妄想にくるまれた大川

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3週間にわたる公演期間の中で、ご自身にとって最大のハプニングを教えてください。
山西 
すごく個人的なことだったら。長時間の公演なので、途中にトイレ休憩が一回あったんですけど、僕はその案内する役をしてたんです。で、駅のトイレにお客さんを連れて行ってたんですけど、そこの掃除のおばちゃんとほぼ毎日会うので妙に仲良くなったんです。で、ある日の公演中に、そのおばちゃんがいつもの清掃服じゃなくて、私服で駅を歩いてて、いつも通り声をかけたら「いや今日はプライベートやから」って言われて。
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清掃のおばちゃんがそれを言う衝撃は凄いですね。
山西 
まさかそんな感じだと思わなくてびっくりしました。(笑う)
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では、最大のアクシデントは何でしたか。
山西 
不確定な要素が多かったので、本当にいろいろあった気がします。すぐ思い出すのはやっぱり船着き場の渋滞ですかね。屋形船が何艘かお客さんを降ろしていて、僕らの船が停泊できない、不思議な無の時間が流れて。
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でも、そういう時間での役者のアドリブが素晴らしかったです。アクシデントでもハプニングでも、そこを笑いに変えてしまう力がありますよね。
山西 
リハをするまでは、もう少しセリフが決まってたシーンがあったんですよ。でも実際に船の上に乗って移動してやってみたら、ボスが「台本じゃなくて、リアルに見たもの聞いたもので会話した方が面白いんじゃないか」と。ほんとにそうだったと思います。
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ちなみに、私が参加した回で面白かったのは乗船中の小中さんかな。カヌーを漕いでいる人達を川で追い越した時、船に付いている拡声器で「邪魔をしてすまない、今大阪を救っている途中なんだ」って言った事です。あれは本当に頭がおかしかった。「妄想」がキーワードの作品という事もあって、白昼夢感が凄かったです。

タグ: アドリブについて 妄想


面白い言い方がぽっと思いつく

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丸山さんが初めて舞台に立ったのはどのような。
丸山 
小学生の頃、文化祭で生徒会が40分くらいの芝居をやったんです。加古川小学校で加古川コマンという役でした。半ズボンで赤いマントの。
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最悪ですね。
丸山 
(笑う)大仰なドラの音がなって出てくるという役でした。ウケました。それが初めてです。
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今、どんな役者になりたいですか?
丸山 
東映のヤクザ映画に出てはった、室田日出男さんという人の演技がめちゃめちゃ好きで。狂ってるような人なんですけど、哀愁と可笑しみがある人なんですよ。ああいう役者になりたいですね。
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いつか、こういう演技が出来るようになりたいとかはありますか?
丸山 
今、わりと「笑いを取って来る」事を期待されるんです。自分自身としても、笑いが起きてないと怖いです。シーンとしたら、セリフが飛んでいる状況と一緒ですね。むっちゃ怖いんですよ。そんな事を思わんと、普通に演技をするようなのがしてみたいですね。
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なるほど。
丸山 
舞台に立つ上での怖さが、人一倍あるんじゃないかと思うんです。ウケんかったらイヤやなと思って、雑になってしまう事もあるんです。丁寧に演技をしたいという欲求もあって、そこら辺の感情をうまくしたいなと。結構悩んでいて。
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思うに、丸山さんの演技のイメージを伝える速度はとても早くて鋭くて。個人的にはそうした事が出来る人を天才と呼んでいるんですが、そうした演技のイメージ作りはどこから来るのですか?
丸山 
これは結構、良くないんですが・・・ゲネぐらいで気づきますね。「ああ、これや」と。下手したら、5回ある本番で2回目ぐらいで正解見つけて、みたいな。申し訳ないんですが。お客さんいないと、自分の中の何かがサボっちゃうんですね。ウケへんという不快感がないとサボっちゃうみたいで・・・。ウケを取るのが目的ではないセリフがあったとして、本番でお客さんを前にした時に、面白い言い方がぽっと思いつく。想定が出来てないんですね、良くないなあと思いつく度に思います。
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考え始めるのが遅くても、発想の切れ味が鋭ければ、まだいいじゃないですか。
丸山 
そう言ってもらえると。でも、申し訳なく思いますね。

タグ: アドリブについて キャスティングについて 赤色 コメディリリーフ 文化祭前夜 いつか、こんな演技が出来たら


ウケを狙う少女

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いままでの目標とこれからの目標を教えてください。
嘉納 
あまり目標とは関係ない生き方をしてきているんですが、何となく、なんか笑いが取れる人になれたらいいなと思っていました。アドリブとかだとそこそこ笑いを取れるんですが、台本とかで笑いを取れるというのはとても難しいですね。いまは、割と自由自在になりたいなあと思っています。
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20代の頃から、笑いを取りたかった?
嘉納 
取りたかったですねー。でも、やっぱり若い女の子に笑いを取れって難しい話ですよね。いまぐらいになると周りの目線が違うし、自分のなかでも、こんな感じでいったれ、というのが分かってくるし。
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なぜ、そのぐらいの女の子が笑えないんでしょうね。
嘉納 
女の子はなるべく、おとなしく、笑われないように育てられるからかも。どちらかというと、被笑わせられ側みたいな。男の子はもっとやんちゃで、笑いを作る側としてやってきている。よっぽど台詞が面白くないと、女の子が笑いを取るのは難しいんですよ。男の人が作る漫才とかコントは見てて面白いんですけど、やはり男の人が作る男の人の面白さなんですよね。
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それが演劇にも延長してきているわけですね。
嘉納 
男性の作家・演出家さんだから、かもしれませんね。男性が考える女性の面白さは、やっぱり男目線なんですよ。上手い方もいますけど。でも、女性ならではの笑いは、例えばユニット美人さんとか、女性にしか作れない笑いだし。それでモテるという事はないと思うんですけどね。その、モテるというのを、一旦供物として犠牲にしないといけないかもしれませんね。

タグ: 『モテ』 アドリブについて ジェンダー・女性らしさ 男性性とは何か


質問 黒川 猛さんから 西原 希蓉美さんへ

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THE GO AND MO'sの黒川さんからも質問です。「ジャズの魅力を教えて下さい」。ジャズシンガーだとご紹介したので、この質問になりました。
西原 
ジャズの魅力。楽譜がない事ですね。流れは決まってるけど、アドリブなんですよ。私はまだまだ詳しくないので、私が語ると怒られそうなんですけど。曲のワンコーラスを各パートで回していくんですよ。それがアドリブ色んな事をやって、凄いなあと。面白いなあと。落語にも似ていて、同じ演目(曲)があって、演奏する人それぞれで曲が全く違うものになるんです。
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歌っている時に感じる事はありますか?
西原 
英語なんですけど、音楽と歌詞が混じりやすくて。私はまだ下手くそですけど、メロディと発音がキレイにハマるのが凄いんです。言葉は分からへんけど、発音から想像出来て。面白いなあと思います。

タグ: アドリブについて メロディ 落語


vol.290 西原 希蓉美

フリー・その他。

2013/春
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西原