よくぞはじめてくれた

__ 
これから、お芝居を始める人に一言。
油田 
挫ける事の方が多いと思いますけど、とにかく向き合ってやっていってほしいです。やっている事自体が素晴らしい。よくぞはじめてくれた、と思っています。めげずにやって欲しいです。
__ 
鳴海さんはいかがでしょうか。
鳴海 
可能な限り、沢山の作品を見て、沢山の勉強をして。自分の言葉で考えるようにしてほしいです。

勝負

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?サッカーのように、どういう風にボールを蹴っていくか、みたいな意味で。
油田 
勝たなあかんので。いや、アーティストの方って勝ち負けじゃないと仰る方もいらっしゃるんですけど、僕は結構勝ち負けだと思っていて、勝ってナンボだと思っていて欲しい。そういうぐらいの個性を持っていてほしいです。「そういう所では勝負していません」と言ってしまう気持ちは分かるんですけど、そういう風に反論してくる人ほど実は負けを認めたくないんですよね。
__ 
なるほど。
油田 
攻めるんだったら勝たなあかん。いま津あけぼの座は上昇気流に乗っているような雰囲気はありますけど、まあいかに手堅く、出来るところからやっていけるかどうかですよね。そういう時期に入ったのかなと。
__ 
手堅く?
油田 
最初の時期は、まあちょっとやってみまひょかみたいな感じだったんですけどね。失敗してもいいや、みたいな。その内に実績が出来てきて、次は勝つ為にどんな用意が出来るか、という事を考えないと。
__ 
劇場として勝つ、とはどういう事だとお考えですか?
油田 
お客さんが沢山はいる事、高い評価を得る事、という条件ですよね。最初に言いましたが、地方の芝居は本当に厳しいんです。経済どうこうの話しじゃなくて。つまらない作品に対しては、地方の方が都会よりもはるかに風当たりが強いんですよ。でも、面白いものに対しては熱狂して迎えるんですよね。だからこそ劇場の人間がバックアップして、勝てると思ったものは信じて、離れていてもこっちに引っ張ってきて。そういう英断を続けて、たまに怒られますけど(笑う)。
__ 
ありがとうございます。

タグ: 演劇は勝ち負け?


ペーパーウェイト

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持ってまいりました。
油田 
凄い嬉しいです。自分が貰える立場になるとは思ってなかったので。
鳴海 
あ、ありがとうございます。
油田 
オシャレですね(開ける)あ、ペーパーウェイトだ。ちょうど僕、こういうの欲しかったんですよ。メモ用紙を沢山書いてて、それが机の上で散乱しがちだったので。

タグ: プレゼント(文具系) プレゼント(凶器・防犯系)


Quiet.Quiet「赤色エレジー」

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。最近、呉城さんはどんな感じでしょうか。
呉城 
最近は、Quiet.Quiet.の赤色エレジーの稽古です。
__ 
どんなお話になるのでしょうか。学生運動の話ですよね?あさま山荘事件みたいな、革命戦士達による自己批判リンチとか?
呉城 
いや、普通に当時の学生達の話ですね。そういう活動の話は少し出てくる程度で、青春に苦悩する若者達の話です。
__ 
意外。あのチラシからは不穏な空気を感じました。呉城さんはどんな役回りになるんでしょうか。
呉城 
匿名劇壇の佐々木君の元恋人の役で、好きやけど彼がだらしない、ので、他の男の子との間で揺れ動く、みたいな。
__ 
あ、ラブコメなんですね。
呉城 
コメディではないです!いや、違うのかな。ラブストーリーがメインではないと思うんですけど。
悪い芝居
2004年12月24日、路上パフォーマンスで旗揚げ。京都を拠点にしながら、東京・大阪などでも活動する劇団。メンバーは12名。ぼんやりとした鬱憤から始まる発想を刺激的に勢いよく噴出し、劇世界と現実世界の距離を自在に操作する作風が特徴。「現在でしか、自分たちでしか、この場所でしか表現できないこと」を芯にすえ、中毒性の高い作品を発表し続けている。2009年より、パワープッシュカンパニーとして京都の劇場ARTCOMPLEX1928から2011年まで3年間の支援を受ける。そのパワープッシュカンパニーとしての最初の作品「嘘ツキ、号泣」が第17回OMS戯曲賞佳作を受賞。各メンバーの外部活動や、2011年は、劇団事務所である築80年の京町屋で1ヶ月半26ステージの家屋公演「団欒シューハーリー」を敢行するなど、劇場以外でのパフォーマンスも精力的に行っている。誤解されやすい団体名の由来は、『悪いけど、芝居させてください。の略』と、とても謙遜している。(公式サイトより)
Quiet.Quiet「赤色エレジー」
公演時期:2015/2/25~3/1。会場:KAIKA。

タグ: ラブストーリー


さようなら、天上底

__ 
呉城さんにインタビューするにあたり、どうしても話したい事がありまして。一昨年の悪い芝居「春よ行くな」での呉城さんがですね、もの凄く良かったんですよ。
呉城 
ありがとうございます。
__ 
まず、声が独特ですよね。
呉城 
そうなんですか、私、自分の声はちょっと・・・この間受けたWSで「何その高い声。舞台用の声?」って。めっちゃお腹に力入れて低い声を出してようやく、ええんちゃうって。私の声、どんなですか?
__ 
受け止めやすい声だと思いますよ。ストレートで、心情が伝わってくる声だと思います。
呉城 
ありがとうございます。そういって下さるのは嬉しいですけど悩み中です。キーンって高い気がして。もっと、確かな声を出したいです。
__ 
ラストシーンの叫び声が印象的でした。「春よ行くな」、彼女の口から出た出まかせというか、彼女のよく分からん処世術に全員が巻き込まれているとも見れるし、逆に、本当に彼氏が失踪した、可哀想な彼女を描いた話なのかもしれないし。
呉城 
可哀想ではないですけどね。あの人はああいう風になってしょうがないと言えるかもしれない。
__ 
天罰?
呉城 
天罰?天罰じゃないかもしれないですけど(笑う)。ふらふら生きとったらあかんねんなと。
__ 
ふらふらしてたから、最終的にはよくわからない自己啓発セミナーの人と一緒になってしまうと。
呉城 
でも、そう思ってても人間、流されるように生きちゃいますよね。
__ 
だらしなく生きてしまう?
呉城 
結構、流されて生きてしまうような気がしますね、あんまり良くないとは思いますけど。
__ 
私もね・・・今の生き方を続けてしまっているのが悩みだなあ。自分で自分の人生の主導権を握って、例えば25歳とかで会社を興してたらどうなってたかなあ。演劇界でもITででも、「何でもやります!」の姿勢で。もしくは静岡に帰ってもっと家族と時間を過ごしていたら。
呉城 
でもまだまだお若いじゃないですか。いや私が言う事じゃないですけど。
__ 
ありがとうございます。勇気が出ました。
呉城 
はい、あ、いまの赤色エレジーの現場って何か、若い子ばっかで、私が最年長で、どう思われてんのかなあって。21の女の子がいるんですよ。この可愛い子たち、みたいに思うんです。
__ 
ギャップが激しい?おジャ魔女どれみ世代と?
呉城 
あはは。私はセーラームーン世代でした。
__ 
おジャ魔女どれみかプリキュア世代に囲まれているのですね。いやその、子ども時代に実家で何を見ていたかが結構重要だと思うんですよね。手足の伸びきったセーラームーンが格好良く敵を倒すのか、自分たちと変わらないおジャ魔女が学級や家族や地域社会の問題に向き合うのか、プリキュアが同志と心を合わせて敵を倒すのか。恋愛番組も重要で、「あいのり」か「テラスハウス」のどちらを見ていたか。これもかなり恋愛観に影響を与えるんじゃないかと思う。
呉城 
あー、確かにそれはありますよね。「テラスハウス」はあんまり・・・「あいのり」を見ていた方が純粋に育ちそうですよね。
__ 
要は、自分がどんな恋をすべきなのか発見するタイミングを思春期で捉えておく事が大事で。それをしないと未熟な関係性で満足するようになってしまうのではないか?天上底には誰もが惚れてしまうけど、彼女はこちらの思いを知ってか知らずか、良く分からないどこかの隙間に行ってしまう。そこに、他者との関係性を上手く作れない未熟さがあるような気がする。まあ、彼女の逃げ続ける孤独な旅には思わず共感してしまうんです。あの不可解さ込みで。恋をされると逃げたくなるあの感じとか。
呉城 
え、そうなんですか。
__ 
あれ、ありませんか?私は恋されると恐怖しますね。
呉城 
あ、そうなんですね(笑う)それめっちゃ面白いんですけど。恋をされると逃げたくなる?
__ 
ゴジゲンの昔の作品で、童貞の集団が合コンして、彼らは全員恐れをなして逃げるんですけど、ラストシーンで女のひとりが童貞らの集まっている部屋に近付いてきて、彼らは集団自殺するんですけど・・・
呉城 
何それ!めっちゃ面白い。
__ 
めちゃくちゃ面白いんですよ。私もDVDでしか見てないんですけど。恋を引き受けられないという恐怖感がなぜかあるんですよね。
呉城 
へー。じゃあ、自分から好きにならないと恋が出来ないんですか。
__ 
私は多分そうですね。というか、好きな人に告白されても怖くなるのかもしれない。
呉城 
えー、それは幸せになれないですよ(笑う)
__ 
そうですね・・・
呉城 
いやそんなことないでしょうけど。だってねえ。好きな人と結ばれたいものじゃないですか。めっちゃ難しい性格ですね。
__ 
松居さんも、というか草食系男子というのはそういうものだと思います。そう思うと女性は、いやこれめっちゃ社会的ジェンダーのバイアスが掛かった見方ですけど、恋愛をモチーフにした文化を見て育って来ているから、引き受ける力を持つんだと思う。
呉城 
ずっとストーカーみたいな事をされたら気持ち悪いですけど、普通だったら、まあそういうのはありがたく頂きます、じゃないですか?そういう拒否感とかを「春よ行くな」の時に感じたんですか?
__ 
うーん、下敷きにあったからこそ強く感じていたんだと思います。
呉城 
へー。
__ 
冒頭にあった、大塚さんと呉城さんの、ラブシーンになるかどうかの、あのせめぎあい。あれに全てが集約していくような気がする。
呉城 
ああ、あれ、拒否するぐらいなら行くなよと思いますよね。
__ 
恋愛、嫌いなんだよ俺は。
春よ行くな
2013/8/22~27 in→dependent theatre 2nd(大阪) 2013/9/11~17 駅前劇場(東京)。

タグ: 登場人物が好きになれない リアルに相対し戦慄する 人生の節目 声が出せるように お茶目さについて プリキュア 成長拒否


初めての人と舞台に立ったこと

__ 
それから、去年は朗読劇「8-エイト-」にも出演されていましたね。いかがでしたか。
呉城 
はい。朗読劇と言っても普通に動いてましたね。感情のままに動いてみて、という指示があって。私は悪役で、窮地に追い込まれるんですよ。でも、私たちにはそのドラマの文脈が下地にはないので、例えばワーって盛り上がるシーンがあったとしてもそれが盛り上がりになっていないような気がして。
__ 
なるほど。
呉城 
何とか盛り上がれるような作品にしようと頑張りました。楽しかったですね。出演者も色んなところから集まってきていて、普段は役者をやっていないい人もいて、個人的に仲良くなりました。今でも繋がりはあって、この間一緒に高尾山に登りました。
__ 
山に登ったんですか。
呉城 
色んな話出来るし、めちゃ楽しいです。めちゃいいですよ。

タグ: 朗読劇についてのイシュー 鳥公園という場所


わたしの役と相手の気持ち

__ 
呉城さんが演劇を始めたキッカケを教えてください。
呉城 
田中遊さんの劇研アクターズラボが最初です。あれが最初じゃなかったかな。平田秀夫さんのWSとかを週に1回受けてて、公演クラスに行ってて。それを2回ぐらい。
__ 
呉城さんは独特の存在感ですね。良く言われませんか?「春よ行くな」を引きずり過ぎてしまっているのかもしれない。まあいいや。今日聞こうと思ってたんですけど、俳優の仕事ってどういうところから始まると思います?
呉城 
えっ、何そんな。
__ 
例えば、良く言うじゃないですか「相手の気持ちを考えよう」って教訓。これはもの凄く難しい事だと思うんですよ。私は自分にはそういう才能は全く無い事を自覚していて。まあそれはホテルでバイトしていた頃に発覚したんですけど。
呉城 
ああ、サービス業だとよく言われますよね。相手の気持ちを察する。
__ 
でも、相手と同じ場所にいる時に、“自分の”気分には素直になれるじゃないですか。これはつまり、関係を連続していく内に、相手の気分と同調出来る可能性があるという事なんですよきっと。これは共感への道のりと言えるんじゃないか。気持ちに素直になるって、これはもう俳優の仕事の第一歩なんじゃないかなと。でも、その第一歩が分からない。
呉城 
相手の気持ちと同調する方法・・・赤色エレジーの稽古場では佐々木君と役について結構話していて。「この役はこの話が終わった後はどうこうするに違いない」とか。自分の劇団では良く、読みが浅いと言われているんですけど、今は読もうとしています。そういう話をした日の稽古は普段とはちょっと違う気がする。自分でもちょっと楽しいというのはありますね。
__ 
なるほど。
呉城 
役についての話が増えていくと自分も楽しいんですよね。今はまだ、辻崎さんの話はまだ理解しきれていないんですけど、それでもとりあえずやってみる、そういう姿勢です。今の稽古場はそういう人が多いですね。他の人の稽古をちゃんと見とかな、って人ばかりで。私も全体を見て、視野を広げていようとしています。そうしないと失敗するタイプなんで。

タグ: ホテルの話 演技の理解、その可能性 俳優の「素」を生かす 舞台全体を見渡せる感覚 反応し合う 関係性が作品に結実する


自分像?

__ 
これから目指したい自分像は?
呉城 
お芝居が上手くなりたいです。私はホンマに何も出来ないので。歳をとるのは嬉しい事でもあるけど、技術が重なっていかないんです。それはワークショップで補えるものじゃないのかもしれないけど、ちょっとずつストックしていかなあかんのかなと。これまではその現場現場でやってきたんですけど。
__ 
なるほどね。
呉城 
ちょっとずつ肌もボロボロになっていくし(笑う)いや分からんけど。歳に追いつくようになりたいです。始めたんも遅いし・・・人一倍努力しないとあかんのに。
__ 
次の質問。舞台上で嫌いな瞬間はいつですか。
呉城 
えー、第一回の一番最初はキライですね、緊張しいなんで。
__ 
緊張はどうしてもありますもんね。それと・・・今どんな事に興味がありますか?
呉城 
姿勢を直したいです。体の。昔からなんですけど肩がイカってて。それをどうにかしたくて、整体に行きたいです。身体とかをちゃんとしたくなって。
__ 
整体の器具の一つで、寝た姿勢で肘とか膝とか身体の全ての部位をベストな位置に設定するマシン。
呉城 
そんなのあるんですか。
__ 
昔やったときにあまりの気持ち良さに気絶しかけた事がありました。
呉城 
ああ・・・いいなあ・・・全体的に健康になりたくて。お風呂とか、女子っぽいものにそんなに興味なかったんですけど、整体とかやって身体をちゃんとしたいし。

タグ: 整体の話


質問 福井 俊哉さんから 呉城 久美さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂きました、福井さんから質問を頂いてきております。「なぜ、女子高に男子が入学してはいけないのでしょうか。」
呉城 
(笑う)知らんわ。どういう事ですか?あ、女の子になりたかった?
__ 
いや、本人曰く、性的な嗜好とかではなく、純粋な、入学という意思だそうです。福井さんは中学卒業時に、女子高への願書を間違えたフリをして提出したんだそうです。その時は担任の先生に怒られて止められたそうなんですが。
呉城 
それは、女の子に会いたいからという理由で?
__ 
分かりません。そこは全く語ってくれなくて。でも本人によると、別に女の子に行き過ぎた興味があるとかではなくて、ただ入りたかったと。
呉城 
入りたかったら行ったらええやん。
__ 
でも、先生に止められましたから。担任の女の先生に。その人もきっと分かっていたんでしょうね。
呉城 
本気で行きたかったんかな。
__ 
願書を用意するぐらいですから。
呉城 
でも・・・ねえ。あ、私も男子校に行った女子ですよ。私の入学年から共学になったんです。
__ 
ああ、そうすればいいのか。どうでしたか?
呉城 
みんな優しかったですね。でもだからといってか、逆に男子とは喋らんかったかな。大学入ってもクラスの女子は八分の一程度だったし。そうだ、看護学校を狙ったら良かったんじゃないですかね。
__ 
そっちか。仰る通りです。

タグ: キチガイ 人生の節目


悪い芝居vol.17『キスインヘル』

__ 
いつか、どんな演技が出来るようになりたいですか?
呉城 
いやもうとにかく、自分じゃないものになりたいです。結局いつも自分になってる気がするので。別にわたしなんか誰もみたくないし、私じゃないものになりたいです。
__ 
自分のどんなところが嫌なんですか?
呉城 
え、もっと性格の良い人になりたい。もっと人の為に献身出来るような。
__ 
献身は時には痛みを伴うものだと思いますが。
呉城 
でもいつも自分の事ばっかりなんでね。自分の人生なんて・・・。せっかくこういう事をしているんだから、誰かをね。
__ 
機械の発達に伴って、これからどんどん人間の仕事は無くなっていくと思うんですが・・・逆に心の価値はガンガン上がっていくと思うんですよ。これからはサービス業ですね。機械が追いつけない仕事が。
呉城 
質問なんでしたっけ?
__ 
自分のどんな所が嫌?
呉城 
ああ。
__ 
あと、尊敬する人に一言。
呉城 
「お母さん、ありがとう」。あ、ダメですか?
__ 
いや、いいと思います。それから、これから演劇を始める人に一言。
呉城 
一緒に頑張りましょう。
__ 
ありがとうございます。今日、もっと話しておきたかった事はありますか?
呉城 
悪い芝居の本公演が6月にあるんで、これは来て欲しい!という事を伝えたいです。
__ 
楽しみです。
悪い芝居vol.17『キスインヘル』
作・演出:山崎彬 音楽:岡田太郎 日程・会場:2015/6/18~23 HEP HALL (大阪) 2015/6/26~30 赤坂 RED/THEATER (東京) 出演者:植田順平 岡田太郎 北岸淳生 呉城久美 中西柚貴 畑中華香 山崎彬 渡邊りょう (以上悪い芝居) 四万十川友美 田中良子(ブルーシャトル)土屋シオン 横田美紀

タグ: いつか、どんな演劇を作りたい?


呉城さん

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
呉城 
もう、出れるだけ出たいです。芝居って出たら次の舞台まで一月空いてみたいになりがちですけど、ずっとやっていきたいです。びゅんびゅんびゅんと。
__ 
ユニット茶ばしら。に出てた呉城さんが見たかったです。気になりましたね。いいなあと思いましたよ。
呉城 
楽しかったですよ。年上の方ばっかりで、可愛がってもらって。

タグ: どんな手段でもいいから続ける 上の人らと仕事 とにかく作品を作ろう


スナックボウルとチーズクラッカー

__ 
今日はですね。お話を伺えたお礼にプレゼントを持ってまいりました。どうぞ。
呉城 
ありがとうございます。開けていいですか?
__ 
はい。
呉城 
何だろなんだろ(開ける)あめっちゃかわいい。何この器、めっちゃかわいい。このボールにこれを注ぎ?
__ 
はい。スナックのボールのイメージで。

タグ: プレゼント(食器系) プレゼント(食品・飲料系)


fukuiiiiii企画「歪ハイツ」

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願い致します。最近、福井さんはどんな感じでしょうか。
福井 
最近は、次の公演の稽古が主な感じですかね。
__ 
歪ハイツ。「ゆがみ」ハイツ?「いびつ」ハイツ?
福井 
歪ハイツと書いて、「ひずみハイツ」です。「ふせい」って読んだ人もいました。ちょっと呼び方難しいですかね。
__ 
どんな作品になりそうでしょうか。
福井 
作り手側の気持ちとしては、これ見せて大丈夫かな?というぐらいのものを作っています。それに拒否感を持つ人もいるでしょうし、何か感化されてしまう人もいるかもしれないです。逆に僕はそういう要素が全くないから書けたんですけど、ちょっと劇薬というか、危険な。
__ 
そう、チラシに15歳未満入場禁止とありますね。性的描写や残酷描写がある?
福井 
性的な描写は全くないんですけど、残酷描写はあります。血がいっぱい出るとかではないんですけど、しんどい人にはしんどいんで。見る前に思い留まってくれるようにその但し書きを付けています。
__ 
自分達のやっている事に自覚的ではあるんですね。
福井 
少なくとも僕はそうですね。役者全員がそうだとは限らないですけど。・・・・あんまり危険危険言い過ぎるとハードルが上がってしまいますけど、僕がお客さんだったら嫌だなあと思う事を書きました。脚本家として乗り越えなくてはいけない部分に触れた脚本が書けたんじゃないかと、自己満足じゃないんですけど。
fukui企画
福井しゅんやの個人ユニット。2011年8月「不肖、死スベシ。」にて旗揚げ。
fukuiiiiii企画「歪ハイツ」
公演時期:2014/2/14~15。会場:元・立誠小学校。

タグ: 残酷な演劇 死と性と 自覚的になりたい


脚本家としての課題

__ 
脚本家としての課題が、この「歪ハイツ」にはあると。それは何なのでしょうか?
福井 
僕は不合理なものに興味があるんです。辻褄が合わないけど強度がある、そういう物語が好きなんですね。尊敬している作家がつかこうへいさんなんですけど、合理不合理では判断が付かない強度を持つ脚本なんですよ、つかさんの作品は。
__ 
そうですね。
福井 
そこに強く惹かれています。この大学に入ってからもそんなに演劇は好きじゃなかったんですけど、つか作品に触れて「こういう事でええんや」と。それまで僕は映画監督になりたくて、だから物語を作りたかったんですけど、それは合理化をしないといけないという恐怖もあったんです。書いてはやめ、書いてはやめをしてたんですけど、ストーリーが骨太なら、辻褄が合っても合って無くてもいいんだな、って気づきました。特に演劇はそういう性格が強いと思います。
__ 
なるほど。辻褄が合っていなくても素晴らしい作品は多いですね。
福井 
でも、今回はモチーフになったある事件を参考し、社会心理学・精神心理学・臨床心理に則って緻密に出来た本なので。理には適った本だと思うんですね。好きとかじゃないんですけど。そうした、足りてない部分に向き合った作品を、大学院の卒業と東京での就職の間の時期でやっておきたいと思いました。プロとしてやる前に。それが発端でした。
__ 
ありがとうございます。非常に素敵な時期に公演をされるんですね。

タグ: 事件性のある俳優 作家としての課題 つかこうへい


fukuiiiii企画「うねる物語と、お前とおれとおれの剣」

__ 
去年の夏に上演されたfukuiiiii企画「うねる物語と、お前とおれとおれの剣」これがですね、大変面白かったんです。
福井 
ありがとうございます。
__ 
この話の大きな特徴は転調でした。最初はジャンプ漫画だった劇中劇が、別の作者の手による創作になり、「あいのり」や「テラスハウス」のような恋愛番組に変貌してしまう。そのダイナミックな転変が素晴らしかったです。そのモチーフになった番組について考えたんですが、これら番組の違いは「距離」の性質の違い、なのではないかと。
福井 
はい。
__ 
恋愛と距離は非常に良く似た性質のもので、どちらも人間を困らせる問題です。恋愛を物語の中心に据え、距離を視覚化したのが「あいのり」だったのでしょうね。一方、「うねる物語」。芝居の最初は能力モノアクション漫画が多少のギャグを含みながら始まり、それがあいのりになってしまうと同時にギャグは一切入らなくなる。その落差に客席はずっと笑い続けている。しかし、僕ら観客が笑ってたものは純粋な恋愛そのものだった。そのおかしさに分かっていながら笑うのを止められない、その共犯関係。
福井 
そうですね、どう壊すかで行き着いたのが「あいのり」だったんですよ。「テラスハウス」も見たんですが、正直クソみたいだなと思ったんです。僕は「あいのり」をずっと見ていたんですが、あれは恋愛に器用じゃなかったんですよ。付き合うか付き合わないかのせめぎ合いが良かったんです。「テラスハウス」は付き合った後もずっといられるじゃないですか。あれはホンマくだらんなと思いまして。あまり参考にはしていません。
__ 
なるほど。あいのり、お好きなんですね。
福井 
僕はその、どちらかと言うと女の子の気持ちで見ていて。「なんで男が待ってんねん」て気持ちで見ていて。見返してみたらやっぱり面白いんですよね。主人公のかんすけという漫画家の作品を壊す材料として「あいのり」をもう一度見なおして。中学の3年間で見たあいのりがホンマに面白くて、その面白さを詰めた感じです。作品自体は賛否両論だったんですけど。
__ 
(笑う)
福井 
怒って帰る人もいれば、「『面白くない』言ってる人の気持ちがわからん」って言ってくれる人もいて。でも一番嬉しかったのは兄に褒められた事ですね。今までの作品で一度も褒められたことが無かったので。嬉しかったです。
__ 
去年の夏に拝見しましたが、内容を結構覚えてるんですよ。船に集められたダークヒーロー達が、暗転と同時にあいのりを始めるんですからね。
福井 
僕も漫画家を目指していて、ずっと読んでもらっていた親友に「ストーリーは良いけど絶望的に絵は下手」と言われて諦めた事があって。まあそこも下敷きに。ジャンプにも、たまに面白くない作品がありますよね。こうすればもっと面白くなるのに、とか思う経験もあって。
__ 
なるほど。
福井 
実はこの作品の出発点は下北沢で見たお芝居でした。それがですね、「何でみんな笑わんの」ってぐらい面白かったんです。いや、コメディではないんです。「うねる物語」の前半でやってたような、「あ・・・頭が!頭が疼く!」みたいなノリの芝居で、お客さんがずっと黙って見てたんですよ。僕は見ている内に、「10秒後こいつの頭にトマトが降ってくる」とか勝手に想像しちゃうわけですよ。ずっと僕だけ顔を隠して笑ってたんです。今思うと最低の客やったと思うんですけど。その作家さん的には、あの芝居で真剣に感動させようと思ってたんでしょうけど、その能力が稚拙やと凄い事になるんやなと。僕が親友に言われたように。周りのお客さんも「なんやこれ」と思ってた人はいるんじゃないかなと。その経験を3年ぐらい寝かして作った作品でした。まあ、役者さんの中には「この芝居の何が面白いのか分からない」と思っている人もいたと思います。物語を壊すことに面識がない人からすれば当然だとは思いますけど。
__ 
悪趣味ですね。
福井 
最初は結構、濃いジャンプ漫画から入って。稚拙なジャンプみたいなシーンが続いて「この芝居ヤバい」「おいどうした」って思わせて、そこでさらにあいのりが始まって、ついてきてくれるかどうか。あいのりを見る感覚、つまりキャラクターに感情移入出来る人はきっとすごく楽しめたんだと思うんです。でも客観的に全体の構成を考えながら見る方は、何やこれと思われたのかもしれないです。
__ 
私は・・・どうでしょうね。感情移入もしたけど、構成が壊れている作品は大歓迎なので。
福井 
自分の作品を成功・失敗では考えないですけど、この公演は失敗だったのかなと。でも自分の糧になる作品になったと思います。
fukuiiiii企画「うねる物語と、お前とおれとおれの剣」
公演時期:2014/8/1~4。会場:人間座スタジオ。

タグ: ジャンプ!についてのイシュー 器用さ・不器用さ ラブストーリー 観客との関係性 悪意・悪趣味


造形大の思い出と、向こうへ行く事について

__ 
造形大の思い出を教えてください。
福井 
色々あるんですけど、演劇以外だったら、STEPSというダンスサークルに入ってストリートダンスを4年間やっていた事です。上手くは無かったんですけど、演劇以外のアプローチを学べたというか。例えばセリフを喋る時のリズム感で、ここのリズムがおかしいから次のリズムがおかしくなるみたいな。ダンスのリズム感というのは芝居に活かされたりしたし、友達と呼べる人もダンスサークルで出来たし。彼らとは今でも交流があります。
__ 
福井さんは就職で東京に行かれるんですよね。向こうでもfukui企画をやって欲しいですね。
福井 
そうですね。映像制作の会社で、構成作家とかの仕事を頂いていまして。向こうの仕事の忙しさとかがまだ分かってないので。まあ、自分の好きな事は出来なくなるじゃないですか。
__ 
そうですね。
福井 
そこはしっかりとしながらも、もしお芝居がやれるようになったら(というか絶対やりたいと思ってますし)、自分がホンマにやりたいと思っているものを見せる。それを世の中に見てもらえるようになったら本当に嬉しいです。

タグ: 出立前夜


映画と演劇の二択

__ 
fukui企画を立ち上げた経緯を教えてください。
福井 
立ち上げたというより、僕一人のユニットで。名前にもずっと(仮)が付いてる感じなんで。そもそも説明させて頂くと、僕は映画監督になりたかったんですよ。造形大にも映画学科はあるんですけど、舞台の演出の方が役者の動かし方が分かるようになると何かの本で読んで。それを鵜呑みにして舞台芸術学科に入ったんですね。それは僕は全く後悔してないんですけど。
__ 
なるほど。
福井 
脚本にしても、映画と演劇のそれって決定的な違いがあると思うんですよ。映画は、物語の核心を隠していくために描写を削る事が正義で、舞台はそれを出す事が正義だ、と学んでいったんです。隠すという事は、多分もう、何回もやれば上手になっていくと思うんですよ。緻密さは映画の方が絶対あると思う。物語の求心力も強いと思う。一方演劇は役者のものと言われていますよね。
__ 
役者が支柱となって物語を支える、というより、一体になっていると。
福井 
そうですね、俳優の一挙手一投足に集中してみているお客さんに、しかも彼らは向き合っているじゃないですか。演劇は衰退しているんですけど、そういう面では優れていると思うんですよ。優れた演劇を見た時の発見は凄いものがあって。そういう思いがあって、回り道かもしれないですけど、演劇学科に入ったんです。出す事を学んで、その後、隠していけばいいや、と。戯曲を書く事を始めて、上演しないと意味がないと学んで、それで始めたのがfukui企画です。
__ 
なるほど。ちなみに、最初に書かれた作品はどのような。
福井 
かいつまんで言うと、ミュージシャンを目指して東京に出てきたヒモとその彼女の話で、最終的にヒモがオカマになる話です。というか、ニューハーフとしてゲイバーで働き始めるんです。上演時間は2時間10~15分ぐらいありました。僕は遺作にしたいなと思うぐらい、思い入れは強いですね。2回生の時に上演して、手探りで演出していました。
__ 
素晴らしい。
福井 
最初の作品で、根を詰めて書いたものなんです。面白いなんて言ってくれる人は限りなく少ないんですけど、僕は大好きです。「不肖死スベシ」という作品でした。
__ 
気持ちは良く分かります。自分が作ったもの、というのがありますしね。

タグ: 役者全員の集中が一致 今の作品に集中する エネルギーを持つ戯曲 映画の話題 舞台にいる瞬間 観客との関係性 つかこうへい


泉の出ていればこそ

__ 
今、何に興味がありますか?
福井 
脚本を書くことですね。それを仕事にするんですけど。今は、稽古が終わってからも別の脚本を書き続けています。今すごくしんどい芝居を書いているんで、次のはめちゃめちゃコメディを書こうと思って。1年2年前にものすごいコメディだけの芝居を書いた事があったんですけど、それはめちゃめちゃ評判が良かったです。僕の芝居は賛否両論多いですけど、その「大勇者伝」は、僕の感覚では100%のお客さんが面白いと言ってくれました。
__ 
いつか、どんな脚本が書けるようになりたいですか?
福井 
うーん、それを決めてしまうと、目標が決まってしまいそうで。
__ 
では、自分の作品を見に来てくれたお客さんに、どう思ってもらいたいですか?
福井 
毎回変わるので一概には言えないんですけど、今3本並行して書いているんですけど、その内の1本はホームドラマで。
__ 
ええ。
福井 
女優を目指して家出同然で上京した女の子がAV女優になって、AVの企画ということを隠して帰省すると、東京に行くのを最後まで反対していたお母さんが死んでて。AV女優とその家族の一日を描いた話です。僕はそうした作品を書いた事がないので、書いてみたいなと思っています。
__ 
新しい挑戦ですね。
福井 
いやもう、才能っていうのはある日急になくなると思っているんで。まだ泉が出ている内に書こうと思っています。

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質問 高山 涼さんから 福井 しゅんやさんへ

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前回インタビューさせて頂いた、高山涼さんから質問を頂いて来ております。「今までお芝居をやっていて、一番面白かった事は何ですか?」という質問を止めて、「一番芝居をしたいと思う国はどこですか?」
福井 
うーん。日本でやりたいです。本当に、言語が全てやと思っているんで、極力、自分の芝居は日本だけでやりたいなと思っています。でも3年ほど前に、ポツドールの「夢の城」という作品を見たんですが、言葉とかじゃない部分で人を惹きつけていたじゃないですか。そりゃあ海外には通用するやろうなと。それはもう、見ていて悔しさとか色んな感情が渦巻きました。僕は言葉の力を信じているので、こういった作品を作ることは一生出来ないだろうなと。
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なるほど。
福井 
ちなみに、芝居をやっていて面白いと思ったのは「大勇者伝」のゲネをやった時、出トチリが原因でシーンがまるごと2つ3つ飛んだ事です。思いっきり自然で、ゲネだけ見た人にはいきなり始めての人物が当然のように出てきてびっくりしたと思います。

東京へ!

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今後、どんな感じで攻めていかれますか?
福井 
とりあえず東京は新天地なんで。京都を離れるというのは寂しいですけど、僕のジャンルで「この人には勝てへんな」と思う人が東京には死ぬほどいると思うんで。一人ずつボコボコにしていく気持ちで。

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