死神シリーズの正体(?)

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世界における満月動物園の位置付けについて、伺っても宜しいでしょうか。
戒田 
ちょっと前から、演劇業界を引退したって言ってて。プライベートが忙しすぎて。一時期、付き合いが全く無くなってたんです。公演はしてたのに。
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公演しながらプライベートが忙しいって相当忙しいですよね。
戒田 
だから、つい最近まで、自分が満月動物園をどう世界に位置付けて作品作りをするかにまで手が回っていなくて。・・・俳優が、役を、もっと生きるようであって欲しいと思っています。でもそれは他の演出家の下では全く違う意味合いになると思いますし。
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ええ。
戒田 
僕たちの中で、ちょっとずつでも前を向いて進んでいく事で、やりたい事はどんどん増えていくんだろうとは思っています。元々は凄く実験的な事をやってたんですよ。満月動物園と言えば「実験」だったんですよね。
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やっぱり前衛だったんですね。
戒田 
死神シリーズは、そんな実験を繰り返していた僕が、どこまで分かりやすいものを書けるか、という、自分なりの実験、挑戦でもあるんです。
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死神シリーズ。本当は具体的な作品の筈なのに、ものすごく抽象的な感覚があります。そして、演歌の世界に入っていく。改めて言うと、観覧車が倒れるというのもとても象徴的なモチーフと言えるでしょう。不条理さすら覚えるほどの事故と、そこから始まる怒濤の残りの人生。それは観客個人の物語を語る事でもあり、輪廻を暗示する幕切れは、白幕の向こうの世界を黙示することでもある・・・かもしれない。

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瀉血する客席

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今回の意気込みを教えて下さい。
葛原 
前回までは雑技団的な事をしていたんですよ、みんな。いい距離を保ちつつ。でも今回は、それ以上に、お芝居をする事に接近して演技しています。顔と顔が近づくぐらい役に近づいているんです。お客さんの心臓を素手でギュっと掴めるような作品になったら嬉しいな。
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お客さんに、どう思ってもらうのが理想?
葛原 
そこから血がジワーって滲み出すような、傷みをお客さんに思い出してでもらえたらと。絶対、生きている中で潜在的に傷みを持っていて。普段無視している傷み。
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ええ。
葛原 
個人的に、去年はいろんなことに絶望した年で。生きる為に、生きやすくなるように鈍感にしてしまっているなって部分があって。いや生きる人全員がそうなですけどきっと。その鈍感になっているところを針で刺して、じわあって滲んでくれたらいいなあと思います。
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つつけると思いますか?
葛原 
戯曲の力はとても強いので、あとは役者の力だと思います。

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花のように過激に生きる

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前回公演「おしゃれな炎上」での、目玉になり果てた弟を食べて踏みつぶす演技が良かったです。あのシーンがあったから、全体の印象が引き締められたと思うんです。
夢子 
ありがとうございます。アンディさんが生んでくれた役を精一杯やって生きて死にたいですね。アンディさんの書いた台詞って、嘘っぽくなく心から口に出せるんです。その人物として物語の中で生きていられるんですよ。私なんてただの24・女・フリーターで、何もかもうまく行ってないのに、でもそんな役の役者でいると、すごく楽になれるんです。
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嘘をつきたくない。アンディさんのセリフは、自然に出せる気がする。
夢子 
上演時間2時間の夢の間、生きてるという感じを得たいです。「俺ライドオン天使」の時、お客さんの感想ツイートの中に「生きるってこんなに過激だったのか」という表現があって。
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おお・・・。
夢子 
普通に生きている事が既にドラマなんだ、って思って。私、これまで出演した3作品全部で「幸せになりたい」ってセリフを喋ってるんですよ。お金とか安定した生活とかそういう意味じゃなくて。
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夢子さんの演じた人物は全員追い詰められた人生だったと思います。解放されたい、という事だったのかな。
夢子 
全員、それぞれにエグい生き方をしていて。今回の作品は痛みとか愛とか葛藤を描いています。目を逸らさずに幸せを見つめています。ひどい事をする人物にも背景や環境や抱えている痛みがあって、その痛みや負い目がお客さんの中にもあったりしたら、どこか肩の力が抜けると思うんです。そういう所が、がっかりアバターにしかない魅力なんじゃないかと思います。
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がっかりアバターは今まで地獄を描いてきたと思うんですよ。「誰の心の中にも地獄がある」、これは闇金ウシジマくんの評論の一つなんですけど、何故地獄絵図を見ると心が楽になるのか。もしかしたら地獄という情景に心が行く事で、抑圧から解放されるんですね。それが魅力と言えるでしょうね。
がっかりアバター「おしゃれな炎上」
公演時期:2013/12/27~12/29。会場:ウイングフィールド。

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