男臭いブランデーのような

__ 
話題は変わるのですが、今回の取材にあたり、THE ROB CARLTONの歴史を紐解いていたところ一つ、気付いた事があります。キャストに女性が出てきた事がありませんね。
ボブ 
あ、そうなんですよ。実はそうなんです。
__ 
これに関しては非常に興味があります。
ボブ 
気付いたら、男だけの集団が周りにはないんですよね。だいたい登場人物には女性が一人はいる。僕らのように、男だけというのは割と珍しい。しかし別に狙ってやっていた訳ではなくて、単純に女優さんの知り合いがいなかっただけなんですよ。THE ROB CARLTON以前は満腹が女性役をやっていた頃もあったんですが。
__ 
あ、そうなんですね。
満腹 
あれは大失敗でしたね(笑う)。気持ち悪かった。
ボブ 
キャスティングするとき、いつも「次は女性ですかね」という話が出るんですが、なんとなく流れてしまうんです。男だけで収まっている。
ダイチ 
最近もそういう話は出るけど、流れてしまう。
__ 
初の女性、出るとしたら誰なんでしょうね。さて、THE ROB CARLTONは分別ある紳士だけが出てくる「限りなくコメディに近い芝居」というコンセプトですね。そして今回は特にですが、趣を追求するという男性性が前面に出ていると。これはまあ社会的ジェンダーに掛かってくる言い方なのかもしれないですけど。
ボブ 
そうですね、しかし「男のロマン」というのはジェンダーとは関係のない、割とソフトな言葉だと思うんです。憧れと呼べるものなんじゃないかなと思う。ただ、「シガールーム」を上演した時に、あるお客様には「面白いけど、女性にはウケへんかも」と言われた事があったんですが。
__ 
しかし女性も、「男のロマン」に強く惹かれる事がある。
ボブ 
そうなんです。男性女性問わず、カッコいいものなんですよ。
__ 
女性だからこそ、永久に分からない「男の秘密」に惹かれるのかもしれない。
ボブ 
僕ら男性も、そうやって女性に惹かれているのかもしれない。お互いに、ファンタジーみたいなところがあるんでしょうね。
__ 
「スカイ・エグゼクティヴ」はまさにそうした作品でしたね。企業の重役達が専用機の内部で取引先達と交渉戦をするんですから。
ボブ 
あれはなかなか、男くさい芝居でしたね、確かに。
THE ROB CARLTON 5Fスカイ・エグゼクティヴ
公演時期:2013/3/29~4/1。会場:元・立誠小学校 音楽室。

タグ: ロマンについて キャスティングについて コンセプチュアルな作品 男性性とは何か


明日、出会うその日までには

__ 
これから、表現を始められる人たちに何か一言。
衣笠 
俳優って、自分が役に入り込んで演技をする分、それを見る人に対して嘘を付いているんですよね。その事を忘れないでほしいと思っています。「おれは俳優だぞ」って偉そうにするんじゃなくて、俳優自身は謙虚にいなくちゃいけないんじゃないかなと思います。自分が仕事をしている上で常に嘘を付いているという自覚を常に持っていたら、楽しんで嘘を付いていいと思うんです。
__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
衣笠 
やっぱり大学と違って、ものすごい厳しい世界に飛び込もうとしているんですよね。そんなにすぐには売れないですし。1年、5年、もしかしたら10年と物凄い貧乏な時期になると思って。どれだけチャンスを取りに行けるかと思っています。待ってても仕事は来ないので、自分から攻めていかないといけないので。
__ 
そうですね。
衣笠 
大学だったら3・4回になったら自分で監督が出来るしキャスティングもされるんですが、そんなに甘い世界ではないので。大学に来た頃の「この映画に出たる!」っていう勢いがあったんですが、そういう初心を思い出して。でも焦りすぎず攻めて行けたらいいなと思っています。
__ 
ありがとうございます。これからも、関係性を大事にしていってください。
衣笠 
そうですね。向こうの事務所の方にお会いした時も「この世界は出会いが全て」って仰られて。どれだけの人に出会って、どれだけの人に気に入ってもらえるかと。
__ 
リアルな話、「気に入って下さい!」って攻めて来られたら引きますので、遊びというか空白というか、そういう余裕が結構重要だと・・・何でもそうなんですけどね。

タグ: 色んなものを吸収 オーディション キャスティングについて 外の世界と繋がる いつか一緒に


声のお仕事、細かい作業

__ 
伊藤さんは、去年はナレーションのお仕事も数多くされましたね。
伊藤 
もっと頑張っていけたらいいなと思ってます。私は今事務所には入ってなくて、それでも声を掛けていただいて。ありがたいです。でも、ナレーションってきちんとした声のプロの方の仕事で、私みたいな役者がやってもいいんだろうか、でも役者としての仕事をしているんだからいいんだ、と割り切ってやっているんですけどね。それでももうちょっと勉強せなあかんな、と。
__ 
なるほど。
伊藤 
舞台とは真逆で、凄く細かい事を言われるんですよ。細かい感情の表現の仕方を監督さんが読み切って言われるんですよね。だからと言って同じ事が再現出来る訳じゃないんですけどね。
__ 
声の凄く細かいところ。伊藤さんがキャスティングされたのはどういうところなのかなと想像しているんですけど、もしかしたら、細かい部分まで決めているわけではないから、なのかな。ちょっとこれは失礼な表現かもしれないですけど。
伊藤 
いえ、そうだと思います。MCを本業にされている方とか、聞いていて「ふわぁっ」て感心するんです。私とか、ふらついているから。きっちり出来るプロにはその仕事が振られて。私が出来るのは声を出す時の「感情」に集中する力なのかなと思います。それがまた舞台とやり方が全然違うんですよね。
__ 
面白いですね。
伊藤 
舞台だと私、体が小さいので、その分大きく動こうとしているんですけど、ラジオCMとかTVのナレーションで求められる仕事は意外と素の自分を求められるんです。新しい私を発見しているのかもしれませんね。

タグ: キャスティングについて 声のお仕事、細かい作業


無限迷路

__ 
いつか、どんな演技が出来るようになりたいですか。
真壁 
女性ですね。
__ 
というと。
真壁 
私の中で決定的に無い部分です。このひと、大人で女性やなっていう人の内側から滲み出る女性らしさ。包容力と言えるものかもしれないんですけど。ミジンコターボの解散公演でお母さん役だったんですけど、全く自分に無い部分なんで。めっちゃ色んな作品を見て参考にしました。お母さんといっしょとかも見てました。
__ 
なるほど。
真壁 
それがスッと演じられるようになるのは、いつなのかな。
__ 
その役を演じるべき役者、というのはどうしてもあると思っています。解散公演での真壁さんの王妃役は、正直、カジュアルな感じでしたね。
真壁 
お姉さん的な感じになりましたね。後悔はないんですけど、そこに関しては、自分としても納得のいっていない部分があります。色んな役をやらせてもらったんですが、上品さは掴めなかったですね。どうしても。元々体育会系でちょっとボーイッシュなところに行ってしまうので、それが違ったらどこに行こう、無限迷路をさ迷う感じ。
__ 
上品さ、ね。
真壁 
女の人として生まれたからには、一度くらいはそう思われるような芝居をしたいですね。

タグ: キャスティングについて 劇団のおわり いつか、こんな演技が出来たら ジェンダー・女性らしさ 女性的、それはなにか


vol.376 真壁 愛

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2014/春
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真壁

私のホントと嘘の質

__ 
今回、髙橋さんが配役を演じるうえで大事にしたいポイントは。
髙橋 
そうですね。私の演じるのは嘘つきな女の役なんで・・・毎回、早川さんの脚本で私に振られるのは、本当にこれ、私が演じるべき役なのかなと思うんです。でもまあ、毎回、途中から「これが面白いんだ」って思えるようになるので。これでいいんだと。
__ 
今回も違和感があるんですか?
髙橋 
早川さん曰く、私には「虚飾」を感じるらしく。たぶん、そういう本質を付いたキャスティングなんだと思うんです。正直、個人的には好きになれない女性像なんですけど、でも、だからこそ私の本質に近いのかもしれない。本当は私の本質はこういうものなのかもしれない。だからピンとこなくて苦しんでいるのかも・・・。他の作品とはまた違うアプローチを掛けていく感じですかね。
__ 
なるほど。それが今回演じられる、リサ・ブライアントですね。
髙橋 
そうですね。彼女自身が、何が本当なのかわからなくなる程自分の嘘に辟易していくような気配が出せたらいいなと思います。
__ 
現時点で、役作りの上での気付きは何かありますか?
髙橋 
いや~、もう行き詰まって困ってしまって・・・でも、舞台上の世界観の中で、板の上でちゃんと生きている事を最低限にしようと思っています。分からなくなったら、とにかく嘘を付かずに、その場にいる。という事を大切にしようと思っています。今回のリサ役はウソツキなので、嘘の質を考えて演技をしないと。
__ 
嘘の質?
髙橋 
嘘と分かる嘘なのか、見破れないくらいリアルな嘘なのか。私個人は基本、嘘を付けない人間らしいので。
__ 
本当に嘘を付くのが上手い人は、「嘘がヘタだと思われている人」らしいですよ。
髙橋 
えっ、そうなんですか。
__ 
いや、私もこれの意味は良く分かってないんですけど。
髙橋 
(笑う)
__ 
相手の、嘘を見破らせる洞察の深さまで調節させられるという事かもしれませんね。
髙橋 
そうなんですね。
__ 
では、公演の見所を教えて下さい。
髙橋 
青年座の、キャリアある素晴らしい俳優達を早川さんがどう料理するのかというところですね。稽古場でも、上は70歳の俳優まで幅広いメンバーが若手の早川さんを尊重して、早川さんも俳優達を一人一人尊重して、誰に対してでも真髄を付く駄目出しをしています。劇団の中にも新鮮な風が吹いているというのが、客席にも伝わればいいなと思います。

タグ: 登場人物が好きになれない キャスティングについて 役をつかむ 優しい嘘 次の公演 嘘のない


またも振り出しへ・・・。

__ 
髙橋さんにとって、よい俳優の条件とは?
髙橋 
そうですね、とても迷ってしまうんですけど・・・とにかく芝居に対して真摯である事。芝居を好きである事。かな、と思います。
__ 
真摯さ。
髙橋 
奢らず、ひたむきに、でも卑屈にならず。自分と向き合う作業の連続なんです。でも、好きだからこそ。
__ 
そう居続けられるって難しいですよね。髙橋さんは、それは出来ている?
髙橋 
うーん・・・でも、芝居の事は誰よりも好きという自信はあります。その上で精神的に健全で居続けられるようにしたいです。それは意外と難しいことで。
__ 
では、演技するうえで、目の前のお客さんにどう感じてもらいたい、というのはありますか?
髙橋 
「あ、いるいるこんな人!」って思ってもらいたいです。例えば「あ、知り合いの井上さんだ」みたいに具体的な名前が出てくるぐらいの。逆に私個人を知る人には、「こんな髙橋幸子は初めて見る」って思ってもらえれば嬉しいです。
__ 
「いつもの髙橋幸子じゃん」にはなりたくない、と。
髙橋 
そうですね。難しいですけど。でも、以前、出演した舞台をご覧下さった、ウチの劇団の演出家の宮田慶子さんが「こういう女いる!」って仰って下さって。それは物凄い褒め言葉を頂いたなと思いました。
__ 
つまり、リアルさを感じさせたという事ですもんね。
髙橋 
身近さを感じてもらえたら。例えば、ちょっと愛嬌があるけど嫌な女とか。
__ 
見るだけでムカつくけどやっぱり憎めないみたいな?
髙橋 
そうですね、誰にも思い当たるような。
__ 
嫌だけど親近感を覚えさせる、って、物凄い境地かもしれない。素晴らしい役作りをされましたね。
髙橋 
いえ、途中で行方不明になったりします。
__ 
行方不明になるとどうなるんですか?
髙橋 
めちゃくちゃ不安になりますね。ただ、「私はこうしたい」というのが一旦ゼロに戻るんです。シンプルなやり方に切り替えるので、結果的にはそこを通ったらいいのかなと思います。
__ 
振り出しに戻れる。つまり、切り替えが早い。それが髙橋さんの強みなのかもしれませんね。
髙橋 
そうありたいと思っています。

タグ: 役作り=役割の分析 キャスティングについて 役をつかむ 迷っています


猿そのものは死んだ

__ 
「猿そのもの」という芸名から、本名に戻りましたが、どんな心境の変化がありましたか。
山野 
「猿そのもの」という芸名に最初はちょっと抵抗があったんですよね。ただ、そのおかげで多くの方に知ってもらえて人気が出たというのも間違いのない事実なんです。THE ROB CARLTONの「フュメ・ド・ポワソン」に「猿そのもの」の名前で出演した時も評価してもらえましたから・・・。正直にお話しすると本名の山野博生(ひろき)に戻すのもちょっと迷ったんです。実は今も「猿そのものでいいんじゃないのか?」という方は割といらっしゃるんですよ。覚えやすいし、良い名前だと(笑)そう言ってくださる方達には申し訳ないんですけど僕はずっと不安で・・・。長い目で見たらいつかツケが回ってくるんじゃないかと思っていたんです。「猿そのもの」と名前だけ知っている方が多くなって、「自分は有名になった。」と勘違いしてしまうんじゃないかと、調子に乗ってしまうんじゃないかと。
__ 
なるほど。
山野 
僕は役者としてはまだまだですから。あくまでも舞台上で演劇を成立させることを第一に考えるべきだと。あくまでも演劇に真摯に向かい合うべきだと思っているんです。自分の今の実力には不自然な、自分の実力で勝ち得たわけではない知名度を得てしまうのは良くないと考えたんです。
__ 
「猿そのもの」を辞めた事で、今はどんな気持ち?
山野 
楽ですね。「猿そのもの」で覚えてくださった方には申し訳ないですが、憑き物が取れたというか・・・。ただ誤解のないように言いますと今も愛称として猿、猿と呼んでくださる方はいらっしゃるんですけどそれは別に構わないんですよ(笑)そう呼んでくださる方に悪意がないのはよく分かりますから(笑)あくまでも自分の中のけじめとしてはっきりしておきたくて。「猿そのものという俳優は死んだんです。私は山野博生です。」と。

タグ: キャスティングについて 調子のってた


vol.364 山野 博生

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2014/春
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山野

公園を、必要としてくれる人?

__ 
鳥公園」。いい名前ですよね。シンプルだけどユニークで、どことなく異郷っぽくて、でも懐かしくて。作品が独特の手触りだから、なおさらそういう風に感じるのかもしれません。「緑子の部屋」も、何だかとても、らしい作品だったんじゃないかと思います。配役が良かったですね。鳥公園の舞台にはどんな人に立ってもらいたいですか?
西尾 
なんか、自分の足で立っているというのがまず大事で。「私を輝かせて欲しい」とか、「あなたの作品世界で生きたい」みたいな事を言われるとちょっと無理だな、と。それと同じく、普段から面白い人は、多分舞台に立つ事は必要じゃないんじゃないかと思うんです。この人、舞台じゃないと切実にダメなんだな、と思わせるような、私が何もしなくてもこの人はやるんだろう、でも私の作品を必要としてくれる人、が私にとっては大事です。上手かどうかは別にして。
__ 
西尾さんの作品が必要だと思えるような、そんな人。
西尾 
そうですね、私がやりたい事に付き合ってもらえる状態だと、逆に私はやれないんですね。私の作品を必要としている、自分から表現をしたい人が鳥公園という場を作ってくれる。私も、鳥公園という場の為に、費やすんです。
__ 
鳥公園を、参加している人たちも求めるんですね。
西尾 
私や参加しているメンバーが、気になっているものを持ち寄って鑑賞したり感想を言い合って、それが作品内容に残ったりするんです。今回の場合は日本画鑑賞とか、映画もそうだし、例えば「昨日見た悪夢」の話なんかも。そういうのが苦手な方はちょっと難しいかもしれませんね。

タグ: キャスティングについて


「discipline」

金田一 
みんな凄いよなあ。自分の演劇の姿勢を、ちゃんとぶれずに持てているというのが羨ましいのかな。
___ 
持ちたい?
金田一 
ちょっと、そう思う。ロンドンにいた時、「君のdisciplineを見付けなさい」と言われて。
___ 
ディスプリン? ポリシーという事?
金田一 
なんつうのかな、つい出てしまう創作の姿勢というか。それを見つける為にロンドンに留学したんだけど、そんな簡単に見つけられる訳もなくてさ。でも、「お客さんと一緒に楽しめたら面白い」というのは見つけたん。自分が面白いと思うものを明確に持てたら、それで多分、3年は芝居をやっていけると思うなあ。

タグ: 俳優の「素」を生かす キャスティングについて


TOKYO PLAYERS COLLECTION「IN HER THIRTIES」

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。Q本さんは、最近はどんな感じでしょうか。
Q本 
最近は、ほぼ毎日TOKYO PLAYERS COLLECTIONの稽古です。ダブルキャストで、昼に稽古するチームと夜とに分かれているんですが、私は昼チームです。
__ 
どんな稽古をされているんでしょうか。
Q本 
レトルト内閣の稽古に比べたら、和やかですね。上野さんは、私達の普段のお喋りとかからキャラクターを読み取って台本に活かして下さるので、「人狼」で盛り上がったり、とにかく雑談の多い現場ですね。30代女性を描くために、けっこう真面目に「雑談」しています。
__ 
可能性は感じますか?
Q本 
可能性は感じますね。楽しいです。
__ 
いわゆる、カタカナで言いますね。
Q本 
「ガールズトーク」。
__ 
はっきり言って、私は「ガールズトーク」に未来と可能性を感じた事はほとんどありません。
Q本 
可能性は感じないですか(笑う)。でも、上野さんは好きみたいです。ちゃんと聞いてくれるんですよね。
__ 
なるほど。30代女性のガールズトーク・・・可能性を感じます。
Q本 
20代の頃は、善悪とかの価値観がまわりに左右されるというか、一般論に沿わせながら意見を言うみたいなところがあって、お互いを探り合いながら同調する感じがあったかなと思うけど、30代ともなると、みんなそれぞれに自分の価値観がしっかりあって、だから、ポンと出てくる言葉が妙に深かったり、説得力があります。エキセントリックな意見も出てきて、楽しい稽古場です。私は30代でも前半組なので、勉強になる事ばかりですね。
劇団レトルト内閣
劇団レトルト内閣の舞台はエンターテインメントでありながら「振り切った暴走アート」とも評される。無駄のないストーリー構成に、 エレガンスロックと呼ばれる劇中歌、 B級レビューと銘打つショーシーンが作品を彩る。豊かなセリフ表現や、多彩なキャラクター、唐突なナンセンスギャグ、めまぐるしいほどにスピーディーな展開も近年の作品の特徴。華やかなのにダーク、B級なのに耽美という独自路線を開拓し続ける。(公式サイトより)
TOKYO PLAYERS COLLECTION「IN HER THIRTIES」
公演時期:2014/3/27~31。会場:in→dependent theatre 2nd。

タグ: キャスティングについて インタビュー取材による作品づくり


「Sherry,Go home ~フランケンシュタインと赤い靴~」

__ 
前回公演「Sherry,Go home ~フランケンシュタインと赤い靴~」。大変面白かったです。美術品のような印象の作品でした。オーバルシアターの白い部屋に、宇宙の広がりがキュっとまとまった不思議な作品でしたね。その中で、Sun!!さんの存在感が似合っていて、途中から強い違和感を持ち始めて、それをサカイヒロトさんが客席と我々を繋いでいるというか。強い構造を持ち、なんか設定が不確かな少女が出てくるという、矛盾に支えられた作品でしたね。
坂本 
ありがとうございます。嬉しい感想です。サカイヒロトさんが仲立ちというのはまさにその通りで、最近のご自身のWI'REの作品でもサカイさんご自身がお客さんへ語りかける事があるんです。実は、サカイさんには最初はキャストではなく共同演出と美術をお願いしていたんですが、キャスティングが難航して。困っていたところへ「僕がセリフを喋ることもできますよ」と。で、試しに喋ってもらったらバッチリで。
__ 
なるほど。
坂本 
酸素が足りない宇宙船に密航するというのは日常生活では起こりえないシチュエーションなので、いかにリアリティをもたせるかについては話をしましたね。さらに、「Sherry,Go home」では、色々なメタファーを盛り込みました。チェリーパイ、赤ちゃんの声、ラジオ、この宇宙船は何を意味しているのか。
__ 
隠喩が散りばめられている。
坂本 
それらを最終的にひとつの絵としてお客さんに渡す。そうでなければお客さんが混乱するので。最後には、宇宙飛行士がチェリーパイの入っているカゴに耳を当て、ラジオを聴いているかのように宇宙のどこかにある少女の声を聴こうとする、という演技プランが出てきました。流石、でしたね。私が楽しんでましたね(笑う)。
__ 
いいシーンでしたね。
坂本 
サカイさんは演者としてSun!!ちゃんと向き合って感じた事を今度は美術家として作品にフィードバックして作っていかれたんです。サカイさんの中で循環するものが、劇空間として立ち上がっていく過程はとても面白かったです。
「Sherry,Go home ~フランケンシュタインと赤い靴~」
公演時期:2013/9/7~9。会場:オーバルギャラリー。

タグ: キャスティングについて 赤色 宇宙の話 外部活動を持ち帰る


僕のむこうの風景

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。虚構の劇団「エゴ・サーチ」大阪公演、大変面白かったです。本当に面白くて。一番凄いと思ったのは、最後の修羅場のシーンからラストにかけての展開でした。情報量が凄くて、掛け合いの流れがまるで全員で一つの表現をしているかのような、物語演劇なのに、レビュー公演のようなあの一体感。そして清々しい、爽やかなラスト。
小沢 
ありがとうございます。関西での劇団公演はこれで2回目だったのですが、こんなにも喜んでくれる方が多くてびっくりしました。そうですね、清々しく終わったと思って下さったのは、もしかしたら一つには沖縄の離島でラストを迎えるというのが大きいんじゃないかと思うんです。誰もが一度は憧れを持つ場所だと思うんですよね、「南の島」。
__ 
確かに、作品の最初のシーンも島でしたね。
小沢 
この作品の稽古が始まる前の8月後半くらいに、物語の舞台のモデルになっている鳩間島に行ったんです。
__ 
沖縄の離島ですね。
小沢 
そこは本当に、1時間程度あれば徒歩でも一周出来てしまうくらいの小さな島で。風や光や、何か言葉にしてしまうとちっぽけに感じてしまいますけど、その通り大自然の中の島だったんですよ。
__ 
小沢さんは、その島を象徴するような役柄を演じられましたね。
小沢 
そうですね。初演と同じく、その島に住む沖縄の妖精・キジムナーという役柄です(笑)あの島にはじめて行って、改めてもの凄くプレッシャーを感じました。もう圧倒されて。この大きな風景の中、僕はただ一つの点だった。それを前に僕には何が出来るんだろうとか思った時に、役者として出来る大きな楽しみであり、大切な役割について気付いたんです。
__ 
役を演じる以外の?
小沢 
自分がここで受けたエネルギーを、舞台上から生で「伝える」ことです。すごくシンプルで当たり前のことかもしれないですが、それは実は一番大切なことなんじゃないか、って。島で実際に生きている人たちからもらった、生きる力。風景が持っている力。あの島で体験した空気の味や、波の揺れを思い出すと、イメージがぱーっと開いていくんですよね。僕にはそれが見えているし、それを感じているだけで、その僕を見てくれているお客さんはそこから想像をしてくれる。きっとこれは、僕が見ているものに真実味があれば、届くはずだと。ということは、そうか、伝えるというよりは「忘れない」ことなのかもしれないですね。感動を受けた風景を忘れないこと。出会った人たちとの感触を忘れないこと。それを舞台上で想う。そうすればきっと伝わるはずだと。それが、役者としての最大の楽しみだし、それをやらなくてはいけないのかもしれない、と。
虚構の劇団
劇団。詳細はリンクを参照のこと。
虚構の劇団「エゴ・サーチ」
公演時期:2013/10/5~20(東京)、2013/10/24~27(大阪)。会場:あうるすぽっと(東京)、HEP HALL(大阪)。

タグ: 役者の積み上げ 演技の理解、その可能性 キャスティングについて 情報量の多い作品づくり 俳優を通して何かを見る


キャスティング

__ 
情けない男を当てたら渋く輝く小林さん。実はこんな役がやってみたい、というのはありますか?
小林 
特にありません。自分には意外な役でも、振ってもらえたら嬉しいです。情けない男が自分に似合っているのであれば、そういう期待は嬉しいです。
__ 
なるほど。
小林 
キャストを探すのって難しいですよね。僕、いま「永野・本多の劇的ラジオ」のラジオドラマの脚本をやらせてもらっていて。書くのは楽しいんですけどキャストを連れてこなくちゃいけなくて。それが大変なんですよね。
__ 
そうなんですね!
小林 
意外性のあるキャスティングをしたら面白いかもしれないんですけど、でも自分が信用している人の演技を頼りにしたいというのもあるし。どう両立したらいいのか。
__ 
大切ですよね、キャスティングは。

タグ: キャスティングについて ラジオドラマ 意外にも・・・


vol.324 小林 欣也

フリー・その他。

2013/春
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小林

夢の組み合わせ

__ 
新しく組んでみたい人はいますか?
木皮 
具体的に挙げるのは少し恥ずかしいですが、先輩ですけど、快快の方々は気になります。集団創作という形をとっておられるんですけど、予想でしかないですけど、振付に対して結構コンセプチュアルなキャスティングをしているんです。振付がおそらくストーリーに噛む事がある。つまり、振付が外付けじゃない人たちとやりたいというのがあるんです。そういう劇団と仕事させていただいたら、きっととても楽しいなと思います。それから、羽衣のファンの方からミジンコターボの振付をやってくれという声も頂きました。
__ 
それはやってほしいですね。夢の組み合わせですね。
ミジンコターボ
大阪芸術大学文芸学科卒業の竜崎だいちの書き下ろしたオリジナル戯曲作を、関西で数多くの外部出演をこなす片岡百萬両が演出するというスタイルで、現在もマイペースに活動中の集団、それがミジンコターボです。最終目標は月面公演。(公式サイトより)

タグ: キャスティングについて コンセプチュアルな作品


vol.320 木皮 成

フリー・その他。

2013/春
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木皮

面白い言い方がぽっと思いつく

__ 
丸山さんが初めて舞台に立ったのはどのような。
丸山 
小学生の頃、文化祭で生徒会が40分くらいの芝居をやったんです。加古川小学校で加古川コマンという役でした。半ズボンで赤いマントの。
__ 
最悪ですね。
丸山 
(笑う)大仰なドラの音がなって出てくるという役でした。ウケました。それが初めてです。
__ 
今、どんな役者になりたいですか?
丸山 
東映のヤクザ映画に出てはった、室田日出男さんという人の演技がめちゃめちゃ好きで。狂ってるような人なんですけど、哀愁と可笑しみがある人なんですよ。ああいう役者になりたいですね。
__ 
いつか、こういう演技が出来るようになりたいとかはありますか?
丸山 
今、わりと「笑いを取って来る」事を期待されるんです。自分自身としても、笑いが起きてないと怖いです。シーンとしたら、セリフが飛んでいる状況と一緒ですね。むっちゃ怖いんですよ。そんな事を思わんと、普通に演技をするようなのがしてみたいですね。
__ 
なるほど。
丸山 
舞台に立つ上での怖さが、人一倍あるんじゃないかと思うんです。ウケんかったらイヤやなと思って、雑になってしまう事もあるんです。丁寧に演技をしたいという欲求もあって、そこら辺の感情をうまくしたいなと。結構悩んでいて。
__ 
思うに、丸山さんの演技のイメージを伝える速度はとても早くて鋭くて。個人的にはそうした事が出来る人を天才と呼んでいるんですが、そうした演技のイメージ作りはどこから来るのですか?
丸山 
これは結構、良くないんですが・・・ゲネぐらいで気づきますね。「ああ、これや」と。下手したら、5回ある本番で2回目ぐらいで正解見つけて、みたいな。申し訳ないんですが。お客さんいないと、自分の中の何かがサボっちゃうんですね。ウケへんという不快感がないとサボっちゃうみたいで・・・。ウケを取るのが目的ではないセリフがあったとして、本番でお客さんを前にした時に、面白い言い方がぽっと思いつく。想定が出来てないんですね、良くないなあと思いつく度に思います。
__ 
考え始めるのが遅くても、発想の切れ味が鋭ければ、まだいいじゃないですか。
丸山 
そう言ってもらえると。でも、申し訳なく思いますね。

タグ: アドリブについて キャスティングについて 赤色 コメディリリーフ 文化祭前夜 いつか、こんな演技が出来たら


あて書きの究極

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
有北 
公演するにあたって、沢山の色々な方々をゲストに招いていますが、もっと色々な人たちと関わって行きたいなと思います。基本僕ら、あて書きなんですよ。この人がこんな事をやったら絶対面白いというのが分かるんです。逆に、観に行ったお芝居で無理を感じる事は多いですね。
__ 
キャスティングですね。
有北 
円広志さんとか、ロザンさんとか、意外な人に出てほしいですね。

タグ: キャスティングについて 今後の攻め方 意外にも・・・


ゼロから勉強

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
大橋 
攻める。まあ、でも、修行の身ですからね。
__ 
ああ、そう仰ってますよね。
大橋 
まだまだ、ゼロから勉強させて頂いている身分なので。僕が攻めるなんて、いやいやいやいやですよ。二十代でデタラメをし過ぎたんで。攻めるというか、まずは商業の制作が出来るようになります。
__ 
頑張って下さい。
大橋 
商業演劇と小劇場の間をつなぐ存在になりたいです。その為のキャスティング勉強会という話になっていくんですよね。まずはコミュニティを作って、実績を作って持っていく。昔に比べれば、小劇場と商業の垣根は低くなっているので。

タグ: キャスティングについて 今後の攻め方


vol.280 大橋 敦史

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2013/春
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大橋

キャスティングの勉強会

__ 
今後、開いてみたいイベントは。
大橋 
メディア・アートの展示、プロジェクションマッピングやデジタルサイネージをちょっとやってみたいです。それから、イベントと言えるか分からないですけど、キャスティングの勉強会をしてみたいです。タレント名鑑や出演作のDVDを資料に、「今の彼はどうなんだ」とか、「撮影時期と旬がずれてるよね」とか、そういう話を含めた話。商業演劇のキャスティングが出来るようになりたいんですよ。それを映像関係の人と何回かやった上で、役者を紹介するショーケースを開いてみたいですね。
__ 
なるほど。
大橋 
「40代男性特集」とか「ぽっちゃり女優特集」とかを重ねて、映画のキャスティングの人にも届くような会を作りたいですね。そうすれば、演劇の人も映画のオファーを受けやすくなるんじゃないか。そういう事をしているうちに、一緒にものを作っていくようになれば。これは来年度にはやりたいですね。

タグ: キャスティングについて


vol.280 大橋 敦史

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2013/春
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大橋

やっていて一番楽しい、キャスティング

__ 
先ほど、「程よい会話劇」と申し上げましたが、行き過ぎない現代口語会話劇、という印象を受けまして。エンターテイメント性を適当に配したというか、バーの雰囲気と凄く調和が取れていたように思います。いとこ達、兄弟、生き別れの親子が、同じバーで入れ替わりに会話するという内容でしたね。舞台が本物のバーというのがまず特色として面白いなと。
池田 
普通の舞台ではない分、会話のやりとりに集中出来る環境だったと思います。小道具も舞台も全部本物なんで。だから、役者はお芝居の周りの「嘘」が少ない分、自分の気持ちの動きだけでお客さんの心を動かす事が出来たと思います。気持ちの持って行き方とか、お互いの距離の詰め方とか。
__ 
なるほど。伺いたいのですが、演出をする際に何か気を配られた事はありますか?
池田 
台本の言葉と役者の言語感覚の相性ですね。体に乗っかった時にムリがない形になるよう注意していて、どうしてもそれを言っているように見えない役者がイヤなんです。そこは気を使っていました。
__ 
つまり、言えてないセリフ。
池田 
言わされちゃってるセリフを見ると、そうじゃないだろう、と思っちゃうんですよね。脚本と自分のイメージにそぐわない役者は呼ばないんです。逆に言うと、そうして選んだ役者さんは稽古場ですんなりと自分のものにしてくれるように思います。プロデュースをやっていて面白いなと思う瞬間ですね。
__ 
配役の妙ですね。
池田 
誰かが書いた脚本と、自分が選んだ役者が、化学反応を起こしてくれると嬉しいです。今回に関してはトリコ劇場の米内山さんとプロットの段階から詰められたんで、かなり良いイメージでできました。キャスティングは、やっていて一番楽しい作業ですね。
トリコ劇場
2003年結成。主宰・米内山陽子氏。

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グルーブ感、楽しい音楽劇

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先ほど、お客さんとグルーブ感を共有するというのが重要だとおっしゃっていた訳ですけれども。本番の一瞬ってあるじゃないですか。演技して、お客さんに届くか届かないかっていう、あの感覚ですよね。やっぱりそうする為には、劇の最初の方でお客さんを乗せる事が凄く重要なんだと思うんですよ。そういう思考を持つ事は、実は作品を作る上でイマジネーションの次くらいに重要なのかもしれないなって。まあ良く言われる事ですが、ツカミが重要という。「電気女~」は、一番最初の入り方が低いところから入っていったんですよね。トランペットの低い音程の。
益山 
それからテーマソングに繋がっていくんですけど、「これは楽しい音楽劇なんだよ」って提示すれば、たとえば暗いシーンになったとしてもお客さんは付いてきやすいんですよね。基調さえ作ってしまえば。
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俳優もやっていきやすいでしょうね。あ、そういえば、聞いた話によると舞台に出るのが初めてという人が何人かいたとか。
益山 
私がやってた工場長役の娘役の女の子と、王様と。誰でも当たり役ってあると思うんですよね。私、自分でもその辺のキャスティングは上手いかなっと思っちゃったりなんかしちゃったりしてるんですけど(笑う)。パッとその人を見て「この人ならこれをやってもらえば絶対ウケる」というのが分かるんですよ。それを見つけさえすれば、1回はいけますね。
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なるほど。
益山 
でもそれは、ウチの劇団の今後の課題なんですよ。素材だけではなく、もうそろそろテクニックというか、芸という部分の磨きを掛けないと。

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