この先に何があるんだろう

__ 
そろそろ大ごとになりつつある、学生演劇祭。まずは、第一回開催のきっかけを教えて頂いて宜しいでしょうか。
沢  
まず、僕が演劇を始めたのは大学からだったんですよ。小学校の頃から、将来は俳優になるぞと決めてしまっていて、とにかくやりたくて。卒業して、就活もせずに演劇していました。でも役者として京都でやっていくのは先が見えない。周りを見渡しても、俳優として生計を立てている人はほぼ皆無で。この先に何があるんだろう、となりまして。
__ 
ええ。
沢  
やっぱり東京に行くしかないのか。でも、当時所属していた京都ロマンポップは、京都を文化の中心にしようというスタンスがあったので。僕もそういうスタンスが好きではあったんです。もちろん、演劇は東京の方が面白いものがたくさんあるんです。それでも、京都でしか出来ない何かがあるんだと思いまして。何か、ここで出来ないか。そう思った時に、京都は学生の街だ、と。さらに、京都ならではの「型にはまらない表現」の作品や俳優は、学生劇団の中からこそ生まれるんじゃないかと。歴史を見ても、演劇分野に限らず多くの才能が生まれている訳ですし。
__ 
そうですね。
沢  
あとは、京都ロマンポップの作品で、各学生劇団から出演者を一人ずつ紹介してもらうという企画がありまして。そういう個人の交流が下地にあったんだと思います。
京都ロマンポップ
「物語は幸せへの通り道」京都ロマンポップは、2005年京都を拠点として旗揚げしました。作品は、よりふじゆきによる脚本:本公演と、向坂達矢による脚本:さかあがりハリケーンの二本を支柱としています。現在は、向坂達矢による脚本:さかあがりハリケーンを主に発表しています。本公演の舞台設定は、古代ローマ、中世ドイツ、昭和初期日本、そして現代と多岐にわたっていますが、一貫して描かれているのは普遍的な人間の悲しさや苦悩であり、そこから私たちの「生」を見つめなおす作品です。哲学的な言葉を駆使しながらも、役者の熱や身体性を重視する、ストレートプレイ。(以下略)(公式サイトより)

タグ: 大学卒業後に・・・


社会人役者のなぞ

__ 
廣瀬さんがお芝居を始めた経緯を教えて下さい。
廣瀬 
僕は大学二年の時に仮面NEETをしていまして。実は1年の時にロボットサークルに入っていたんですが、人間関係がいやになって。別に問題があった訳じゃないんですけど。その1年で水曜どうでしょうにハマり、TEAM NACSにハマり、演劇サークルに入ったんです。基本的には、文化芸術は趣味でやってこそと高校の頃からそう思っているんですね。
__ 
ええ。
廣瀬 
まあ京都にはセミプロの人がたくさんいるんで「何言うてんねん」言われそうですけど、まあまあそう思っていて。で、サークルを卒業するとやはり寂しくなって、アクターズラボに入ったんですね。僕は就活が嫌でフリーターに成り下がったんです。演劇をやっている人って、普通の仕事したくないから芸術系の仕事をやりたいと思っている人が多いと思うんですけど、僕は就活というまどろっこしいものが嫌で、そんなややこしい事で仕事を決めなあかんというのが嫌で。それだったらアルバイトしつつ社員登用を狙ったほうが、いろいろ経験も積めるし、演劇もし易いだろうし。ようやく、ちょっとずつその足場固めが出来つつありますね。
__ 
素晴らしい。
廣瀬 
アクターズラボをやっていて、他のクラスの公演にも行くんですけどね。プロの役者はそりゃ皆さん上手だと思うんですけど、僕は社会人役者の方が面白いと思っているんです。プロの方々はもちろん尊敬しますけど、僕の趣味志向で言うたら、面白いのは社会人役者なんですよ。会社取締役をしながら計5公演くらい出演されてる人がいるんですが、ものすごく面白い役者でした。社会人劇団でいうと、ベトナムとか中野劇団とか柳川とか、面白いでしょう?
__ 
社会人俳優の身体が面白いというのは、よく分かります。
廣瀬 
アクターズラボの杉山さんは「責任感の違い」と仰っているんですけど、きっと、言語化出来ないですけど決定的な何かが責任感の他にあるんだろうなとどこかで思っていて。職業・職場が醸し出す個性が絶対あるんだろうなと。
__ 
社会人俳優の身体がこの世界に見られ慣れていないから、経験的に飽きられていないから、かもしれませんね。
廣瀬 
確かに、見られ慣れていないというのが、一つの圧になっているのかな。社会人の方が、見られるという圧力を自分の力に変換する能力を持っているんじゃないかなと思うんです。まあ、ハリウッド俳優とかは別にして、外からの圧を出力に変えるメカニズムは普通に働いていた方が養われると思うんですよ。さらに、観客の圧に慣れていないから、それを変換する作業がエネルギッシュになるんじゃないかと。その2つの構造があるんじゃないかと思うんです。
__ 
分かります。しかも、意気込みの種類が違いますからね。
廣瀬 
アクターズラボに参加する人は、次に出られるかどうか分かりませんからね。そういう意味で、責任感は違うかもしれません。
アクターズラボ
劇研アクターズラボはNPO劇研が主催する、総合的な演劇研修の場です。舞台芸術がより豊かで楽しい物となる事を目指して、さまざまなカリキュラムを用意しています。全くの初心者から、ベテランまで、その目的に応じてご参加頂く事ができます。現在、京都と高槻を拠点に、アクターズラボは展開中です。(公式サイトより)

タグ: 大学卒業後に・・・ 演劇のない地に演劇を現出 劇研アクターズラボ 見えないぐらい濃い交流 プロの仕事 ロボット演劇 社会人俳優についての考察


「悪魔のしるし」

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願いします。演劇などを企画・上演する集まり「悪魔のしるし」の危口さんにお話を伺います。危口さんは最近、どんな感じでしょうか?
危口 
今年は企画が大中小色々ありまして、結構忙しくしていましたね。
__ 
素晴らしい。しんどいという思いはありますか?
危口 
いえ、もしこれが仕事だったら、毎日働くのは当然だし、きついとは言えません。いや、きついですけど。普段は僕も、ほとんどの小劇場関係者がそうであるように、バイトしながらやってます。まさか食えるとは思ってないです。いや、思ってなかった。というのも、今年だけは何だかんだいって、やっていけてるんです。助成金をもらいながらなので興行収入とは言えないんですけどね。今は瞬間風速で、じきにまた食えなくなってバイトを始めると思います。
__ 
どんな仕事をしているんですか?
危口 
工事現場で建築資材を運ぶバイトです。肉体的にはキツいので、一日で辞めてしまう人も多い職場なのですが、僕はけっこう長い間勤めてるんで、社内で存在感が上がってしまってますね。
悪魔のしるし
危口の思いついた何かをメンバーたちが方法論も知らず手さぐりで実現していった結果、演劇・パフォーマンス・建築・美術など多様な要素をもつ異色の集まりとして注目される。作風は基本的に、演劇的な要素の強い舞台作品と、祝祭的なパフォーマンス作品という二つの系統。団体名は、主宰・危口統之の敬愛する英国のロックバンドBLACK SABBATHの楽曲 「SYMPTOM OF THE UNIVERSE」に付けられた邦題、「悪魔のしるし」に由来。2008年結成。(公式サイトより)

タグ: 大学卒業後に・・・ 今年のわたし 名称の由来 糊口