何でもいい、のかもしれない

__ 
高田さんが、かなり前にアートコンプレックス1928でされた演技が頭にこびりついて離れないんですよ。ふんどし一丁で白塗りで、女性の上に乗って腰を振って最後は顔射する演技。あれは素晴らしかったです。
高田 
確かに、人前で裸に近い格好になるのはなかなかいいものでしたね。ああ、僕は何でもいいんだ、何もないんだ。情けなくも清々しいと思ったんです。
__ 
というと。
高田 
似非悟りなんですけど、何でもいいんだなあって・・・今まで自分は格好付けてたんだなあ、って思いますね。そのとき、ふわっと心が軽くなったと思います。最初はちょっと恥ずかしいなと思ってた部分はあるんですね、まんぐり返しのポーズになって、肛門の間際まで見せてしまうとすがすがしい気持ちにはなりましたね。お客さんも何故わざわざお金を払ってそんな汚いものを見なければならないのか、後で申し訳なく思いましたね。でもアンケートでは何故か評判は良くって。お芝居の空間はやっぱりちょっと違うんですかね。
__ 
承認されたという事ですね。
高田 
一言で言うとそうですね。承認欲求がありますね、僕は。たぶん。

タグ: 俳優の承認欲求 アートコンプレックス1928 恥ずかしいコト アンケートについての話題


劇場へ

__ 
演劇を始めた経緯を教えて頂けますでしょうか。
末山 
高校の時に演劇部に入ったのがきっかけです。何か部活に入ろうと思って、でも運動神経がないので運動部じゃないし、めぼしい文化部もないし。何をしたらいいのかと迷っていたら、小学校の頃の学芸会が楽しかったので、それを思い出して。それと、模型を作るのが趣味だったんですが、小道具を作ってみたら面白いんじゃないかなと思って。高校を卒業後、京都府立大学でも演劇部に入りました。
__ 
演劇実験場下鴨劇場ですね。「メガネ大使La・Gun」という作品がありましてですね、それが最高に面白かったんですよ。
末山 
ああ、伝説の。中野貴雄さんの作品ですね。僕ら後輩の間でも「La・Gunの頃が下劇のピークだったよね」と言われているぐらいです。僕らの代からまたちょっと方向性が変わっているみたいです。しょうもないアホな事を、たらたらやる、みたいなのを僕らの代が初めたんですよ。
__ 
下劇、またゆっくり時間を取って見に行きたいですね。ところで、大学の演劇部時代で見た衝撃作を教えてください。
末山 
電視游戲科学舘の惑星組曲と、ショウダウンの「僕らの二日間戦争(改)」でした。京都に来るまで小劇場を見たことがなくって本当に凄かったです。役者さんもすごいし、美術もすごいし。
__ 
懐かしいですね!
末山 
僕が大学に入った時なので、2004年ですね。あと、実は高校の頃に青年団が地元に上演しにきていて。「冒険王」という。子供向けの演劇とか以外で演劇を見たのはあれが初めてです。

タグ: アートコンプレックス1928 ファンタジー 書いてみたいと思った 迷っています メガネ大使La・Gun 伝説的な公演 学芸会


セッション

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願い申し上げます。兵頭さんは最近、どんな感じでしょうか。
兵頭 
今参加している「ギア」と、オリジナルテンポがスロベニアのアーティストと共同製作をするんですが、そのプロジェクトが始まっています。どんな感じになるのか楽しみですね。特に「ギア」はロングランなので。
__ 
そうそう、いつ終わるのかすら決まっていないんですよね。
兵頭 
そうなんですよ。半年とか一年以上の期間だと思います。柿喰う客のツアー公演で慣れているとはいえ何が起こるのか。不安ですが楽しみです。あと、今回は新作を海外で作る事になるんです。
__ 
どうなるんでしょうね。
兵頭 
音楽も芝居もセッションしながら作っていくんですよね。オリジナルテンポは何度も海外に行っているし、メンバーの結束が強いんですので不安はないんですけど。実は去年の夏、共同制作の準備としてスロベニアに一週間だけ滞在したんですが、色々驚くことがあったんです。
__ 
というと。
兵頭 
その日は一日リハーサルで、昼過ぎに一旦区切りを入れたんですよ。18時から再開するんですけど、その間、飲みにいくんです。
__ 
えー!
兵頭 
飲みにいっちゃうんですよ。それがスロベニアの習慣なのか、そのカンパニーのやり方なのか。私は好きだし、いいなと思うんですけどね。
__ 
本当に文化が違うのかもしれませんね。
兵頭 
色んな意味で大きさが違うんですね。彼らはフリークライミングが好きで、大自然で山に登るんです。それは日本では感じにくい空気感なんですよ。
__ 
日本では味わえないですね。
兵頭 
滞在最終日にクライミングとラフティングに連れていってもらったんです。やっぱり気持ちいいんですね。大自然の中での自分の居方というか。山の色や川の水が違うし、空気が違うし、食べ物や飲み物が違うし、使っている言葉も違うし。全てひっくるめて、この人達はこういう風に生きている、そりゃ違うわって。そこで初めて、やっと、彼らと私たちは生きてきた背景が違うんだなって思えるようになったんです。
__ 
どんな作品になるんでしょうね。
兵頭 
そうですね。彼らは今年、日本に来てくれるんです。リハーサルも楽しみだけど、彼らが日本でどういう生活をするのか楽しみです。
ギア -GEAR-
公演時期:2012/4/1~(ロングラン公演)。会場:アートコンプレックス1928。
THE ORIGINAL TEMPO
2002 年に演出家ウォーリー木下を中心として設立されたThe original tempo(TOT)は、海外での作品発表を目標とし、台詞を一切使わないパフォーマンスグループとして活動しています。TOT では、国内で評判のよい作品を海外で発表するのではなく、はじめから海外で発表することを目的として、ポータビリティや言葉の問題などを意識し、作品に反映させていくことを活動の主題としています。(公式サイトより)

タグ: アートコンプレックス1928


京都ロマンポップ さかあがりハリケーンvol.5「ミミズ50匹」

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願い申し上げます。向坂さんは、最近はいかがでしょうか?
向坂 
最近は三月の京都ロマンポップのさかあがりハリケーン公演「ミミズ50匹」の稽古をやっています。
__ 
タイトルが心を惹きますよね。
向坂 
まあ下ネタですけどね。役者50人を使っておうと思って。さかあがりハリケーンでは割と大喜利的なやり方で芝居を作る事が多いのですが、今回は大勢で同時にふざけている感じですね。
__ 
さかあがりハリケーンではこれまでコント公演が多かったと思うんですが、今回は長編ですね。しかも笑の内閣の高間総裁が主役。私は、常々総裁の演技がすごく面白いなと思っていて。俳優としての活躍をじっくり見たいなと思っていたんですよ。
向坂 
そうですね。確かに、ちょっと変わった位置取りのキャラクターですね。
京都ロマンポップ さかあがりハリケーン公演「ミミズ50匹」
公演時期:2012年3月1~3日。会場:アートコンプレックス1928。

タグ: アートコンプレックス1928 おふざけ


「チーム」

__ 
本間さんは、今はどういう感じで芝居に関わっているのでしょうか。
本間 
僕はいま、京都造形大学の3回生なんですが、ドキドキぼーいずというチームを作って外部で活動をしています。一心寺シアターや、アトリエ劇研さんやアートコンプレックスさんで公演をさせてもらいました。ですが、数だけは打ってるのに圧倒的に集客が追いついてないんですよね。
__ 
なるほど。
本間 
最近は、メンバーの出入りもあったり。演劇とかチームって難しいなと思った一年でした。どの劇団さんも悩んでいると思うんですが。学生だったらなおさらなんでしょうね。モチベーションが違うし、面白いやつが多いのに、もったいない。
__ 
「チーム」という言葉を使われていますね。「劇団」ではなく。それは、どのような思いが込められていますか?
本間 
劇団というよりは、その前に作品を作る仲間じゃないですか。わざわざ固定したメンバーでやっていくんだから。劇団というと組織化されすぎちゃうんじゃないかと思っているんです。甘っちょろい考えだと言われるかもしれないですけど。僕は脚本・演出をするけど、あくまで同じラインに立っていると思うんですよ。皆のアイデンティティががあるわけだし、それ生かしていきたいというか・・・だから、そのチームでのみ出来る作品を作りたいと思っています。
__ 
素晴らしいと思います。チームとして捉えるんですね。
本間 
旗揚げしてから作ってた作品は、僕が売れる事に頭がいっちゃってて。それで叩かれたんですよ。「何がしたいか分からない」って。斬新な事をやっても、最初は興味を引くんですけど、やってる僕の方が興味をもっていなかった事に気づいてしまって。
__ 
ええ。
本間 
そうなっているのは、僕が一つ上にいたからなんですよ。高校演劇の頃は皆が率先してやっちゃうもんだから、いつも僕が一つ下で、いい意味でワガママを言えてたんですね、きっと。今は色んな事を引き受けちゃって、そんな余裕もなくなって。やりたがりだし(笑)
__ 
大変ですね。
本間 
チームがバラッバラになって、また僕一人でやろうと思っていた矢先。チームの一人が「そういう姿勢は違う」と言ってくれて。旗揚げして2年で、ようやく甘え方を知ったというか、チームを知ったというか。そうか、こいつらとはこうやっていくのかーと分かったというか。

タグ: アートコンプレックス1928


「かもめ」

__ 
地点の前回の作品の「かもめ」、お疲れさまでした。とても楽しかったです。トレープレフ役でしたね。私は和室での公演は拝見出来なかったのですが・・・。
小林 
実は、2月に再演する予定があります。まだ詳細は決まっていないので、ホームページをチェックしてもらえれば。
__ 
あ、そうなんですね。是非予定を空けて見に参ります。
小林 
席が少ないので、お早めに。
__ 
そうそう、三浦さんがアフタートークで、和室公演とアートコンプレックス公演は比較すると面白いと、自信作だと仰っていました。
小林 
和室は、ほぼトレープレフしか喋らないんですよ。
__ 
あ、そうなんですね。アートコンプレックスの公演では全員喋ってましたが。
小林 
トレープレフは床の間にいて、ずっとぺちゃくちゃ喋ってるんです。時たま他の登場人物が覗いてくるんです。彼の寝室でもあり、お墓でもあるかもしれないという。
__ 
お話のスジ上、これはどこのシーンだろうという仮定がいくつか成り立つんですね。
小林 
もしかしたら、トレープレフの自作劇が失敗した後の事かもしれないし。
__ 
あ、あの超大ゴケした実験劇。すごい微妙な感じになりましたね。トリゴーリンがずっと苦笑いしてましたね。
小林 
デカダンな、頭でっかちな作品って言ってましたね。若者がメチャクチャやって、「それ見たことか」ぐらいになったらいいなと。
__ 
事前にテキストを読んだお客さんはなおさらでしょうね。
小林 
読んでいなくてももちろんいいんですけどね。事前に読んでいると、地点のあの喋り方に心構えが出来るかも(笑う)。
__ 
原作を読んでおくことで、現場での解釈に幅が生まれるんでしょうね。
小林 
それに、アトコンでは三方客席で結構緊張感があったんです。やっている立場から言うと、想像していたよりもお客さんの目線の圧力がありました。
__ 
しかも、近いですからね。
小林 
その上、お客さんに喋りかける演出があったんです。難しい単語が出てくるとちょっと面白く注釈みたいに解説したり。その時に、お客さんがニコリともせず神妙な顔をしてると、一瞬心が折れ掛けそうになりました(笑う)。
__ 
地点では囲み舞台は珍しいですよね。だから、冒頭に甘いお茶が出るのは面白いなと。変な言い方かもしれませんが、そう来たかと思いました。
小林 
あれは好評でしたね。入ってきたらみんなお茶をサーブしているって。
地点『かもめ』
公演時期:2011/9/28~10/16。会場:京都芸術センター 和室「明倫」、アートコンプレックス1928。

タグ: アートコンプレックス1928


サワガレ「あいめまいみめい」

__ 
そんな三國さんが作られた芝居ですが、実は私は2本しか拝見していなくて。まずは「あいめまいみめい」ですね。宮崎の狂牛病と昭和の怪事件をモチーフにした作品でした。この素材は、どこから生まれてきたのでしょうか。
三國 
当時、宮崎での狂牛病がヤバいとか、日本は終わりだ、とテレビなんかでも報道されてたんですけど、肝心なところはなにも伝わってこない。変な話、すごく隔たりがあるように感じたんですよ。向うで牛が次々と感染しているのに、スーパーに行ったら牛肉が売られている。価格もそんなに違わない。騒がれている事件と僕の間に、見えないけど距離があるように思ったんですよね。それを芝居にしようと思ったのが始まりです。
__ 
あの時は日本中がその事でばかり騒いでいましたね。それとはあまり関係がなさそうな下山事件も、切り口の一つになっていましたが。
三國 
口蹄疫と似たような話ですが、下山事件が起った当時と今の日本の間のにある隔たりが気になりました。戦後すぐの時期で、革命がどうとか、学生運動がどうとか、日本の共産主義が元気あったりとか・・・。色んな資料を読んでも距離感があったんですよ。宮崎も下山事件も、両方共現実に起こったことかもしれませんが起こったことですが、今の僕自身の生活との距離感が拭えなかったんですよ。
__ 
その距離感は、いつ頃から感じられたものですか?
三國 
感覚として、分からない事があると気付いた日からですね。例えば、僕から見て全然分からなかった芝居を他の批評家が見事に切り口を付けて解説してることあるじゃないですか、僕には感じえないものを感じる人がいる。逆に言えば僕にしか感じられないものもある。もしかすると、演劇を通して身についた感覚かもしれません。
__ 
客観的な批評を通して対象と自分との間に距離を見つけたと。
三國 
そうですね。逆に、必ず批評を出来なくてはいけないのか?という疑問も出てきたんですよ。出来る奴はする、出来ない奴はしない。僕は批評をしたいと思ったらするし、何も感じないものは放っておくし×。それが僕の感性なのかな、と、今は思っています。
サワガレ「あいめまいみめい」
公演時期:2010/9/10~2010/9/12。会場:アートコンプレックス1928。

タグ: アートコンプレックス1928 ユニークな作品あります 俳優を通して何かを見る


京都の創作環境

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
北川 
2012年くらいに、関西でも上演しようと思っています。
__ 
おお。是非、お願いします。
北川 
まず今回やらせてもらって、京都の創造環境の素晴らしさですね。芸センしかり、青少年活動センターしかり。それから、京都の上品さですね。いちげんさんお断りとか言われるんですけど、入ってしまえばあったかいですね。そういう幸せな出会いを頂いたなと思いました。
__ 
上品さですか。なるほど。
北川 
創作環境という点においては、京都をすごくうらやましいと思いました。アートコンプレックス1928もいい劇場ですよね。
アートコンプレックス1928
三条御幸町の多目的ホール。ダンス、演劇公演、ショーやワークショップ、展覧会等を開催する。

タグ: アートコンプレックス1928 今後の攻め方


二つの出来事が重なって

__ 
ところで森田さんは、どういう経緯でお芝居を始められたんですか?
森田 
ある日、職場に来ている営業の人が「今度芝居をするんですよ」って。それまで私は芝居なんて関わった事もなくて、京都演劇界なんてものがあるという事も知らなかったんですよ。
__ 
それは、そうでしょうね。
森田 
でも、働きながらそういう事に関わるっていいなあって思ったんです。私もその頃、声優の養成所に行っていて。
__ 
ええ。
森田 
それと同時期に、同じ養成所に通っていた人から女優を探しているって話があったんです。それがPASSIONEでした。その二つの出来事が重なって興味がかき立てられたんです。どちらか一方がなければ始めてなかったと思います。
__ 
初舞台は。
森田 
いきなり、舞台のことを何も知らない状態でPASSIONEの公演に出る事になったんですよ。しかもアートコンプレックス1928で、かつ主役級の役で。いい思いをさせてもらいました。あれが最初だったからこそ続けたのかもしれませんね。
アートコンプレックス1928
三条御幸町の多目的ホール。ダンス、演劇公演、ショーやワークショップ、展覧会等を開催する。

タグ: アートコンプレックス1928 声優になりたかった


アートコンプレックス1928

窪木
アトコンの二階のレストランが無くなりました。
__
マジですか!?
窪木
今日仕込み手伝いに行ったらなくなってたよー。何も言わず。
__
あっさりしてますねー。
窪木
前は店員さんとかとすれ違う時に「ご迷惑お掛けします」とか言ったりパンとか料理の横をパネル持って上がったり、仕込みの休憩中に昼ご飯食べに行ったりしてたのに。
__
じゃあ、もう結婚式がうるさいのを我慢しなくていいんですね。
窪木
水漏れも気にしなくて良くなったんだけど、残念だね。
__
次は何が出来るんですかね。ホールとか?
窪木
一階と二階でお芝居やってますよ、みたいな。

タグ: アートコンプレックス1928


vol.10 窪木 亨

電視遊戯科学舘。

2006年以前
この人のインタビューページへ
窪木