映画と演劇の二択

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fukui企画を立ち上げた経緯を教えてください。
福井 
立ち上げたというより、僕一人のユニットで。名前にもずっと(仮)が付いてる感じなんで。そもそも説明させて頂くと、僕は映画監督になりたかったんですよ。造形大にも映画学科はあるんですけど、舞台の演出の方が役者の動かし方が分かるようになると何かの本で読んで。それを鵜呑みにして舞台芸術学科に入ったんですね。それは僕は全く後悔してないんですけど。
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なるほど。
福井 
脚本にしても、映画と演劇のそれって決定的な違いがあると思うんですよ。映画は、物語の核心を隠していくために描写を削る事が正義で、舞台はそれを出す事が正義だ、と学んでいったんです。隠すという事は、多分もう、何回もやれば上手になっていくと思うんですよ。緻密さは映画の方が絶対あると思う。物語の求心力も強いと思う。一方演劇は役者のものと言われていますよね。
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役者が支柱となって物語を支える、というより、一体になっていると。
福井 
そうですね、俳優の一挙手一投足に集中してみているお客さんに、しかも彼らは向き合っているじゃないですか。演劇は衰退しているんですけど、そういう面では優れていると思うんですよ。優れた演劇を見た時の発見は凄いものがあって。そういう思いがあって、回り道かもしれないですけど、演劇学科に入ったんです。出す事を学んで、その後、隠していけばいいや、と。戯曲を書く事を始めて、上演しないと意味がないと学んで、それで始めたのがfukui企画です。
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なるほど。ちなみに、最初に書かれた作品はどのような。
福井 
かいつまんで言うと、ミュージシャンを目指して東京に出てきたヒモとその彼女の話で、最終的にヒモがオカマになる話です。というか、ニューハーフとしてゲイバーで働き始めるんです。上演時間は2時間10~15分ぐらいありました。僕は遺作にしたいなと思うぐらい、思い入れは強いですね。2回生の時に上演して、手探りで演出していました。
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素晴らしい。
福井 
最初の作品で、根を詰めて書いたものなんです。面白いなんて言ってくれる人は限りなく少ないんですけど、僕は大好きです。「不肖死スベシ」という作品でした。
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気持ちは良く分かります。自分が作ったもの、というのがありますしね。

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フラッシュフィクション=数十秒の超短編作品ほか小作品を連続上映する形式

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舞台上で役者の演技に格好が付いた瞬間について考えようと思います。さきほど稽古を見学させていただいて、石畑さんの表情がカッコ付いた時、稽古場のみんなが笑ってましたよね。あの笑いの構成要件には確実に、同じ劇壇だからという共有があるんだと思うんです。石畑さんに集中していて、そこで成立する絵に対する鋭敏さがあるからかもしれない。フラッシュフィクションという、とても難しい形式は、観客にその創造性を次々に要求していく。過酷ではあるけど、その環境に可能性を感じます。
石畑 
もう、どんどん絵が変わっていくんですよ。一瞬の輝きが凄く大事なので。それを最大値で引き出さないとあかんので。
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石畑さんがキーマンだと思っています。その、言葉は悪いですが、見た目のインパクトが凄いから。
石畑 
頑張ります。

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それから感覚が備わってきて・・・

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これまでに、自分を変えたのはどんな舞台でしたか・
杉原 
2回生にやった、北村想さんの「屋上のひと」という作品で、シンちゃんというチンピラの役を演じました。自分でも上手く出来た気がしましたし、先生からもお客さんからも良かったって声を頂いて。それがすごく楽しかったんです。この感覚で芝居をしたら上手と言われるんや。この感覚でずっと行こう、と。今でもその感覚を続けています。
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上手く出来たというのは、格好良く出来たという事ですか?
杉原 
違いますね。凄く集中しているんです。その瞬間しっかりと会話が成立したというか。役も自分もしっかり実感を伴っていて、上手に出来ている感覚がある瞬間があるんです。周りの役者やお客さんの反応や表情も見えているし、次にせなあかん事も見えているし、そのすごい集中が出来る時がたまにあるんです。その時が凄く楽しいです。
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分かります。いや、分かるなんて言ったら語弊があって、観客としてその役者の感覚は伝わるという事なんですけど。役者が本番の日にまで作ってきた理解って、お客さんに全部伝わるんですよ。見せる為に作った理解を流れで見せられるんだから、実は観客にはほとんど全てが伝わっているんじゃないか。役者の感覚も伝わっていると思います。まあ、受け止めてもらう為に作られたものなので当たり前なんですけど。
杉原 
お客さんには何でも伝わりますからね。

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会話劇に興味あり

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いつか、どんな演技が出来るようになりたいですか?
白井 
そうですね、今こうしているような会話を見せる芝居がしてみたいです。このテーブルを囲んでいるだけの関係性だけで見せられるような。
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素晴らしい。会話劇。
白井 
会話劇といっても、面白くない会話劇というのはやっぱりあるんですよね。「これが面白い会話劇だろう」と思って作られた芝居が、本質を掴んでなくて面白くなかった、という事はあるので。それはエンタメでも同じなんですけど。
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そういう、集中した空間ですね。

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リード

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さて、もう一度「スーパーふぃクション」に話を戻して。畑中さんは今回、どんな役柄でしょうか。
畑中 
いい焦らし役になれたらなと思います。シーンの合間合間を上手く繋いで、次の波に繋いでいく、そんな事が出来たらなと思います。
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素晴らしい。今回の作品において、稽古場で何が出来たら成功に繋がると思いますか?
畑中 
昨日も稽古場で話された事なんですけど、ずっとテンション高く進んで行くんですよね。だからお客さんも役者側も、一度作品から気を飛ばしてしまうと戻りにくいんじゃないかと。お客さんをちゃんと離さないでおく仕掛けや、集中力が大切なのかなと思います。
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大変そうですね。
畑中 
でも今のところ、稽古場ではあっと言う間に時間が過ぎて行くんです。積み上げていけている稽古場だとは思っていて。でも、そこから一段高く、ワクワクさせ続ける。そんな事が出来たらと思います。
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ワクワクさせ続ける為には何が必要でしょうか。
畑中 
役者がワクワクし続ける事はもちろん、お客さんが見たいものを、見たいスピードで見せ続ける事かもしれません。それが出来れば、テンポが早すぎても要所要所でお客さんをつかみ続けられると思うんですよね。私は全然出来てないですけど。役者がちゃんと風景を見続ける事。
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お客さん側に共感する、みたいな事かな。
畑中 
ショーみたいな感じになるんじゃないかと思ってます。期待を込めて、ですけど。

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衝動

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さて、KEXのオープンエントリー参加作品[deprived]。見所を教えて頂けますでしょうか。
矢野 
俳優の身体そのものを、先ずは観て頂きたいです。俳優が言葉を発語する。発語という行為を行うために、その行為を際立たせるために本当にいろいろなものを削ぎ落としているので、そこを観て欲しい。どちらかというと僕らの作っているものは派手で豪華なエンターテインメントではなく、儀式的、様式的というか・・・例えば、歌舞伎ではなくて能楽に近いような、そんなものなんですね。俳優がテキストを発するとき、おそらくそれは目に見えるようなものじゃないんですけど、けっこうな苦労をしていて・・・僕らの作品に限らないと思うんですけど、古典や近代文学のようなテキストを、普通に、何事もなく聞けてしまうようにするのって、けっこう難しいんですよ。誰が何故、何を、何のために喋るのか? について、俳優がちゃんと自分のなかに衝動のようなものを持ってないとすぐ、言葉が上滑りするというか、スカスカになってしまうんです。
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まずは俳優の発語に注目すると、shelfの作品の成立する瞬間が感じられる?
矢野 
いうなれば、西洋的な足し算で見せていくフラワーアレンジメントではなく、余白、間を見せるための生花ですね。ギリギリまで削った、言葉と、身体と、空間。そして何より余白を大事にした作品を作っています。これは余談なんですが、最近いろいろ英語で企画書を書いていて苦労したというか気づかされたんですが、英語では日本語の「削ぎ落とす」って、あまり良い意味を持っていないんですよ。trim outとかかな、とか、いろいろ考えたんですけど、trim outだと確かにクローズアップはしているんですけど、それはあくまで部分に集中させることを念頭に置いた表現なんですよね。僕らは逆に、削ぎ落とした、削がれた方の余白の美しさや、お客さんの想像力を喚起するための間、何もない空間じゃなくて、無いものが在る、内に深く混沌さを孕んだ豊かな空間を作るのだということを最優先に狙っています。とにかく古典をやるにしても、今回のような構成作品を上演するにしても、それを大事にしていますね。

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その瞬間

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演劇を始めたキッカケを教えて下さい。
森  
大学に入って、隣にいた友達が演劇に興味があったらしくて。それで付いて行ったら意外と本格的だったんです。龍谷大学の劇団未踏座にはいりました。
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九鬼そねみさんはご存知ですか。
森  
はい。雲の上のような存在のOBです。お世話になっていました。
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九鬼さんの後輩・・・。演劇を始めた頃にみた衝撃作は。
森  
京都ロマンポップさんの「人を好きになって何が悪い」という作品で、演劇って凄いなと。あとはベビー・ピーさんの「はたたがみ」です。その二つはもう・・・今でも物凄く残っています。
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確かに、どちらも凄かったですね。森さんは、舞台に立っていて「この一瞬が好き」というのはありますか?
森  
舞台上でシーンとしている時ですね。役者が集中していて、次の動きの時にバッと、役者全員が反応するような。上手く言えないんですけど、あの間は凄く好きです。
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客席に座っている全員が、その新しい時間を見ていると自覚しているでしょうね。役者全員が、同じイメージに集中しているから、みんな同調している。

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