重なる背中

__ 
鈴木さんがお芝居を始めたのはどのようなキッカケが。
鈴木 
元々は、地元いわきの高校の演劇部からでした。でも、2年くらいからあんまり部員と上手くいかなくて。大学に入ってどのサークルにしようかと思ってたらやりたい部活がひとつもなくて。やっぱり演劇部に入ろうかと思って劇団紫に入りました。でも、もやもやした気持ちで・・・そしたら、大学1年の春休みに帰省した時に、東日本大震災を経験したんです。しばらくは放心状態というか、演劇をするとか全く考えられず、芝居自体をすごく嫌なものだと思ったこともあって、大学2年の秋の公演で演劇部自体をやめようと思っていました。そうしたら、2年生の10月公演が終わった時くらいに笑の内閣の高間さんから外部出演のお話を頂いたんです。「ヅッコケ三人組の稽古場有料化反対闘争」という作品。学生だけの公演とはちょっと違うんですよね、共演している方々も意気込みが違うし。初めて、芝居が楽しいと思ったんです。今までは、本番を迎えるまでに必ず1回は「もう辞めよう」と思ってたのに。
__ 
なるほど。
鈴木 
外部に出た時はそういう後悔が1回もなくて。それが、みんながお芝居に没頭している理由なのかなと思ったんです。
__ 
「ヅッコケ三人組の稽古場無料化闘争」。傑作でしたね。面白かったです。その後は「非実在少女のるてちゃん」でしたね。鈴木さん演じる腐女子の妄想シーンが評判が良かったですね。
鈴木 
実はKAIKAで、のるてちゃんの公演を見て。聖羅さんがのるてちゃん役でのびのび演技しているのを見て、羨ましいなあと憧れたんです。私がよく分からないまま演技しているのに比べて・・・。だから、今自分が実際にその場に立って、当時の自分が憧れるに相応しい演技をしているだろうかと。そういう事を考えています。石原正一さんが「筋肉少女」に私を呼んで下さった理由を聞いたんですが、「『のるてちゃん』での私の演技が伸び伸びしていて、いまこれだけ演技をやれている人がいるならオファーしたい」と仰って頂いたんです。そういう気持ちは演技に出るのかなと思います。
__ 
そう、石原正一ショーではテリーマンの娘役でしたね。
鈴木 
物凄く貴重な体験でした。周りの方々は全員私より断然経験の差があって、どうしていいか分からないくらいの。私なんかで大丈夫かと思っていました。
第14次笑の内閣ヅッコケ三人組の稽古場有料化反対闘争
公演時期:2012/1/20~22。会場:東山青少年活動センター。
第16次笑の内閣 「非実在少女のるてちゃん」全国ツアー
公演時期:2012/8全国各地でツアー。
石原正一
演劇人。石原正一ショー主宰。1989年、演劇活動開始。1995年、"石原正一ショー"旗揚げ。脚本演出を担当、漫画を基にサブカル風ドタバタ演劇を呈示。関西演劇界の年末恒例行事として尽力する。自称”80年代小劇場演劇の継承者”。外部出演も多数。肉声肉体を酷使し漫画の世界を自身で表現する"漫画朗読"の元祖。"振付"もできるし、”イシハラバヤシ”で歌も唄う。(公式BLOG『石原正一ショールーム』より)
第27回石原正一ショー「筋肉少女」
公演時期:2013/5/1~3(東京)、2013/7/5~8(大阪)。会場:こまばアゴラ劇場(東京)、in→dependent theatre 1st(大阪)。

タグ: 伸び伸びと演技 石原正一ショー 石原正一 妄想 もう、辞めたい


vol.318 鈴木 ちひろ

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2013/春
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鈴木

パプリカン・ポップ3.0「薔薇にポケット」

__ 
パプリカン・ポップ、面白かったです。実は以前から、森口さんにはインタビューさせていただきたかったんですけど、「薔薇にポケット」を拝見して、是非と思いまして。
森口 
ありがとうございます。
__ 
見ていて、何だかすごく調和しているなと思ったんですよ。俳優達の演技、戯曲、美術、全てが物語演劇に集約して調和していっているというか。しかも、それを見る時に、舞台上のペースに合わせて解釈したり大目に見たりとかの必要が全くなくて。見やすいうえに飽きなかったんですよ。舞台の上の全てがバランスが良い時に、それを調和、と呼ぶべきなのかなと。
森口 
みんなの力のお陰ですね。私のやりたいことを汲んでもらって、どういう風にしたら調和するか、というのは多分、考えてくれていたと思います。
__ 
全員の力でまとまっていた。
森口 
はい。
__ 
だから、建設的な方向で舞台の空間と時間が成立していったんでしょうね。見ていて凄く楽しかったです。
森口 
私、作品を見たあと「あー楽しかった、わー」っていうのが好きなんです。いろんな思いを抱かせる作品がこの世にあると思うんですけど、例えばボロ泣きさせたりとか笑えたとか。そういうのも好きなんですけど、自分が本当に好きなのは「楽しかった」と思えるものなんです。
__ 
観た後の気分を目標にしているんですね。
森口 
最初からそういうスタンスでやってきています。今回もそんな気分で帰ってもらっていたら嬉しいですね。
パプリカン・ポップ3.0「薔薇にポケット」
公演時期:2013/2/22~24。会場:in→dependent theatre 1st。

タグ: 伸び伸びと演技 調和の価値


やりたい事が出来る自分でいたい

__ 
ピンク地底人「散歩する侵略者」。最後の、片桐さんと諸江さんのシーンが秀逸だったと思います。私の捉え方としては、あそこで片桐さんが、自分の細かい反応の演技をものすごく意識してやっているんじゃないかと。
片桐 
そうですね、でも一方で、適当にやる事も大事なのかなと思うんです。
__ 
適当に?
片桐 
何でしょうね。うーん、・・・でも、自分の感覚に正直にやる事も大事というか。それは演技をする時だけじゃなくて、そういう生き方をしたいんですね、私はきっと。
__ 
つまり?
片桐 
やりたい事が出来る自分でいたいし、自分がこう感じているということをごまかしたくない。もちろん、人の意見を聞かないという事じゃないですけど。いや、社会人になって演劇を続けるって大変じゃないですか。うじうじ悩んだ時期もあったんですけど、今は、演劇が出来ない理由を探すのはやめようと思います。やろうと思えば出来るから、やりたいなと思っています。
ピンク地底人
京都の地下は墨染に生まれた貧乏な三兄弟。日々の孤独と戦うため、ときおり地上にあらわれては演劇活動をしている。夢は関西一円を征服することと、自分たちを捨てた母への復讐。最近は仲間も増え、京都を中心に大阪にも出没中。(公式サイトより)
ピンク地底人策略と陰謀の第11回公演 「散歩する侵略者」
公演時期:2013/2/15~18。会場:アトリエ劇研。第8回アトリエ劇研舞台芸術祭参加作品。

タグ: 伸び伸びと演技 セリフを吐き捨てるように発する


vol.288 片桐 慎和子

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2013/春
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片桐

変化を受け入れる

__ 
今年は、どんな年にしたいですか?
山脇 
何でしょう。30歳になって、年齢的に、上の歳の役をやる機会が増えるかもしれないなあ、とか思ってるんですが。
__ 
だんだんと変わっていくんじゃないでしょうか。
山脇 
どうかなあ。でも、若さを知ってるからこそ、若い役をやれるというのは分かってきた。かな。
__ 
役の幅が広がったと。
山脇 
うーん。どうでしょう。あと、そう、2012年は伸び伸びとした年にしたいですね。
__ 
2011年はキツめの年でしたからね。生き残ったんだったら、その傷を飲み込んで、さらに強くなりたいですね。骨折が治るように。
山脇 
そうですね。傷は残るかもしれないですけど、自分ばかりがいつまでも立ち止まってちゃいけないなあとも思うので、なんとか、再生というか前進というか、変化を受け入れる年に。

タグ: 伸び伸びと演技 今年のわたし 若さの価値


ポップな公演・ISUKA

__ 
ZTONの最近の公演ですと、「ISUKA」ですよね。非常に面白かったです。どんな稽古風景でしたか?
葛井 
今回、会場のキャパシティもそんなに大きくはないし、まあいい感じに気ぃ抜いていこうよ、初心に帰って。という方向で進んでいきました。
__ 
そういえば、役者の演技に余裕があったような気がします。
葛井 
ダレるという訳ではなく、シーンをきっちり作りながらも変なピリピリ感はないように、仕込みから本番までまったりと進んでいきましたね。良い人たちの現場でした(笑う)。
__ 
そういうカラーだったんですね。
葛井 
特に河瀬君が、「ポップな公演にしたい」って繰り返してたんですよ。
__ 
ポップが合言葉。
葛井 
そうですね。月黄泉の時はシニカルで。気に入ったら使い続けるんですよ彼は。
__ 
ZTONの稽古場で、何か苦労されることはありますか?
葛井 
パッと見エンターテイメントで、派手さをウリに押し出しているように見えて実は人間の根底にあるものを描く芝居を目指しているんです。役者はそれをどれだけくみ取って、演出とすり合わせて表現する事ができるかが大事だと思います。
__ 
演技の内容は役者が作るんですね?
葛井 
演出のなかにも大体のイメージがあるのでそれを聞き出しつつですが、基本は役者におまかせしてくれるのでそこで面白いものが出来たら採用する形ですね。だからか、伸び伸びと表現出来ますね。
__ 
いつも苦労する点とかはありますか?
葛井 
2年やらしてもらって、ここ最近でやっと自分のスタンスがちょっとみえてきたかな、と。舞台上で俯瞰しながら表現する事が出来てきたかな・・・。少しずつなんですけど。
__ 
冷静になれた、と。
葛井 
求められているものが思っていたより面白く出来なくて後悔する事が多いので、次からは思い切ってやりたいですね。
「ISUKA」
劇団ZTON Project R「ISUKA」公演時期:2008.11.8~9。会場:クロスロード梅田。東放エンターテイメントスクール芸術祭2008「アキコ伊達×コラボエンタフェス」 参加作品

タグ: 伸び伸びと演技 コラボレート 新しいエンターテイメント


vol.108 葛井 よう子

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2009/春
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葛井

劇団八時半

__ 
さて、長沼さんのこれまでの事についてお伺い出来ればと思います。私が初めて長沼さんのお名前を拝見したのは、劇団八時半の公演だったと思うのですが。
長沼 
ええ。
__ 
以前から、八時半の作品に参加されていたのでしょうか。
長沼 
2003年からです。最初は客演で参加して、その後入団することになったので引っ越して来ました。
__ 
どうして八時半だったのでしょうか。
長沼 
鈴江さんの本が好きだったからです。あとは、客演した時に、正確には客演のオーディションを受けた時に劇団員の皆の雰囲気がやわらかくて面白くていいなぁと感じたからです。
__ 
そこからしばらくして京都に来られたと。京都の演劇についてどんな印象を持たれましたか?
長沼 
まず稽古場に恵まれてるというのが一番最初の印象です。これはきっとよそから来られた方は皆感じてるんじゃないでしょうか。特に京都芸術センターには驚きましたね。芝居に使う荷物を置いたまま帰っていいし、タタキも出来るし、装置を立て込んで稽古することもできる。
__ 
まあ、申請して認可されれば使えますね。
長沼 
以前はあちこち小道具もって巡るのが当たり前だったので、ほんと有難かったです。
__ 
芝居自体の風土というか、全体的なノリとしては。
長沼 
好印象です。それぞれがマイペースに伸び伸びやれている、という感じがしました。こういうのがマルでこういうのはバツだから、というのじゃなくて、まず自分はこういうのがやってみたいからと健康的に悩んで、まっすぐ表現されてる方が多いという印象です。都会は入れ替わりも激しくて、それは刺激的で良い環境だと思うのですが、周りの評価を気にし過ぎたり、自分が何をやりたかったのかわからなくなってしまったり、必要以上に急かされてる感がありました。個人的にですけど。
__ 
それが京都だと、そうでもない。
長沼 
そうですね、私はこういう表現をやります、あの人はああいう表現をやります、それでいいじゃないかという雰囲気ですね。誰に引け目を感じることもなく、自分がいいと思う作品を集中して作れる環境だと思います。
__ 
そういう空気はありますね。
長沼 
純粋ですよね。京都に来る前ちょうどそんなことばかり考えて悩んで停滞していたので、客演はタイミングが良かったというか、今だ!と迷いなく移住を決めることができました。

タグ: 伸び伸びと演技 マイペースの価値


vol.104 長沼 久美子

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2008/春
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長沼

逃げたくない

__ 
この間のユニット美人は、いかがでしたか。
大熊 
何か、久々に新鮮な空気を吸ったような気がして。伸び伸びとやらせていただきました。
__ 
そこで伺いたいのですが、大熊さんは沢山の客演経験をお持ちですが、今後どんなお芝居をやっていきたいとか、そういうものはありますか?
大熊 
うーん。人の気持ちとか、体とか。その営みを通して見えてくるものからは離れたくないなと思っています。
__ 
はい。
大熊 
コミュニケーションそのものから逃げたくないんですね。自分と自分との、または他人を介してのコミュニケーションで、素直な心と体の流れであるとか、そこに自分と相手が立っている事をちゃんと考えたいっていうか。あー、漠然としている。
__ 
いえ、結構明確だと思います。
大熊 
本当に? 何か、そこからは離れたくないなあと。
__ 
考える姿勢を持ち続ける、という事でしょうか。
大熊 
そうですね・・・。きっと、一生離れられないと思うんですね、人と接っするという事とは。その自分自身の経験を、表現として舞台に持っていけたらなと思います。良い部分も、嫌な部分も、きっちり考える事から逃げたくない。自分も受け止められるし、表現も出来るようになりたいなと思います。辛い事に直面しても、それが表現に繋がったりすると、前向きになれますね。
__ 
わかりました。それでは今後、どんな感じで攻めていかれますか。
大熊 
まあ、地道に、切実に、鍛錬を怠らず、真摯にがんばります。
__ 
割と地道系ですね。
大熊 
もう地道しかないので(笑う)。精進します。
__ 
頑張って下さい。
大熊 
ありがとうございます。
ユニット美人
劇団衛星所属俳優の黒木陽子と紙本明子で2003年11月に結成。あまりに人気がない自分達が嫌になり「絶対モテモテになってやる!」とやけくそになって制作に福原加奈氏を迎え正式に結成。「女性が考える女性の強さ・美しさ・笑い」をテーマに日々精進中。(公式サイトより)

タグ: 伸び伸びと演技 感性ではなく考えて表現出来る人 今後の攻め方