一緒に盛り上がれたらいいな

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今後は、どんなスタンスで。
白神 
今年は頑張った感じがするので、もっと適当に・・・じゃないですけど、身近な人を楽しませる事が出来ないかな。
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というと。
白神 
結局、誰の為にやっているのか、を考えるんですよ。もっと身近な人の為の表現を考えたい。
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そうしたいのは、何故でしょうか。
白神 
ダンス界に向けての活動、みたいな事になってくるとダンスを見る人だけが楽しい、みたいな。それをずっと避けて来ているんです(その人たちも楽しめればいいんですけど)。身近な人(町を歩いている人でもいいですけど)が普通に楽しめればいいなあと思うんです。誰かの為、というのをやってみたいです。為、っていうと犠牲感が出てしまいますけど、その人はもちろん踊っている側も楽しい、そんなものが作りたい。
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「批評家が唸って見ているけれども子供が笑いながら楽しんでみている作品」?
白神 
そうそう、そんな感じ。そういうスタンスはこれからも続けたいです。
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素晴らしいと思います。これからも楽しみにしております。

タグ: 子供が見て喜んで、且つ同時に批評家が唸ってしまう ちゃんと楽しませる 貴方の為に★ 今年のわたし


豆電球のささやき

たみお 
それから、KYOTO EXPERIMENTに出すので、日本語でも英語でも通じるもの。
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それはめちゃくちゃお題が多いですね。移動できて、大人も子供も楽しめて、言語的にも問題ない。まさに、サギノモリラボとの共作ですね。
たみお 
題材としては、3.11の震災が大きいです。当時、気の向くままにトークショー等で色んなジャンルのアーティストさんがどんな事を考えているかを探っていくと、3.11の事を少しづつ消化しよう、癒やそうとしているような気がしたんですね。もちろん、構造的な事は解決出来ないし、そう簡単な事ではないんですけど。でも各々、少しづつアートで形にして、光をあてよう、癒やそうとしているんじゃないか。そう思ったんです。
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最初にオフレコでお話していただいた、ある仕掛け・・・とても象徴的ですよね。
たみお 
ユリイカ百貨店でずっとテーマにあった事も、引き続いているんです。大切な人を亡くした誰かに、「今は目に見えないけれど、いつか立ち直れるようになっている、より良く生きる事が出来るようになっているんだよ」というメッセージ。有り難い事に、子供が出来てからもそれはすれ違わなかったんですね。自分の世界観が、子育てとケンカしなかった。むしろ、子どもたちにもっとそれと出会って欲しいなと。それは今回の事と重なって、ユリイカでやっていた事をそのまま作品にしてもいいんだなあと。
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お子さん向けの公演でもあるという事ですね。
たみお 
小学生まで無料なんですね。子供達にも見て欲しいと思います。おとなにも、子供越しの風景を見て欲しいですね。童心に触れるというか。難しい事を扱うのもいいですけど、芝居はそういう迷宮の部分があってこそなので。でも、それは私には向いていなくて、私が作れる、ビジュアルとアイデアが少し変わっているというのが出来ればいいかなと思っています。今回の上演時間は45分と短いんですけど、やっていければと思います。

タグ: 子供が見て喜んで、且つ同時に批評家が唸ってしまう 震災 書いてみたいと思った


精神性

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いつか、どんな演劇を作りたいですか?
矢野 
これはある現代美術作家の受け売りなんですけど、「子供が見て喜んで、且つ同時に批評家が唸ってしまう。」そんな作品。もっと欲をいえば、海外に上演に行ったときに、字幕なしでも分かるような、そんな面白い作品を作りたいですね。それはノンバーバルな、身体表現をやるという訳じゃなくて、発語された言葉と、発語という行為をせざるを得ない人間の身体と、人間の身体そのものや関係性の変化、あるいはそれら全部の相互作用でもって、観客の想像力をあらん限り喚起する。そんな作品を作りたいです。
__ 
それはきっと、お客さんとの間に濃いコミュニケーションを生むのでしょうね。私が昨日見た作品もそうでした。まあ、一見退屈なので眠っているお客さんが大半でしたが。
矢野 
パッケージ化された商品を受け取ることに慣れすぎてしまっているお客さんは、どうしてもより強い刺激を求めてしまうと思うんです。お出汁をちゃんと取った日本料理と、お吸い物のもとの違い。どっちもどっちで、それはあってもいいんですけど、日本人はもともと持ってたと思うんですよ、野趣そのままの素材の味を、奥の方まで理解しようとする心を。つまり、楽しませてもらうのではなく、自分から楽しみに行くという精神性を。

タグ: クッキングの話題 日本人の美意識 子供が見て喜んで、且つ同時に批評家が唸ってしまう 観客との関係性


咲かないバラ

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あ、作品についてもっと話したくて。
森口 
そうですね、全然喋っていませんでしたね。話しましょう。
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「薔薇にポケット」で凄く工夫されていて驚いたのが、後ろの布地に小道具というか、アップリケをマジックテープで貼り付けて書き割にして、それが絵本のようになるという発想がとても可愛らしいですよね。花で出来たアーチとか、お祭りの風景とか。あれを考えたのは。
森口 
私です。舞台装置をどうしようと思っていたんですが、ページをめくるようなイメージでした。それらを貼り替えるというのなら出来そうだし、絵を描くのも好きなので。背景が変わったら面白いなと思ったんです。何もないところに重ねていくとか、減っていくのが面白いなと。
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あの美術、凄く効いていました。
森口 
ありがとうございます。
__ 
絵本という世界観を一瞬で説明してくれるし、その中で行われる演技もとても絵本調なのに嫌らしくなく決まっていて。感心したのが、場面転換の時、俳優の一人が前に出てきて次の場面の説明をボードでするんですが、その時に後ろを気にする演技をしますよね。それが凄く良かったんです。
森口 
あれはみんなでやってもらったんですが、イメージとしてはニワシティの住人や妖精というものでした。
__ 
いや、何か言葉で言うとありきたりかもしれないんですけど、それを実際に目にすると何故かものすごくびっくりしたんです。だって、あまりにも当然というか、あんなにハマっているメタ演技はないんですよ。そこに演出の手つきの良さを凄く感じたんです。
森口 
そういうのがパプリカンポップでやりたい事なのかなと。もちろん大人向けの作品なんですが、子供が観ても大丈夫、というのを結構意識しています。あの役割も、私がこういう事をやりたいと言っただけで、解釈してくれたんですよね。
__ 
「薔薇にポケット」じつはちょっと、悔しかったです。
森口 
悔しい?
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正直、最初の10分間ぐらい、子供向けの何かだろうと思ってたんですよ。その後の予定があって、ちょっと焦った気分で見ていました。なのに、それが凄く調和されて作られているものだと分かって。
森口 
ありがとうございました。
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結局、赦しの話だったと思うんですよ。咲かないバラが秘めているものが、彼女の思いそのもので。裏切りにあっても許すというのがすごくいい展開ですよね。
森口 
はい。それもテーマの一つでした。

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地点『コリオレイナス』Coriolanus

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さて、2013年1月25日から29日まで京都府民ホールアルティで上演される、地点の公演「コリオレイナス」。今年グローブ座で初演された作品の凱旋公演なんですね。大変楽しみです。
石田 
はい。今回、地点としては初めてのシェイクスピア作品です。
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少し意外な気がしますね。グローブ座での上演映像を拝見しましたが、ちょっと気付いた事がありました。以下の三重構造があるんじゃないかなと。
   1.「地点の俳優が戯曲を演じている層」
   2.「戯曲の登場人物の物語の層」
   3.「どこかからやってきた旅芸人の一座がお客さんの前で演じている」
これ、KYOTO EXPERIMENT2012で上演された『はだかの王様』を拝見した時にも思ったんですが。
石田 
確かにあると思います。特に僕らはメンバーが7人(俳優5人、あとは演出と制作)しかいないので、自然と旅芸人的な雰囲気が出るのかなあ。『はだかの王様』は子供の前で上演したので、なおさらそういう空気になったかもしれません。
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やっぱり。『コリオレイナス』では石田さん演じる芸人がまずいて、彼が甥っ子や姪っ子達を旅芸人一座として連れて回っている見立てがあるのかなと。でも、叔父さんが前で芸をやっている間中、子どもたちはずっと仏頂面でよそ見してて、しかもいたずらを仕掛けたり。それが、コリオレイナスという英雄に振り回されている市民達の姿と重なって、観客の役割も二重三重に重なっていったように思いました。
石田 
いまの地点の新作では、確かにそうした演出が多いのかな。最近では、5人全員がコロスとして、一つのテキストを全員でやったりしていますね。
コリオレイナス
公演時期:2013/1/25~29。会場:京都府立府民ホールアルティ。

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