質問 高木 貴久恵さんから 衣笠 友裕さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂いた、高木貴久恵さんから質問を頂いてきております。「一番古い記憶を教えて下さい」。
衣笠 
家族旅行で温泉に行った帰り道、転んでペロペロキャンディーを割った事ですね。家の近くまで着いて、歩いていたらこけちゃって。持っていたペロペロキャンディーが全部粉々になったんです。袋から出して間もないのに、全く手を付けてなかったのに。めっちゃ悲しくなっちゃって物凄い泣きました。でも家に帰った後に、母が一個一個洗ってくれて、パズルみたいに一個一個をお皿に並べてはいって渡してくれたんですよね。
__ 
ええっ。
衣笠 
その時、嬉しかったんですけど、ちょっと・・・自分が割ってしまった事でここまで手間を掛けさせてしまった事に悲しくなってしまって。そういう感情で、喜びたいけど喜べないみたいな状態で一つ一つをポリポリ食べたのが一番古い記憶です。
__ 
その、御母上の行動は教育そのものですね。だって、飴は粉々になってしまったけれども、手間を掛ければ戻す事が出来る。とは言っても、完全な元の飴ではない。そういう重大な事を伝えられた教育だったと思うんですよ。最初の記憶になるぐらい。
衣笠 
しかし、そこに僕は罪悪感を覚えてしまったんですよ。
__ 
お母上は、その引け目に気付いてましたよ。
衣笠 
あ、そうなんですかね。
__ 
飴を一つずつ口に運ぶ時、微妙な表情をしていたでしょう。びっくりするぐらい泣き始めた息子と、粉々になった飴、復元してみせたけれども、今度は複雑な表情になってしまって。それはお母上の心に、どのような思いを生じさせたのでしょうか。
衣笠 
何かちょっと、おかんとしても、悲しいじゃないけど、キュッとなる感情があったんじゃないかという気がします。別に新しいのを買えばいいかもしれんし、しょうがないよと諭したらいいかもしれんし、もっと簡単に終わった話かもしれんし。多分、電車の中でずっと大事に持ってたと思うんですよ僕は。帰り道、家の近くになるまで袋を開けなかったぐらい大事に。それが、母親にとっては、僕が大事にしている事が分かったと思うんですね。あともうちょっとで家なのに割れちゃったという事に対して、ちょっと悲しくなったのかなと。
__ 
旅行の帰りのお土産を大事に扱っていた。これは息子の、家族に対する裏表のない愛情表現であると母上は取ったでしょうね。だからこそ、新しい飴を買うという案は旅行の思い出を帳消しにしてしまいかねない。家に着くまでに待ちきれずに封を開けてしまった・・・パンドラの箱ですよね。
衣笠 
そうですね(笑う)
__ 
その悲しさに対して、何かをせずにはいられなかった。すっぱり諦めるという選択肢もあったが、でもあえて修復してあげる事を選んだ。そういう教育を選び取り、息子に見せた。もしかしたら、その時点で息子への放任教育は始まっていたのかもしれない。そうでなければ「自衛隊ええんちゃう」とか言わずに内部進学に行ってくれと言うはず。放任とはつまり、自由と責任という事ですね。
衣笠 
そういえば母は僕のわがままに対しては厳しく、反面、大切なものが失くしたり取られたりしたらすぐに直したり替りを持ってきてくれたんですよ。新しいものを欲しがってもダメって言うんですが。なんか、僕が大切にしているものを同じように大切に扱ってくれたと思います。

タグ: めっちゃ泣いた・号泣した SeizeTheDay 罪悪感 温泉の話題


明日、出会うその日までには

__ 
これから、表現を始められる人たちに何か一言。
衣笠 
俳優って、自分が役に入り込んで演技をする分、それを見る人に対して嘘を付いているんですよね。その事を忘れないでほしいと思っています。「おれは俳優だぞ」って偉そうにするんじゃなくて、俳優自身は謙虚にいなくちゃいけないんじゃないかなと思います。自分が仕事をしている上で常に嘘を付いているという自覚を常に持っていたら、楽しんで嘘を付いていいと思うんです。
__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
衣笠 
やっぱり大学と違って、ものすごい厳しい世界に飛び込もうとしているんですよね。そんなにすぐには売れないですし。1年、5年、もしかしたら10年と物凄い貧乏な時期になると思って。どれだけチャンスを取りに行けるかと思っています。待ってても仕事は来ないので、自分から攻めていかないといけないので。
__ 
そうですね。
衣笠 
大学だったら3・4回になったら自分で監督が出来るしキャスティングもされるんですが、そんなに甘い世界ではないので。大学に来た頃の「この映画に出たる!」っていう勢いがあったんですが、そういう初心を思い出して。でも焦りすぎず攻めて行けたらいいなと思っています。
__ 
ありがとうございます。これからも、関係性を大事にしていってください。
衣笠 
そうですね。向こうの事務所の方にお会いした時も「この世界は出会いが全て」って仰られて。どれだけの人に出会って、どれだけの人に気に入ってもらえるかと。
__ 
リアルな話、「気に入って下さい!」って攻めて来られたら引きますので、遊びというか空白というか、そういう余裕が結構重要だと・・・何でもそうなんですけどね。

タグ: 色んなものを吸収 オーディション キャスティングについて 外の世界と繋がる いつか一緒に


フォトアルバム

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今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持ってまいりました。
衣笠 
ありがとうございます。
__ 
どうぞ。
衣笠 
(開ける)これは・・・
__ 
アルバムです。立てられるようになっています。卒業記念という事で。
衣笠 
嬉しいです。使います!

タグ: プレゼント(インテリア系) プレゼント(文具系)


村川拓也×和田ながら×punto

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今日はどうぞ、宜しくお願いいたします。最近、高木さんはどんな感じでしょうか。
高木 
よろしくお願い致します。最近は、3月末の公演の稽古の日々です。
__ 
「村川拓也×和田ながら×punto」、高木さんは和田さんの作品、「肩甲骨と鎖骨」に出演されるんですよね。和田さんの作品を過去何度か拝見しましたが、非常にコンセプチュアル・抽象的で、なにより物語自体が存在しない。そして今回の「肩甲骨と鎖骨」。どんな作品になりそうでしょうか。
高木 
現時点で3分の2程度は通せる状態にあるんですが、まだまだ分からないですね。ここからどんなことになるのか。予想がつかないです。
村川拓也×和田ながら×punto
公演時期:2015/3/27~29。会場:punto。上演作品:『終わり』演出:村川拓也 出演:倉田翠、松尾恵美/『肩甲骨と鎖骨』演出:和田ながら 出演:穐月萌、高木貴久恵、田辺泰信 料金:一般:1,500円/高校生以下:無料 ※要予約

タグ: コンセプチュアルな作品 肩甲骨と鎖骨


「肩甲骨と鎖骨」と日々の流れ去ること

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「肩甲骨と鎖骨」、ジョルジュ・ペレックの作品が下敷きにあるそうですね。記録の羅列に興味があると和田さんは仰っていました。それが作品を見る上でのヒントになるのでしょうか。
高木 
一つのキーワードに「記憶」があって。ペレックは著書の中でずっと自分の昔の記憶を書いていたりするんです。稽古場でも、出演者が自分の記憶をひたすら言葉にするというワークを行っています。それは個人的に大切な思い出とかではなく、日々の生活の中で憶えていられないような、忘れていってしまうだろう記憶を思い起こし続ける行為なんです。
__ 
忘れそうなぐらいの記憶を残す。
高木 
でもそれは声になって消えてしまう。ペレックは本に残しましたけど。それを舞台でやる事で何かペレックとは別の見え方が生まれるんじゃないかと思っています。
__ 
そのワークは、ご自身としてどんな体験でしょうか?
高木 
私自身はそれほど自分の記憶には執着してない気がしていて。でもこのワークをしてると、ふとした瞬間、今この状況をせめてあと3日間は憶えていよう、みたいに日々の時間を大事に捉えるようになりました。

タグ: アーティストの生活 泡のように消えない記憶


コップに触る

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この間の「ドメスティック・サイエンス」の時もしたための作品に出演されていましたね。高木さんが朝の身支度や家事を鬼のように繰り返すというパフォーマンスでしが。とても面白かったです。反復が快感になっていくのがとても伝わりました。
高木 
あのシーン、やる事としてはシンプルで。朝起きてから家を出るまで自分が触るもの全てを言葉にするというものでした。その中で、例えばコップに触る、という事について、どこまで自分が貪欲になれるか、というか。コップに初めて触る子供のように、全ての事に初体験であるように。それを凄く大事にしていました。普段当たり前にやっている事を、もう一度フレッシュに体験出来るか、それを心がけて。
__ 
和田さんは物語を作るよりも、印象に残る俳優の身体を作る事に重点を置いているそうですね。どんな姿勢で臨みたいと思われますか。
高木 
あんまり気負わずに。。前回もご一緒させて頂いてるので、そこはもう信頼して。ながらさんが見てみたいもの、私がみてみたいもの、お互い一緒に発見が出来るような形にしていければといいなと思います。
ドメスティックサイエンス
公演時期:2015/1/10~11。会場:元・立誠小学校。

タグ: 例えばこのコップ 反復の生むもの


あれから

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高木さんがいま、ダンスをされている経緯を教えて頂ければと存じます。
高木 
ちゃんと始めたのは大学生の時です。造形芸大に入ってからコンテンポラリーダンスに出会って、作品を見たり授業を受けたりしていて。それでdotsの公演に出てみませんかと誘われて、最初は軽い気持ちだったんですけど。それが今に至ります。
__ 
dotsの代表、桑折さんの印象はどうでしたか。
高木 
私自身、大学に入る前からメディア・アートや現代美術が凄く好きで。桑折さんとは、そういうものを面白いと思う感覚が近いなと思いました。すでにこんな風にカッコイイ舞台を作っちゃっている人がいるんだ、って。
__ 
dotsは「カカメ」という、伝説的な公演がありましたよね。とても見たかったです。
高木 
いえいえ、ありがとうございます。ご覧頂きたかったです。
__ 
今は、どんな風にダンスと関わっているんですか?
高木 
最近は色んな振付家や演出家の作品に出演させて頂く事が多いですね。そろそろまた自分の作品を創りたいと思っています。
__ 
とても楽しみです。是非とも参りたいと思います。
dots
京都を活動拠点に作品制作を行っているパフォーミング・アート・ユニット。2001年、桑折現を中心に京都造形芸術大学映像・舞台芸術学科一期生が集まり結成され、「空間」「映像」「身体」をキーワードに活動開始。2005年より桑折現を中心にプロジェクト単位でメンバーを構成し、作品制作・発表を行っている。(公式サイトより)

タグ: その人に出会ってしまった


それを探している

__ 
去年は淡水の公演にも出演されていましたね。あの時のソロの緊張感がすごく良かったんです。
高木 
ありがとうございます。あそこでやった事自体は即興なんですよね。私以外のパートは群舞だったので、異質感を出せたらいいなと。シュッてナイフを切り込むようなモチベーションで毎回臨んでました。
__ 
切り込むというのは、それはもしかして、目の前にパフォーマンスがあったとしても見てくれない人、へのアプローチという事でしょうか?
高木 
ああ。。。
__ 
「生理的に」「受け付けない」人とか、もしくは見すぎて鈍感になっている人。
高木 
直接のお答えになるかどうか分からないんですけど、私は、自分の身体を手放せたらと思うんです。
__ 
と言うと?
高木 
私はあんまり、こう見せたいというのは無くて。その瞬間、なるようになる事を受け止めて手放すみたいな事なんです。そうすると自分から自分が離れていくような。そこに自分の見たいダンスが隠れているんじゃないかなと思うんです。そもそも自分の中にダンスがあるとは思えなくて、私自身が出会いたいんですね。それを探しているんですけど・・・ただ探す事に没頭すると自我が消えていくのかなって。すいません、ちょっと観念的ですよね。
__ 
いえいえ。振り付けというのがまずあって、それをやろうとする時に管理して運用しようとする。それをあえて手放すようにしたいという事でしょうか。
高木 
そうですね。振り付けは決められているんですけど、そこに自分で隙を作るというか。毎回初めてに出会いたいんです。これはダンサーでも役者でも思ってると思うんですけど。知っている事に、新しく出会いにいく。それはやっていて楽しいし、お客さんにも伝わったらいいなって思います。それが瑞々しいという事に繋がってくるんじゃないかなと思います。
__ 
読書で言う、未読領域を進んでいく同時性なのかなと思うんですよね。そこに立ち会う事が出来る。やり飽きるとかそういうんじゃなくて。まあ、個人的にはそういうのは男性本能の中の開拓精神が見えてくるような気がしている。それはおいといて、瑞々しさの生まれる瞬間に立ち会うのはすごく難しいですよね。
高木 
難しいですよね。でも、そういうものになりたいですよね。
__ 
それには色々なアプローチがあって、そのアプローチをイチから作るのが前衛の仕事と言えるんだろうし。テーマを探すのはもちろんとしても。
高木 
そうですね。

タグ: それを揺らしてはいけない 瑞々しい感覚 前衛は手法から作る人々を指す


質問 松永 渚さんから 高木 貴久恵さんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた、松永渚さんから質問を頂いてきております。「自分だけの、毎日必ずしている習慣はありますか?」
高木 
結構している人はいるかもしれませんけど、お風呂の中で読書。一時間ぐらい入るんですけど、ゆっくり浸かってその日の疲れを全部取るようにしています。
__ 
最近印象に残ったのは?
高木 
あ、それこそペレックを読んでいます。それと、志村ふくみさんのエッセイを最近読んで。日本語が美しくて素敵な本でした。

手放す、探す

__ 
瑞々しいという事は、ある特定のダンサーが非常に輝いている時であると。つまり価値を持っている瞬間なんじゃないかと思う。わりかしヘビーな質問です。ある振付があったとして、それに固執する。しかしそれが全体に良くない影響を与える場合もある。だから全体の構成、編集がある。
高木 
ええ。
__ 
ダンスに出演される時はどのような姿勢で全体の構成や編集に臨むべきだと思われますか?
高木 
人の作品に出演する時はあまり自分のこだわりは持たないようにしています。それこそ、手放すというか。そうして新しいものを探すというか。それが、クリエーションの面白さだと思いますね。
__ 
なるほど。
高木 
自分の作品を作る時は、結構話し合います。こうしたら面白くなるかもしれないというものを、一緒に色々試していくという事をしますね。
__ 
何をやるか、という事を話し合う。
高木 
そういう風にしてきたと思います。

タグ: 人を引き出す振付 瑞々しい感覚


いつか瑞々しく

__ 
ダンス・ファンファーレでの高嶋さんとの対談を拝読しました。その時からは変わっているかもしれないんですけど、高木さんがダンスを踊る理由というのは?
高木 
確かにあの時とはまた少し違ってきていて。段々自分に対してストイックじゃなくなってきた。それは自分にとってはポジティブな変化で。動く事を純粋に楽しむという事をやりたいなと思っているんです。自分の中にある澱みたいなのは消えないんでしょうけど、そうじゃない部分を拾い上げられるようになってきたんじゃないかと思います。瞬間、瞬間、自分にオープンになれるという事を楽しむようでありたい。
__ 
突然ですが、私は高校演劇をやっていてですね。役者でした。
高木 
えー!
__ 
夏にですね、静岡の高校の演劇部が集まって東京のプロの劇団と一緒に作品を作るんですよ。そこで自分、ウケました。
高木 
へー!
__ 
多分、そこには違った意味での瑞々しさがあったと思う。内輪イベントとは違う、同世代・演劇部、という共通項の連帯感があって、そこで「本番」という共有する創作物があったからだろうと思うんです。我々はあそこへは二度と行けない。しかし、手放された瑞々しいその振り付けは我々をもう一度遠い夏に連れて行く事も出来るだろう。ただし観客にも相応の姿勢が求められるんでしょうが。
高木 
うーん。
__ 
指先から星が出る的な、ジャニーズがやってるみたいな。
高木 
そうですね。
__ 
この間見た、jazz Danceの時のしげやん(北村茂美)みたいな。
高木 
私は拝見出来なかったんですけど、分かります。居方みたいなもの、ね。
__ 
あれは凄いですよね。
高木 
そう、何がどうなってるのか分からないけど。
__ 
あれこそ、トレーニング出来ない能力なのかもしれない。
高木 
そうですね、うんうん。
interview 高木喜久恵作品 ねほりはほり
高嶋慈→高木貴久恵 インタビュー。

タグ: トレーニング出来ない素養(愛嬌、セクシー等など) 瑞々しい感覚 内輪ウケの・・・ イベントの立ち上げ


ただダンスになりたい

__ 
観客に何を希望しますか?
高木 
難しい。うーん。出会う、という事じゃないでしょうか。それを、あんまり当たり前の事と思いたくない。それは舞台にいても、客席にいても同じですね。
__ 
見て貰ったお客さんに、何を思ってもらいたいですか?
高木 
楽しんで見て頂きたいというのが一番です。けど、分からないんですよね、正直に言うと、やればやる程分からなくなります。自分がいいと思うものを差し出したいし、それを一緒に楽しんでくださいという気持ちなんですが。でも、観客って、自分が思っているより信用出来ない部分がある・・・(笑)。だから、あまり考えないようにしている。また時間が経てば違う考えになるかもしれません。
__ 
なるほどね。
高木 
人の作品に出演する時はある程度無責任にならないと、と思ってるんです。自分の作品となるとバランスが難しい。
__ 
お客さんが作品を見る時の、その無理解を恐れている?
高木 
そういう訳じゃないんです。最初はやっぱり、「良かった」と言われたら嬉しいし「良くなかった」と聞けば落ち込んでたし。でも段々と、そういう風に思わなくなってきて。褒められて嬉しくなる訳ではなく、ダメだったと言われたら「合わなかったんだな」と。それが良い事かどうかは分からないんですが。それも含めて、考え方が変わってきてるのかなと思います。
__ 
純粋に動きを楽しむ時も、そんな事を思うのでしょうか。
高木 
それはまたちょっと違うかもしれないですね。そういう思いで踊っている時は、ただダンスになりたい、っていうか。だからいまはそういう方向ですね。

タグ: 単純に、楽しませたい


飛び込める人

__ 
面白いダンサーって、何だと思われますか?
高木 
繰り返しになるかもしれないですけど、自分を手放せる人。もしかしたら、自分を裏切れる人。
__ 
パフォーマンスで、見ている人の思惑や予想や視覚に飛び込める人。
高木 
そうですね、飛び込むというのはしっくりしましたね。観客としても裏切られたいですね。
__ 
いつか、どんなダンスが出来たらいいと思われますか?
高木 
観た人に、ダンスとしか呼べないと言われるようなもの。先日、ちょっと実験的な音楽のライブに行っったんですけど、分かりやすさはひとつもない時間の中で、だけども、これはどうしようもなく音楽だとしか言いようのない、すごく不思議な経験をしました。初めての音楽体験というような。
__ 
なるほど。
高木 
私自身、決してキレイに踊れるダンサーではありません。でも、ちょっとでもそういうものに近づきたい。
__ 
そういう表現技法を創りたい?
高木 
もうちょっと感覚的なものだと思います。これはもう、愛としか呼べない、祈りとしか呼べない、それと同じように、ダンスとしか呼べない。私もいくつかそういうものに出会ってきたから。でも、分からないんですよね。感覚が伝わるかどうか分からないんですけど・・・でも多分、信じているんだと思います。

タグ: 実験と作品の価値


観客

高木 
以前は舞台に立つ時、観客を通して向こう側の絶対的な何かに届いてほしい、みたいなことがあったんです。とても小さい存在である自分を俯瞰でみているという実感があったんです。いまは、もう少し観客との距離感を近くありたいなと思っていて。客席に絡んでいく事もあるし、普段誰かと喋っている時のように舞台で振る舞いたい。
__ 
エンターテイメントに近くなった?
高木 
そう言えるのかもしれませんね。コンタクトを大切にするように変わってきたと思います。とは言っても、そう思えるようになってからまだ作品は作ってないんですけど・・・
__ 
新作、楽しみにしてます。

タグ: 新しいエンターテイメント 俳優を通して何かを見る


楽しんで、裏切っていく

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
高木 
いまとあまり変わらないですけど、楽しむという事ですね。自分の身体を楽しんで、どんどん裏切って、という事を目標に頑張って行きたいと思います。

ブルーナのランチボックス

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持ってまいりました。
高木 
凄い。嬉しい。見てもいいですか?
__ 
もちろんです。
高木 
何だろう、これ。お弁当箱?かわいー、私、ちょうど欲しかったんですよ。もう早速、明日から使わせていただきます。
__ 
ブルーナの、牛の奴です。防水性はないのでお気を付け下さい。
高木 
本当に嬉しい。ありがとうございます。大切にします。


白になりたい透明

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。最近、松永さんはどんな感じでしょう。色とか柄とかで例えると、どうですか?
松永 
よろしくお願いします。最近はオレンジ色のイメージなのかなと思っています。元気な女の子の役を多く頂いているのもあって。私自身では、白になりたいと思っている無色透明って感じ・・・じゃないですかね。
__ 
白になりたい無色?
松永 
まず、私自身は明るくもなければ暗くもないので、透明なんじゃないかなって。白は何にでも染まれる色だなあ、って昔から憧れていて。
__ 
何にでも染まれる、そんな役者という事ですか?
松永 
はい。役者としてでもありますし、人としても。例えば女子高生や赤ちゃんみたいに無垢な存在って、勝てないと思うんです。だから憧れがあります。

futurismo #1「珈琲が冷めるまでの戦争」

__ 
さて、この度松永さんが立ち上げたユニットfuturismoの旗揚げ公演が3月末にありますね。futurismo #1「珈琲が冷めるまでの戦争」。とても楽しみにしております。どんな公演になりそうでしょうか。
松永 
稽古場の雰囲気が凄く良いです。面白いキャストと作・演出がそろっていて、稽古場にいても面白くなるという予感しかしていないです。今回はカフェでの公演なので、お客さんと役者が渾然となるようにできればと思います。お客様との距離が近いので、芝居にごまかしが効かないんですよね。
__ 
会場のcommon cafeは正にカフェですからね。
松永 
そういう場所で、横から聞こえてくる知らない人たちの会話を盗み聞きするような作品になったらいいなと思います。
__ 
作演出が匿名劇壇福谷さんという事で、メタフィクションを期待してしまいそうですが。
松永 
そんなに、ですかね。いつもの匿名劇壇とはまたちょっと違う感じになるんじゃないかなと思います。
__ 
なるほど。その辺りも楽しみですね。
futurismo
俳優・松永渚の演劇ユニット。イタリア語で未来派という意味を持つ単語だが、本人の勘違いにより、ここではフィチュリスモと読む。『今』をコンセプトに、関西の同世代を招いた本公演にて旗揚げ。(公式サイトより)
futurismo #1「珈琲が冷めるまでの戦争」
脚本・演出:福谷圭祐(匿名劇壇)
出演:松永渚 西分綾香(劇団壱劇屋) 佐々木誠(匿名劇壇) 佐々木ヤス子 木之瀬雅貴 福谷圭祐(匿名劇壇)
公演日程:3月26日(木)19:30 3月27日(金)20:00 3月28日(土)13:00 / 15:30 / 18:00 / 20:00 3月29日(日)13:30 / 16:00 3月30日(月)19:30 3月31日(火)20:00
会場:common cafe
匿名劇壇
2011年5月、近畿大学の学生らで結成。旗揚げ公演「HYBRID ITEM」を上演。その後、大阪を中心に9名で活動中。メタフィクションを得意とする。作風はコメディでもコントでもなく、ジョーク。いつでも「なんちゃって」と言える低体温演劇を作る劇団である。2013年、space×drama2013にて優秀劇団に選出。(公式サイトより)

ぬすみ聞きするような会話劇?

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松永さんがfuturismoを立ち上げた経緯と、意気込みを伺ってもよろしいでしょうか?
松永 
この1年、舞台からちょっと離れていたんですが、やっぱり自分は舞台が好きなんだなと改めて自覚しまして。私は今まで、同年代よりも年上の方とお芝居をさせていただくことが圧倒的に多かったんです。その先輩方のおかげでお芝居の面白さだったり技術だったりを学んで、すごく感謝をしています。私は先輩方に芝居の面白さを教えて頂いたし、面白い芝居もたくさん見せて頂いてきたし、ここで私の方からも発信出来ないかと。先輩方から受け継いだ事を、今度は私たちの世代から。
__ 
なるほど。座組はほとんど20代半ばですね。
松永 
同年代とは言ってもみんな経験している事が違うので、このメンバーだから出来る事をやって、これからの稽古で互いに切磋琢磨していけたらと思います。欲を言えば、お芝居を普段見ない方に見てもらえたらと思うんです。
__ 
そこが重要ですよね。
松永 
もっと欲を言えば、この芝居をきっかけに演劇を好きになってもらえれば一番嬉しいです。でも各回お席が少ないので、お早めに申し込んで頂けたら・・・
__ 
限定20席ですもんね。3週間ぐらいで満席になったら凄いな。
松永 
なってほしいですね。来ていただいた方には濃密な演劇をお見せして、損をさせない公演にしたいなと思います。
__ 
#1となっていますが、今後の展開も期待しています。
松永 
はい。今後に繋がるようにしたいと思います。

タグ: この座組は凄い 混成軍的な座組


空気、出せたらいいな

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きっと、座組で何を話し合うかが重要なんですよね。このお話が何なのかに直面して、役者同士で話し合う事が実は重要なんだろうなと最近思っています。台本を現実に具体化するために、じっくりと、嘘とかを付かないように。そういう形跡が無い芝居ってすぐ分かるし、全然面白くない。もう、第一印象で分かってしまうと思う。
松永 
今回のメンバーは全員人見知りなので、そこを匿名劇壇の佐々木君が上手くまとめてくれているんですよ。
__ 
素晴らしい。今回の座組の世代の空気感が味わえればいいですね。
松永 
出せたらいいなと思います。

タグ: この座組は凄い