僕らの恩返しってなんだろう

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「部室さんとBOXくん」中津vi-codeですね。どんなイベントにしたいですか?
木下 
実はこのイベント、3年半振りに開催するんですよ。その時以降、僕らとしては波に乗れた感じなんですね。「サクゴエラボラトリー」というイベントも開催出来たり。
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「サクゴエラボラトリー」は私も拝見しました。決勝戦を見ました。面白かったです。
木下 
ありがとうございます。短冊ストライプとして、社会人になってからのすぼみ方がヤバかったんでそう言ってもらえると嬉しいです。僕らがその、学生劇団に凄く世話になっていて、あの時が一番楽しかったと思い込んでいるんですね。じゃあ、逆に恩返し出来るのってなんだろうと。
__ 
ええ。
木下 
その後僕らも色んなイベントとかに出たりしているんですが、広がった人脈をもう一度生かして、最後に恩返しする事が出来ないか、と。そういう事で、僕らは遠距離で離れているけど、今回のこのイベントをやろうやと。
__ 
なるほど。
木下 
そこに学生が来たら、「こんな先輩がおるんや」、「僕も頑張って演劇を続けよう」と思ってくれるかもしれないし、反対のことを思うかもしれないし。OBの方々に対しては、「あの頃は楽しかったな」、「こんな尖った若手おるんか」とか思ってもらいたい。なによりその日を楽しんでもらえたらいいなと思ってます。前回は講演会みたいになってしまったんですけど、今回は部室の雰囲気を作りたいなと。しゃべり場みたいな雰囲気が作れたらいいよねという話をしています。とは言っても、前回はきちっとしたイベントだったんですけど、今回は下らない事を真剣にしよう、という話をしていますね。

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人脈だけは引き継げない、けれども

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後進に何を引き継ぎたいですか?
油田 
人脈の事かな。悩みなんですよ。人脈って人と人が出会う事でしか生まれないと思うんですよ。引き継げない。特に我々みたいな民間の補助金もなかなかないような劇場の者は、お互いの人的なやり取りをするしかないし、そうやって生まれた財産だからこそ引き継げないと思うんですよね。
__ 
そうですね。
油田 
3、4年ぐらいは何とかなるかもしれないですけど、続かないとダメになるのかなと。でも、「この人達は演劇がバカが付くほど好きなんだ」というのはなんとか伝えられると思っています。残せるのはそれだけかもしれない。この分野には舗装された道はないので、自分達で切り開いていって貰うしか無いんですよね。公共劇場さんだって、熱意のある担当さんが異動しただけで勢いがなくなるとかしょっちゅうあるじゃないですか。
__ 
つまり、先輩の背中を見せる事ですね。
油田 
人脈という道は、閉じたらそこで終わってしまうんだからそこはもう諦めて。若手には、会ってこい、一緒に公演を打ってみたらどうだ、みたいに言って。で、ちょっとお膳立てはしておいて。そういう風に築いていくしかないんですよね。そうじゃないとまた僕らの世代が出て行く事になってしまう。
__ 
中心人物が居なくなっても新しいところに人脈を求めていくようであってほしいですね。
鳴海 
新しい関係性の中ではベクトルは絶対に違ってくるはずなので、そこに対して上の人間がちょっかいを掛けてはいけないと思うんですよ。その人脈の中でしか人は呼べない訳だから。それは世の成り行きだぐらいに思ってないといけないし、それが若いやつがやりやすい環境なんじゃないかなと。

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ク・ビレに出会う

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そして今。せんのさんはク・ビレ邸のブッキングマネージャーをされているんですよね。その経緯を教えてください。
せん 
三名刺繍(劇団レトルト内閣)さんと出会ったのがキッカケですね。私はその頃、バカなイベントばっかりしていて。ハゲヅラ被ったりとか。それをご覧頂いた三名さんが気に入って下さって、交流する内に「おもしろい場所があるよ」と連れて来て下さって。
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なるほど。
せん 
その時やりたかったイベントに、ここが合ってて。良いなと思ってやらせてもらって。実は三名さん、ここを運営されている佐藤香聲さんの劇団に所属されていた時期があったそうで。それから香聲さんにイベントの受付手伝いをお願いされるようになって、出入りし始めたら、いつの間にかブッキングマネージャーになってたんです。
__ 
なるほど、いつの間にか。
せん 
イベントをやるのも好きだし、バーテンダーをやっていたので受付も好きなんです。色々とやらせてもらえるのが嬉しいですね。それから、誰かと誰かを繋げるのが結構好きなんです。ここをキッカケに誰かと誰かが一緒に何かを作るのを目の当たりにすると充実感がありますね。
__ 
つまり、ミナミの帝王ですね。
せん 
(笑う)今は、佐藤香聲さんが代表を務めるアートプロジェクト集団「鞦韆舘(しゅうせんかん)」に所属しています。

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リンクしてクロスする

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これまでリンクスを何度も開催して、色んな思いがあると思いますが・・・。
石田 
2009年の11月から8回のイベントを開催しました。今はイベント活動は出来ていませんが、僕は今もリンクスを続けているんですよ。
__ 
?というと。
石田 
その名の通り、リンクしてクロスする、という事で、人と人を紹介する事をさせて頂いているんです。これまでの繋がりから色んなところに顔を出していて、例えば劇団さんからこれこれこういう役者を探している、だったり。または、客演したい俳優がいるんだけど何か知らないか、だったり。全部が全部うまく行くとは限らないんですが。
__ 
もしこの世が事務所や劇団だけだったら難しいですよね、新しく個人同志の繋がりを作るのって。石田さんならではの仕事かもしれませんね。
石田 
面白かったのは、independentの一人芝居フェスでの中嶋久美子さんの作品。その時中嶋さんはムーンビームマシン所属だったので、Sarahさんに脚本をお願いしたかったそうなんですが、本公演の準備で忙しかったらしくて、僕に声を掛けて頂いたんです。正統派ヒロインの役回りが多い中嶋さんがは実は、ピュアな天然ボケの人だと僕は知っていたんですよ。なので、はちブラ(はちきれることのないブラウスの会)の二朗松田さんの脚本が良いんじゃないかと。で、演出は誰がするのが良いかと言ったら、泉寛介さんが自分の感覚に合うんじゃないかと。二朗さんが言われ、そこで会える段取りをしたらお互いの気持ちも一致し、トライアルを通す事に。あれよあれよという間に、トライアルでは見事一位になって、本戦でも出場、またその評判がすこぶる良く、その後はその作品で全国ツアーに巡られていて・・・。そういう出世魚のような作品に少しでも関われました。
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石田さんのそうした活動を私は単純にリスペクトしています。
石田 
ありがとうございます。でも、たまたまです。もちろんリンクスのイベントや、他のイベントでの出会いを通して新しいユニットが出来ていって。そういう機会を提供出来たというのは僕の誇りです。

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わたしの登竜門

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九鬼さんが俳優として参加した作品、努力クラブ弱男ユニット「夕凪アナキズム」を拝見しました。どれも大変面白かったです。演劇を始めたのはどのような経緯があったのでしょうか。
九鬼 
高校演劇から始めて、龍谷大学時代に劇団未踏座に入りました。でも、未踏座時代に得た事を全然生かせてないんですよね。
__ 
というと。
九鬼 
未踏座から努力クラブの旗揚げにひょいっと呼ばれて、だから大学時代と隔絶していると思います。後輩に見に来てって言えないですね。
__ 
大学時代はどのような作品を。
九鬼 
皆やりたいものを持ち寄ってだったので、色々でした。団員の創作脚本だったり、古城十忍とか、鴻上尚史とか、キャラメルボックスとか、ですかね。あと、三回生の時に初めて演出をさせてもらったんです。漫画原作の、「鈴木先生」っていう。
__ 
あ、ドラマ化された?
九鬼 
そうなんですよ。ドラマ化されて映画化されたので・・・
__ 
凄いですね。始めて実写化したのは我々だと。
九鬼 
いえそこまではおこがましくて言えないんですけど(笑)。今でも原作者の方とは交流があります。
__ 
おお・・・
九鬼 
先生、優しい人なんですよ。私は六巻の内容をメインに舞台用に再構成しました。でも長編ですから、四巻からの伏線が六巻で昇華されたりしていて。なんとか、そこの辻褄が合うように、何人かのキャラクターを一人の人物にまとめたり、メインキャラクターを思い切ってカットしたり。今思うとかなり乱暴なことをしてしまいました。原作者の方に本番をご覧頂けて、「自分も六巻だけを読み切りで描くならば、こういうやり方をしたかもしれないね」と言ってもらったんですよ。先生、優しいからお世辞かもしれないですけど。それが凄くありがたかったです。
__ 
パロディというか、茶化しましたか?
九鬼 
茶化したつもりはないですね。その時なりに、真剣だったかも。未踏座時代は、卒業してからも演劇を続けようという気持ちは無かったんです。未踏座の活動でストレスがたまると漫画を買って発散するような日々で。だから、普通に、働いて、みたいな、そういう生き方をしようとしていたんですけど、「鈴木先生」をやって、こんなに楽しい思いが出来るなら、またしたいなって。でも、学生劇団時代、最後の最後で私は卒業公演には出られなかったんですよ。悔しかったです。
__ 
悔しかった。
九鬼 
卒業公演は演出補に回りました。演出補って難しいですね。私の話なんて聞いてくれない役者もいましたし。役者落ちした人の話なんて聞かないですもんね。役者に、「それは違うんじゃないの」って逆ダメ出しされたりしましたね。今思うと、落ちた理由もなんとなく想像つくっていうか、納得できるんですけど。あの時はただただ、後輩に対して恥ずかしかった。卒業公演で役に立つって、卒業しても続けててもいい最低条件みたいなものじゃないですかね。いつか演出をする為の修行として、役者がしたいなと思っていた所に合田君が声を掛けてくれて。それ以降、努力クラブには旗揚げから参加しています。舞台上で緊張したり、集中できてなかったりすることを、むしろ良いって言ってくれる、大事な劇団です。
「夕凪アナキズム」
公演時期:2013/1/25~28。会場:元・立誠小学校 音楽室。
未踏座
龍谷大学の公認サークル劇団。
「鈴木先生」
漫画作品を原作に未踏座にて演劇化。原作者の方による当時の観劇感想はこちら

タグ: 道具としての俳優 俳優の「素」を生かす オーディション 自分を変えた、あの舞台 人脈を繋げる 伝説的な公演 学生劇団と私


101股

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ざくっとした伺い方なんですが、小劇場に入ってから、特にこの作品や企画は私を変えた、というものはありますか?
大塚 
仕事の幅を広げてくれたのはアクトリーグですね。関西の有名な小劇場の方たちがぎゅっと濃縮された感じだったので、人脈は広がりましたね。それから、ピースピット『風雲! 戦国ボルテックス学園』もそうですね。そこで山崎氏にもあったし。個人的に、役者として影響を受けたのはつかこうへい追悼企画「飛龍伝」です。
__ 
一心寺プロデュースの飛龍伝ですね。拝見しました。
大塚 
ありがとうございます。それまでは飛び道具的なキャラクターが多かったんですけど、玉置玲央君と一緒に、がっしりとやらせてもらいました。新しい自分を発見するキッカケを頂きました。それから、一人芝居。
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あ、independentの。拝見出来なかったんですが、タイトルから非常に惹かれますよね。「101人ねえちゃん」。
大塚 
見た目がやはりチャラいので(笑う)101人股掛けていたので全ての女性のお客様に嫌われました。しかも、30分で次々に振っていくんです。
__ 
嫌われるという事は、心に残ったという事ですよね。
大塚 
僕もそういう風に取るようにしています。これで全国各地を回ったんですが、やっぱりどこの都市でもチャラ男だと思われてます(笑う)。日本全国で糞野郎の冠を頂いたんですが、役としては可哀想な奴なんですよ。
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悪名が高すぎますね。
大塚 
はははは。あれ以降、僕の発言が信ぴょう性を無くしているような気がします(笑う)。
アクトリーグ
アクトリーグは、世界中の俳優および俳優を目指す全ての人たちに平等なチャンスを与え、映画、演劇に続く第3のエンタテインメントを目指すものです。ルールは、3分×4ステージというシンプルなもの。その空間の中で、何を演じても良いし、何を表現しても良い。全ては「自由」なのです。私たちは、世界中の全ての俳優、俳優を目指す人たちに門戸を開いています。何ひとつ制約するものはありません。最高のプレイヤー(俳優)が何の制約にも阻まれず集える場であること。最高の観客と感動をシェアすること。最高の競争の場であること。この3つを常に念頭において、私たちはアクトリーグを世界中の人々とシェアしていきたいと考えております。(公式サイトより)
ピースピット
劇団「惑星ピスタチオ」(2000年解散)に所属していた役者・末満健一により、2002年に旗揚げされた。特定のメンバーを持たず、公演毎に役者を募る「プロデュース」形式にて、年1~2本のペースで公演を行う。作品的な特徴としては、作りこまれた世界観、遊び心に満ちた演出ギミック、娯楽性を前面に押し出しつつ深い哲学性に支えられたストーリーなどが挙げられる。作風は多岐にわたるが、「街」などの外界と区切られた括りの中で物語が進行されたり、終末世界が舞台となることが多い。また作中に必ず「猫」が登場することも特徴のひとつとして挙げられる。(wikipediaより)
ピースピットVOL.12『風雲! 戦国ボルテックス学園』
公演時期:2010/7/21~25。会場:HEP HALL。
一心寺シアター倶楽 つかこうへい追悼企画「飛龍伝」
公演時期:2011/6/23~26。会場:一心寺シアター倶楽。

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