・・・出会えて良かった

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この作品を一番見てもらいたいお客さんはいますか?
たみお 
見てもらいたいお客さん、は、既にご予約を頂いております。客層という事なら、若い方に見ていただいて「こういうのもあるんだな」と思ってもらいたいし、お芝居が初めての方にも、めっちゃ見ている方にも、子供にもおじいちゃんおばあちゃんにも見てもらいたいし。そうですね、劇場をシェアする方の層が、バラバラであってほしいです。色んな反応がごちゃまぜになってくれたらいいなあ。
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素晴らしい。共通して、どう思ってもらいたい?
たみお 
お話の作りはシンプルにしています。役者さんの面白い部分を出せたらと思っていますね。何か、こんなの出てきたぞ!って、単純に出し物を楽しがってもらいたいです。そこしかないかな。
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サギノモリラボの仕掛けが楽しみですね。
たみお 
こうなってほしいというのはあるんですけど、お客さんの反応は全然予想出来ないですね。
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端的に、お客さんに何を手渡したいですか?
たみお 
どうして「TWO」かと言うと・・・「一人では何も出来ない」、という。誰かと出会う事で、何かが出来上がっていくんですよね。既に出会っている人たちを改めて想って、出会えていたんだなという実感を手渡したいんだと思います。でも、そもそも自分という存在が、誰かと誰かが出会った末に出来上がっているんで・・・出会えて良かった、という。

タグ: 一人では何も出来ない 「初めて芝居を見たお客さん」


「おしゃべり」を思う

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今日はどうぞ、宜しくお願い致します。最近、高田さんはどんな感じでしょうか。
高田 
僕は最近、ある学校に行きはじめまして。それが今年で一番の変化でした。言語聴覚士という、医療系の資格を取る専門学校なんですけど。
__ 
ええと、コミュニケーションに関する障害のリハビリをする資格でしょうか?
高田 
そうですね。いいんですか?こんな、お芝居と関係のない・・・
__ 
いえ、もちろんです。ざっくりとで結構ですので、その学校に入られたキッカケを教えて頂けないでしょうか。
高田 
これまでずっと病院でバイトしていてですね。で長年続けていると責任が重くなってきて。これはお芝居続けていられへんなという感じになってきて。でも、お世話になっている理学療法士の先生方に、こういう資格があるから、いっそ取ってみたら?と薦めて頂きまして。
__ 
その専門に、興味はあるのですね。
高田 
勉強を進めていく内に、お芝居のワークショップと被るところがあると気付いていて。親近感を感じています。
__ 
会話が困難な状態の人の回復を手助けする技術。そういう分野の勉強をされているのですね。
高田 
色んな病気とかでコミュニケーションに障害を持つと、普段「何となく伝わるやろう」ぐらいに考えていた意思疎通がほとんど出来なくなる訳ですからね。
__ 
人間が関わり合う上で共通した前提としてある手段。それが崩れてしまう。
高田 
原因としては生まれつきの障害という場合もあるし、後天性の場合もあるし。先天性の場合、口がうまい事動かないとか、口に奇形があるとかがあって。口唇裂、口蓋裂とかあるんですけど。また後天的な場合は脳出血などで障害が残って、聞こえているのに理解出来なかったり、しゃべろうと思うのに喋れない、そんな場合なんかもありますね。
__ 
何故、そこに興味を持ったのでしょうか。
高田 
そうですね・・・いまやっていていいな、と思うのは人と喋れるという事、ですね。黙りこくっているというのが性格的に得意じゃなくて。おしゃべりが好きなんですよ、一見大人しそうだと言われるんですけど(笑う)。結局、楽しく喋れている時間を持てるというのが一番重要なんじゃないかなと感じますね。
__ 
ダベるのは幸せですもんね。
京都ロマンポップ
「物語は幸せへの通り道」京都ロマンポップは、2005年京都を拠点として旗揚げしました。作品は、よりふじゆきによる脚本:本公演と、向坂達矢による脚本:さかあがりハリケーンの二本を支柱としています。現在は、向坂達矢による脚本:さかあがりハリケーンを主に発表しています。本公演の舞台設定は、古代ローマ、中世ドイツ、昭和初期日本、そして現代と多岐にわたっていますが、一貫して描かれているのは普遍的な人間の悲しさや苦悩であり、そこから私たちの「生」を見つめなおす作品です。哲学的な言葉を駆使しながらも、役者の熱や身体性を重視する、ストレートプレイ。「ロマンポップ」の名前の通り、エンターテイメント的な要素も取り入れながら物語を紡ぎます。さかあがりハリケーンは、短編作品集です。その作品群は「コント」ではなく「グランギニョール」ただ笑える作品ではなく、どこか屈折した退廃的な空気が作品に漂います。歌やダンス、身体表現を最大限に取り入れていますが、対峙するは「現代の演劇手法」です。(公式サイトより)

タグ: 一人では何も出来ない 最近どう? 有機的に関わりあう 資格を取ろう 自分は何で演劇を


いつかよぎる景色

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山本さんはコトリ会議の脚本家・演出をされていますが、お客さんにどんな気持ちになって帰ってもらいたいですか?
山本 
やっぱり、どこかほっとした気持ちになってもらいたいですね。エンターテイメントを求める心が僕の中にはあって、観てたくさん笑った後にずっと考えさせられる。劇場を離れて時間が経って、例えば誰かと話している時、TVを見ている時、お茶を飲んでいるような時にふと再来する、そんないいシーンを生み出したいというのはありますね。作品の解釈なんて結構どうでもいいというのはあって、でも、印象に残るシーンを作りたいですね。
__ 
これまで作られた作品の中で、それはありますか?
山本 
あまり見られてはいないんですが、3回目の公演の「右はじの、映らなかった人」という作品。夕暮れの中で一人の女性が男の写真を映す、その情景であるとか。「サリリャンカララワールド」のラストもそうですね。
__ 
というと。
山本 
暗い倉庫の中生きている女の子が自分の中でストーリーと生活を作り上げるという話で、最後に光が差し込んで、抒情的なセリフが続いて、「母は思い出すよ」というセリフがあるんです。
__ 
ちょっと鳥肌が立ちました。
山本 
でも中々上手く行かなくて、あまり受け入れられなかったんです。
__ 
勇気を持って表現する劇団の芝居が好きなので、やってもらえると嬉しいし、やらなければ何も始まらないですけどね。だから私は、どんな作品の面白さも拾わなければならないと思っています。
山本 
ありがたいお客さんやなあと。ありがとうございます。
コトリ会議 演劇公演 5回め「サリリャンカ・ララ・ワールド」
公演時期:2010/4/17~18。会場:in→dependent theatre 1st。

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歯車がぴたっと合った瞬間

__ 
舞台の上で演技をした時。「この演技が上手くいった」という時があると思うんですが、その条件は何だと思いますか?
丹下 
それは私個人では絶対出来ないんです。相手ありきというか。全ての歯車がぴたっと合った瞬間。その確率を上げるのが稽古なんだなと思います。全ての関係者とも、その日のコンディションも合わないと上手くいかないと思います。
__ 
確率を上げる。その言い方、凄く面白いですね。
丹下 
エンタメ系だと、それはパフォーマンスに当てはまるんですけど、会話劇だとそれは当てはまらなくなるんですよね。

タグ: 一人では何も出来ない 揺らぎ、余白 引き出し合う 舞台にいる瞬間 関係性が作品に結実する 自覚的になりたい


vol.317 丹下 真寿美

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2013/春
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丹下

饒舌な沈黙

片桐 
よく言われている事かもしれませんが、作品はその場にいる、お客さんを含めた全ての人で作るんですよね。
__ 
片桐さんは、そこに可能性を感じているんですね。
片桐 
同じ作品をやっていても、お客さんが参加していると感じた回は、全体として凄くいいものが出来た、と思えるんです。その逆もあります。演出に言われた事を忠実にやっていても、「これでいいのかな」と迷う瞬間があるんです。お客さんの「無言」という反応を皮膚で感じた時には、やっぱりそうなんですよ。
__ 
演劇は観客と作るものである、という言葉はよく聞きますが、なるほど。お客さんの無言のうちの反応を、舞台上の片桐さんが頭ではなく皮膚で感じている。その応酬は、作品に直接的な影響を与えうる。笑いとか拍手とかの表面のレベルじゃなく、もっと深いところで繋がってたんですね。
片桐 
結局、コミュニケーションなんですね。作品の上演はもちろんただの一方向じゃなくて、その交換が豊かであればあるほど、やる意義はあると思うんです。

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vol.288 片桐 慎和子

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2013/春
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片桐