舞台を踏む足たち

__ 
日本にどんな影響を与えたいですか?
飯嶋 
日本!なるほど・・・あのですね、よく、TVドラマとかを観ていても、「この人足引っ張ってるな」と思ってしまう人もいるんですよ。面白い作品を作りたいのか、それともそのタレントさんを売り込みたいだけなのか、視聴者としては分からないですよね。
伊藤 
芸能界批判や!
飯嶋 
旧来の日本の芸能の仕組みや、古臭い因習や影響を断ち切らないといけないんじゃないか。そういう方向に、僕らが新しいやり方や、見えていないニーズを発見出来ていけたらなと思います。
伊藤 
めっちゃデカい事ゆうてるやん。
飯嶋 
おう。
伊藤 
じゃあ僕、昔、将来の夢が総理大臣だったんですよね。でも勉強して地盤固めてみたいな事をしても僕はなれないんじゃないかって思って。じゃあどうしたらいいんやろうと・・・ロナルド・レーガンや、と。ハリウッドスターになって政治家に転身して大統領になって。
__ 
扇千景さんみたいなね。
伊藤 
(笑う)半分冗談ですけど。でもゆくゆくはそれくらい影響力のある人物になりたいなって・・・極端すぎるかもしれませんけど。
__ 
まあ、簡単に言うなら、「たくさんの人を幸せにする人」ですね。
伊藤 
そう、そうですね。
__ 
和田さんは。
和田 
僕がKING&HEAVYでやりたい事・・・。自分の思いを演劇を使って伝える人ってたくさんいると思うんです。でも、僕らの作品の場に来たらただ笑ったり泣けたり、スカッとしたりとか、そういう機会にしたいんです。下らない事をしているしメッセージ性はないんですけど、その人の日常がふわっとなったらいいなと思っているんですよね。それを演劇でやりたいんですよね。
__ 
演劇だからこそそれは出来るかもしれませんしね。
和田 
それを日本人一同で観て貰ったら、全員の日常がふわっとなるんで。そういう事をやっていきたいです。
飯嶋 
のべ1億2千万人の一日がふわっとなる。みたいな。
和田 
個人としては、僕は誰かの言葉や存在に助けられたり気付かされたりすることが多いんですけど、僕もそういった形で影響を与えられたり心の支えになれるような人になりたいなと思っています。多くの人にとって僕がそういう存在になれたら最高ですね。昔からそういう人になりたいなと思ってました。大学で演劇に出会ってからはもっとそういう思いが強くなりました。
__ 
人間の存在って、第一印象の直感で分かってしまうものじゃないかなと思うんです。例えばヒカキンの持ってるオーラみたいなのって、誰にでも分かるじゃないですか。この3人はそういうものを生まれつき持ってると思うんですよね。
飯嶋 
ありがとうございます。三人ともヒカキン。ヒカキントリオや。

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「型破り」

__ 
ところで、坂本さんにとって魅力のある俳優とはどんな人でしょうか。
坂本 
抽象的な言い方をすると、作品を愛しながら壊す人、ですかね。結局、ストレートにやっても仕方がないんですよ。ストレートにやるんだったらホンを読んでもらえばいいのであって。役者でしか出来ない事をやってほしいんです。「そうはやらんでいいやろう」みたいな、一見壊していてメチャクチャなんですけど、私には合理的に見えるんです。そう見せてくれるような人が好きです。
__ 
素晴らしい。
坂本 
スタッフさんも、「坂本さんがやりたかったのはこういう事でしょう」と、豊かにイメージを叶えて見せてくれる。そんな役者・スタッフさんが好きです。
__ 
「型破り」。メチャクチャをやればいいという訳では決して無い。合理的な型をまといつつ、まるで客席と会話しているようなそんな感触が、その「型破り」に近いのではないかと考えています。
坂本 
うーん、なるほど。
__ 
その、驚きの瞬間というか。その時は芝居をやっていて幸せになりますよね。

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本当に楽しそうに

__ 
清水さんがお芝居を始めたのはどういう経緯があるのでしょうか。
清水 
元々中学からダンスをやっていて、ダンサーになりたかったんです。ヨーロッパ企画で芝居をしながらディズニーランドのオーディションを受けていて、でもその内にお芝居が楽しくなってきて。いつの間にかダンスは仕事から趣味になっていきました。
__ 
そうなんですね!ダンサーだったとは知らなかったです。
清水 
よく言われるんですよ、踊れそうには見えないって(笑う)。でも何度か、お仕事で踊った事はあるんですよ。
__ 
いま芝居を続けているのには、どのような理由があるか説明出来ますか?
清水 
うーん、なんやろう。傲慢かもしれないですけど、これまで生きてきて、自分が、他人とかなり違う感じ方を持っているんじゃないかなと。
__ 
そうでしょうね。
清水 
恥ずかしいですけどそういうのがあって。それが誰かの楽しみになったらいいなと思うんですよね。私、ままごとの端田新菜さんが大好きで、この人に出会えて本当に嬉しい、と面識ないのに片思いしてます。あの人は本当に楽しそうにやっていて、見ている人が幸せになるんですよ。私も、誰かにとってのそういう存在になれたらなと思います。
__ 
「いぬ」の事とか、ですね。私は多分、その一人です。
清水 
ありがとうございます。
ヨーロッパ企画
98年、同志社大学演劇サークル「同志社小劇場」内において上田、諏訪、永野によりユニット結成。00年、独立。「劇団」の枠にとらわれない活動方針で、京都を拠点に全国でフットワーク軽く活動中。(公式サイトより)

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vol.298 清水 智子

フリー・その他。

2013/春
この人のインタビューページへ
清水

フットワークの軽さ

__ 
小林さんが演劇に関わっているのは、どのような理由があるのでしょうか。
小林 
何にも飾らずに言うと、自分が楽しいからですね。それが始めて続けている根源的な理由です。赤字が出ても、お客さんから料金と時間を頂いているうえは、楽しい気持ちになってもらいたいです。相互に幸せになりたいですね。見に来てくれた人がいい気分で帰ってくれるときは、自分が楽しいので。逆に、皆さんどういう答え方をするんですか?
__ 
やっている事でまちまちですね。作演出の人は、社会への考え方も持っていて、俳優の人は表現への指向が強くて。でも、小林さんのように、自分の楽しさを主に考える人はあまりいないかもしれない。小林さんの楽しい事とは?
小林 
なんだろう。こういう時、どう飾ったらいいのか。元々大層な思想がなくて。でも、自分と周りが笑っている瞬間が楽しいという時間なんじゃないかなと思います。
__ 
今後、出てみたい舞台はありますか?
小林 
柿喰う客さんに出てみたいです。ドキドキぼーいズの本間さんが、福岡での滞在製作に参加してた事を知って。
__ 
ありましたね。
小林 
オーディションの情報を知ったとき、まず、福岡という事で線を引いてしまったんです。その後彼が行っていた事を知って。フットワークの軽さを見習いたいですね。次にそういう機会があれば、逃さず。

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同じ人間を描いてる

__ 
一般的な話。2002年に流行したものと2012年に流通しているものを比べた時、何だかそれほど違和感がない。10年前ものが今でも面白い。これって、何だか、今のポップの繊細で丁寧な、粗もクセも心地よく調節された表現が普遍性を持ちつつあるような気がします。ロロの芝居も何だか、その流れの上にあるような気がします。いかがでしょうか。
坂本 
ある人に言われたんですよ。「ロロのみんなって、友達が死んだりとかしてないでしょう」って。確かにそれはそうかもなって、わかんないけど。みんなそれなりに色々あるけど、何かに飢えた事もなく、生命の危機を感じず、そこそこ幸せにここまで生きてきて、そういう重大な事に直面してないんですよねあんまり。例えば戦争とか、デモとか、饑餓とか。だから三浦君はああいう作品を作れるんじゃないかなぁ。比較する訳じゃないですけど、範宙の山本の方はちょっと違う気がするんですよね。だからより渇いているのかな。どちらが豊かとかそういう事じゃないんですけど。
__ 
分かります。でも、二人に共通しているのは、嘘を付かず書いている、そういう気はします。
坂本 
そうですね。それはすごくあると思います。例えば三浦君は、稽古場で絶対怒鳴ったりしないんですよ。山本君は結構自分で権力を持っていて。そこも対極なんですけど、ありのままでやっているというのが共通していて、そこが信頼出来るんです。書くものも、アプローチは違えど同じ、人間を描いているんじゃないかなって。そういう印象があります。

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幸せな奴らが集まった幸せな場所

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大阪の小劇場における石原さんの存在って、きっと、要として大きな影響を持っていて、それがすごくポジティブに働いているんじゃないかなと。例えば、客演をたくさん集めて、その人たちの別の側面を取り上げて、繋がりを作ったりとか。
石原 
それでその人の劇団に行ってくれたり、嬉しいですよね。ゲスト同士でも、正一ショーから出会った人はたくさんいますからね。
__ 
そうなんですよ。正一ショーがある演劇界は、何というか、閉じた世界では決してないと思う。すり鉢状に、誰でも入れるようなお祭りがイメージ出来るんです。
石原 
ありがとうございます。旗揚げして一番最初の公演でチラシのコピーに書いた事なんですけど、「幸せな奴らが集まって、幸せな場所にいれば、見に来た人は幸せになれる」。その気持ちが今でもあるんです。僕らが楽しんで作れば、見た人も楽しくなれる作品が作れるんじゃないか。舞台上の人たちを羨ましく思うくらいに。出来るだけ、幸せな時間を過ごしたいですね。
__ 
「幸せな奴らが集まった」、そういうポジティブな場所が必要ですね。
石原 
コモンカフェの入り口にも似たような事が書いてあるんですけどね。同じ事かなと思っています。集まれる場所が必要だと思います。

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KYOTO EXPERIMENT フリンジ“HAPPLAY” 

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。さて、そろそろHAPPLAYですね。
杉原 
ようやくチラシが出来たんですよ。どうぞ。
__ 
ありがとうございます。
杉原 
中を開くと・・・
__ 
おお、カラフルですね。
杉原 
整頓されている感よりも、ごちゃっとした感じが出ればって(笑う)。
__ 
何か、これだけ見ていても楽しげでいいですね。KYOTO EXPERIMENTのフリンジ企画としてアトリエ劇研で行われる「HAPPLAY」。杉原邦生さんがコンセプトを担当し、劇場の内部を1ヶ月ピンク色に染め、招聘した10団体が公演を行う企画。さて、これら団体を選ばれる基準とは何だったのでしょうか?個人的にはアート寄りなのかなあと思うのですが。
杉原 
アートというよりは、ハッピーにしてくれるカンパニー/アーティストを集めたつもりです。僕個人の演劇に期待するものって、観て幸せになれるか、なんですよ。
__ 
観て幸せになる。
杉原 
お金を払ってまで「うーん」って考え込むような作品は、僕は率先して観ようとは思わないんです。普通、一般的に、特殊な趣味以外の人はそういうものを好んで観たくはないんじゃないかなと。
__ 
杉原さんとしては、どんな作品が観てハッピーになれますか?
杉原 
僕が舞台を観たいと思う理由はすごくシンプルんなんです。演劇を観て楽しい気分になりたい、感動したい、興奮したい。本当にそれだけ。それと、演劇って英語に直すと〈PLAY〉じゃないですか。やっぱり遊びがそこで展開されてないと面白いと思えないんですよ。そういう意味で、今回HAPPLAYに呼ばせて貰った人たちはピンク色の劇場を使って十二分に遊んでくれると信じています。本当に。〈HAPPY〉と〈PLAY〉両方を兼ね備えた舞台が観たいんです。ふたつの言葉を合わせたのが企画名の「HAPPLAY」ですから(笑)だから、ワクワクして劇場に来てくれると本当に楽しめる企画になっています。是非来て欲しいです。
__ 
個人的には、まずピンク色に染まった劇研が楽しみですね。それだけでも観に行く価値は絶対にありますね。
KUNIO
演出家、舞台美術家の杉原邦生さんのプロデュース公演カンパニー。特定の団体に縛られず、さまざまなユニット、プロジェクトでの演出活動を行っている。(公式サイトより)
KYOTO EXPERIMENT フリンジ“HAPPLAY” 
フリンジ・パフォーマンス企画として、アトリエ劇研で1ヶ月にわたって新進気鋭の若手アーティストたちの作品を紹介。(公式サイトより)
KYOTO EXPERIMENT
世界から舞台芸術の<現在>が集う、京都初の国際舞台芸術フェスティバル。「KYOTO EXPERIMENT」では、国内のみならず世界各国から最先端の作品を紹介し、さらに、ここに集う人々の交流によって、次代を切り拓く新たなヴィジョンが創造されるための開かれた場を目指している。(公式サイトより)

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演劇の神様

__ 
今後、どんな感じで続けて行かれますか?
柳沼 
演劇の神様っていると思うんですよ。良い作品を作ったら、お金が還ってくるという事はないですけど、もの凄く良い気分になれる。それは、こちらが作った作品をお客さんにきちんと受け止めてもらえるから。だから、この舞台をまず認識してほしいですね。感動しなくてもいいから、まず。
__ 
舞台を見てもらう幸せですね。
柳沼 
もちろん良い作品を作らないと見てもらえない、そうじゃなかったら続けられないので。作る人・出る人・見る人が全員幸せになるような、良い作品を作れる限りは続けられると思います。

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深夜番組のような・・・

__ 
今回の「捨てる。」。3組の家族・親戚の人間模様をあまり飾らない会話で描いたお話だったと思います。おかしさをベースに、少し切ない色もあったりで。池田さんは、お客さんにどう思って貰いたかったのですか?
池田 
実は、今回の本の2本目の芝居で「弟を実家に帰らせて家業を手伝わせ、自分は東京に住みたい姉」がケンカしてたんですけど。僕、あれと全く同じ会話をしているんですよ(笑う)。実家で。今やってる仕事は実家じゃ出来ないのか、と。
__ 
なるほど。
池田 
そういうシーンを見て貰って、「ああ、知ってるなこの会話」って思って貰いたかったんですよね。実体験と重ねて共感してもらえればと。面白かったのは、若い方よりも比較的年配のお客さんからの反応が良かったんですね。
__ 
年配の方は、「帰ってこい」というセリフを言った事があり、かつて言われた事もあると。
池田 
そういう体験が重なったんでしょうか。僕はお店のバーテンダーの役で。カウンターの中から、舞台と客席をニヤニヤしながら見比べてました(笑う)。
__ 
さらに言うと全体的に、こじんまりとしたというか、ひっそりと面白い企画でしたね。
池田 
そうですね。沢山のお客さんに見て貰いたいというのと同時に、深夜番組のようにやりたいとも思っているんです。箱庭みたいな形で芝居が出来るのが幸せだと思っていて。今回のバーみたいな、ミニマムな中での近い距離感でされる会話が面白いと思っているんです。
__ 
深夜番組。
池田 
TV局の若手のディレクターが、予算の無い中で作る、深夜番組。余計な演出とかがなくて、見せたいものだけ見せる、あの雰囲気が好きで。僕、基本一人なんで(笑う)、あんまり予算はないかもしれないけど、自分が自信とリアリティを持って面白いと言えるものを作ろうと思います。

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余裕

__
若干話題を変えて。今後、本多さんはどこへ向かいますか?
本多
どこへ向かうんですかね(少し笑う)。わかんないですね。あんまり、ここへ向かうとかは。ある人はやっぱりあるのかなあ。こういう人になりたいなあというのはあって、その為にはこういう事をしとかな、ていうのはあるんですけど。うん。もうちょっと余裕がある人間になりたいですね。すぐいっぱいいっぱいになってしまうんで。
__
ああ、私もすぐそうなってしまいます。
本多
何か、このイベントはこの人が仕切る、みたいな持ち回りがあって。仕切る時に、余裕を持っているふうを装うとしているんですけど。この前の公開記者会見とかの仕切りが僕だったんですけど。大阪ではやれてたんですけど、東京ではいっぱいいっぱいで。後で永野さんに「爆発しそうだった」と言われて。
__
ああ(笑う)。
本多
そういうのが多々あるんでね、余裕が欲しいですね。
__
はい。
本多
あります?そういうの。
__
そうですね。私もすぐそうなってしまうんですが。仕事の難易度にポイントを付けて、どこでどれだけ掛かるかの見通しを付ければすっきりと仕事が進められる、というセンパイの話を聞いた事があります。
本多
ああ、そうですねえ・・・。
__
あとは、不安にならないことですね。
本多
そうですね、自信を持つ事ですよね。自信を持ちつつ、ダメな感じの大人になりたいですね。
__
ダメな感じの?
本多
好きな人にそういうのが多くて。
__
飄々とした、というような。
本多
飄々ともしてるのかな。そういう人が、駄目という言葉を使うんですよ。宮沢章夫さんとかきたろうさんとか。ダメだなあ、という、褒め言葉になるような。
__
今後、ヨーロッパ企画の見通し的なものについてはいかがでしょうか。
本多
見通し。今のまま、ずっと年とっていきたいなと思いますね。早く40歳ぐらいになったら。
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ええ。
本多
それぐらいになってまだ似たような事やってたら面白いですね。
__
素晴らしいですね。
本多
やっぱ、諏訪さんの存在が大きいですね。この前の断食とかも。
__
あの人は、企画の人ですよね。
本多
楽しい人ですよね。巻き込んでいくし。
__
デザインも出来ますしね。
本多
そうですね・・・。このまま皆が幸せになれたらいいですね。知り合い全員。
諏訪雅氏
ヨーロッパ企画所属、俳優・制作。

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