優しさとはなにか

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コトリ会議の作品を目にする時にいつも思うんですが、とても雰囲気がいいですよね。
山本 
悪人が出てこないという事でしょうか。
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やっぱり俳優間の空気感が良い、という事だと思うんですよね。その人達のムードというか。生卵でいうと舞台上の人々が黄身で、白身の固い部分に客席があって、それは水っぽい白身とも行き来できて、黄身の薄い皮を通して舞台を見ているんですけど、コトリ会議ってあの皮膜を破いたり戻したり自由自在だなあと。輪郭が曖昧だけどはっきりと認識も出来る感じ。そうした、醒めながらも曖昧な、現実だとはっきり認識しているけれども白魚のように認識が逃げる感じ。そこは確実にコトリ会議にしかないなあと。サイトにもあるとおり、一生懸命になりすぎて少しおかしくなってしまった人、それはつまり現代に生きる我々全てだと思うんですけど、彼らのせいなのかなと。優しいけれど、おかしくなってしまった人。
山本 
よく僕は言うんですけど、奇人変人でくくるなと。僕もよく変人と言われるし、皆さんどこか変人だと思うんですよね。それは一般社会にもいて、軋轢と一生懸命戦って、壊れないようにしているんです。だから、簡単に変人として見られる人は出さない。
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そうですね。
山本 
僕の周りに、結構変人は多いように思えるんですが、でも彼ら自身が自分と戦ってるんですよね。

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人間を演じる、うまいやりかた

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今日はどうぞ、宜しくお願い致します。大阪発のコントユニット、かのうとおっさんの有北さんにお話を伺います。有北さんは、最近はいかがでしょうか?
有北 
よろしくお願いします。最近は、稽古稽古の毎日を送っています。スイス銀行さんの「暮らしとゾンビ」と、劇団赤鬼の岡本拓朗さんプロデュースの「ロッキュー」ですね。
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お忙しい中、本当にありがとうございます!意気込みを教えて頂けますでしょうか。
有北 
いつもいわゆる脱力系コメディをやらせてもらっているんですけど、二つともがっちりとしたお芝居なので、これは頑張らないといけないと思っています。
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なるほど、脱力系コメディされている方としては。
有北 
人の気持ちを表現するのは非常に難しいです(笑う)中でも、いい人を表現するのが難しいですね。かのうとおっさんの作品には良くない人間が非常に沢山出てきて、むしろ褒められる事のない人間しか出てこないと言ってもいいんですよね。そういう役だったらとても得意なんですが。「ロッキュー!」では、口うるさい人なんですけど根っこの部分ではいい人ですね。「スイス銀行」ではまるでダメな人なので、わりといつも通りやっています。
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そういえば、かのうとおっさん作品には分かりやすいクズ人間ばかり出て来ますね。
有北 
自分たちでやる時は、徹底してダメな人間像を描くんです。客演すると、「やっぱり人間って、どんな人でも良い部分はあるんだな」と気付かされますね。
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うまくやれるといいですね。
有北 
(笑う)
かのうとおっさん
'99年、嘉納みなこと有北雅彦により結成。独特の台詞回し、印象に残るビジュアル、笑いをベースに人の生き様を鋭く描く作風は小学生から60代まで広く支持される。'12年「関西ふたり芝居セレクション」優勝。(公式BLOGより)
スイス銀行第六回公演「暮らしとゾンビ」
公演時期:2013/6/7~10。会場:in→dependent theatre 1st。
劇団赤鬼岡本拓朗プロデュース公演第二弾「ロッキュー!」
公演時期:2013/6/29~30。会場:神戸電子専門学校ソニックホール。

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お客さんを信用する事

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お芝居について。お客さんの満足を得る。簡単な言葉ですが、実際に舞台でやろうとすると途端に難しくなりますよね。その上で、あれだけZTONでギャグを一度も外さずに取れる人は凄いなと思っていて。
重松 
ありがとうございます。
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そういう風に、ポイントをけして譲らずに笑いを取るには、一体どのような心構えが。
重松 
お客さんを信用する事ですかね。
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お客さんを信用?
重松 
私はよく客席を見るんですけど、例えば息を止めて緊張しているとお客さんもそういう状態になっている。次に息を吐いて脱力すると、お客さんもリラックスするんです。お客さんを信用する事は、ここで息を吐けばお客さんも息を抜いてくれるはずだ、という感じかな。
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ここでこういう突っ込みをすれば、お客さんはこういう意味をつかんでくれて、笑ってくれると信じるという事ですね。仮説を試すという感覚ではなく、方法論・定石という、力強い感覚なんですね。

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ヒース

水波
俺大学4年のときイギリスに一ヶ月行ってたんだけど、だからイギリスの事が書いてある本は全般的に好きかなあ。
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ああ、イギリスですか意外ですねえ。
水波
行ってたんがねランカスターっていうばら戦争のあったところなんだけど、そこの大学に精華大の交換留学制度で行ってたんやけど。
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ああ。
水波
うん・・・・・・いわゆる都会な街じゃなくて、でも田舎じゃないんだけど、いわゆる一般的なイギリスの都市っていう。市の中心に城があって、端に駅、それを中心に町が栄えていて、外郭部が住宅地になっていて、さらにその外周には牧場やら農場やらがあると。つまりすべて市内で自給自足であると。市内で需要と供給が成り立っているという。
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なるほど。
水波
そういうわけなんですよ。
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京都に似てますね。
水波
うん・・・・・・でも日本と違うのは、日本は生産と消費が分かれていて、それが面白いなと思った。
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ええ。
水波
俺がホームステイしていた家は学校へ行くまでに農場を突っ切らなくちゃ行けなくて、そこで普通に牛が飼われてて、でその牛から取れた牛乳をこう、町で売っている。それが何か面白いなあと。でも、それは本来至極当然のことなわけで、そう考えると日本はずいぶん歪んだ発達の仕方をしているなと。そんなんもあって、色々イギリスの本を読んでるなあ。
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ええ。
水波
イギリスは・・・・・・だいぶね、自然を保護していて、遺跡とか土地とかそのままになってるから。
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へえ。
水波
遭難しかけてん。
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え!
水波
えっとね、エミリー・ブロンテっていう「嵐が丘」の作者のゆかりの地が日本人向けのガイドブックにも紹介されてて、でそこにすごい行ってみたくて、行ったんよ。だけどルートをちょっと外れただけで誰もいなくなって、
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ほお。
水波
で日本てわりと起伏が激しいから、どちらに山があるか見るだけで方角が大体分かるんだけど、向こうは平地だから、どっちを向いても地平線しか見えなくって。
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ああ、分かる分かる。
水波
迷ってヒースの中を走ってたらそのうちに暗くなりそうになってきて。
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ああ・・・・・・
水波
イギリスは夏は夜が遅くて、九時くらいまでは明るいんだけど、でも六時頃にすでにやばい、道を見つけないと帰れなくなると焦ってたらなんかものすごい向こうの方に人影が見えて。
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あれあ。
水波
あっ助かったと「おーい」って走ったら羊やって。
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羊か。
水波
かなり脱力して、でもふっと閃いて、この羊も家に帰るはずだと。で追いかけってたら何とか道に辿り着いた。
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なるほど。
水波
これが荒野かと。
本の話
どんな本を読みますか?という質問をしたため、本の話題になった。

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