinon、野尻祈、木下葉菜美
ジャパン・ドリーム・オーケストラは本公演の為に特別に編成された選りすぐりの演奏者によるオーケストラです。
【予定曲目】
♪天空の城ラピュタ「君をのせて」 ♪となりのトトロ「さんぽ」「となりのトトロ」 
♪魔女の宅急便「めぐる季節(海の見える街)」 ♪おもひでぽろぽろ「愛は花、君はその種子」 
♪耳をすませば「カントリー・ロード」 ♪もののけ姫「もののけ姫」 ♪千と千尋の神隠し「いつも何度でも」 ♪ハウルの動く城「人生のメリーゴーランド」 ♪ゲド戦記「テルーの唄」 
♪崖の上のポニョ「崖の上のポニョ」 ♪風立ちぬ「ひこうき雲」 ほか

チケット発売日:
2016年5月8日(日) ※すばる友の会会員先行発売は5月7日(土)
発売初日は電話予約のみ(一般・会員共)、1通話4枚まで。
10:00~受付開始
※お電話でのご予約についてはコチラ
料金:
おとな3,000円 こども2,000円(3歳~小学生) (当日各500円増)
※2歳以下無料(大人1名につき1名まで膝上鑑賞可、但し座席が必要な場合は有料)
席種:全席指定

vol.478 いのり

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2016/春
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いのり

先生と出会って・・・

___ 
いのりさんはいつから、歌と演技、つまり表現を始めたんでしょうか。
いのり 
いつからなんだろう・・・幼稚園の頃から、人前で表現するのは好きでした。音楽活動にすごく力を入れている幼稚園で、年に一回、大阪国際ホールで上演される演奏会に立たせてもらったり。それから、八尾プリズムホールのコンサートにも出演していました。その頃から音楽は好きだったんだろうなあ。なぜか特別な楽器(ウインドチャイムやマリンバ)を1人で使わせてもらって、目立つポジションに立たせていただいてました。
___ 
そんなに子供の頃からから歌っていたんですね。
いのり 
2歳半の時、ドリカムの未来予想図をフルコーラスで歌ってたらしく、ビデオも残ってます。でも、ちゃんと歌う勉強をしだしたのは中学一年生からでした。カラオケが上手くなりたいなあぐらいの思いで母に頼んだら、探してきてくれたのが、関西を代表するオペラ歌手の先生だったんです。
___ 
そうなんですね。大きな出会いだったんですね。
いのり 
はい。でも、最初は何が何だか分からないまま教室に行ってました。オペラも声楽も分からなかったので、自分がカラオケで歌うような曲もレッスンではやらないし。なんなんやろうと思いながらも、私けっこう性格上、やり通していく方なので。やっていく内に楽しさを覚えて、もっと勉強したい、音大に行こうと思うようになりました。高校一年生からピアノも歌も本格的に勉強して、音楽大学にいく準備をし始めて、入学しました。
___ 
大阪音楽大学ですよね。どのような事を学ばれましたか?
いのり 
歌唱の授業はもちろん、座学や演技やバレエの授業もありました。西洋の音楽史も勉強しました。作曲家の生きた時代背景なども音楽に関係してくるんです。私はオペラがしたかったので、みんなでオペラを作る授業を取ったりしていました。

vol.478 いのり

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2016/春
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いのり

残る歌[1]

___ 
そういう風に表現を始めたんですね。
いのり 
はい。それと、小学校の頃はバレエをしていました。
___ 
あ、だから身体が柔軟なんですね。ところで、表現を始めた頃に出会った印象的な人や出来事を教えてください。
いのり 
やっぱり、子供の頃からお世話になっている先生です。今でもお世話になっていて、私のもう一人のお母さんなんです。色んな事で助けて頂いて、いっぱい怒られて。
___ 
厳しくされたんですね。
いのり 
はい。厳しかったですね。最初は。
___ 
子供相手に厳しい教育は意味がありますからね。対等に扱ってくれているって事ですからね。
いのり 
ありますね。もちろん怖いなあってその時は思うんですけど、怒られたことってやっぱり脳のどこかで覚えていて、大人になった今でも、あ、こんな時にはこんな風に叱られたなぁ、とか思い出して踏み止まったり。
___ 
それが経験となっているんですね。
いのり 
一番印象に残ったというか、今でも自分にとっては大きな出来事なんですが、私が習っていた当時は先生はまだ現役で、舞台で先生が歌っている姿にとにかく涙が止まらなくなって。初恋がテーマの歌で、恋愛経験の無い子ども時代では 内容としては響かないはずなんですけど、先生の表情や歌声、存在そのものに感じるものがあり、ただただ涙が流れていました。そこから、こんな風に表現が出来るようになりたいなあって思って。それが最初なのかなあ。
___ 
とにかく憧れたんですね。
いのり 
はい。存在に憧れました。

vol.478 いのり

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いのり

残る歌[2]

___ 
ある歌を歌うまでの、具体的な流れを教えてください。歌を選んで、覚えて、歌って、の間に何があるのか、可能なら知りたいのですが・・・
いのり 
はい。歌う曲が決まったら、まずはもちろん、譜面を入手します。色んな音源でその歌を聴きます。
___ 
どのくらい聞きますか?
いのり 
どのくらい・・・もう、その歌をやめるまで聞きます。
___ 
回数とか無いんですね。
いのり 
はい。それから楽譜を見て、音を取るという作業をして、ピアノを弾きながら歌ったりします。例えばその曲が日本語じゃなかったら意味を調べて、日本語であってももう一度その歌詞を手で書き起こして。歌詞って、基本的にはひらがなで書いているんですけど、普通に漢字のある文章で書き直して、音読して、全体図として見るというか・・・この音とこの歌詞、とかじゃなくて、その歌まるまるを客観的に見れるようにそういう作業をします。で、歌って。その後なんですね、表現を付けたり自分の想いを入れたりするのは。
___ 
歌を全体で捉えるための作業。歌が生まれた背景も含めて、歌の要素全てを有機的に、要素同士の繋がりも捉える。本当に微細なレベルまで繰り返し繰り返し練習してテストして、その歌を身につけるんですね。
いのり 
はい。
___ 
あえて伺います。一番難しかった部分は?
いのり 
オペラの中に、役の人がソロを歌う部分があるんですが、それをアリアと呼ぶんですが、大学時代でそれを学ぶんですね。アリアは難しい部分があって、ソロで20分ぐらい歌う事もあって。音が凄く複雑で、耳で聞いてすぐに歌えるというものではないんですね。何回も繰り返しピアノを叩いて体に叩き込むという作業をするんですが、それでもやっぱり、入ってこない音ってあって。コロラトゥーラという特殊な超絶技巧があるんです。短くて速いフレーズの中に音をコロコロと転がすんです。その音が細かくて体に入れるにはとても時間がかかります。訓練でどうにかなる部分もあるけど、生まれ持ったものもあるみたいで。私はすごく苦労しました。
___ 
非常にリアルなお話、ありがとうございます。私は自分で高めた技術にこそ価値を見出すので、もちろん生まれ持った才能も大事だとは思います、どちらが上という事はないですよ。非常に厳しくて細かい世界ですね。喉から血が出るぐらい練習されたんですね。
いのり 
はい、そうですね。血は出たことないですけど・・・。
___ 
きっと何回も何回も練習した歌だったら、聞けば一瞬でわかると思うんですよ。それぐらい、歌って重みが伝わる思うんです。人の肉声なんていう不確かなものを楽器にするんだから、それはもう一通りの訓練じゃ効かないでしょうね。

vol.478 いのり

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2016/春
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いのり

残る歌[3]

___ 
そうした技術を、あえて前提にして伺います。歌の価値はいつ生まれて、誰によって決められると思われますか?私は、演劇だったら、時代によって生み出されて、その劇場の現場、舞台と観客席の間で認識されて決められると思っています。ざっくりとしすぎていますが。
いのり 
私も同じだと思いますけどね、歌っていうか、何に関しても。ただ、歌は、お客さんに提供する前に決まっている部分もありますね。なんだろう、やっぱり、歌を歌うのは私たち歌手で、自分で作った歌ならその人が歌ってこそだと思うんです。でも、すでに作曲されたものだったら、その曲は作曲家さんの思いや願いが込められているからもうそこで価値はあるものだと思います。だからこそ大切に歌いたいです。
___ 
では、いのりさんは、歌を聞きにきてくれた人にどう思ってもらいたいですか?
いのり 
私、ずっと思っている事はあって。でもあんまりそういう事は言いたくはない事なんですけど、私がなぜ表現をしているのかというところに行っちゃうんですけど・・・誰かの人生の中で何かが変わるきっかけになるような歌を歌いたいと思っていて。実際に私が苦しみ続けていた時に触れた作品や聴いた歌に、すごく救われたから、なんですよね。歌や演劇に限らず、みんな少なくともそういう経験はあるんじゃないかと思います。何気ない一言に生きる力をもらえたとか。何か変わりたい、救われたい、そう思って劇場に足を運ぶ人もいると思います。もちろんそれだけではないですけど。
___ 
なるほど。
いのり 
数時間後に自ら命を絶とうとしている人がいたとして、でも私がその人に、芝居や歌を届ける事が出来たら、その人を止める事が出来るかもしれない。そういう人間になりたい。そのために舞台に立って、という事をずっと思い続けていて・・・でもこういう想いって簡単に言葉に出来ないんですよ。
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支えになりたい。表現は人を救うためだけにある、んだろうか。心を押す歌が歌えればいいですね。
いのり 
心に寄り添う、というイメージです。寄り添える人でありたい。何かしら、その人の心に残りたいです。その人を支えるような歌を残せたら。
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人間の心の中には親なり先生なり、そういう人が常にイメージとしてある。本当に寂しい人はそういう人がいないのかもしれない。

vol.478 いのり

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2016/春
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いのり