質問 中村こず恵さんから 渡邉 裕史さんへ

__ 
前回インタビューさせていただきました、中村こず恵さんから質問を頂いてきております。「制作で一番楽しいのはどんな時ですか?」
渡邉 
一番は、本番でお客様が作品を楽しんでいただけているのを肌で感じる時ですね。どの部署もそういう面はあると思いますけど、制作はお客様と接する機会も多いですし、お客様の様子を近くで見れるので、肌で感じますね。嬉しいにも近いかもしれませんが。

初めてづくし

渡邉 
僕ら3人が共演するというのも初めてですし、3人全員、木之瀬くんの演出を受けるのが初めてで。最初の稽古はまず、「みんなで話す」というのがメインでした。3人全員の雰囲気や関係性を、演出としても探りたいというのがあったと思います。
__ 
ほうほう。
渡邉 
本当に色々な話をしましたね。色んなお題で、お互いの経験や考え方を話したり。これが作品にどう反映されるのか楽しみですね。
__ 
チラシに書いてある、「懐かしくも新しい価値観」というのが、このトリオから生まれていくというのがとても楽しみです。
渡邉 
こういう作り方が初めてなので新鮮ですね。シーンの断片を積み重ねて、俯瞰で見た時にこういうものだというものを呈示したいと言われました。面白いなと思いますね。
__ 
最後に、夏の風景が描き出されると言うか。夏というのは本当に色々なイメージに溢れていますね。
渡邉 
そうですね。それに夏という言葉からだけでは出てこない、兄弟や家族というテーマもあります。
__ 
グラフィティですね。グラフィティが情景を作り、情景がグラフィティを作る。精神的な情緒が人を新しい行動に駆り立てると言うか。

役者の「面白さ」とは何か

__ 
合田さん、井上さんはどうですか。
渡邉 
二人とも面白いです。本当に。僕自身も話しやすくて、稽古場では話が途切れることがありません。僕と合田くんが同い年なんですよね。井上さんはまだ学生なので、世代が離れてるから分からない話題とかも出しちゃったりしてるのですが、僕と合田くんがめちゃくちゃなことをしてもそれを受け止めたお芝居をされますね。すごく丁寧な人だなという印象があります。合田くんは、彼の作品だけでなく、役者をしている姿も前から面白いと思っていました。彼のセンスは稽古場でも常に研ぎ澄まされているんです。そこにちゃんと食らいついていきたいなと思います。脚本家さんですし、出てくる言葉のチョイスとかはさすがだなと思います。ママママでこの二人と共演させてもらって、この二人が面白いから見に来てほしいと思えますね。
__ 
最初にこの座組を見た時、エース合田、サイドキック渡邉、ヒロイン井上向日葵、みたいな感じかと思いました。
渡邉 
シーンによっては役所が違うので、合田くんも井上さんも、みんなエースになりうるんですよ。断片的なシーンが多いので、3人ともにそういう感じはありますね。
__ 
今の稽古の課題は何ですか。
渡邉 
今はまだ、作品をひとつにまとめる前の段階で、記憶の断片であるとか、エチュードであるとか、作品を構成するもの出し切りながら、どう一つの作品に昇華させていくか、各々がどう共存しうる世界を作っていけるかが課題かなと思います。

制作の立ち位置について

__ 
今演劇の活動について考えていることは何ですか?
渡邉 
今、僕は制作として自分ができることは何だろうと考えることが多いですね。ありがたいことに、色々な制作のお話をいただくこともありますし、劇団員として所属はしていないですが、ソノノチの劇団制作もやらせてもらっています。でも演劇を始めた頃は自分が制作をやりたいと思っていたわけではなくて。制作をするというのは1ミリも想像していなかったですね。大学では演劇部にいたわけでもなく、陸上部に入りましたし。演劇を始めた頃は、制作の役割の必要性自体もよく知らなかったんです。でもご縁があって、大学を卒業してから、KAIKAという場所でお仕事をする事になって。
__ 
ええ。京都の四条烏丸のスペースですね。
渡邉 
KAIKAでの自主企画や公演、ワークショップなどの企画の立案や運営を通して、自然と制作的なお仕事をするようになって。先輩方を見ながら、そして自分でもやりながら「これが制作の仕事なんだ」と認識が少しずつ持てるようになりました。7年KAIKAにはいたのですが、2016年9月でKAIKAを離れてフリーになりました。
__ 
そこにはどのような経緯があったのでしょうか。
渡邉 
30代目前になって、今後、演劇活動を続けていくにあたって、また下の世代も増えてきている中で、もう少し自分の見識を増やしたり、自分のできることを増やしたいと思うようになりました。ここにいてやれることも沢山あったと思うのですが、このままでいいと思うのは良くないなと。
__ 
というのは。
渡邉 
ぼくが大学4年生とか大学出たての頃は、30歳くらいの方々を、一つ人生の指標みたいに見ているところがあったんですよ。そして自分が30歳目前になって、若い方と関わる機会もちょこちょこあって、今までと違った経験もしていかないと、と思っていました。そしてKAIKAを離れてから、外部制作の仕事をお願いされる機会が増えたんですが、改めて、制作者の絶対数自体が少ない事に気付いたんです。
__ 
ああ、確かに、制作者に「この世にたくさんいる」というイメージはありませんね。みんな辞めていくのかな。
渡邉 
もしかしたら、制作という仕事を下の世代に伝えきれていないから、なのかもしれません。僕自身、外部制作の仕事について、やりながら知らなかった領域がたくさんある事に気付きました。劇場制作と外部制作、そして劇団制作は全然やることが違うんです。
__ 
そうですね。
渡邉 
さしあたって、自分より下の世代に制作者は少ないなという印象があります。でも色々なカンパニーさんや代表の方とかは、制作を探している人がすごく多い。
__ 
供給が少ないんですね。
渡邉 
どうしたら制作をやる人が増えていけるのか、やりたい人がどうすれば食えるようになるか、制作の仕事を伝える機会をどうすれば増やせるのか、それを下の世代に向けてどうやって伝えていくべきなのかを考えています。30歳になって、改めてそういうことを思うようになってきました。先輩制作の方々も、きっとそういうこと思っていたのかなとも思ってます。継続して制作をやる人が増えないと劇団も活動を続けていられないので。一人でやれることには限界があるので、例えば制作会社を立ち上げている方もいらっしゃいますし。
__ 
一人でやる事には限界がある。
渡邉 
地味な仕事、下支えの部分が多いので。そしてそれだけが制作の仕事だと思われていることもあったり。でも、そこだけじゃないと思っています。
__ 
事務や各種手続きに加え、時には普通の会社における、営業の役割もしますしね。
渡邉 
本来は分業である仕事をまとめてやってる感覚なんですよね。仕事の守備範囲が広いと言うか。普通の会社で考えたら、なかなかスペシャル人材なんじゃないかと思ったりもしてます。ただ僕の場合は、一人だけで仕事を受けないようにもしています。誰かと一緒にお願いしてやっていただくことも多いですね。単純に、一人だとさばける量に限界がありますし、チームでやるべき仕事も多いし、それからミーティングをした方がいいこともあるので。
__ 
では、制作の仕事の醍醐味って何でしょうね。
渡邉 
企画段階から関われている時に、全体を見える位置にいることですかね。企画段階から関わっていると、関係者やお客様と直接やりとりする機会も多いですし、全体進行のスケジュールを意識するのもありますから、そうやって企画全体を見るんだと思うのですけど。それとやっぱり本番当日ですね。お客様に観ていただいて、作品は成立しますし。あと、人それぞれに得意なことを生かして、関われたらいいなと思っています。チラシを作ったり、撒いたりするのが得意な人もいるし、全体のスケジュール管理をするのが向いている人もいれば苦手な人もいるし。全部含めて制作なので、なるべくそれを複数のチームで分担する、みたいに理想的なことができないんだろうかと思ったりはします。
__ 
そして、話し合うことが大事ですね。
渡邉 
そうですね、一人で考えるよりも複数人で話す方がいいものが生まれてくることが多いです。それだけ、僕が自分のことをパーフェクトだと思っていないからかもしれません。

ママママ③『AUGUST』

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。制作者の渡邉裕史さんにお話を伺います。最近、渡邉さんはどんな感じでしょうか。
渡邉 
よろしくお願いします。去年の今頃はアトリエ劇研のクローズ前の公演を多く担当していた時期で、公演業務が多くて、よく劇場にも稽古場にも通った印象だったのですが、今年は比較的落ち着いていて、現場続きという形にはならずに活動できているのかなと。そう思っていたのですが、結局6月ぐらいからなんだか現場続きになっていますね。
__ 
ありがとうございます。次のママママ「AUGUST」では久しぶりに役者ですね。
渡邉 
最初にご連絡を頂いた時に、「この期間の日程はご予定どうですか?」と聞かれて。制作の依頼だと思っていたので大丈夫ですと答えたのですが、「役者のオファーなのですが」と言われてびっくりして。役者としてオファーを受けたのは2016年のてんこもり堂さん以来です。役者自体、ここ2年では劇団しようよの日替わりゲストに一回だけ出たぐらいでした。
__ 
それも、気鋭のママママに。
渡邉 
思わず、「僕でいいんですか」と聞きました(笑)。主宰の木之瀬くん曰く、井上向日葵さんは役者ですけど、彼女のように役者でやっている人以外にもオファーしたかったと。合田くんも、自身のアイデンティティーは劇作家ですしね。
__ 
異色の取り合わせですよね。なんて面白いキャスティングなんだ。
渡邉 
お芝居の中身も楽しんでもらえるよう、ちゃんと頑張らないな、という気持ちです。
ママママ③『AUGUST』
忘れてたこと、思い出せるかな。

#ママママ的夏フェス
#上演は7月

[作]志村耕太朗
[演出]木之瀬雅貴
[出演]井上向日葵、合田団地(努力クラブ)、渡邉裕史

[日時]
2018年 7月
27日(金)19:30
28日(土)14:00/18:00
29日(日)14:00
30日(月)14:00
※受付開始・開場開演の30分前。
※車椅子でのご来場は、事前にご連絡ください。
※上演時間は約80分を予定しています。

[会場]
KAIKA
京都市下京区岩戸山町440番地江村ビル2F
http://www.fringe-tp.net/kaika_access.html

[料金]
一般 2800円
25歳以下 1800円
高校生 500円
中学生以下 無料
(日時指定/全席自由)
※未就学児の入場はご遠慮ください。
※25歳以下、高校生以下のお客様は当日受付にて、学生証または年齢のわかる書類をご提示ください。
【チケット取り扱い】
カルテットオンライン
https://www.quartet-online.net/ticket/august2018
予約受付中!

《Get it! AUGUST》
6月上旬より京都市内中心に配布予定の本公演チラシ(B3ポスターサイズ)をGETすると…
なんと通常価格より300円OFF!!
配布情報はママママSNS/Webにて随時お知らせ致します!
1.本公演のチラシをGet itしよう!
2.公演当日、受付でLet’s提示!
3.各種料金からもれなく300円OFF!!
(例:一般2800円→2500円)

[スタッフ]
舞台監督:北方こだち
照明:吉津果美
音響:辻村実央
フライヤーデザイン:坂本俊太
イラストレーション:江田陽子
制作:金井美希
制作助手:大塚侑子
協力:努力クラブ、ソノノチ
共催:NPO法人 フリンジシアタープロジェクト
主催:ママママ

suppoted by KAIKA


[お問い合わせ]
mmmm.conte@gmail.com

夏に

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願い致します。中村こず恵さんは最近、どんな感じでしょうか。
中村 
よろしくお願いします。最近は、夏にロームシアターでやるユリイカ百貨店のお芝居の練習をしています。
__ 
8月の14日・15日の「STAR BOX PRESENT!」ですね。
中村 
今回も色々な役者さんが出るので、バラエティ溢れる感じで、濃いです。初共演の方が多いんですけど、いま既に面白いです。
__ 
去年までは劇場ツアー形式でしたが、お子さんが非常に楽しまれていますよね。もうみんな、はしゃいでて。
中村 
去年までは人数の都合上、予約制だったんですが、今回はサウスホールなので定員は一応700人くらいかと。
__ 
これまでのユリイカの劇場ツアーは一回の公演で30~50人が定員でしたからね。
中村 
稽古がまだ始まったばっかりで、全貌はまだ私にもわからないんですが、面白くなりそうです。45分間のそんなに長くない上演時間なので、お子さん連れでも見やすいと思います。事前に舞台美術家の柴田隆弘さんが子供たちと一緒に舞台のセットの一部を作るというワークショップがあって。それも使いつつ、パーティーみたいな感じかもしれません。
__ 
パーティー。
中村 
たみおさんは、お客さんと一緒に盛り上がれる、ライブ感を大事にしたいと言っていました。
__ 
きっとこういう空間になるんだろうなあ、みたいなのが、頭の中に浮かんできました。それもきっと全部裏切られると思うんですけど。ユリイカ百貨店だから。
プレイ!シアター in Summer 2018 ユリイカ百貨店の「STAR BOX PRESENT!」
プレイ!シアター恒例のユリイカ百貨店による劇場案内が、こんどは45分間のお芝居になって帰ってきます。おなじみのかわいい姉妹の案内人“シアター・アテンダント”や楽しい仲間たちがたくさん登場!

今回のテーマは“プレゼント”。大好きなあの人にプレゼントを贈る素敵な瞬間をみんなでつくろう!舞台づくりのプロと一緒にプレゼントをつくる事前ワークショップもあります。

8/14(火)13:00-13:45 16:00-16:45
8/15(水)10:00-10:45 14:00-14:45

会場/ロームシアター京都 サウスホール
<無料・申込不要・全席自由・年齢制限なし>

【Staff】
演出助手/入江拓郎、蘭智咲
美術/ 村山早咲
美術監修・ワークショップ講師/柴田隆弘
音楽/gapuda、ウミネコ楽団
振り付け/大熊隆太郎(壱劇屋)、宇野愛生
衣装部 /エスモードジャポン 京都校
http://www.esmodjapon.co.jp
(中筋眞基、與儀亘、長江舞美、カンラスニカネリー、島村泰生)

お手伝いさん /たみー、ニシムラヨシコ、北川雄子
制作/植村純子、西井桃子、ロームシアター京都管理課(小倉由佳子、松本花音)
舞台技術/ロームシアター京都舞台技術課

【Cast】
アテンダント姉妹 /山岡美穂、松田ちはる
レディプレゼント/中村こず恵
ミスタープレゼント/ボブ・マーサム
オッディ/高阪 勝之
ボーイ /まえかつと(コトリ会議)
ガール/菊地原幸歩
シンガープレゼント/inori
ダンサー/宇野愛生、野田まどか
ギラギラケモノ/杉本昂太
星くん voice act/ほのか
プレゼントチルドレン /りいこ 他3名
ウミネコ楽団


質問 井上向日葵さんから 中村 こず恵さんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた、京都造形大在学中の井上向日葵さんからです。
中村 
ああ、向日葵ちゃん。共演したことがあります。
__ 
「昔と今ではどんな変化がありますか?」まあつまりそれは、お子さんを持ってから、役者としてどう変わったのかみたいなことだと思うんですが。
中村 
うーん。夜の稽古に気軽に行けなくなった。
__ 
ああ、そうですよね。
中村 
気持ちの面での変化?内面的にそれほど変わっていない気がするけどどうなのかなあ。昔は本当に、芝居のことしかしてなかったけど、今は他にも色々やってるので、色々と考えないといけなくなったことが増えたという感じ。ただ、お芝居に関してはそんなに変わっていないと思う。
__ 
変わっていないというのは素晴らしいですね。
中村 
変わってるのかもしれないですけど。どうなんですかね。

質問 中野守さんから 中村 こず恵さんへ

__ 
前々回インタビューさせていただいた、中野守さんから質問を頂いてきております。「自分の家族に演劇活動を認めてもらうためのコツはありますか?」
中村 
うちは最初から認めてもらってました。そうですね、父も昔から、今もですけど、バンドをやっていて。祖父もプロのアコーディオン弾きだったんです。私は中学から演劇をやってるんですけど、普通に見に来てくれていました。大学の時はやめてたんですけど、4回生から再開して。就職もせず演劇をやるわ、となった時に両親は、「元気でいてくれるなら何でもいいよ」と言ってくれました。夫も、女の人は好きなことをしたらいいよ、と。割と、理解してくれる人に恵まれているので、全然参考にならないかも。環境に恵まれてて。
__ 
それは人徳が呼び込んでいるんだな。
中村 
いえいえ。

世界の広さ

__ 
人と付き合う時のコツを教えてください。というのは、私はあまり人付き合いが得意ではなくて。中村こず恵さんはすごく上手そうなイメージがあるので。
中村 
いや、すごく人見知りだし。でも、おばさんになってきてだんだんその辺が図々しくなってます。もじもじした感じがなくなってきてますね、昔と比べたら。
__ 
それは、親になったから?
中村 
そんなこともないと思いますけどね、何だろう。なんでしょうね?「こんな事を言ったらどう思われるだろう」って身構えたりとかの気を遣う感じじゃなくて、ただ本当に自然体で喋れるようになったのかな。
__ 
自分には難しそうだなあ。
中村 
子供ができると、自分一人で生活している時よりも、色々な人と関わらないといけなくなるので、そういう意味では人付き合いのやり方がちょっとずつ良くなっていくのかもしれない。
__ 
子供ができると、閉じなくなるんですね。多分井上向日葵さんが聞きたかったのは、「子供が生まれたら」、「役者として」、何か変化するものがあるのか、みたいなことだったのかもしれない。
中村 
ああ・・・うーん。結婚して子供が生まれて、他のいろいろな仕事をするようになったりすると、やっぱり友人知人の数がだいぶ増えたんですよ。演劇だけをやっていた頃に比べて。新しい世界が増えたので。すごく刺激が多くて。昔よりもものの考え方や世界や人脈が広がったと思います。色々な別の考え方ができるようになったのかなと。そうなると割と、力を抜いて色々な考え方をしながらお芝居ができるようになったのかなと思います。

今まで

__ 
演劇を始めた頃に影響を受けた作品はありますか?
中村 
えー?覚えてないですね。でも、昔の映画はすごく衝撃でしたね。「月曜日のユカ」とか、「黒い十人の女」、「ツィゴイネルワイゼン」とか。すごくかっこ良くてモダンで。そういうのを見たときは衝撃を受けましたね。
__ 
お芝居を始めようと思ったのは何時ぐらいからですか?
中村 
小学校の高学年ぐらいかな、学校の授業で劇をやったりするじゃないですか。それで何か面白いなと思って。で、中学に入ったら演劇部に入って。高校も、強い演劇部のある高校を受験して。
__ 
素晴らしい。
中村 
高校の時は放送・演劇部という珍しい部で、放送部と演劇と、一年の内に半分ずつやる制度だったんです。朗読部門とかアナウンス部門とかあるんですけど、その成績の方が良かったです。放送コンテストで全国大会に行きました。

きっと

__ 
ところで、今の悩みは何ですか?
中村 
あんまり悩んではいないんですけど、やっぱり子供がいると、全国ツアーをするような作品にはなかなかやりたいと言えない。その辺りは仕方ないんですけど、募集があっても稽古時間や日程を見て諦めることが割と多いので。そういう時は残念だなあと思います。悩みじゃないですけどね。残念だなと思ってます。仕方ないですけどね。
__ 
なんとかできる方法は・・・難しいですね。
中村 
でも昔に比べて、子供がいながらでも製作をする人はきっと多くなってると思うんですよ。私たちの世代からだと思いますけど。上の世代は、女優さんは特に、結婚して子供ができたら演劇をやめた世代だと思うんですけど。私たちの世代ぐらいからそうなっていってるんじゃないかな。昔よりかはそういう環境も増えてるのかなと思います。この間の飛び道具の現場も、稽古場に子供を連れて行っていました。演出の大石さんのお子さんと遊んだり。
__ 
良い方向に変わってきてると思うんですよね。
中村 
どっぷり演劇だけ、というわけにはいかないですし、それは仕方ないと思ってるので、でも自分の生活と演劇を、いい感じに両立していければいいなと思っています。

__ 
役者・中村こず恵さんのイメージ。私にとっては、優しそうな人なのにどこか不穏な感じなんですよね。普通の人のはずなのに、なぜか関わった人が道を踏み外していくような感じ。
中村 
あー。
__ 
それが、例えばユリイカ百貨店とかに出演するようになると、そういうイメージが完全に消えましたけど。
中村 
ユリイカで求められてきたのは、少女性だったりとか、可愛い・可笑しいだったりなので。もちろん、それだけではありませんが。ニットキャップとか烏丸とかでは、ちょっとずれた人間ばっかりを描いていくので。
__ 
どっちの中村こず恵さんも好きです。
中村 
ありがとうございます。

これからも

__ 
今までにやった役の中で一番難しかったのは何ですか?
中村 
正直者の会に出させてもらった時、激しいセリフの応酬があって、一つでも間違うと台無しになるのがめっちゃ難しかったです。3人か4人が、電話でだんだんと話をつなげていくみたいな。一言でもミスったら繋がらないみたいな、その緊張感はすごかった。
__ 
「愛玩動物」でしたっけ。
中村 
「ルールとマナー」ですね。細かいお話がたくさん繋がる話でした。
__ 
めちゃくちゃ面白かったです。「ルールとマナー」は。
中村 
やってるほうも面白かったんですけど、難しかったです。役づくりが難しいというよりも、単純に技術として難しい。役者の先輩方にオファーを頂いて出演したのが初めてだったので、とにかく緊張が半端なかったです。
__ 
今晩DVDで確認します。どこでミスったか。
中村 
やめてください。
__ 
これまで、いろんな中村こず恵さんを見せていただいてありがとうございます。確かに、変わってない、みたいな印象がありますね。
中村 
20代の時は、もちろん色々悩んで。本当にお芝居だけでやっていくのかとか(みんなが悩むポイントですけど)悩んだし。今はそんなことはないので、自分も楽しく、お客さんも楽しんでいただける作品を作るだけなので。割とすっきりしてきましたね。
__ 
ありがとうございます。また舞台で拝見したいと思います。
中村 
はい。これまでにやったことのないものにも、どんどんチャレンジしてみたいと思います。

スイカのスリッパ

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。どうぞ。
中村 
ありがとうございます(開ける)スリッパ?
__ 
スイカにもかかわらずモコモコのスリッパという、矛盾に満ちた感じが気になって。
中村 
もうちょっと涼しくなってきたら使います。ありがとうございます。
__ 
夏の気分を忘れないで使っていただきたいです。

ママママ③『AUGUST』

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。最近、井上向日葵さんはどんな感じでしょうか。
井上 
よろしくお願いします。最近は7月のママママの稽古と、12月の卒業制作公演の稽古で忙しいです。
__ 
ママママは7月の公演、「AUGUST」ですね。稽古は今、どんな感じでしょうか。
井上 
今は結構、エチュードを中心に進んでいっています。すごく頭を使う毎日です。もちろん使いすぎても良くないので、そこが難しいですね。合田さんと渡邊さんとは今回はじめましてなのですが、色んなお話をして打ち解けることができたので、安心して稽古に臨めています。お二人に世代の話をされるとついていけなくなったりするんですけど、そのギャップが今回の面白いところの一つだと思います。
__ 
この座組は本当に面白いですね。渡邊さんも久しぶりに役者ですからね。異色中の異色キャストだと思います。コント公演ということで、今回の作品のメインはやっぱり笑いなんでしょうか。
井上 
それも難しいところで、コントってそもそも何だろう、と。
__ 
というと。
井上 
この間のエチュードをしていて、全員がすごく爆笑したシーンがあったんですね。その瞬間にはたしかにコント感があったんですけど、木之瀬さんが考えているのは、それとはちょっと違うのかなあとか。
__ 
木之瀬さんの演出されるコント作品。確かに、笑いそのものが着地点ではないんですよね。もちろん最終的にはコントなんだけど、そのコントで無ければ見えなかった意識や感覚が明らかにある。演劇演出は、情景を通して外界に現象させるものだ、ということがとても良く分かる例なんじゃないでしょうか。
井上 
そうですね。これからどんな作品に仕上がっていくのか、楽しみです。
ママママ③『AUGUST』
忘れてたこと、思い出せるかな。

#ママママ的夏フェス
#上演は7月

[作]志村耕太朗
[演出]木之瀬雅貴
[出演]井上向日葵、合田団地(努力クラブ)、渡邉裕史

[日時]
2018年 7月
27日(金)19:30
28日(土)14:00/18:00
29日(日)14:00
30日(月)14:00
※受付開始・開場開演の30分前。
※車椅子でのご来場は、事前にご連絡ください。
※上演時間は約80分を予定しています。

[会場]
KAIKA
京都市下京区岩戸山町440番地江村ビル2F
http://www.fringe-tp.net/kaika_access.html

[料金]
一般 2800円
25歳以下 1800円
高校生 500円
中学生以下 無料
(日時指定/全席自由)
※未就学児の入場はご遠慮ください。
※25歳以下、高校生以下のお客様は当日受付にて、学生証または年齢のわかる書類をご提示ください。
【チケット取り扱い】
カルテットオンライン
https://www.quartet-online.net/ticket/august2018
予約受付中!

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6月上旬より京都市内中心に配布予定の本公演チラシ(B3ポスターサイズ)をGETすると…
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1.本公演のチラシをGet itしよう!
2.公演当日、受付でLet’s提示!
3.各種料金からもれなく300円OFF!!
(例:一般2800円→2500円)

[スタッフ]
舞台監督:北方こだち
照明:吉津果美
音響:辻村実央
フライヤーデザイン:坂本俊太
イラストレーション:江田陽子
制作:金井美希
制作助手:大塚侑子
協力:努力クラブ、ソノノチ
共催:NPO法人 フリンジシアタープロジェクト
主催:ママママ

suppoted by KAIKA


[お問い合わせ]
mmmm.conte@gmail.com

触れてしまう

__ 
最近演出について、ちょっと考えることがあって。例えば会話劇を舞台の上で上演した時に、観客の意識の中で起きている「その会話劇」の世界を浮き上がらせる具体的な手段を演出だ、と定義する事が出来るのかな、と思っていて。で、その手段は一切合切、自由なんですよね。それは素晴らしい事であり、ちょっと恐ろしい事でもある。お客さんの脳裏に描き出されるものをどうとでも出来るわけだから。ママママの前回公演「二の次」は、そういうところを意識していたんじゃないかなと思っています。意欲的な公演だったと思います。
井上 
今回、稽古中に木之瀬さんのお話を聞いていて、木之瀬さんは、今回の作品でつくり出したいものとか、そのものとお客さんの関係性まで、明確に考えているんだなあと感じています。夏ならではのこととか、夏と聞いて思い出すようなことは人によって違うと思うんですけど、自分がしまい込んでいる記憶みたいなものに自然と触れてしまうみたいな、そういう作品になるような気がしています。

存在と方向

__ 
ママママの今の悩みどころを教えてください。
井上 
「二の次」の時もそうだったと思うんですけど、今回も今のところ、断片的なシーンがいくつかありまして。そのシーンによって役が変わっていくので、瞬時にどう演じ分けるか。断片のその前後は想像するしかないので、それが難しいですね
__ 
高度に作られている作品の場合は、どんなに場面がハイペースで切り替わっていてもついていけると思うんですよ。細部に悩みながら作っているということは、その努力が積み上げとなるから、やっぱりいいものになると思うんですけどね。
井上 
そうですね。やっぱりそこは、最後まで手を抜かずにやりたいなと思います。共演者のお二人とは歳が一回り離れているので、積み重ねてきたものの違いを日々見せつけられています。演劇としても人生としても。そこの差についていくのが必死というか。合田さんは存在感がすごいし、どんな場面でも一瞬で空気を作り出すんです。渡邊さんには知識の多さとか頭の回転の速さに驚かされます。そんな中でどうやって自分らしさを出していくかということに悩んでいます。
__ 
既に存在感は出してると思いますけどね。楽しみです。

勢いについて(1)

__ 
木之瀬さんのやっていたマサチューセッツという団体が、非常に面白くて。コント公演だったんですけど、観客席が全員ずっと笑っていました。
井上 
実は、12月の卒制なんですが、コントをする予定なんですよ。こちらはもう、逆に笑いしか考えていないという。とにかくお客さんを笑わせて、元気になってもらいたいんです。
__ 
おお、そうなんですね。
井上 
はい。でも稽古をしていて、笑いを一から生み出すことがいかに大変かを痛感しています。だからお客さんをずっと笑わせていたというのは、正直とてもかっこいいなと思います。
__ 
見てて鳥肌が立ちましたね。短いコントだけをずっとやってるんですけど。勢いがすごかったんですね。勢いという、演出できない部分があって。
井上 
勢い。そうですよね。
__ 
勢いとは何か。元気の良さ、だろうか。
井上 
勢いって、一人だけじゃ出せないものだと思います。座組み一同の信頼関係があって初めて生まれると言うか。
__ 
その信頼が、どこに向いてるかというのも大事なのかもしれませんね。その企画がどれだけ価値があるのかとか。

質問 中野 守から 井上 向日葵さんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた、中野劇団の中野守さんから質問を頂いてきております。「ご家族に演劇活動を認めてもらうためのコツはありますか?」
井上 
うちの家族は結構応援してくれていて、だから答えになるかわかりませんが。私自身、演劇を始めたのが大学からなんです。それまではずっと吹奏楽をやっていたんですけど、いろいろあって高校3年生の時に突然、役者になりたいと両親に伝えました。普通に進学するつもりでいたので、なぜ突然役者なのかって両親も驚いたと思うんですけど。今では公演をほとんど観に来てくれていますし、この間出演した東京の公演も京都から観にきてくれました。コツというか、やっぱり、自分なりに本気で演劇をやったというのが一番なのかな。大学から演技を始めるのは正直遅いと思っていたから、とにかくやれることは全部やろうと決めていました。ダンス公演にも挑戦したり、ことあるごとに演劇を観に行ったり。だんだん学外の公演などにも出演する機会が増えて来て、自然と、役者への本気度が家族にも伝わっているのかなと思います。

東京に!

__ 
江古田のガールズ「極楽」。東京公演でしたね。フットワーク軽いですね。どういう経緯だったんですか?
井上 
友達きっかけで江古田のガールズを知って、そしたらオーディションを開催するという情報が入って。今年中に一度は東京で舞台に立ちたいと思っていたこともあって、12月の公演を観に行ってみたんです。衝撃を受けました。とにかく面白かったんですよ。絶対にオーディションを受けようと。これまでほとんど京都の演劇しか知らなかったから、私にとっては東京での第一歩だったんですが、それがこの作品で良かったなと思います。
__ 
素晴らしい。
井上 
そこに集まった人が良くてですね。良い人すぎて甘えてしまった部分もたくさんあるんですけど、また、どの方とも共演したいなと思える経験でした。
__ 
まだ拝見してないんですよ。
井上 
江古田のガールズは娯楽を目指していて、あんまり難しい内容とかではなく、頭を空っぽにして楽しめるんです。稽古とかをしてても、本当に馬鹿だなぁと思うような事を全力でやるんですよ。でもそれがかっこいいし、なにより観ていて元気になります。