バラバラなのに共感を呼ぶ、その不思議

__ 
「日本海」、ユニット名の由来が気になりますね。
勝二 
飲んでいる席での話で、3人とも日本海地方出身だったので僕がポロッと言ったら採用されて。旗揚げのタイミング的にも色々丁度良くて、今年何かやろうという事になって。
__ 
脚本演出は勝二さんでしたね。
勝二 
実質的には全員で書いたようなものでした。まあ僕も書いてきたりはしてきたんですけどね、テンケテンケテンケテンケで。
__ 
ご自身としてはいかがでしたか。
勝二 
一応、目標は達成したんじゃないかと思っています。やりたい事はいくつかあって、動員も300超えて。意義はあったのかなと思います。
__ 
立ち上げたてのユニットでそれは素晴らしいですね。
勝二 
僕も色々ユニットの立ち上げに関わってきましたけど、残る作品になったと思います。
__ 
改めて、個人的にも大きい存在の作品でした。俳優の、家族についての実体験を彼自身が語ると、それを見ているお客さんも、自分の家族についてを思い出して心の中で語り始めるみたいな。そういう共有感があったように思います。
勝二 
これまで僕が書いてきた作品も、家族についてがテーマだったりするんです。割と引っかかる部分なんです。少し前、富山の劇作家コンクールにドキドキぼーいずが参加したんです。僕もキャストとして行って、その折に実家に帰ったんですね。すると実家がですね、兄弟家族がそこには居なかったり父も母も昔と比べると小さくなったりしてて・・・ああ、何年かしたらこの家族は居なくなってしまうんだ、それは受け入れないといけないんだと。一方、兄の家族は子供が生まれて、向こうは向こうで始まっている。
__ 
居なくなっていく家族もあれば、生まれていく家族もある。
勝二 
そういう話をしたい、男女5人ずつの10人で芝居を作りたいと小嶋君に話して、それから始まりました。
__ 
なるほど。
勝二 
でも、家族についての作品なのに、年配の役者さんが周りにはいなかったんですね。父親役とか母親役とか祖父母役が出来ない。なので、役者の語りから始まる劇中劇という形で演じるという演出になりました。そうやって家族の始まりから終わりまで描けたらいいなと。稽古でエチュードしたり皆の話しを聞いたりする内に、自分達の中での問題もそれぞれ発見して。
__ 
誰でもそれなりに問題を抱えているんですね。
勝二 
家族問題を他人の口から聞くと大ごとのように聞こえる。でも僕個人にもそういう問題はある。結局、どんな問題でも全部同じ質量を持っているんですよね。個人的には凄く勉強になった作品でした。(とはいえ、役者さんから聞いたものを直接的には使わなかったんですけどね。なんかそれは違うと思って。)
__ 
全く違う体験だけれど、かすってくる。その接点から投影が始まるような。
勝二 
そこまで狙ってはいなかったんですけど、引っかかって欲しいという気持ちでした。結果、お客さんの中にも受け止めて下さった方もいて。本当に嬉しかったですね。

タグ: 子供についてのイシュー 名称の由来 飲み会結成 家族という題材


vol.397 勝二 繁

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勝二

断片集の軸にあったもの

__ 
ひとつ、気になるシーンがあったんですよ。出村さん演じる長女が、新しく生まれた兄弟を受け取って、無表情で取り落としてしまうシーン。あの時に他の役者が全員、反応する演技を全くしていなかったんですよ。それがこう、何だかとてもリアルに感じたんです。
勝二 
ありがとうございます。ともすればオムニバス公演に取れてしまう構成の作品だったんですけどね。一応、僕と出村さんの夫婦役をなぞるみたいな軸があって、そのうちの一つのシーンとして。
__ 
ええ。
勝二 
この作品を作るにあたって、僕も家族関係についての資料で勉強したんです。今でこそよく言うようになったんですけど、虐待を受けた人が自分の子供にも虐待をしてしまうコトがあるかもしれないって。実はそれが分かったのは本当につい最近の事で、それが広まった僕らの世代が丁度、次に親になるんです。つまり、僕らがその負の連鎖を止めるべき世代なんですね。それを乗り越えた親の子達が手を取り合って生きていくという軸を作品に出したかった、というのはあったんじゃないかと思います。もちろん、それをはっきり出すというのもどうかと思ってたんですが。
__ 
素晴らしい。さらにそこに断片集としての良さが手伝いましたよね。俳優が自分の体験を語るという体裁があったので、一本の線として見ていました。
勝二 
出村さんの役は、愛情を受けられなかった子供が、自分の子供に対してどう接していいか分からなくなるという伏線があって。ロープの塊を落とした時の音が凄くて、全員自然に見てしまったんですよね。
__ 
そのロープ。赤いロープでしたが、色々な意味を持っているように見えたいい小道具でした。
勝二 
そうなんですよ。あれが来た時に色々な見立てが成立して。
__ 
様々な小道具、劇中劇による断片集仕立て。いやらしくない程度に有機的でバランスが良かったように思いました。
勝二 
ただ、お話として成り立っているのか?が不安な点もあったので、お話として着地させた部分はあります。投げっぱなしにしても良いと仰ってくださるお客さんもいたんですが・・・結婚とか男女とかの対立になぞらえて、綱引きをするシーンをラストに設けたんです。あれも賛否だったんです。
__ 
あの綱引きは大切なシーンだったと思いますけどね。
勝二 
それを僕の役と出村さんの役がやってもいいのか、と。とはいえ、そういう色々な反応が貰えた事が嬉しかったです。これまで練習してきた結果が出たなと思いました。

タグ: 結婚について 子供についてのイシュー 赤色 有機的に関わりあう


vol.397 勝二 繁

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勝二

子供の頃から・・・

__ 
せんのさんはどちらのお生まれなんですか?
せん 
私、愛知県出身なんです。岐阜が近い地域の、何もない住宅地なんですけど。
__ 
子供の頃は、どんな子供でしたか。
せん 
自分でもよう分からんのですけど、インドア派でありながらも休み時間の間はごっつう落書きばっかりしてました。根暗な子みたいに。でも外で男の子に混じって遊んでたし。快活なインドア派かな?でも遊ぶ時は無茶苦茶遊ぶので怪我も多くて、親にも心配されました。
__ 
ああ、それで絵も上手なんですね。興味の向くところには躊躇なく行くみたいな?
せん 
ええ、今はこれやと思ったらそればっかり。かと思えば冷静になるんですけど。
__ 
ポールダンスをやり始めたのは?
せん 
名古屋で高校卒業後に働きに出てたんですけど、その時にポールダンス教室をたまたま見つけまして。その時にハマってしまいまして。何だこれは、面白いと。その時の先生が大阪に戻られる事になって、私もしばらく大阪に行ってレッスンを受けてたんです。そしたら先生から「それぐらいなら大阪に来たら」と。それで引っ越す事になったんです。大阪に来るからには何かしたい。ポールダンス以外にも個展をしたいなと。玉造に引っ越して、無料でやらせてもらえるギャラリーバーをたまたま見つけて、お話させて頂いたら夢が叶いまして。それと、月一でライブをされているそうで、私の絵が絵本形式になっている事もあって、紙芝居をさせてもらって。知り合いの女優さんである、渋谷めぐみさんに協力してもらって。
__ 
紙芝居をやりつつ、イベントの企画をし始めていたんですね。

タグ: 子供についてのイシュー 厳しいレッスン 引っ越し


母性が爆発

___ 
作家に必要な孤独を、家族の存在によって埋められた。それは、たみおさんにとっては喜ばしい事?悲しむべき事?
たみお 
ユリイカ百貨店は、2001年からずっとやってきて。必ずハッピーエンドにするという事で作品を作ってきています。いい景色が見たいという願いは最初から変わらないですね。舞台美術がキレイという事は、見ている景色がキレイという事だから。私が見たかったんです、その景色を。
___ 
なるほど。
たみお 
何かが欠落していたんでしょうね。
___ 
欠落があったから、風景を見たかった。
たみお 
それはあるかもしれない。ずっと何かが孤独で、現実って辛い事が多いな、って思ってたんです。せめて劇場に夢を求めていたんですが、年を経て好きな人と結婚して、子供が出来て、その子供が育っていく過程で、想像していなかったぐらいの母性の爆発があったんですよ。
___ 
母性の爆発。
たみお 
そうなんです、母性の爆発。産まなければ爆発しなかったと思うんですけど。子供が笑うともう、それでいいかと思ってしまう。凄く幸せな反面、ずっとモノ作りをしていた自分との葛藤があって。何か作りたいという思いと母性とで。実は3年間、それほど穏やかな毎日でもなくて、子供が寝た後に家出したり・・・
___ 
そうなんですか。
たみお 
そんなに穏やかに子育てしてた訳でもなくて、葛藤してたんです。

タグ: 母になる 子供についてのイシュー ハッピーエンドについての考え方 家出についてのイシュー 会場を使いこなす


母になった作家の作品

___ 
最後の質問です。今後、どんな感じで。
たみお 
子供との時間を大事にしたいです。子供が可愛いんです、やっぱりね。その気持ちを大事にしながら、物語を作っていきたい。作ることが誰かの役に立つという事が分かって、それがとにかく嬉しくて。そういう点で創作も続けていきたいです。
___ 
なるほど。
たみお 
そのバランスをどう取るかというのが今後の自分の課題なんだと思います。続けていって、素敵だねと言われていければなと。
___ 
京都の宝物劇団として認知されていて、もう期待されているじゃないですか。
たみお 
ありがとうございます。その期待に添えるようでもありたいと思うんですけど、もう今の、子供が可愛くてしょうがないような状態の自分による創作というスタンスは変えられないんですよ。他人の子でも可愛いし、誰かと話していても「こんなに大きくなって」と感動してるぐらい。そういう自分の作品がどういうものになるのか、出会っていけたらと思います。
___ 
母になった作家の作品。どうなるんでしょうね。
たみお 
普通の人にも物語があって、それに気付いたのは演劇人だけじゃなくて、大津のお母さん達からもでした。言えば普通のOLさんと話す機会ってあまり無かったんですけど、話が面白かったり意外な視点を持っていたり。特別な人は限られているんだと勝手に思いこんでいたんですけど、みんな特別なんですよね。SMAPの歌みたいですけど。

タグ: 子供についてのイシュー


「TACT/FEST2013」での悪魔のしるし

__ 
悪魔のしるしの作品を、ロクソドンタの「TACT/FEST2013」で拝見しました。それは子供をテーマにしたもので、もちろんお子さんがたくさん来ていて。なのに、悪魔のしるしの作品だけ、会場の子供が何人も泣き出すような作品でした。子供番組のお姉さんが出てきて、みんなと一緒にトトロを呼ぶ。「トトローっ」て呼んだら菓子袋の寄せ集めにくるまれた怪物や、真っ赤な妖怪が出てくるという。
危口 
ええ。
__ 
今考えると狼少年の逸話を借りた啓蒙作品だったのかもしれないし、期待したものが出てくるとは限らないという、社会の厳しさを教えるものだったのかもしれない。とても面白かったです。どのような意図があったんでしょうか?
危口 
そうですね、あれは最初にイベントの企画担当の方からお話を頂いて、とても面白そうだ、でも何をしよう?と考えたんです。どうしても我々は、やるのは大人、観るのは子供、そんな二項対立で考えてしまいがちですが、もう少し細かく、自分の子供時代も振り返りつつ考えてみれば、3歳・5歳・7歳・9歳と、成長するに従って興味の対象ってどんどん変わっていきますよね。だから、結論として、全年齢の子供を単一の理由で面白がらせる作品は不可能だと。本当は大人だって、年齢層や生活習慣が違ったら面白いと思うポイントは違うんですから。でも、最終的に作る作品は一つでしかない。だったら、それぞれの年齢層の子が面白がる理由を個別に用意した方がいいんだろうなと。例えばちょっと物心がついた小学校3年くらいだったら、呼んでも呼んでもトトロが出てこないズッコケ感は楽しめるだろうなとか、幼稚園ぐらいの子だったら、おねえさんが出てきてコールアンドレスポンスするだけで面白いだろうなとか。
__ 
お子さんを不気味がらせるという演出意図だと思っていたんですが。
危口 
怖がらせる危険性はあると思ってましたけど、まあそれはしょうがないと。狙っている訳じゃなかったです。役者が悪ノリしていた部分はありましたけどね。真っ赤な着ぐるみを着た、どぎついメイクの化け物が出てきて、泣き出す子もいるけど、一方で笑う子もいるんですよ。かといって、どちらかを選ぶことはできない。否定的な反応が出ることは、ある程度は覚悟してましたけどね。という訳で、最初に考えるのは複数化です。「子供向け」という条件だったら、「子供」を複数に分類しつつ、何歳以上、或いは以下の子はこのネタ通じないだろうな、ごめんなさい、と判断しながら、各年齢層へ届くであろう要素を個別に設計していく。児童向け作品に限らず、他の作品を考えるにしても同様です。
__ 
大人もびっくりしてましたよ。悪魔のしるしにものすごい興味をそそられました。
TACT/FEST2013
大阪 国際児童青少年アートフェスティバル2013。公演時期:2013/7/29~8/11。会場:大阪府阿倍野区各会場。

タグ: 必殺メイク術 子供についてのイシュー どう思ってもらいたいか? イベントの立ち上げ 印象に残るシーンを作りたい 言葉以前のものを手がかりに 児童演劇の難しさ あの公演の衣裳はこだわった 会場を使いこなす


私も父のように

__ 
目標にしている人はいますか?
小林 
父親かな・・・?父は凄いんですよ。親って絶対的なものなんで、そういう意味では母もそうなんですけど。
__ 
ええ。
小林 
父はひたすら寡黙な人で、ウチは5人姉妹なんですけど、家族を養うために一生懸命働いて。お父さんがいるから、絶対道は逸れちゃいけないと思うんですよね。
__ 
昔、娘=父親を疎んじるものという構図がありましたが、最近はそうでもないんですね。
小林 
子供を育てるという目的の為に仕事を辞めなかったし、私達に苦労もさせないし、そのお陰で私も芝居出来たし。だから、私も父のようになるのは前提ですね。好きな事をする前に、自分も責任を果たす。子供を育てるのを第一にしているのを良しとしている父親のようになりたいです。第一にしたい、という訳ではなく目的をしっかり果たすという意味で。

タグ: 子供についてのイシュー 一生懸命を描く 家族という題材


vol.310 小林 由実

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2013/春
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小林

子供が歩いていく

大内 
実は子供が2013年1月の終わりに生まれまして、ありていに言うと、子育てに追われています。おもに大変なのは奥さんなんですが。
__ 
お子さんは可愛いですか?
大内 
可愛いですね。それに、見ていて面白いです。人って最初はこんな感じなのか、って。生まれてからしばらくは、人間らしさって一切ないんですよ。感情とかもないですし。自分の子供だけど未知の生き物のように思えて、というところからちょっとずつ、表情もついてきて、欲求に従って要求するようになったりとか、徐々に笑うようになったり。人間らしさを獲得してきているんですね。
__ 
なるほど。つまり、人間らしさを学習している・・・?
大内 
それは最初から備わっているんじゃなくて、獲得していくものなんですよね、きっと。
劇団飛び道具
京都を拠点に活動する劇団。

タグ: 子供についてのイシュー


「この作品のテーマは何ですか?」

__ 
「四人のショショ」で凄いなと思ったのが、藤原さん演じる老人が、自分がしてきた仕事を義理の息子に語るシーン。その告白はまるでモノローグ自身が語られたがっているように思えるぐらい、どこか切迫していました。人生や仕事観をひっくるめた人一人そのものをみた瞬間でした。この作品は、ご自身にとってはどのような存在ですか?
大内 
がっかりさせるかもしれないんですが、実は設定ありき、です。今回の場合は自分の人生を終えようとしているおじいさんと、これから生を得ようとする赤ちゃんがいて、赤ちゃんを出産する娘がいて。最初からこのテーマを持とう、というのは少ないですね。でも、ピンとくる設定というのが自分の持つテーマなんだろうと思っているんです。だから、「この作品のテーマは何ですか?」と言われても、ちょっと語られないですね。
__ 
そうなんですね。そうした設定が浮かぶキッカケはどのような。
大内 
正直に言うと、3月の終わりに公演があると決まっていたので既に本は用意していたんですよ。でも1月の終わりに子供の出産があって、病院で一人で待つ時間があった時にばばっと思いついたんです。こっちの方が良いと。稽古が始まった時に、全然違う作品を持っていったんです。
__ 
凄いですね。
大内 
迷惑な話だと思います(笑う)。タイトルは同じ「四人のショショ」でした。
__ 
もう一つの「四人のショショ」があるんですね!
大内 
3分の2くらい書いてほったらかしになってますね。最初に飛び道具メンバーに読んでもらったけど「なんやら・・・あんまり面白くない」と言われました。これ、どうしたら面白くなるんだろうと言われたくらいです(笑う)。

タグ: 子供についてのイシュー


子供が出来たら・・・

__ 
渡辺さんは結婚して、愛知に行くんですよね。
渡辺 
はい。
__ 
出産は考えていますか?
渡辺 
今回、「四人のショショ」をやるにあたって、妊娠と出産について女性陣で勉強したんですよ。そこで分かったんですが、私は出産したいと思った事がないんですよ。
__ 
なるほど。
渡辺 
子供が嫌いという訳じゃなくて。その、結婚・妊娠・出産・子育てというのが、世間一般では自然な事だとされているけれども、実は凄く難しい話だと。結婚してなかなか子供が出来ないみたいな話がありますからね。まあ、結婚したんですけどね。
__ 
自分が子供を産むとは思ってない?
渡辺 
一緒に暮らしたら何か変わるかもしれませんね。環境によって違うだろうし。子供はめちゃめちゃ好きだし。
渡辺 
今は子供を産まない、という選択肢を、何故自分は取っているのか。なんですよね。
__ 
渡辺さんの遺伝子がまだその時期ではないと思っているから、なのかなとはちょっと思います。邪推だな。
渡辺 
いいですよ邪推でも。
__ 
今は子供を作るべきではない、みたいな。
渡辺 
そうなのかな。ゲームで言えば、フラグが立ってないという事なのかも。自分で立ててないのかもしれないですけど。
__ 
もしそうであれば、環境が変わったらきっと凄く変わるかもしれませんね。
渡辺 
どうなるんでしょうね。子供が出来たらもうちょっとしっかりするのかな。あんまり変わらないんじゃないかな。ちょっと楽しみではありますね。

タグ: 母になる 子供についてのイシュー ジェンダー・女性らしさ


憧れ

__ 
宗岡ルリ一人芝居「撲滅ならず今日」。このタイトルの意味を教えて下さい。
宗岡 
いつも死のう死のうと思っているんですけど、死なないし死ねないじゃないですか。四十ぐらいには死ぬと思うんですけど、けど結局は九十まで生きてるんじゃないかなと。私の祖父がまさにその通りで、四十の時に子供を集めて「俺はもう死ぬからお前たち頑張れ」って言ってたのに93まで生きて(笑う)。いつも終わりたい終わりたいと思うのに、毎朝起きて友達と会って可愛いものを買ったり美味しいものを食べたりして、その繰り返しへの悔しさと、絶望じゃないですけど、そういう思いをタイトルに込めています。
__ 
その思いはいつからありましたか?
宗岡 
「何かになりたい」という憧れが強くて。この漫画の主人公たちみたいに。でも、なれないじゃないですか。その悔しさがあって。両親共に教職員で公務員で、朝起きて働いて、「何だかんだでいい家庭よね~」という中で育たせて頂いたんですけど(笑う)それに対する嫌な気持ちや、大分の田舎にいた時はずっと空を眺めていて焦燥感があって、それは今でも続いているんですね。中二病かもしれないけど。
__ 
焦燥感が今でも続いている。私は宗岡さんより11歳上なんですけど、確かにその頃は私も持っていたものかもしれない。宗岡さんのそれは、10年後、私みたいに消えてしまうんだろうか?
宗岡 
それが消えてしまうのも素敵な事かもしれません。この「バナナブレッドのプディング」の主人公のお姉ちゃんが妊娠しているんですけど、お姉ちゃんが夢で赤ちゃんに「お腹の中でさえこんなに孤独だのに、外の世界に出てきたらもっと孤独に決まってる。生まれてきたくない」って言うんです。でもお姉ちゃんが「まあ生まれてきてご覧なさいよ、最高に素晴らしい事が待っている」って。それは焦燥感を忘れた人の言葉で、大人になるという事だと思うんです。この作品はその素晴らしさも教えてくれたんですけど、私はいまはそうなれないと思う。

タグ: 子供についてのイシュー 外の世界と繋がる 孤独と演劇 泡のように消えない記憶 家出についてのイシュー X年後のあなた


vol.284 宗岡 ルリ

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宗岡