KAC Performing Arts Program きたまり×白神ももこ×筒井潤 『腹は膝までたれさがる』

__ 
今日は、「腹は膝までたれさがる」の本番をさきほど終えられたばかりの白神さんにお話を伺います。よろしくお願いします。最近の白神さんはどんな感じでしょうか。
白神 
よろしくお願いします。この間までFESTIVAL TOKYOでダンス作品の振付をやっていたのですが、この一ヶ月間は京都に滞在して、ダンサーとして集中できて、良い機会だったなと思います。充実してますね。
__ 
すばらしい。
白神 
東京で自分のカンパニーの作品の製作をしているんですが、打ち合わせやら何やらと色々付いてきて、毎日踊れるってあんまり無いんですよね。京都でも色々ありますけど、自分の身体にじっくりと向き合える日々だったと思います。体調がいいです。
__ 
その滞在期間は、書斎みたいな感覚だったのかもしれませんね。自分の仕事に没頭出来るみたいな。
白神 
そうですね、煩わしいことが無くて。作家さんが旅館に缶詰めになるような感じもあります。いま宿泊しているところも色々な人がいて、吸収する事も多いですね。
__ 
創造環境としての京都。終電が無いとかの点がまず有利ですよね。
白神 
狭いですから、自転車で行き来できますしね。きたまりさん筒井さんとじっくり話したり、時間を多めにとって取材に行ったり。一人の時間も持てたし。
モモンガ・コンプレックス
2005年に活動開始。現実世界から踊りが炙り出されてくるような、人間らしさがにじみ出るユーモラスを味としたパフォーマンスを得意とする、ダンス・パフォーマンス的グループ。世界のはじっこにある些細な存在やできごとも価値ある愛すべき存在として捉え、ちょっとおかしな人たちが、ゆるーく微妙に笑える空間を作り出したりしている。倉庫や体育館などで転々と公演していたが、2008年4月~2011年3月は埼玉県富士見市民文化会館キラリ☆ふじみを拠点に活動するキラリンク☆カンパニーとして活動。同劇場での公演のほか、小学生や高校生を対象としたワークショップ、中学校の卒業式・市役所・地域のお祭りでのパフォーマンスなどをおこなう。(公式サイトより)(公式サイトより)
KAC Performing Arts Program きたまり×白神ももこ×筒井潤 『腹は膝までたれさがる』
公演時期:2014/12/12~14(京都)、2015/1/16~18(横浜)。会場:京都芸術センター 講堂(京都)、のげシャーレ(横浜にぎわい座 地下2階)(横浜)。

タグ: 色んなものを吸収 今の作品に集中する きたまり 創造環境としての京都 筒井潤


光の中に軽く舞う

__ 
腹は膝までたれさがる」。大変面白かったです。老いをテーマにした作品でしたね。根底にあるのは、老いは自分に何をもたらすのか?という問いだったように思います。後半、お二人が軽く舞うようなシーンがあったんですが、あれは、自分が完成していく瞬間を描いていたように思います。とても印象に残りました。
白神 
はい。ありがとうございます。
__ 
何となく思ってたんですが、白神さんのダンスって、自分自身に向けて踊っているような感覚がどこかにあるような気がしていて。そういう前印象も手伝って、完成に向けて自由自在に漂う老人みたいな絵が完璧に美しかったんです。自分の完了を見つめる為だけの、神聖で侵されざる時間。白神さんはこの作品に関わって、どんな印象を持たれていますか?
白神 
そうですね、まだ終わった訳ではないんですが・・・全てを分かってやっている訳じゃなくて。消化出来ていない部分もあるんです。探りながら、今日はこうやってみようかな、みたいな。お客さんの感想を聞いて「ああそういう感想を持たれるんだ」とも思います。色んな感想を受け止めつつ、でも影響されすぎないように作品を理解していけたらなと思います。でも、仰っていただいたように、自由になっていっていけたらいいんじゃないかなと。
__ 
自由になっていく?

タグ: 自由自在になる


死、自由、恍惚の日々

白神 
年を取るって「自由が利かなくなっていく」というイメージが強いんですけど。
__ 
そうですね。
白神 
でも精神はすごく自由なんじゃないかなと思っていて。
__ 
老いるとは、子供に帰っていくという事だ、みたいな言い方がありますね。
白神 
子供時代の自由って、親に与えられた枠の中での自由なんですよね。それが大人になると社会の中での選択的な自由というものになると。完全な自由じゃないし、それは苦痛を伴いうるんですね。
__ 
思い当たります。
白神 
それがお年寄りになると、どう見られてもいいじゃないか、みたいな自由が出てきて。本当に子供みたいな感じ。もちろん、自由になれないお年寄りの方もいるんですけどね。アフタートークで筒井さんが言っていた、「可愛い老人という姿を強要される」、そうならないと面倒を見て貰えないというのもあったりで。結局、人間は死ぬまで本当には自由じゃない。
__ 
確かにそうですね。老人と自由の関係。
白神 
死んだらようやく何者でもない自由な存在になれる。それに一番近い存在だなあと。自分の中ではそう思ってます。だから、過去にあった事も無かった事に出来るし。
__ 
そう、思い出を勝手に解釈してしまえるんですよね。
白神 
そうですね、楽というか自由なんじゃないかなと。そんな事を考えながらやってました。
__ 
言ってみれば、幸せな時間なのかもしれませんね。

PUNK

__ 
モモンガ・コンプレックスについて。私は京都で上演された「とりあえず、あなたまかせ」と、大阪でのTACT/FESTでの「小さな一日」を拝見しました。モモンガコンプレックスの第一印象についてなんですが、おちゃらけているというのを自分たちで肯定しているという魅力があるのかなと思いまして。
白神 
はい。
__ 
粗とかも含めて面白さにしてしまう。それが非常に魅力的に思うんです。そんな事が出来るという、見事なカンパニー作りだなと。
白神 
PUNKにいきたいなあと。
__ 
PUNK。
白神 
そうですね、これは次回公演の「大失敗」にも繋がってくるんですけど。モモンガコンプレックスを立ち上げた当初から、生きる強さみたいなのが好きで。しかも、直球の強さというよりは酔拳的な、、、とんちや変化球を使って生きて行くというか。車をぶつけて止めるみたいな荒さが好きです。ブレーキなんか使わない、丁度止まれたからいいや気にしない、みたいなハチャメチャ感が。
__ 
凄くよく分かります。私はどちらかというとあえて失敗しに行く人間なんです。人間、失敗したい欲ってあるんじゃないかなと思うんですよ。
白神 
ありますね。なんか、失敗しちゃいけないというのにとらわれすぎて、いざ失敗すると大打撃になるみたいな。私はクラシックバレエをやってたんですけど、失敗が出来ないという思いにとらわれてしまって。今は、失敗をあえて見せてしまうのに惹かれています。失敗した時の人が凄く面白いんです。
__ 
分かります。
白神 
失敗してる人が好きですね。「ああ車ぶつけちゃったよこの人」みたいな。人の失敗を笑いますね、普通に。
__ 
PUNKですね。
白神 
これは性格悪いと言われるんですけど、あえて失敗するように仕向たりとか。失敗が巧いといいなあ。
__ 
それはもう、一つの芸能ですね。
白神 
モモコンでは、失敗に強くなるみたいなのをやってました。ちょっとした失敗を繰り返すみたいな。大失敗してみたらいいなあと思って。
__ 
次回の全国ツアー「大失敗」。意気込みを教えて頂けますでしょうか。
白神 
ビビってます。ビビりなんです。いや本当にビビりなんで。でも大胆に行きたいなと思います。ビビりながらも。でもすぐビビるんですよ。
__ 
ビビっていたら失敗するのでは?
白神 
いやあ、ビビっているから成功しようとするんですよ。失敗しないようにしてたら小さくまとまってしまって、ショボい結果に終わるみたいな事が多くて。だから、どっちかというと大胆に失敗出来ればいいなと思っています。

タグ: バレエやってた ネガティブ志向 成長拒否


モモンガ・コンプレックスの大失敗

__ 
PUNKな生き方って、夢ですよね。世の中は我々に当然のように成功する事を期待してきますからね。あんなに難しい事ばっかりなのに、出来て当然で評価もされない。あげくやり方にまでケチを付けて他の子と比べ始める。これはもうやっていられませんよ。
白神 
そうなんですよね、正しくはどうこうあるべきみたいな。そんなの無いに等しいみたいな生き方をしたいです。そもそも人間の存在自体が大失敗だと思っていて私は。
__ 
そうそう。物質の発祥から地球の誕生、生命の起こりという複雑な奇跡の末のこれですからね。
白神 
しかも地球にとっての大失敗という印象で、それは自分の中での問題になっていて。でも失敗だからしょうがじゃないじゃないかと自分は言い切るみたいな。次があるじゃないか、みたいな事もあって。
__ 
この「大失敗」の全国ツアーの末に、一体何が残っているというのでしょうか。
白神 
えー、何もなくなっても、それはそれで道が開けている気がしませんか?中途半端に続いているよりは、ガーンって失敗ですって認められたら次のステップに行けるかもしれない。失敗を隠す事ばかりが上手くなって、メッキがぶ厚くなってきて、失敗に目を向けられなくなってしまったら・・・。それよりも、失敗を突きつけられて、「あーそうだよね、失敗だよね」って認めたら、何か次のチャレンジにすぐに行けるんじゃないかと思うんです。
__ 
つまり、「大失敗」はそうした生き方の問題もはらんでいる?
白神 
そうですね。ふざけたチラシですけど。

タグ: 生き方と世の中の為に動く おふざけ


心から生まれた振り付け

__ 
白神さんが作りたい、理想の踊りとはどのような。
白神 
私、面白ければそれで良いってすぐ言っちゃうんですけどね。本人が面白ければそれでいいんですよ。そういう感覚が凄くあって。今回の「腹は膝までたれさがる」で演出をして下さった筒井さんは、私たちに自由を与えてくれていて。私たち、作品を外から見てしまうタイプだから。
__ 
振付家ですもんね。
白神 
こうあるべきでしょみたいな見方がありすぎて、筒井さん大変だったんじゃないかな。私が作る時は、何でも私のせいにして好きにやってください、とそう思っています。
__ 
つまり、ありのままを。
白神 
私の振り付けで大事にしているのは、その人が自由になること。その振り付けをやる事によって、その人の良さが引き出せればいいなと思っています。それを、自発的にやれるようになればいいですね。振りが自分の心の中から出てきたような。いま自分が考えた振りと同じ感覚になるような。
__ 
最近、役者と演技の関係について興味があって。自分の演技を理解しているかどうかが結構大きいなと。その理解が責任に繋がって、それがさらに自由な演技になるんじゃないかと思っていて。
白神 
そうですね。何もない中で自由にしていていいですよと言われてもどうしたらいいのか分からないってあるじゃないですか。意外と翼がない。それに翼を与える、という方向性でありたいです。その人に与えてみて、出てきたものを引き出すように。それの繰り返しです。

タグ: 俳優の「素」を生かす 人を引き出す振付 ダンスと振付


質問 k.r.Arryさんから 白神ももこさんへ

__ 
劇団エリザベスのk.r.Arryさんから質問です。「演劇をやっていて楽しいですか?」今回は白神さんという事で、ダンスに読み変えて頂ければ。
白神 
はい。ダンスをやっていて・・・辛い時もありますけど、楽しいです。いや、本番で踊れている時はすごく楽しいです。だから続けています。それに到達するまでは辛い事もあるし、それなりに苦しみますけど、トータルで言えば楽しいです。
__ 
なるほど。OLになるべきだったのか、ダンサーになるべきだったのか。どちらにも比較の出来ない楽しさや、絶対に得る事の出来ない価値はあった筈なんですけど。
白神 
OLをやらなかったのは、踊る事で自分を肯定出来るというか。私、社会に出たら全然だめだと思うんですよ。
__ 
いやそんな事はないでしょう。
白神 
いやあ本当に死んじゃうと思う。作るという事で、何かこう、自分の言葉とかを得ているという感覚がある。たとえば、文章を一つ作るという仕事にしたって間違えたらいけないみたいな感覚があって。それじゃないところに行けるのがダンスだったというか。
__ 
なるほど。
白神 
一方私は詩とかも好きで。和歌の直接言わない感覚が好きなんですよね。私も、そういうやり方で自分の言葉を作れたらと。
__ 
ありがとうございます。私は俳句が結構好きで。作者の認識とか、対象を結ぶ視線の移動とかが想像出来る感覚って凄くいいなと思うんです。
白神 
そうですよね、情景がわっと出てくるんですよね。何かたくさんの文章を並べても浮かばなかった事が、短い表現で生まれてくる。私がインスピレーション派なので、そういう表現に憧れますね。少しの表現に色んなものを込めたい。そういうのが好きなんです。

タグ: 就職と演劇の二択


大らかさについて

__ 
これから表現を始めようと思っている若い方に、何か一言頂けないでしょうか。
白神 
私が学生の頃に言われて、今になって凄く実感する事があって。学生の頃に何も考えずに作っていた時期、それは凄く楽しかったんですけど、平田オリザさんに「何においても大らかにいなさい」と言われたんです。それは今になっても残っていて。続けていく内に大らかにはなれない事もあるんですよね。失敗出来ない仕事とか。でも、一作一作に根を詰めたりしていても、大らかさを欠いてはいけないんじゃないか。
__ 
そうですね。
白神 
大らかさを持ってほしいですね。「こうあるべき」とか、「流行だから」とかでやるよりは、自分が見たい・作りたいものを大らかに捉えてほしいです。結局、若い時に出来るものには能力的にも予算的にも限度があって、できないことが多くて根詰めすぎると人を傷つけてしまうから。でも、そういうときの方が実は可能性に満ちあふれているから自分たちが出来る、今やりたいものを、周りの人とよくコミュニケーションをとりながらやって行くのが良いと思います。
__ 
器、ですね。
白神 
器ですね。私器ないですけど。
__ 
とんでもないです。
白神 
もうちょっと広がっていければと思います。

タグ: 稽古とコミュニケーション能力 平田オリザ


一緒に盛り上がれたらいいな

__ 
今後は、どんなスタンスで。
白神 
今年は頑張った感じがするので、もっと適当に・・・じゃないですけど、身近な人を楽しませる事が出来ないかな。
__ 
というと。
白神 
結局、誰の為にやっているのか、を考えるんですよ。もっと身近な人の為の表現を考えたい。
__ 
そうしたいのは、何故でしょうか。
白神 
ダンス界に向けての活動、みたいな事になってくるとダンスを見る人だけが楽しい、みたいな。それをずっと避けて来ているんです(その人たちも楽しめればいいんですけど)。身近な人(町を歩いている人でもいいですけど)が普通に楽しめればいいなあと思うんです。誰かの為、というのをやってみたいです。為、っていうと犠牲感が出てしまいますけど、その人はもちろん踊っている側も楽しい、そんなものが作りたい。
__ 
「批評家が唸って見ているけれども子供が笑いながら楽しんでみている作品」?
白神 
そうそう、そんな感じ。そういうスタンスはこれからも続けたいです。
__ 
素晴らしいと思います。これからも楽しみにしております。

タグ: 子供が見て喜んで、且つ同時に批評家が唸ってしまう ちゃんと楽しませる 貴方の為に★ 今年のわたし


Alfadel Soap Rose

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。
白神 
え、そうなんですか?そういうのがあるんですか?
__ 
そうですね。一応、一つずつ選んでいます。
白神 
いいですよねプレゼントって。(開ける)あ、バラの。
__ 
素直な香りのする石鹸だそうです。オリーブオイルが主原料ですね。
白神 
そうなんですね。私、最近石鹸を使っているので丁度いいです。プレゼントって凄いですよね。その人の事を考えるんですよね。私もクリスマスは家族全員にプレゼントを考えるみたいなのをやっていて・・・

タグ: プレゼント(化粧品系)


劇団エリザベス番外公演「マザー4」大阪公演

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願い致します。劇団エリザベスのk.r.Arry(ケー・アール・エリー)さんにお話を伺えます。早速ですが、エリーさんは最近、どんな感じでしょうか。
Arry 
最近はそうですね、久しぶりに劇団活動をしています。
__ 
久しぶりとは。
Arry 
劇団エリザベスを旗揚げして東京で活動してきて、結構大規模な公演をしたり三都市ツアーをしたり。でも、金銭面での限界を迎え、しばらく活動を休止していたんですよね。
__ 
そして今、「マザー4」のツアー公演。東京公演に引き続き、大阪公演ですね。
Arry 
はい。実は今回、以前よりも作品に向き合うという事が出来ているなあという感があって。というのも、今年の活動については演出を辞めているんです。
__ 
つまり現在は脚本だけ。
Arry 
脚本を書く事でしか演劇と関わっていない。自分の脚本と向き合わざるを得ない。今までとは違うアプローチが生まれている気がします。
劇団エリザベス
劇団エリザベスとは、2009年12月18日に結成された劇団。日常に潜んだ不条理をチープに、シュールに、そしてハイソサエティーに表現する作風が特徴。マスコットはザベスちゃん。光合成が趣味の女の子。いつか花が咲くことを夢見ている。好きな食べ物はみかんゼリー。ほか、劇団エリザベスとほかの表現者が出会う企画「劇団エリザベスmeet's」主宰k.r.Arryによるソロ企画「蔵迷宮」など様々な企画も展開。(公式サイトより)
劇団エリザベス番外公演「マザー4」大阪公演
公演時期:2014/12/13~14。会場:in→dependent theatre 1st。

タグ: 最近どう?


平日は地方。土日は東京で演劇。

__ 
演出を降りて、脚本に集中してかったという事でしょうか。
Arry 
実は僕、いま関西よりもさらに西のほうに住んでいるんです。
__ 
えっ!
Arry 
だから2012年の頃とかは金曜日の深夜バスで東京に行って、土日の間に稽古して、また深夜バスで戻って。 それを毎週続けていたんです。体力的にも精神的にも金銭的にもきつくて、それでもやってました。そこへ、2013年は三都市ツアーをやると。
__ 
それは凄いですね。
Arry 
皆からは「実は東京に住んでいるんじゃないか」と言われてました。毎月の交通費が10万を越えてしまって、もうアホですよね。
__ 
東京に住んだらいいのに。
Arry 
きつかったですけど、よくやっていたなと思います。年に4本くらい公演してましたしね。
__ 
京都の人間としては信じられないですね。京都は創作環境が都合良く整いすぎているんですよ。例えば終電がないとか。
Arry 
えっ!
__ 
京都市内に住んでいる人に限られますけどね。稽古後に飲みに行ったりとかも時間を気にしなくて良かったりするので。
Arry 
凄いっすね。
__ 
そういう場所で演劇をやっていた人間としては、エリーさんの移動についてはちょっとこう、傾いてるなと思いましたね。
Arry 
(笑う)そういう無茶苦茶な活動をしているんですが、僕の活動を気に入ってくれた人も中にはいて。それが深寅芥さんという演出家であり俳優さんなんですけど。彼にエリザベスのツアー公演で出演して頂いて、ご迷惑を沢山お掛けしてしまったのにも関わらず。それでも舞台ドリームクラブの脚本書かないかということで、お声掛け下さって昨年の8月に上演しました。僕が脚本、深寅さんが演出で。
__ 
なるほど。
Arry 
僕は脚本に集中して、東京での稽古参加は見送ってました。それを経ての本番を見たんですが・・・脚本をですね、一字一句変えていなかったんですよ。
__ 
ああ、それは凄いですね。
Arry 
大概、よくある話で脚本との方向が違う演出になったり、台詞が書き変わったりなんて事もあるのに、彼は何も変えなかったんです。それが、僕にとってはとても有り難かったんです。新しい経験でした。そして演出家としての彼を信頼できる契機になりました。すげー年上なんで、僕が何をほざくかという感じもしますけど…。そんなことを経て、とりあえずエリザベスの番外公演の演出をお願い出来ないかと依頼したところ、引き受けて下さって。
__ 
それが「マザー4」なんですね。
Arry 
はい。東京公演がですね、評判が良かったんですよ。アンケートにもネガティブな事が何一つ書かれていなくて、しかも「脚本が良い」と書かれていて。きっと彼が脚本を信じてくれた結果なんだと思っています。そういう演出家と出会えたこともあって、僕は今、脚本を書く事に集中出来ています。
__ 
意気込みを教えて下さいますでしょうか。
Arry 
そうですね、ごくごく普通なんですが、面白いので観てほしいです。本当に面白い作品。役者と脚本と演出、全部自信があります。実はオリジナルの作品は久しぶりなのでやっぱり不安はあったんですけど。

タグ: 創造環境としての京都 アンケートについての話題


ドラキュラに狙われちまったあの子を救うために白井宏幸が出来る唯一の方法

__ 
さて、エリーの晩餐会という集まりがあるそうですが、これは。
Arry 
簡単に言うと宴会なんです。「出会わなければ演劇人は始まらない」というコンセプトの元、とりあえず飲もう!と。
__ 
あ、そのままなんですね。
Arry 
数年前は東京で不定期に開催していたんですが、昨年は大阪を中心に開催しました。LINX'S TOKYOに参加したこともあって、ステージタイガーさんとか劇団ZTONさんとかとも仲良くしていただけて…。関西の演劇関係者ともそれなりに飲み会を重ねることが出来ました。結果、そんな大阪のエリーの晩餐会から派生して生まれたのが、先日のindependentの一人芝居フェスの白井さんの作品です。
__ 
あれについても伺いたいです。
Arry 
自分の本拠地、つまり劇団エリザベスですね、そこでは絶対にやらないものをやりましょうというコンセプトで創りました。とても楽しかったです。
__ 
相手の女の子の事など一切考えず、恋と性欲のままに突っ走る作品でしたね。プロレスして出血もするし、久しぶりに勢いのあるお祭り騒ぎ芝居を拝見しました。
Arry 
(笑う)
__ 
私が拝見した回は他にコロさん・隈本さんの、自分の道に殉じる男がテーマの作品でした。3連続で見ると壮観でしたね。
Arry 
エリザベスの作品は基本的にはラブストーリーだったり、女の子のお芝居だったりするので、あんな下ネタまじりの作品は書いたことがありませんでした。なので、そういった自分の道に殉じる男が描けていたと思って下さるのはありがたいです。
__ 
劇団エリザベスでは、これまでやってこなかったし、今後も絶対にやらない、そんな作品。
Arry 
そうですね、絶対にやらない、やれない作品です。脚本を劇団員に見せたときに、面白いですけどエリザベスではやらないでください、と言われてしまいましたしね。…あの脚本についてですが、開き直って言うと、何も考えてないです。あのイベントは俳優のフェスティバルだと思うんですよね。白井さんにしかなりえない、白井さんがやってこそ輝くもの。あの作品が観客投票で一位になったのは、白井さんの事をみんな好きになったからだと思うんです。あんだけ変態な事をやっておいて人気が出るのは白井さんだからなんじゃないかな。あと、タイトルが長いのも、見ている側が入り込みやすいものは何か考えた結果ですね。タイトルに意味深なこと書いちゃって、お客さんに余計なこと考えて欲しくない。
__ 
なるほど。最初に手の内を晒されたという感覚は確かにありましたね。しかも開始6分あたりで、女の子に謝罪し始めるじゃないですか。あれが素晴らしかったです。観客の機先を征するかのように「警察は勘弁してください」「もうストーカーはやめます」とか言い始めて。これは一筋縄ではいかない脚本だなと思いましたね。
最強の一人芝居フェスティバル“INDEPENDENT:14”
公演時期:2014/11/27~30。会場:in→dependent theatre 2nd。

タグ: イベントの立ち上げ 孤独と演劇 ラブストーリー 一人芝居 タイトルの秘密 飲み会結成 自分は何で演劇を 女性と下ネタ


劇団エリザベスの方向

__ 
劇団エリザベスを旗揚げした経緯を教えてください。
Arry 
もともと大学が演劇学科だったので、みんな劇団を旗揚げしていくんですよ。これで自分は始めないというのは違うなと思って。
__ 
いま、劇団エリザベスは、ご自身にとってはどんな存在ですか?
Arry 
まだ全然青いなあと。これから熟すんじゃないかと思っています。今について言えば僕も劇団員もたぶんバラバラの方向を向いているんです。というのもみんな事務所に所属してたり就職してたりするので。各々の生活があるし、それでいいと思ってます。たまに余裕が出来たら、エリザベスのほうを向いたりして芝居やりましょう、ああそうかい、それならよろしく、といった具合ですかね。みんな劇団員一致団結して突っ走ろうとか、そういう熱意はないし、そういうのなくていいな、って最近思うようになりました。

質問 KING&HEAVYさんから k.r.Arryさんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた、KING&HEAVYのみなさんから質問です。ちなみに彼らは来年、2015年2月にHEPホールで旗揚げ公演するそうです。
Arry 
凄いじゃないですか。
__ 
その脚本・演出である飯嶋さんから質問です。「女性に言われて、今まで一番ゾクっとした言葉は何ですか?」
Arry 
「大切な事ほど、言葉にしないと伝わらない」
__ 
ありがとうございます。次は伊藤さん。「本番前に必ずする事はなんですか?」ちなみに伊藤さんは「歯をみがく事」だそうです。
Arry 
何でしょうね。トイレに行くことかな。
__ 
次は和田さんから。「人の言葉や行動で自分の琴線に引っかかる事はなんですか?」
Arry 
自然な笑顔を見た時ですね。

タグ: 本番前の過ごし方 自然体


ザベスちゃんがいた季節

__ 
劇団エリザベスのマスコットキャラクター、ザべスちゃんについて。さて、ザべスちゃんとは何者なんでしょうか?
Arry 
ザべスちゃんは、昔僕の部屋に住んでいた幽霊の女の子です。
__ 
彼女をキャラクター化したのがザベスちゃんなんですね。話した事はありますか?
Arry 
喋った事はないですね。でも、とても寂しかった時にずっと一緒に居てくれた子だったのでありがたい存在でした。ですが今はもういないんです。数年前にいなくなりました。最近、ドキドキした事はありますか?
__ 
ああ・・・あまりないですね。
Arry 
最近物事に感動しなくなってしまって。普通の人のような物事の感じ方しか出来なくなったせいで、ザべスちゃんが見えなくなってしまったのかもしれないなと。
__ 
僕はいま30代なんですけど、確かに感動が薄くなる、心が逸らなくなってしまったような。
Arry 
昔は心臓がひっくり返るくらいドキドキワクワクするような事はあったのに。今は上司に怒られた時ぐらいですよね。
__ 
うーん。何でなんでしょうね・・・。

タグ: 感性は退廃する


沸騰する劇場

__ 
いつか、どんな演劇を作りたいですか?
Arry 
脚本も演出もいらない舞台、じゃないですか。ドリームクラブの舞台に脚本で関わっていたんですが、あれはお客さんが舞台を作るんですよ。作品を楽しもうと思って見に来ているんです。演じている女の子達も応援されて、たぶん稽古のときよりもずっといい演劇をしている。それって、観客も一緒に舞台を作っている、舞台のひとつのファクターとしてそこにいる。観客も含めて舞台作品なのかもしれないと思うようになりました。ピーターブルックが「俳優と観客さえいれば演劇は成立する」何かの本に書いていて。お客さんと一緒に作る、そんな作品がいいですよね。
__ 
きっと難しい事だと思うんですけど、そういう濃いコミュニケーションを取る事が出来ればいいですよね。これまで演劇をやってきた身からすると、稽古場で培ってきたもの以外が本番でいきなり出るというのは、ちょっと抵抗があるんです。でも、仰っている事の価値は分かるつもりです。

タグ: 見えないぐらい濃い交流


ヤンキーキャンドル二点

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
Arry 
僕個人的には売れようという気持ちは全然なくて、それよりも面白いものをちゃんと作る事が大事かなと思っています。面白いものさえ作れば、劇場の大小に関わらず、観てくれる人は観てくれているので。それに売れようとして大きな劇場にこだわると、結果的にみんなが違う方向を向いてしまうこともあるので。あと、少なくとも演劇では食えないという認識を僕は持っていて、だったらそこはあまり気にせずにちゃんと面白いものを作りましょうよ、とそう思っています。
__ 
おお・・・私、だいたい同じ意見です。
Arry 
あ、そうなんですか。
__ 
はい。今日はありがとうございました。
Arry 
ありがとうございました。

タグ: どんな手段でもいいから続ける プレゼント(可愛らしい系) プレゼント(インテリア系)


2月公演「東京ブラストーリー」

__ 
今後、どんな感じで攻めて行かれますか?
伊藤 
まずは、直近の2月の公演。結構厳しい目標を掲げているんで、そこに何とか食らいつきたいというのはあります。
__ 
そうですね。もうあまり、時間はないですね。
伊藤 
押し押しなんですよね。で、問題はその後で。
飯嶋 
そうですね、月一で何かに出ている状態を続けたいなと思います。2015年はずっと、何かにおるなこいつら、よう見てるわこいつら、と。知ってもらう事から始めたいです。

男の汗脇パット、男の竹炭石鹸、男の保湿 手&爪ケアクリーム

__ 
今日はありがとうございました。そうだ、KING&HEAVYの何がインパクトがあるかというと、まずあのキャラクターがいいですよね。あれのステッカー、欲しいです。
飯嶋 
ありがとうございます。力入れて作ったんですよ。
伊藤 
僕らがよく行っていたお店の店長さんをもじって作ったんですよ。
飯嶋 
お店の名前が「KING&HEAVY」で、タモツさんという店長さん。勝手に名前貰って勝手にキャラクター作って。おもしろいおじさんでいつもお世話になってたんですけど、もう連絡取れないんですよ。なので、HPとかで「勝手に色々使ってすみません」って先に謝ってます(笑う)。
__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。今回は3人で共用してもらったら嬉しいです。
伊藤 
あ、「男のせっけん」。
飯嶋 
汗臭い、ワキガやからや(笑う)
伊藤 
ベタつかない?
和田 
全身洗える奴。頭からつま先まで。
__ 
それと、ハンドクリームに脇汗対策パッドです。本番の前にでも使っていただければ。
飯嶋 
男っぽい感じで。
伊藤 
俺ら汗臭いからな。

 Mr. Tamotsu

タグ: 人脈・コネクションの大切さ