質問 ミネユキさんから 浅井 浩介さんへ

__ 
前回インタビューさせていただきました、劇団子供鉅人のミネユキさんから質問です。「自分が舞台に立っている時と立っていない時のギャップはありますか?」
浅井 
うーん、なんだろう、舞台にいる時の方が、社交的だと思います。思っている事を口に出す、というか、セリフを言わないといけないから何かしら目の前の人に喋るんですけど、普段だと何も喋らないで聞くだけとかって多いんで。
__ 
直したいと思いますか?
浅井 
いや、そんなに・・別にいいのかなと思っています、けど、人に不快な思いはさせることはない程度に・・とは思っています(笑)。

「見えてくる」

__ 
いつか、どんな演技が出来るようになりたいですか?
浅井 
なんか、おじさんの芝居って良いなあと思ってるんですけど。僕は今年、同年代か年下の方と芝居を作る事が多かったんですが、今回の烏丸ストロークロックでの稽古は久しぶりに年上の方が多くて。年代が上の人と芝居をするのって、良いなあと思って。
__ 
なるほど。
浅井 
いや、僕ももうおじさんなんですけど。でもまだまだいつも必死なんですよね。ほんと必死なんです。まあいつまでも必死なのかもしれませんけど、歳をとって味というか、貫禄というか、歳をとってこそ輝くというか、そういうものって憧れる感覚があって。昔から。
__ 
分かるような気がします。
浅井 
年配の役者さんて、そういうものを使っていると思うんですよ。その方自身の中身を晒してなお堂々していられる強さがあると思うんです。
__ 
そういう意味でも、「鎧」を外したい?
浅井 
鎧ナシでの強さを持ってるのかもしれませんね。いや、鎧ナシで弱くても大丈夫なようになっているのかもしれません。僕はいま、鎧ナシだと必死になってしまうのが、熟練してくると、弱さ自体は変わらないかもしれませんが、見えてくるのかな。
__ 
見えてくる?
浅井 
なんか、武道の達人とかもそうですよね、動かないで倒せるみたいな、そういう事かも。そういう落ち着きを身につけていきたいなあと。
__ 
見る。その現場の、自分を取り巻く状況や、起きる現象を認識する。
浅井 
起こっている事を繊細に受け止められる状態というか。
__ 
視線か・・・ところで観客は、舞台上での俳優の認識をかなり細かく理解しているじゃないですか。
浅井 
そうですよね。
__ 
あ、別にこれはオカルトとか超能力だとかの話じゃもちろんなくて、脳の能力とかの話でもなくて、単純に何故そういう事が起こっているのかを話したい。
浅井 
それって、ほんのちょっとした事で、うまくいかなくなるんですよね。同じ作品でも。うまくいっている時は観客は俳優の感じ方をものすごく敏感にキャッチしてくれるけれど、うまくいかないときはそれが全然伝わらない、みたいな。ちょっとした事で、何が起こっているのか分からなくなっていく、みたいな事はありますね。あれ、難しいんですよね。やってる側としては何故そうなってしまっているのか分からないときもある。
__ 
その劇場のリアルタイムにおいて、のめり込む場合と全くのめり込まない場合がありますね。
浅井 
お客さんによって感じ方が違うのは当然なので仕方ない部分もあると思うんですけど、でも、俳優のやる事によって、ほんのささいな事で少しズレてしまって、理解されなかったりする。難しいなあと思います。
__ 
ささいな事、もはや偶然の領域・・・株式の世界に似ているのかもしれない。正しいメソッドが確立されていながら、成功率は保証されていない。ではその中でも成功率の高い演技は何かというと、ある意味大振りな演技となる。大味な演技となる場合もある。
浅井 
うーん。そうですね。でも成功率は高いけどちょっと大味な事をやるよりかは、成功させるのは難しいけどすごく面白い可能性がある事を目指すほうがいいなあ。そっちじゃないと、やる意味が無いと思っています。もちろん、どちらも必要だとは思いますが。

整理の年

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
浅井 
ちょっと時間をゆっくりにしてみようと思っています。わりとこの1、2年は公演を立て続けにやっていて。とにかく経験が必要だと思ってやっていたんです。色んな劇場で場数を踏みたいと思っていたんですけど、それがもちろん必要で、まだまだ経験は足りないんですけど、ちょっとそれも違ってきているのかな、と。
__ 
なるほど。
浅井 
もちろん芝居は続けるんですが、ちょっとゆっくりに。それこそ、INをもっとたくさん得ようとしていたんですが、その整理をしようと思っています。そういう時間を作ってから、またどういうところでやりたいのかを整理してからまたやっていきたいなと今は思っています。

コーヒーキャンディ

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持ってまいりました。どうぞ。大したものではないですが。
浅井 
ありがとうございます。すいません、なんか。クリスマスプレゼントですね。開けてもいいですか。
__ 
もちろんです。
浅井 
あ、コーヒーキャンディですか。嬉しいです。コーヒー好きなので。お口の友に。

寒い夜の女

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。最近、ミネユキさんはどんな感じでしょうか。
ミネ 
劇団子供鉅人の10周年を迎えて、この一年は4本もの本公演があって、先日大阪公演が終ったばかりで一段落っという感じです。まだ東京公演がありますけど、今みんな大阪帰ってきて年末モードになっています。
__ 
12月ですもんね。ミネユキさんは、冬はお好きですか?
ミネ 
12月はイベントが多いので好きですが、寒いのは苦手です。服で締め付けられるのが嫌いで無気力になる。夏の方が遊びたくなるし、汗をかくのも結構すきです。でも12月は、言っても冬の始まりだからたのしめるのですが、3月とか、まだ寒いのかよ、まだアウターを着ないといけないのか、と思ってしまいます。
__ 
ありがとうございます。クリスマスの温かい思い出はありますか?
ミネ 
小さい頃は、クリスマスは家族で過ごしてたんです。家族で家で作れる簡単なごちそう(たとえばサンドイッチとかチキンフライとか)を食べる贅沢な日みたいな。
__ 
逆に、イヤな思い出はありますか?
ミネ 
サンタクロースって信じてましたか?
__ 
私は信じてませんでした。むしろ、それを聞く前から「あ、これから聞く単語は嘘だな」と思っていました。
ミネ 
へー。ウチでは、クリスマスと誕生日は唯一自分の欲しいものが買ってもらえる日で。ある日めちゃくちゃ仲の良い友達が、サンタさんから届いた手紙を見せてくれて。でも明らかに大人の字だったんです、日本語だったし。でも凄い信じてて、私も信じそうになって、実際はどうなのかお母さんに聞いたら「サンタクロースというのはいないが、その子は信じているから合わせなさい」って言われて。元々、信じるも信じないもないまま、サンタクロースじたいも不思議な何かとは思わなかった。
__ 
信じるも信じないもないのか。
ミネ 
で、クリスマスの夜に遊び半分で、お菓子が入るクリスマス用の靴下の容器にサンタクロースへのメモを入れたんです。容器に入るぐらいの小さいものを希望したメモ。それぐらいならお母さんも愛情表現として何かしてくれるんじゃないかと思って。ヒネたガキ。そして朝起きて、パッと見たらメモは残ったままで。現実ってこうなんや、と。
__ 
・・・。
ミネ 
クリスマス自体は大好きです。イルミネーションとか音楽とかがテンションがあがるしなんせワクワクします。お正月は10日ぐらいになっても名残は残すのにクリスマスだけは絶対残さない。日本は、お正月の方が大事だからかな。子供のころはそれが理解できずにいました。まあ、今はお正月のほうが大好きですけど。(笑)
劇団子供鉅人
2005年、代表の益山貴司、寛司兄弟を中心に結成。「子供鉅人」とは、「子供のようで鉅人、鉅人のようで子供」の略。音楽劇や会話劇など、いくつかの方法論を駆使し、世界に埋没している「物語」を発掘するフリースタイル演劇集団。路地奥のふる長屋を根城にし、演劇のダイナミズムに添いながら夢や恐怖をモチーフに、奔放に広がる幻視的イメージを舞台空間へ自由自在に紡ぎ上げる。また、いわゆる演劇畑に根を生やしている劇団とは異なり、劇場のみならずカフェ、ギャラリー、ライブハウスなどで上演、共演したりとボーダーレスな活動を通して、無節操に演劇の可能性を喰い散らかしている。(公式サイトより)

劇団子供鉅人10周年記念公演-重力の光-

__ 
「重力の光」、大阪公演を拝見しました。大変面白かったです。
ミネ 
良かったです。3部作、どれが面白かったですか?
__ 
どれも甲乙付けがたいですよね。どれも、見ていた私にとっても大きな作品だったんですよ。こんな大作を1年の内に3本も作ってしまうとは・・・。お疲れ様でした。
ミネ 
ありがとうございます。まだ東京公演がありますけどね。
__ 
今はどんな感慨がありますか?
ミネ 
1年間にこんなに立て続けでお芝居をしている事がないというか。そういう面で成長してるんじゃないかと思います。
__ 
すばらしい。そうそう、子供の成長歴をモチーフにしたお話だったように思います。生まれが神秘的な少年が卑屈に育って、でも気高い最後を迎えたり、貧乏に生きていかざるを得ない少女が破滅的な愛に生きようとしたり。なかでも私、ミネユキさんの子供キャラが好きなんです。少女的で、しかしどこか現実主義者的なトゲを持つキャラクター。
ミネ 
現実主義は、自分がそういう育ち方をしているからかな。よく、手相占いをやってくれる人がいるんだけど、私は元々持った手相は面白い手相をしているそうなんです。面白い事を考えつく性格なのに、今を表す手相はそうなっていないみたいな。育ってきた環境がそうさせるのか。好きで現実主義者になってる訳じゃないけど、結構悪ガキの集まった小学校で、上手く生きるために誰にも嫌われずに立ちまわってて、それが中学に入ったらマセすぎて周りとギャップがあって、大学入ったら、全部とっぱらって自分だけで生きていくようになったというか。
劇団子供鉅人「重力の光」
公演時期:2015/12/3~7(大阪)、2016/1/13~19(東京)。会場:天王寺 近鉄アート館(大阪)、下北沢駅前劇場(東京)。

チケット販売における公演特設サイトの果たすべき役割について

__ 
子供鉅人のサイトを作る時、どんな事に気を付けていますか?
ミネ 
いまだに迷いますけど、ファーストインパクトで伝わる作品の雰囲気のビジュアルと、お客さんがチケットを買うまでのたどり着き方を考えますね。ファーストビュー以降では何を探しているかというとスケジュールと金額と購入方法で、あらすじはとりあえず読まれないんですよね。なのでキャッチフレーズ的なものを抜粋して大きくしたり、イメージにしたりして。興味があればタイトルと会場さえ知れれば、観に来てくれるので、そこまでの流れと順序を考えます。
__ 
情報を出す構成をきちんと考え、そのうえで第一印象を演出する、極めて客観性の必要な作業なんですね。子供鉅人の特設サイトは、彼らの雰囲気が如実に表現出来ている、すばらしいお仕事だといつも思います。
ミネ 
でも、Webがオシャレ過ぎて近寄りがたいという人もいるんですって。私にはそれが分からないんですよ、オシャレに作っているつもりは無いので。演劇をやっている人は「『ちょいダサ』が良い」とよく言われます。ボスにも言われています。でも私には「ちょいダサ」が難しいんですよ。何をどうするのがいいのかわからないというか。
__ 
分かります。方向が難しいんですよね。ちなみに私にとって思い出深いのは「ツインテール」のサイト。全面がショッキングピンクでしたね。
ミネ 
自分が作る上で、いつも色から入るんですよ。ロゴもピンクだし、じゃあピンクでいこうか、と。子供鉅人は原色やなと思います。パステルカラーじゃない。演目によるんですけど。でもチラシからのイメージを取り入れてます。でも、私の子供鉅人のイメージはショッキングピンクですね。「真昼のジョージ」の色は群青色だから、それに合う色彩。「重力の光」はゴールド。
__ 
そうなんですね。
ミネ 
見た目重視ですね。目に留まる事をめっちゃ重視するんです。上から下にパーッと流れていって、そこで見つけてもらうためにタイトルをでかくしたり。色々考えてやっています。
__ 
そうして作ったサイトですが、ざっくり言って集客の手応えはありますか?
ミネ 
無いですね。それどころか、見やすいと褒めてくれるのは周囲だけなので。チラシを見て劇場に来た方はいますけど、Webだけを見て劇場に来た方っていないと思っています。Webは検索しないと引っかからないから。だから、誰かが誰かに伝える為の手段にしてもらえればと思います。誰かの口コミからリンクが回されて、面白そう、に繋がればいいなと思っています。
__ 
直接的な入り口という訳じゃないんですね。
ミネ 
公演の宣伝美術などのビジュアルが良かったから観に来るという訳じゃない。でもチラシが可愛くても公演の内容が良くなかったらガーンじゃないですか。例えばツインテールは、チラシが可愛くて公演も可愛かったから、良かったねとなった。どっちもが合わさってようやく、手応えと言えるんですよ。
__ 
特設サイトは集客における一つの要素であり、直接的な力や結果を伴うものではない。が、公演の顔としての役割はこれからも変わらず大きいでしょうね。サイト製作者のこだわりが強く出ているのであれば、なおさら。
ミネ 
観ようと思ってくれた人がWebをチェックしてみた結果、面白そうと思ってくれたら・・・と思って作っています。

子供鉅人の素敵な物販

__ 
子供鉅人に入ったキッカケって、何でしたっけ。
ミネ 
「たーおーれーるーぞー」を億なつきと見たのが最初です。元々私たちは大学の同級生で、面白い劇団があるからって誘われて。2人で「アッパーグラウンド」のオーディションを受けて、そこからの流れで。そこからモータプールに出演するまでは裏方で、バーニングスキンの時にこどちゃを設立しました。
__ 
ああ、バーニングスキンの物販は非常に良かっです。
ミネ 
それまでの子供鉅人の物販はDVDを並べるだけだったんですけど、アッパーグラウンドの時にボスに色々提言してたんです。元々グラフィックデザインをやってたから自分の台本とかも表紙を作ったりしてて、ボスが「何かそういうのをやってほしい」ってきて。当時はチケットノルマがあったんですが、私だけ物販ノルマになったんです。
__ 
凄いですね。
ミネ 
バーニングスキンの時は、まずあの黒幕で作ったコーナーを通らないと客席に行けないという作りになっていたので、みんなで色々工夫して1つの空間にしました。
__ 
芝居の物販って正直適当な作りが普通ですけど、あんなに作り込んで、もう一つの空間になっていて。何だかセレクトショップみたいにになってましたね。黒幕があんなにオシャレに生きるなんて。奥の方には顔出し写真があったりしてお茶目だし。
ミネ 
ありがとうございます。私だけじゃなくて、装飾とかは一緒にやってた衣装さんとか花香ちゃん、寛司くんとか。
__ 
今回の近鉄ホールもオシャレでしたね。子供の誕生日会みたいなイメージでしたね。ギャラリーがあって、大きな絵があって、くす玉とかもあって。
ミネ 
実はずっとジュンク堂でフェアをやっていて、その題材を配置したんですす。再利用ですね。結局、ロビーで開演を待っているお客さんに退屈してほしくないというのがあって。基本私は開演ギリギリになって劇場に来るんですけど、制作的には早く来て欲しいじゃないですか。もし早めに来てもらえたら、ある程度楽しんでおいてもらっておきたいですね。
__ 
そうですね。
ミネ 
待っている間にワクワクしてもらえたら。帰りも、ちょっと混雑している時にも。それと、もし出来たらいいなあと思うのは、よくファンクラブの会報で物販でのグッズが告知されるじゃないですか。すると早めに劇場に行って買ってしまおう、となるじゃないですか。そういう事が出来たらいいなあと。でも結局観劇後の熱でお客さんは買うから、難しいかもなあ。

これから

__ 
子供鉅人の移り変わりや、変わらない部分ってどんなところでしょう。
ミネ 
商業的にはなってきてるんじゃないかと思います。最初はワイワイやっていた部分もありますけど、もっと多くの人に見てもらえるように、もっと売れる為にはどうすればいいのかを考える傾向になってきている。その考えのレベルは以前よりもずっと高くなっていて。だから劇団としてのレベルは上がっていると思いますね。
__ 
変わらない部分、もしあれば。
ミネ 
結局みんな、子供鉅人という名だけあって、子供っぽい部分。その人の個性、良いところも悪いところも変わらない部分はありますね。
__ 
ありがとうございます。ちなみに、ミネユキさんの変わらない部分ってどこですか?
ミネ 
怒ったら無言になるところ。
__ 
ああ、何だか分かる気がする。
ミネ 
みんな子供っぽいんですけど、私はそれを見守る役回りなのかなと思ってます。にしては表情が子供っぽいというのはよく言われます。あと、嫌になったらその日の内に切り替えが出来ないところ。次の日になったら出来るんですけど。

楽しい事しか考えてない

__ 
演劇って、観に来てくれればその価値は絶対に分かってもらえると思うんですが、何ぶん観に来てもらわない事には・・・ですよね。でも、子供鉅人のPRは非常に押し出しが強い。チラシから飛び込んでくる特殊なイメージが、彼らのユニークさをすぐ理解させてくれる。ステロタイプなイメージがない。子供鉅人という異質な何者かが演劇をやっているのだ、みたいな。
ミネ 
そうですね。
__ 
異例だよなあ、と思う。そんな触れ込みが目に入ったら、知らずにはいられないんじゃないか。子供鉅人のイメージづくりについて、どう思われますか?
ミネ 
みんな楽しい事しか考えてないなあという思います。なんか、演劇だけど、お笑いの要素が絶対に必要とされるなあ、と。面白くて笑える部分がちょいちょい挟まれますね。それと体を張る要素があるんです。動きに関してはめちゃくちゃうるさいんですよ。
__ 
そうなんですよね、子供鉅人って色々とフリーなイメージあるんですけど、動きとか振付に関してはかなりこだわりますよね。例えば「真昼のジョージ」の時の、オープニングのダンス。凄まじいエンターテイメント性のある振付になっていて。
ミネ 
あれね、あれはめっちゃ良かったですよね。よく言われるのはキレの良さもだし、声量も。真昼のジョージは音楽も良かったし。

質問 鍵山 千尋さんから ミネユキさんへ

__ 
前回インタビューさせていただきました、立命館中学校の教諭であり、立命館中高演劇部の顧問、鍵山千尋さんです。ちなみに子供鉅人準団員の古野君の恩師でもあります。「演劇に関わって意識が変わった事はありますか?」
ミネ 
舞台を観に行く回数が増えて、観方も変わっていった事ですね。ストーリーもそうですけど、演出を見るのが好きで。魔法が掛かったようにシーンが変わっていったりだとか。子供鉅人の面白いところは、今回の「重力の光」では暗転は2回ありましたけど、あまり暗転は使わずにスムーズに変えるところがあって。「逐電」の時はやっててめっちゃ感動しました。

劇団員だけの作品「逐電100W・ロード100Mile」

__ 
逐電の話をしていなかった。そう、台湾公演もやったんですよね。
ミネ 
台湾のお客さんの感性は鋭かったですね、笑えるところで素直に笑ってくれる。セリフ字幕付きだったんですけど、笑うポイントでめちゃくちゃ受けてて。良かったです。国が違うからこそ、言葉じゃなくて表現力が大事だなと思いました。どんだけ大きく動くかとか。日本人くらいじゃないですか、ジェスチャーが小さいのって。
__ 
日本語は文字の比重が大きいですからね。それにしても、逐電は素晴らしい作品だと思います。また見たいです。とにかく流れるようなストーリー展開、サスペンスとしてもキキさんが演じる女が本当は誰なのか、とか、役者一人一人の練度も凄まじかった。
ミネ 
劇団員だけの公演だったのもあるかもしれないですね。あれはちゃんと、一つの作品として評価される出来だった。私たちの作品として言いやすい。
__ 
代表作と言ってもいいかもしれませんね。あの作品に関われた関係者が羨ましいです。
ミネ 
大阪から東京に引っ越してすぐの作品でしたからね。より一層、みんな思い出があると思います。劇団員だけという作品はほぼ初めてでした。

MYセルフプロデュース

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
ミネ 
もうちょっと、自分が自分を理解して提示出来る役柄につきたいと思います。
__ 
セルフプロデュースという事?自分を理解する。
ミネ 
ハマリ役みたいなのが見つかればいいな、と。あと、もうちょっと意識してやっていけてたらと思います。もっと、色んな人に自分を覚えてもらいたいなと思います。
__ 
え、ミネユキさんは一目見れば覚えると思いますけど。
ミネ 
いや、印象が薄いと思うんです。多分いま、誰よりも薄いので。もっとアクを出せるようにならないと。劇団員みんなに負けないように。東京に出てからみんなと一緒の時間が長くなって、クソガキ的なキャラクターが定まり始めて(自分でもビックリなんですけど)、そういう部分を役柄にも見つけていけたらと思います。子供鉅人のカワイイ代表を目指して。
__ 
おおっ。カワイイ代表。
ミネ 
はい。今はいないので。そこを奪われないように。

ハートのアップリケ

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持ってまいりました。
ミネ 
ありがとうございます。なんだなんだ。
__ 
大したものじゃないですよ。
ミネ 
(開ける)うわ。ありがとうございます。ふふ。名前が。
__ 
アップリケですね。
ミネ 
何かに付けます。

ブルーエゴナク「AGAIN/やりなおし」

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願いいたします。最近、穴迫さんはどんな感じでしょうか。
穴迫 
よろしくお願いします。はい、忙しいとは思います。10月・11月と本公演規模の公演を企画やお仕事でさせていただいて、いざ本当に本公演が始まるというときに疲れが見え始めてるような状況です(笑う)。
__ 
ありがとうございます。では、現在はAGAINの稽古中ですね。稽古はどんな状況ですか?
穴迫 
台本の完成度をはじめ、未確定な要素が多いまま始まってしまったので、個人的には結構しんどいです。俳優さんは楽しそうにやっていただいてますが、それを見ながら苦しい思いもあります
__ 
ご自身のやりたい事を模索中で、しかし、役者は今の段階での稽古で見つけた感触に興味を持っている。そんな感じですか?
穴迫 
あ、そうですそうです!俳優さんは新しい台本を稽古場に持っていくたびワクワクして読んでくれるんですが。でも僕は、新しい台本を出すたびにこれで合ってるのかとか、最悪これは絶対違うけど一旦俳優さんに読んでもらおう、という気持ちで持って行ったり、だとかそういうギャップがあります。それは過去の公演ではあまり無かったことですね。
ブルーエゴナク
2012年、福岡県北九州市にて旗揚げ。2013年1月に団体名から「劇団」を取り、現在の名称になる。同年5月、第五回公演「サヴァリーナトロメイド」では九州の二県三都市を巡る初めてのツアー公演を行い450人を動員した。2014年、第8回福岡演劇フェスティバルの公募枠作品として、「交互に光る動物」を西鉄ホールで発表。その後、枝光本町商店街アイアンシアターにて公演。2014年8月 初の関東圏での公演を開催日常と事件の狭間でただひたすらに生きることを諦めない作風が特徴。(公式サイトより)
ブルーエゴナク「AGAIN/やりなおし」
毎日会える人に毎日は会えない
こっから行って
あそこに帰る
毎日辿る すると定まる
定まらないことばかりを辿る
辿る前に まずその道に立つ
また同じ景色の中で待つ
誰かがくるまで何かをし
数えるまでもないやりなおし
again

会場:アトリエ劇研
日程:
2015年
12月25日(金) 19:00
12月26日(土) 15:00 / 19:00
12月27日(日) 11:00 / 15:00
チケット:
一般 2,500円
U-23 2,000円
(当日500円増し)
高校生以下 当前一律 1,000円 作・演出 穴迫信一 出演:
高山実花(モンブラン部) 高野桂子 田島宏人(演劇ユニットそめごころ) 脇内圭介(飛ぶ劇場) 平嶋恵璃香(ブルーエゴナク) 穴迫信一(ブルーエゴナク)

今までのやり方で、今まで作れなかった物を作りたい

__ 
「AGAIN」ですが、作品のアイデアの概要を改めて伺えればと存じます。どんな作品でしょうか?
穴迫 
やりなおし演劇と題している通り、「やりなおし」がテーマです。シーンを繰り返したりとか、そういう意味ではありません。
__ 
あ、リフレインという訳ではないのですね。
穴迫 
あ、そうです。ただ、構造として登場人物たちが、あるいは作品の一部分が「やりなおし」てる様子を示せるような仕掛けが出来ればと考えております。
__ 
面白そうですね、ゾワゾワしそうで。そうした発想になったのはどういう経緯があると思われますか?
穴迫 
「AGAIN/やりなおし」というタイトルをつけた時はもう半年近く前なのですが、その時は確か以前の作風に今の筆力をもって回帰しようと思ったのがきっかけだったと思います。前回、前々回と作風というか世界観のような物がグルグルと変化していきました。でもその前、とは言っても1年半ほど前ぐらいですが、その時期までは良くも悪くもエゴナクはこういう作品を作る団体、みたいなイメージがお客さんにも僕の中にも多分あって、その頃技術のなさであと一歩うまくいかなかったことをまた改めてやりたいと思ったんです。
__ 
なるほど。
穴迫 
仕掛けについては、まず45分とか短い上演時間で面白いものを作りたいねとドラマターグの坂田さんとお話してて、京都で試してみてもいいんじゃないか、となり、AGAIN20分やりなおし20分の二本立てとか面白いんじゃないか、などと話していました。詳しくは見てのお楽しみにしていただきたいのですがそういった事から仕掛けや構造について話しながら考えていきました。
__ 
今も、回帰したいと思っている?
穴迫 
そうですね、自分の中の新しいドアを開く、というよりは、今までのやり方で、今まで作れなかった物を作りたい、という思いではあります。
__ 
ありがとうございます。もし可能であれば、今回作るものを物品で例えていただけますでしょうか?例えば「卒業アルバム」みたいな。
穴迫 
なるほど
穴迫 
ハムスターの回し車・・・
__ 
素晴らしい。感傷的になってしまいそうな気がします。いかがでしょうか。
穴迫 
そうなんです、ウルトラハッピーな作品をいつも作りたいと思ってるのですが、どうしてそういう力に頼ってしまうんです、それは多分潜在的に僕がそういう部分も持っているんだとは思うのですが。

音楽

__ 
穴迫さんがお芝居を始めた経緯を教えて下さいますでしょうか。
穴迫 
演劇の入り口は、僕の世代は多いと思うのですがラーメンズやバナナマンですね。昔からお笑いが好きで、小学生の時は芸人になりたくて、中学のときはミュージシャンになりたくて、高校で演劇に出会って、音楽も笑いもやれるし演劇しようと思いました。
__ 
その時にご覧になった作品で、衝撃を受けたシーンは何かありますか?
穴迫 
ラーメンズの「マーチンとプーチン」ですね、パペットコントなのですが説明できない面白さにただただ感動しました。
__ 
ありがとうございます。では次の質問ですが、いつか、どんな作品が作れるようになりたいですか?
穴迫 
音楽的な面で今まで誰も作った事ない見た事ない作品がつくりたいですね。
穴迫 
全編歌であるとか、一定のリズムが流れ続けてるとか、何かしらそういう、音楽と演劇に新しい出会い方をさせたいとはいつも思っております。
__ 
なるほど、音楽。
穴迫 
その作品が、年齢場所言語を問わない作品になれば最高ですね。
穴迫 
そう考えるともうほぼ音楽のライブみたいになりそうですね。
__ 
例えばですが・・・見ている人の年齢に関わらず、音楽によって誰もが一つの状態になる、みたいな事でしょうか。
穴迫 
そうですね、5歳ぐらいの子でも聴きながら観ていればちゃんと楽しめるような。

「場」で行われる演劇

__ 
質問の方向を変えて、ブルーエゴナクの魅力を教えて下さい。
穴迫 
毎回作風は変わっていますが、冷静に人間を描こうと思っています。そのため不完全さとか未完成さも意識して作っています。(エゴナクの作品は)見終わった後にスッキリする作品はきっと少ないと思うのですが、作品とお客さんがその場限りの関係にならないようには意識しています。こう書くと難しいような気持ち悪いような作風かと思われそうですが、実際その要素はあります。ただ最近は、演劇は笑えないとダメだ、ぐらい吹っ切れてきて。必ず7~8割は笑えるように作ろうと考えています。結果的にきもちわる~くなることもありますが。
__ 
そういうのが見たい時はオススメですね。最後に、今後、どんな感じで攻めていかれますか?
穴迫 
これは本当に、活動拠点は北九州と京都です!と胸を張って言えるよう京都の皆様に定着していけるよう頑張りたいと思っています。あとは場所しっかり関係を持った作品作りを続けたいです。今年、商店街の道路、モノレールの車内、などで作品を作らせていただきました。そこでしか出来ない作品、どこでも出来る作品、両方作れるようになりたいし、しっかりその意識を持って今後の作品にも取り組みたいです。
__ 
ありがとうございました!

顧問の先生

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願い致します。立命館中高の教諭であり立命館中高演劇部の顧問、最近、鍵山先生はどんな感じでしょうか。
鍵山 
よろしくお願いします。最近は、クラブの活動により一層力を注いでいます。顧問になって13年になるのかな、実は私がこの学校にくるまでは演劇部が無かったので、出来てからずっと顧問なんです。おかげさまで、どんどん大きくなっていっています。何より部員の子達が熱意を注いでくれましたので、昨年、初めて全国に行けました。今年も行きたくて行きたくて。みんなで頑張っているところです。
__ 
近畿大会への出場も決まったんですよね、おめでとうございました。勝ち進めると良いですね。
鍵山 
今年は、まずは楽しく出来たらいいなと思っていたんですが、上に行けたので。欲が出てきました。
立命館中高演劇部
立命館中高には、元々演劇同好会が存在していましたが、2003年度に”部”に昇格し、現在の演劇部がスタートしました。発足当時は部員も少なく休部時代もありましたが、徐々に活発になり、現在は常に30人を超える大所帯になっています。2004年度から中学生の受け入れを本格的に開始し、中学の大会にも参加するようになりました。現在では、OB・OGも様々な場所で活躍するようになってきています。 中高一緒に仲良く活動しています!(公式サイトより)
第50回 近畿高等学校演劇研究大会
公演時期:2015/12/27(立命館中高演劇部の作品は14:10~)。会場:呉竹文化センター。

OBや関係者の心強さ

鍵山 
ウチの演劇部出身の子で今でも演劇を続けている子がたくさんいて。このサイトにもたくさん出てて。去年、京都学生演劇祭で優勝した劇団西一風の岡本くんも卒業生なんです。卒業生は、時々稽古を見に来てくれるんですよ。古野君とか。古野くん、頑張って欲しいなあ。そうそう、先週、オーストラリアに二週間研修の引率に行ったんです。その間、演劇部の顧問がいない状態になりそうだったんですよ。その間、近衛虚作くんが「高校生の面倒を見てみたい」と言ってくれて。二週間、べったりついてくれて、作品作りにつきあってくれたんです。帰ってきてから見たんですが、すごく面白くなってました。
__ 
ええ、彼なら。彼ならそういうシチュエーションで良いものを作れるでしょうね。
鍵山 
めっちゃありがたいです。生徒だけでも練習は出来るけど、不安な部分もあるので。他にも、私が先生になる前にお世話になった方にも色んな協力をしていただいているんです。実は私、中学の大会の事務局長をしていて、大会の審査員をお願いすることもあるんです。今年の秋は村上慎太郎くんと近衛くんにお願いしました。筒井さんや田中遊さんや橋本くんにお願いした事もあります。高校の方の審査員は、今年の地区大会は田辺剛さんやったし、府大会は高間響君。
__ 
直接的にせよ間接的にせよ、多くの方にお世話になっているんですね。
鍵山 
そういう繋がりがあるとアドバイスを頂けたりするんです。ありがたいですね。