DULL-COLORED POP vol.16「くろねこちゃんとベージュねこちゃん」

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今日はどうぞ、よろしくお願いします。最近、百花さんはどんな感じでしょうか。
百花 
最近は、二つの作品の稽古を同時に進めています。15 minutes madeで上演する「全肯定少女ゆめあ」と、「くろねこちゃんとベージュねこちゃん」ですね。
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どちらも拝見します。まず「ゆめあ」はどんなお話なんでしょうか。
百花 
ゆめあという小学校一年生の女の子が、世界を救えるのかみたいな話です。
__ 
魔法少女ものですね。
百花 
そうですね。15分にまとめるには尺が足りないと、今試行錯誤しています。
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楽しみです。そして、「くろねこちゃんとベージュねこちゃん」は再演ですね。全国各地で上演予定とか。
百花 
そうなんです。15 minutes madeの本番が終わった翌日に東京での公演の本番が始まるんですよ。
__ 
ヤバイですね。
百花 
えへへ。ダルカラはいつもこんな感じです。ヤクザみたいな。
__ 
百花さんは、自分たちDULL-COLORED POPの事をどんな風に捉えていますか?
百花 
うーん。大人になりきれない大人達、ですね。人間的にやっかいな人が集まっている気がします。みんな性格や気質が違うし、みんな一物を持っている人が集まっています。でも悪い人はいないです。だからやってこれたのかもしれません。
DULL-COLORED POP
2005年11月、明治大学文学部演劇学専攻および明治大学脱法サークル「騒動舎」を母体に、『東京都第七ゴミ処理施設場ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』で旗揚げ。主宰・谷賢一を中心にゆるやかにメンバーを入れ替えながら活動する演劇ユニット。重厚な悲劇からくだらないコメディ、ロック・ミュージカルや翻訳劇まで手掛け、演劇の可能性を隅々まで追求する欲張り劇団。人間性の最も暗くグロテスクな一面を、物語性に立脚したあくまでポップな言葉とスタイルで描きたい。(公式サイトより)
15 minutes made vol.13
公演時期:2015/8/19~25。会場:王子小劇場。
DULL-COLORED POP vol.16「くろねこちゃんとベージュねこちゃん」(再演)
【キャスト】
東谷英人 大原研二 塚越健一 中村梨那 堀奈津美 百花亜希(以上DULL-COLORED POP) 渡邊りょう(悪い芝居)ほか
【作・演出・美術】
谷賢一(DULL-COLORED POP)

【東京公演】
2015年8月26日~30日 @王子スタジオ1
【大阪公演】
2015年9月1日~2日@in→dependent theatre 2nd
【岡山公演】
2015年9月4日~6日@天神山文化プラザ、蔭凉寺

だから、知らない事ばっかり

__ 
百花さんがお芝居を始めたキッカケを教えてください。
百花 
私は学生演劇も何もやっていなくて、始めたのは大人になってからなんです。普通に働いていて、ある日突然、昔舞台を見た事を思い出したんです。そこに出ている女優さんに「いいなあ」って思ったんですが、それが大人になってからよみがえって。あの頃思ってた、役者みたいのを今からでもやれるかなと。そこで突然会社を辞めて、素人でも大丈夫みたいなオーディションを受けたんです。当時、それこそ演劇をやってる人なら誰でも知ってる鴻上さんの事とかも全く知らずに。
__ 
それは凄いですね。
百花 
知り合いの人が、鴻上さんは演劇界では知らない人のいない凄い人だと言ってて。それで受けてみたのがKOKAMI@networkで。
__ 
それから駆け足で来ましたね。DULL-COLORED POPまで。
百花 
ダルカラも入るとは思ってなかったですね。
__ 
でも、社会人から演劇を始めるどころか脱サラして演劇を始めるって、もはや理想的ですよね。
百花 
そうですかね。私の理想は子役から始まって、大学でも演劇を専攻して知識を深める、みたいなのが理想だったんですよ。経験も知識も身につけていく。私はもう、現場ばっかりで知らない事が多すぎて。
__ 
今でも、知らない事ばっかり?
百花 
はい。もっと若い頃からやってればとよく思うんです。でもそれを言ってもしょうがないので。

ねこちゃん達が来る

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「くろねこちゃんとベージュねこちゃん」。大阪では開演前に、お客さんを盛り上げるみたいなコーナーがありましたが、そこに難航していた印象があります(私だけかもしれませんが)。ただ、案外大阪のお客さんはそこは厳しい。うーん、当事者に何年も前の事を言っても、とは思うんですが・・・
百花 
いえいえ、全然。
__ 
大阪のお客さんは上手に乗せてあげないといけない。あるいは、押していくより引いていく方がいいのかもしれない。あの時のねこちゃん達は真面目にピエロを演じていたような気がするんです。笑いを取るとき、モーターショーで例えるなら車線からはみ出さないハンドリングをしていたんじゃないか。大阪でのそれは観客席に全力で突っ込むんですよ。いやこれは本当にそういう事をお客さんが望んでいるような気がする。
百花 
何となく伝わりました。それは技量のなさだったと思います。自分も、初演を思い出すとまだまだだったなと思います。その辺り、今回はまた初演よりはパワーアップしていきたいなと思います。
__ 
失敗していてもいいと思うんですよ。失敗を面白がれる余裕が大阪の観客席にはある。東京での失敗は、そのままスベる事を意味しているんじゃないかなあと思う。あくまで丁寧さを大切にする姿勢がある。
百花 
何となく分かります。今回は、頑張りたいですね。

誰に届く声

__ 
いま、興味がある事は何ですか?
百花 
うーん。声ですかね。俳優をやっていると、日常も舞台も地続きなところもあるんですよね。昔は分けて考えてたんですが、今は日常から色々影響を受けて、日常から舞台に持っていった方が良いところもあるなあと思うようになって。声についてだったら・・届く声を持ちたいです。
__ 
それは、誰に届く声の事でしょうか。
百花 
相手役にも、お客さんにも。小さい劇場ならともかく、大きな劇場だと奥のお客さんにまず届くのは声だと思うんです。そこに興味がある感じですね。

役づくりの底にあるもの

__ 
では、最近ご覧になった、うまい演技と凄い演技を教えてください。
百花 
正直言ってしまうと、あんまりうまいへたがわからないんです。ただ、自分がワクワクすると惹かれるなあと。具体的にはちょっと思い出せないですが・・・。あ、そうだ。稽古場で共演者がダメ出しを受けて、その演技が変わっていく様を見て「凄い」と思いました。
__ 
というと。
百花 
最初の演技が、演出家の指示を受けて、良くなっていく。いまは演出家の谷が稽古場にはいないこともあるので、お互いにダメ出しをする事が多いんですけど。
__ 
結局、一つに絞っていく事。大変な積み重ねですよね。百花さんがこれまでで一番苦労した役は?
百花 
『プルーフ/証明』という作品のキャサリンという役ですね。あれは戯曲がとても良かったんですが、天才数学者の役で。
__ 
自分と性格が違うとか?
百花 
そういう事ではなかったんですけど、気持ちのアップダウンが激しい役で。あと、自分の歴史にはない経験をしているので、その想像をたくさんしないといけないんですね。お話以前の段階を作るのに時間が掛かっちゃったなあと。
__ 
それがお客さんに届くには、一体どういう事をすればいいんですかね?
百花 
ねえ。まあ映画を見たりだとか、実際に近い事を体験したりだとか。ひたすら文字にしてたりもしてました。そうしていくと日常がどんどん歪んでいく感じがありましたね。中々、デジタルに出来ない人間なので。感覚に近いものを引っ張ってくるしかないんだと思います。
__ 
芝居を見ている時にしかない感想ってあると思うんですよ。触れている時にしかないもの。それは言葉にならない、意識に上らない層のやつ。一緒の空間にいて初めて発生する感覚。役作りは、そこに影響していくのかもなあと思います。
百花 
そうですね。

質問 中村 真利亜さんから 百花 亜希さんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた中村真利亜さんから質問をいただいてきております。「俳優を続ける上での習慣やルールはありますか?」
百花 
ちょっと違うかもしれないですけど、毎回の本番前に必ず、公演の関係者全員に握手しにいっています。スタッフさんも含めて握手して回っています。直前のタイミングで握手に行けない制作さんもいるんですけど、その場合は翌日、もっと早い時間帯を見繕って握手しに行きます。なるべく全員。毎ステやっています。

その役の意識の中にいる

__ 
いつか、どんな演技が出来るようになりたいですか?
百花 
オールマイティな俳優になりたいです。今回はねこちゃんですけど、人間かどうかとか老若男女関係なく。毎回いろんな役をやれたら嬉しいです。もちろんまだまだだとは思いますけど。
__ 
ありがとうございます。では、最近の演技を作る上での気づきを教えてください。
百花 
気づき。うーん。普段見逃している事にこそ焦点を合わせること。
__ 
というと。
百花 
普通生きていると、例えば何かに気づいてもそれはあやふやになっていくんですけど、でもお芝居をする上ではそれについて意識を向けて考えて・・がすごく大事だったりもすると思います。例えばいまこういう風に話をしていても、私のことで何を考えているんだろう、みたいな。「こいつ俳優のくせにそれらしい事言ってないな」とか思ってるかもしれない、みたいな。日常的な会話じゃないからそういう風な思考が勝手にわいてくるんですけど、自分がこういう状態になるということに自覚的になる、みたいなのが俳優の仕事なのかと思っています。自分がどういう状態なのかを意識して俯瞰で捉えるのが。
__ 
自分の意識がどういう状況にあるのか、自覚的になるという事ですね。
百花 
お芝居だと、台本に書かれている台詞を相手に向かって喋るだけなんですけど、本当はそういう事だけじゃないのかもしれない。そう思うんです。本番中は、演じている役の旅に乗っかる感じですね。あとはお客さんの状態を見たり。人によっては全然違う事を考えたりが出来るみたいですが、私の場合はそんな感じです。

人間を演じる

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
百花 
ええと、あんまり攻め派ではないんですけど・・・DULL COLORED-POPが来年休止しちゃうんですよ。逆に言うと新しい現場に行けるという事なんで、色々といい現場に携わりたいです。いい出会いもあるだろうし。今まで行った事のないところのオーディションを受けたり。そういう意味では攻めるという事になるかもしれないですね。
__ 
ありがとうございます。では、いつか、一緒にお仕事をしたい人や劇団はありますか?
百花 
いつか永井愛さんとお仕事がしたいです。お話を聞く限りでは、作品の作り方が私のやりたい事に近いみたいで。結局、人間を演じる事に興味があるんですね。

ヘアバンド

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。
百花 
ありがとうございます。開けていいですか?
__ 
もちろんです。大したものじゃないですが。
百花 
(開ける)あ、可愛らしい。ありがとうございます。


How are you ?

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願い申し上げます。最近、中村さんはどんな感じでしょうか。
中村 
よろしくお願いします。どんな感じ、っていうのは?
__ 
How are youですね。例えば、いまどんな気分ですか。
中村 
最近は忙しいですけど、だいぶ楽しいですね。
__ 
羨ましいです。たとえば、いま中村さんが関わっておられるATWAS(アトワズ)みたいに、チームでやる活動だとか。そういう集団活動が人間の幸せを決める重大な要素だと思うんですけど・・・仲間と一緒に仕事を出来ているというのは羨ましいです。
中村 
そうですね、恵まれていますね。一人でいる時間は好きですか?
__ 
うーん。好きですね。あんまり良い事じゃないとは思うですが。
中村 
ふうん。いいと思いますけどね。私は一人でいるのが、凄く苦手だったんですけど。
__ 
そんなに苦手だったんですか。
中村 
本当に苦手でした。どうにかして誰かといる時間を作ろうとしていました。最近は一人で過ごすのも楽しいんですけど。
__ 
そうなんですね。一人焼肉は出来ますか?
中村 
出来ます出来ます。
__ 
一人ディズニーランドは?
中村 
一人ディズニーランドは、出来ないかも。一人旅も出来ない。
__ 
一人映画は・・・
中村 
一人映画は出来る。
TAKE IT EASY!
女優4人の神戸の演劇ユニット。(公式twitterより)
ATWAS
夜の闇を光と音で彩るアーティストチーム「ATWAS(アトワズ)」は不確定メンバーで構成され、企画ごとにその関わるアーティストの持ち味を最大限に活かした作品を披露。映像・音響・舞台美術・彫刻・衣装・身体表現などボーダーレスに絡み合い、静かな闇に、幻想的な世界を作り出します。(公式サイトより)

「こんなの初めて見た」!

__ 
中村さんはこの夏、関西三箇所で上演されるATWASのウォータープロジェクションのパフォーマンスに出演されるんですよね。私は先日、大阪・万博記念公園でのプレスリリース上演を拝見しましたが、大変面白かったです。短いのに、ちゃんと演劇してましたね。
中村 
私は演劇でしかアプローチできないので。私以外の3人はHIPHOPのダンサーさんなんですよ。振付もそのダンサーの方で、私は演劇っぽい部分を担当しました。
__ 
立体的な映像と連動した「その場走り」とかね。
中村 
あ、そうそう。物語っぽい振付とか。
__ 
抽象的なパフォーマンスでしたが、パフォーマー達は明らかに物語を背負っていて。映像も相まって素晴らしいドライブ感がありました。
中村 
そうですね、そのうえ時間が短いのでどうとでも取れるみたいな。
__ 
その塩梅がとても上品でした。お疲れ様でした。反応はいかがでしたか。
中村 
とても良かったですね。お客さんもたくさんいらして、盛り上がってました。子供のお客さんは水が掛かって楽しかったみたいです。大人の方が「こんなの初めて見た」と仰ってくれるのが新鮮で良かったです。
__ 
私は、実は昨日鴨川でのウォータープロジェクションマッピングを拝見したんですが、やっぱり人がもの凄く多くて。でも反応が良かったんですよ。人混みの中、拍手が起きてました。
ATWASのウォータープロジェクション
京の七夕 2015
「One day」
8月3日(月)~10日(月)
上映時間:19:30~21:30
場所:京の七夕 鴨川会場
京都市鴨川沿い

・イルミナイト万博 ー夕涼みー 2015
『「Splash Light」Performance』
8月8日(土)・9日(日)・15日(土)・16日(日)
上演開始時間:19:30~・20:00~・20:30~・20:50~(5分程度の作品)
場所:万博記念公園 太陽の広場 特設会場
(太陽の塔前)
太陽の塔を背景に、水のスクリーンを使った光のLIVEパフォーマンス。
3人のダンサーさんと一緒に、出演します。
出演 中村真利亜 KAYO LENNA 新納耶々
振付 KAYO
衣装 大野知英
音楽 water fai 「YYTV」 豊田奈千甫
映像 吉光清隆
音響 松尾謙
美術 友井隆之 小林治夫
プロデューサー 木村寿行(TSP太陽株式会社)

平城京天平祭・夏 2015
「天平五色の彩り」
8月28日(金)・29日(土)・30日(日)
上映時間:19:15~21:00
場所:奈良 平城宮跡

霧の光景から、あの日が浮かんでくる

__ 
さて、中村さんがATWASのプロジェクトに関わり始めた経緯を教えて頂けないでしょうか。
中村 
私は特に映像やダンスに関わっている訳ではなく、普通にお芝居をしているんです。TAKE IT EASY!という。
__ 
そうですね。
中村 
でもこのところ、映像・造形・衣裳、他にも色々なスタッフの方との出会いが重なって。面白い事が出来る予感がしていたんです。そこでこうした活動を始めました。しばらくしたら自分たちに名前がない事に気がついて、そろそろ名付けたほうがいいんじゃないかという事になって。「ATWAS」と名づけました。
__ 
ATWAS。基本的には演劇に来られるお客さんとは全然別の客層が来るという印象です。というのも、鴨川の会場では見れなかったお客さんが結構文句言ってたりして・・・
中村 
そうですね。劇場に来られる方は、初めての場合でも何となく静かにしてくれるんですが。野外でも「肩車やフラッシュ撮影はおやめください」とアナウンスしているんですけど・・・。見たいという気持ちの表れで、嬉しいんですが。
__ 
野外でのパフォーマンスなんて、偶然出会ったらそれはもう嬉しいでしょう。興奮するでしょう。
中村 
そうですね。遠くからお客さんが走って来られますね。何やってるの!?って。
__ 
終わる前に駆けつけたいですよね。集客力は凄いと思います。
中村 
でもあのパフォーマンス、前から見ないと意味がないんですよ。横からだと全然見えなくて。横からご覧になったお客さんが、「何か光ってるなあ」で満足してしまうのが・・・もう一歩、プロジェクターの真正面に入ってくれれば立体的に見えるのに。
__ 
プロジェクションマッピングとはそこが違いますよね。お客さんには、どう感じて貰えたら理想ですか?
中村 
一応、私達の中ではこういうストーリーで流れを作ってパフォーマンスしているんですけど、とは言っても、お客さんがそれぞれ自分の過去とか大事にしている思いを重ねあわせて見てくださると思うんです。そういう事を思い起こされながら観ていただくと嬉しいです。
__ 
具体的じゃないからこそ、短いからこそ、そうした効果が出ているような気はします。

動く砂像と真利亜さん

__ 
今年は、ATWASの他にはどのような活動をされる予定でしょうか。
中村 
10月に、大野知英ちゃんと一緒に京都のあるお寺で動く砂像を出します。
__ 
そうなんですね!砂像、ずっと気になってたんですよ。どんな感触がするのか全然想像出来なくて。柔らかいのか硬いのか。
中村 
おばちゃんとか、容赦なく触ってきますよ。
__ 
子供とかも触ってきそうですね。
中村 
子供はちょっと怖いみたい。
__ 
ああ、ちょっと迫力を感じるのかもしれませんね。
中村 
でも、楽しい音楽が流れて「一緒に踊ろうよ!」って誘いにいくと仲良くなれるんです。一緒に踊ってくれます。盛り上がりますよ。皆で手をつないで、大きな輪を作って。
__ 
それは想像しただけで面白そうですね。しかし、どういう流れでそれを作る事になったんでしょうか。
中村 
知英ちゃんは鳥取出身で、都会に憧れて田舎を出て仕事をしてきたけれど、振り返ってみたら「鳥取めっちゃいいやん」と。人も優しいし、自然もいいし。衣装家として、鳥取のいいところをアピールする何かが出来ないか。例えば鳥取砂丘をモチーフにした衣裳を作って、楽しんでもらう。
__ 
そこから砂像が生まれたんですね。鳥取砂丘の写真を見ると、やっぱりキレイですよね。それをモチーフにした砂像、とても見たいです。
中村 
砂像の中にも色んなキャラクターがいて。らっきょうの精とか、砂の精とか、悲しい伝説を持つ蛇の精とか、雨乞いのお祭り、しゃんしゃん祭の精とかもいるんです。奇跡みたいなんですけど、パフォーマンス中、クライマックスのシーンになると雪が降ってくるんですよ。なんか、持ってるんじゃないですかね。何かを呼ぶ力を。
__ 
ええっ!?雪が降るんですか。それは、仕掛けではなく?
中村 
そう、演出みたいに。真冬のイベントなんですけど、雪が降るんです。
__ 
そ、それは持ってますね・・・。凄すぎます。いつか拝見します。
中村 
ぜひ。

質問 大野 知英さんから 中村 真利亜さんへ

__ 
前回インタビューさせていただきました大野さんから質問を頂いてきております。「長い髪を短くするとしたら、それはどんなタイミングですか?」
中村 
髪の短い役が来た時です。
__ 
今は長いですよね。でも、髪の短い役が来たら切ってしまう?
中村 
まあ、来なかったら切らないですけどね。何かもっと面白い事言ったほうがいいのかな。
__ 
髪を切るとですね、絶対急所である頭部周辺の体温調整が変わりますよね。つまりホメオスタシス全体に影響のある事ですので、気分を切り替えたい時に髪を切るというのは理に適っていると思います。中村さんは、今まで一番短くしたのはどんな時なんですか?
中村 
高校の時、やりたい役が男の人の役だったんです。その時はめっちゃ短かったですよ。ベリーショートで、女子トイレに入ったらびっくりされていました。
__ 
今は、いつから伸ばしているんですか?
中村 
これがね、結構切ってるんですよ。2、3ヶ月に一回切っています。整えるために。

苦手としてきた役も

__ 
いつか、こんな演技が出来るようになりたい、などはありますか?
中村 
そうですね。どうやったって自分になってしまうというか。例えば軽やかな人物は出来ないし。でも、もともと持っている自分と全然違う人が出来るようにはなりたいです。
__ 
それは、性格的にですか?男性は何度も演じてきてますもんね。
中村 
性格的に、あんまり弱々しい人とかは・・・。出来ん事もないですけど、もうちょっと何とかなるやろうと。他の人がやったらもっと、と思ったりします。無い物ねだりだと思いますけど。でも、何かを積み重ねていく事で、「そういうふうに」感じさせたり出来たりするのかもしれない。
__ 
何かを積み重ねる。
中村 
もっと漠然とした話、得意分野ばかりじゃなくて、苦手な役どころとかもさらりと出来るようになると素敵だなと思うんです。
__ 
とても難しいですね。
中村 
とても難しいですね。こうしたことは言葉にするのも難しいですね。

一期一会の・・・

__ 
今、興味のある事や分野はありますか?
中村 
基本的にはめっちゃお芝居をしたいんです。でも、今はお芝居というアプローチなんですけど、光だったり造形物だったり映像だったり衣裳だったり動きだったり、色んなジャンルで面白い事をする人達が集まってきたので、もうちょっときちんとしたい。いま、全部が実験みたいな感じなんですよね。どうしたらお客さんに安定したものを安心して観てもらえるかなと思っています。これまでは役者の事だけやってたんですけど。
__ 
ええ。
中村 
制作じゃないですけど、お客さんの立場に立って今やっている事を考え直してみたいです。
__ 
ATWASには演出がいないと伺ったんですが、それで今までどうやって上演しているのかと思うんですよ。でもプレスリリース上演を拝見して納得しました。今の体制は素敵だと思います。色んな分野の野心的な人が集まって、お客さんも含めた一期一会が実現するんですね。総指揮や演出家という役割がもしいたとしたら、時として邪魔になる事もあるのかなと思います。
中村 
そうですね。それはメンバーも何となくそう感じていると思います。
__ 
でも、ATWASの良さを、どんな会場であっても最大限に引き出すための努力という事なんですね。
中村 
はい。パフォーマンスそのものの質を上げるのは常に必要なんですけど、それ以外の条件のところは毎回違うし、要求も難しくなってくるから。今の現場は間にイベント会社の方が仕切ったりしてくださるんですが、いつもそうとは限らないので。

いつか!

__ 
中村さんがお芝居を始めたのはいつぐらいからなんでしょうか。
中村 
小学校の頃には演劇部でした。間違って入ってしまったんです。高校の頃は劇団に入っていました。
__ 
あ、そうなんですね。TAKE IT EASY!が高校の頃からだと一方的に思っていたので、高校から始めたんだと思っていました。
中村 
あ、高校の頃は、黒木陽子ちゃんと一緒にお芝居していました。普通に色んなオーディションを受けて、一緒にお芝居を作っていましたよ。同い年で、同じ地域で。夏休みとかに陽子ちゃんの学校に遊びに行ったりしていました。
__ 
え・・・そうなんですね。唐突に人間関係が。私は、黒木さんとは同じ劇団衛星なんですよ。
中村 
そうなんです。震災の時とか、テクイジのメンバーと陽子ちゃんと一緒にお芝居を作りましたよ。
__ 
あ、そうなんですね。知らなかったです。今度聞いてみます。そして、テクイジの次回公演を心待ちにしています。
中村 
それがね、いまのところ何も無いんですよね・・・。
__ 
いつか、楽しみにしています!

相手を輝かせる演技?

__ 
最近の、演技を作る上での気付きは何かありますか?
中村 
新しく何かを気付いたというよりは、結局相手を輝かせる演技が一番、自分をよく見せる方法なのかなと思うんです。ちょっと優等生みたいな答えなんですけど。
__ 
相手を輝かせる。
中村 
そうですね。自分が自分がじゃなくて、こういう言い方でセリフを言う事で、相手役の気持ちが強く出るだとか、ちょっと後ろに下がる事で前の人に光が当たって、場面が見せやすくなったりとか。相手役の人が良くなる状況を作る事で、必然的に私も良く見える。お互いがそれをやるのがベストなのじゃないかな、って。
__ 
役者の間の調整による、良さの追求。一つのシーンに、もの凄くたくさんの、大小様々なボタンがあると。その掛け合わせを意識的に選択し、繋ぎ合わせる。少し違うだけで全然違う。
中村 
ほんのちょっとの事ですけど、別に一つずれていても服は着れるんですけど。でも意思を持ってずらしているのと、ずれてしまっているのとでは全然違うというか。
__ 
確かに、少しズレたら全然違う。今回のウォータープロジェクションみたいですね。
中村 
ウォータープロジェクションは霧や風の加減によって、見えなかったらそれはそれで面白いものだとと割り切っています。でも役者の場合は・・・
__ 
稽古によって完璧に、いつも同じ世界を提供出来る。
中村 
そうですね。役者が二人以上の場合は、自分のちょっとした蛇足にならない程度の思いやりで、相手が素敵に見える事が作品に還元して、作品が素敵に見えるんじゃないかと思っています。それが大事なんだろうなあ、と思います。
__ 
去年の浮遊許可証の「君はあかつきの星」で、中村さんと上原日呂さんとのシーンがあったじゃないですか。最後の方で。あれはとても良いシーンでした。上原さんがとても良かったです。それは、中村さんの心配りとかそういうものがあったのかもしれませんね。
中村 
いえいえ、あの作品はみなさんが良かったんですよ。

湖に浮かぶ霧

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
中村 
お芝居は今後も続けていきたいと思っています。一方、ATWASも色んなところに展開出来ると思うんです。ウォーターアートプロジェクションは、色んなところで上演出来ると思うんです。夏フェスとかに呼んでもらいたいなあと。
__ 
それは楽しいですよね。昼にウォータープロジェクション、出来ませんかね。
中村 
そうですね、映像ナシなら出来ると思いますけど。
__ 
夜の幻想感は凄いですよね。関西のみならず、色んなところであのファンタジーが上演されたら凄いですよね。
中村 
湖とか池の真ん中でやってみたいですね。池をお持ちの方は是非。
__ 
淀川とか、琵琶湖とかに船を浮かべて。
中村 
火とか使いたいですね。

古風なぬりえ

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持ってまいりました。
中村 
あら。いいんですか。
__ 
もちろんです。大したものじゃないんですが。
中村 
何だろう(開ける)。あら可愛い。舞妓さんのぬりえだ。今はぬりえが流行ってるんですよ。
__ 
あ、そうなんですか。こういうのがお好きなのかなと思って古道具屋で買ってきました。
中村 
もったいないから塗るかどうか分からないですが。
__ 
それと、水に浮かべて絵が写るスタンプみたいな奴です。何十年も昔のものだから、使えるかどうか分からないですけど。
中村 
坂本見花ちゃんもこういう、レトロな雑貨が好きなんです。自慢してから使います。ありがとうございました。