fukuiiiiii企画「歪ハイツ」※
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- 今日はどうぞ、よろしくお願い申し上げます。最近、衣笠さんはどんな感じでしょうか。
- 衣笠
- よろしくお願いします。最近は、大学の卒業前なので引っ越しの準備とかで忙しいです。
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- 京都を出る準備ですね。後顧の憂いなく旅立ってほしいですね。
- 衣笠
- そうですね。もう会えない人もいるのかもしれないので、少し寂しいです。
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- 衣笠さんは京都造形大なんですよね。大学での思い出を教えて下さい。
- 衣笠
- お芝居の勉強を4年間やってきて。色んな人たちと一つのモノを作るという事の大変さを毎回のように痛感していました。あまり、大学の外で遊んだりとかはほとんどありませんでしたね、海に行ったりとか。
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- そうなんですね。
- 衣笠
- でも、普通の大学生とはきっと違って、中身のある4年間だったと思います。作品製作の中で楽しい事を見つけたり、人間関係を作っていったりとか。
- ※fukuiiiiii企画「歪ハイツ」
- 公演時期:2014/2/14~15。会場:元・立誠小学校。
造形大の思い出と、向こうへ行く事について
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- 造形大の思い出を教えてください。
- 福井
- 色々あるんですけど、演劇以外だったら、STEPSというダンスサークルに入ってストリートダンスを4年間やっていた事です。上手くは無かったんですけど、演劇以外のアプローチを学べたというか。例えばセリフを喋る時のリズム感で、ここのリズムがおかしいから次のリズムがおかしくなるみたいな。ダンスのリズム感というのは芝居に活かされたりしたし、友達と呼べる人もダンスサークルで出来たし。彼らとは今でも交流があります。
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- 福井さんは就職で東京に行かれるんですよね。向こうでもfukui企画をやって欲しいですね。
- 福井
- そうですね。映像制作の会社で、構成作家とかの仕事を頂いていまして。向こうの仕事の忙しさとかがまだ分かってないので。まあ、自分の好きな事は出来なくなるじゃないですか。
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- そうですね。
- 福井
- そこはしっかりとしながらも、もしお芝居がやれるようになったら(というか絶対やりたいと思ってますし)、自分がホンマにやりたいと思っているものを見せる。それを世の中に見てもらえるようになったら本当に嬉しいです。
脚本家としての変化
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- 今回の東京公演、企画のきっかけは。
- 野村
- オパンポン創造社が10年になりまして。一度、5年を迎えた日に東京に行ったんです。その時は公演する事自体が目標だったんです。
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- 10年!
- 野村
- というか、元々の始まりは16歳の頃から芸能事務所に入ってて。25ぐらいの時に辞めて、何も仕事がなくて。でも芝居がしたいと思った時にどうするべきかと思って、まずは一人芝居から初めたんです。10年経ってがむしゃらに走ってきたんですが、それが東京ではどう評価されるんだろうか、試したいんです。記念という意味もありますが。
- __
- では、去年の「曖昧模糊」はどんな手応えがありましたか。
- 野村
- 何よりも、自分が面白いと思って書いているところでちゃんと反応が返ってきたんですよね。昔は自分のやりたい事しかやってこなくて、それがズレているという事もあったんですけど。(良いか悪いかはともかく)お客さんとの感覚が一致してきている感触があります。これは別に妥協している訳じゃないですけど。
- __
- はい。
- 野村
- しょうがなしに始めた脚本が、やっと楽しくなってきた気がします。
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- 身について来た?
- 野村
- いや、身に付いたと言ったら勘違いした人みたいな感じですけど(笑う)なんだか、自分なりに形というか方程式が出来上がってきた気がします。
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- なるほど・・・去年、BLACK★TIGHTSの桜×心中※ですごいカッコ良く主演されてたじゃないですか。
- 野村
- あ、ありがとうございます。
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- 何かその時も感じて、今も改めて感じたんですけど、野村さんの作るものって気合を入れて“パッケージング”された手作り品って感じで好きです。
- 野村
- いやでも、まだまだ全然分かってない事は多くて勉強中なんです。今までは見ていただく時は不安だけだったんです。でも、今は見ていただきたいという欲が出てきましたね。楽しくはなってきたんですかね。
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- 素晴らしい。
- ※~BLACK★TIGHTSpecialnights vol.6~「桜×心中」
- 公演時期:2014/2/20~24。会場:世界館。
やるなら、やるべき時に
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- 東京に行く理由は。
- 真壁
- 完全に、自分の夢のためですね。
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- というと。
- 真壁
- 私が芝居を始めるきっかけが、いまや世界的に有名な大人計画の阿部サダヲさん。
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- ああ、なるほど。
- 真壁
- 阿部サダヲさんのお芝居をずっと見に行ってたんですよ。グループ魂のライブもずっと見に行っていて。「いつか、この人と共演したい、何かしらで近づきたい」と思って。それでお芝居を始めたんです。
- __
- なるほど。
- 真壁
- ずっと、東京には行きたかったです。いつか阿部サダヲさんと共演する、というのは滅茶苦茶大きい夢ですね。それもあって東京にいきます。大阪にいたら、「あ、もうここでいいや」で終わっちゃうと思うんです。自分はダメになると思う。
- __
- なるほど。
- 真壁
- やるなら、やるべき時に。
- __
- 今がそのタイミングだと。真壁さんが決めたんだから、今がそのタイミングなんでしょうね。
- 真壁
- 東京をノしてきます。あかん、これはきっと怒られる(笑う)でも、きっと反対にノされるんですけどね。
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- 真壁さんは得体がしれないな。
- 真壁
- ですよね、あんまり自分の事喋り慣れてないから。
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- でもそれが、向こうでいい感じの何かになることを願っています。
東京へ
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- 今日はどうぞ、よろしくお願いします。
- 山西
- よろしくお願いします。
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- 最近、山西さんはどんな感じでしょうか。
- 山西
- 元気にやってます。いろいろ終わってひとつの区切りを迎えて。
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- 東京への引っ越しもありますしね。その直前ですね。
- 山西
- はい。向こうでの生活が始まる実感はまだあんまりないんですけど。
- ※子供鉅人
- 2005年、代表の益山貴司、寛司兄弟を中心に結成。「子供鉅人」とは、「子供のようで鉅人、鉅人のようで子供」の略。音楽劇や会話劇など、いくつかの方法論を駆使し、世界に埋没している「物語」を発掘するフリースタイル演劇集団。路地奥のふる長屋を根城にし、演劇のダイナミズムに添いながら夢や恐怖をモチーフに、奔放に広がる幻視的イメージを舞台空間へ自由自在に紡ぎ上げる。また、いわゆる演劇畑に根を生やしている劇団とは異なり、劇場のみならずカフェ、ギャラリー、ライブハウスなどで上演、共演したりとボーダーレスな活動を通して、無節操に演劇の可能性を喰い散らかしている。(公式サイトより)
次の土地の子供鉅人
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- 苦労したシーンはありますか。
- 山西
- 全体的な話になっちゃうんですけど、環境の変化がすごくて。暑かったり寒かったり、雨が降りそうだったり色んな部分が。緊張感が無くなってしまわないようにと思ってました。
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- 緊張感という点なら、シーンごとの差はすごいですよね。役を演じる演技と、ツアー演劇のコンダクターの演技。
- 山西
- 僕は劇団員になって初めての公演だったので、単純に演技する上で勉強になった部分が大きくて。でも、またそれとは違う、アドリブのツアーをしているときの演技は別の意味で面白くて。
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- 子供鉅人の役者って、ふつうは出来ないような、特殊な経験をしているんだなあと思うんですよ。劇場はもちろん、町家で芝居をするし、ツアー演劇もテント演劇もコントも音楽もイベントもする。演技のスタイルも回によって大幅に違う(それはもちろん、舞台に合わせているという部分は強いけれども)。
- 山西
- そうですね。大事にしている部分は毎回同じで、お客さんを楽しませるというところに尽きていると思います。退屈な時間がないようにというか。
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- クルージング・アドベンチャー3。私は一瞬たりとも退屈しませんでしたね。たとえ船着き場が渋滞していても。お客さんを退屈させない為に次々と新しい展開をし続けているということがあるのかな。その彼らが東京に行く。これまで、大阪という土地と強い結びつきを持っていた彼らが東京に行く。それも新しい展開の始まりでしょうね。
- 山西
- すごく楽しみです。僕は入って間もないけれど、すぐに東京に引っ越しで。そこから時間をあけずに劇場での公演で。
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- 激流に次ぐ激流ですね。環境が変わっても、子供鉅人と言う船をメンバーが強く心に持っている以上大丈夫だと思うんですよ。
- 山西
- ありがとうございます。
身体に目を向ける
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- 東京に移って、どんな事を考えるようになりましたか?
- 西岡
- 自分の身体と思考について、とか、何かに関わっている時のそれぞれの自分の事をその都度観察する事が多くなりました。
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- ええ。
- 西岡
- 京都にいたときには、フワフワしているのは悪と思っていて、目的をバチーンと決めようとしてました。いついつまでにこうなるんだみたいな猪突猛進な自分だったなと思っていて。東京に来たら、誰も私の事は知らない他人ばっかりだし、ギュウギュウの満員電車にいたら、いま何をしてるんだろうなあ自分は、と思う。日頃無視していた自分の身体に目を向けるようになったと思います。それは、研修のプログラムから影響を受けた部分もあります。
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- 内面に目を向けるようになった?
- 西岡
- 「こうしなきゃいけない」という意識から、「今自分はどういう状態であるか」という意識が強くなった。(今私はこの人が嫌いかもしれない)とか、(この人と仲良くなりたいけど、身体がバタバタしているようだ)とか。決めてかかってた時より呼吸がしやすくなりました。
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- なるほど。
- 西岡
- 頭でっかちな性質と、自分の身体との連動性を付けようとしているのかもしれないですね。結構、バラバラしている傾向があるので。
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- 完全に把握したいと。
- 西岡
- 完全に把握は出来ないと思いますけどね。だけど以前は今より自分本来の性質に無自覚だったのかもしれません。
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- 精神と身体を同時に常に把握する事は、とても有効な俳優のトレーニングかもしれませんね。
- 西岡
- まだ、分かってるつもりだったり分かっているだけの状態かもしれませんけどね。自分が分かっていないと感じたら周りに指摘してもらう、それぐらいの気持ちでいたいですね。東京に来てからは、人に頼るという事も増えたかもしれません。以前は全部自分でやろうとしていました。人に頼ったり任せる事も大事だな、って。
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- なるほどね。
がっかりアバター「あくまのとなり。」※
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- 今日はどうぞ、よろしくお願いします。最近、松下さんはどんな感じでしょうか。
- 松下
- 最近は稽古でいっぱいいっぱいです。本番2週間前なんです。
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- がっかりアバター次回公演「あくまのとなり。」の稽古、ですね。いっぱいいっぱい。これまでに経験した中で、一番いっぱいいっぱいになったのはどんな時ですか?
- 松下
- ウーン。けっこう毎回、いっぱいいっぱいになっちゃうんです。次はこういう事に気を付けようとメモを取ったりしてるんですけど、それでも焦燥感に駆られてしまいますね。
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- なるほどね。演劇を抜いたら?
- 松下
- 引っ越します。実家に戻ります。同じ大阪なんですけど、お金や時間の面でがっかりアバターに掛けられるだけ掛けようと。次の公演終わったら速攻引っ越します。
- ※がっかりアバター
- 結成2011年6月。主催の何とも言えない初期衝動からほぼ冗談のように結束。2011年6月vol.1『岡本太郎によろしく』2012年11月vol.2『啓蒙の果て、船降りる』(ウイングカップ2012受賞)2013年6月vol.3『俺ライドオン天使』(公式サイトより)
- ※がっかりアバター「あくまのとなり。」
- 公演時期:2014/5/15~19。会場:シアトリカル應典院。
つづく
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- 今後、どんな感じで攻めていかれますか。
- 渡辺
- 既成台本というか、古典の戯曲に挑戦してみたいですね。一度、東京国立劇場にオーディションを受けに行ったときに長台詞を読むというのがあったんですが、全然言えなくて。それと、引っ越しはするんですが、メインは変わらず京都のつもりです。飛び道具の公演は、確実に受付に立ってると思います。でも、その愛知の引っ越し先でも、演劇WSは行われるみたいなんですよね。
- __
- あ、そうなんですか。
- 渡辺
- まずはそこで、演劇未経験者を装ってWSを受けてみようと思います。
劇団飛び道具「四人のショショ」※
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- 今日はどうぞ、宜しくお願い致します。最近は渡辺さんは、どういう感じでしょうか。
- 渡辺
- 飛び道具の公演「四人のショショ」が終わって、5月に愛知に行く準備をしています。
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- なるほど。
- 渡辺
- 愛知に行くって言ったらみんな「名古屋に行くの?」って聞いてくるんですけどね。みんな、その地名を言ったら「どこ?」って。私の方が叫びたいぐらい知らない土地なんですよ。工業地域で、農業してて、でも海もある不思議な土地です。京都とあまりにもかけ離れていて、やんややんや文句を言ってました。
- __
- 今でもまだ、喧嘩している?
- 渡辺
- いや、今はそんな土地があっても良かろうと。本拠地は京都で、長期出張に行くみたいな気持ちです。
だから僕は、みんな違うという前提に立ち続けたいのかもしれない。
- 藤原
- ただこういう生き方ってもはやカタギではない。世の中を引っかき回したいとは思うけど、できれば人に迷惑はかけずに生きたい・・・・・・。
- __
- 私個人も、やはり迷惑を掛けている人は多かれ少なかれいるんですよ。きっと。婉曲的にでも、恩を返していきたいですね。
- 藤原
- 朝、二日酔いの頭で、幾らかの後悔とともに例えば太宰治のことをぼんやり考えたりします。生まれてきてしまったことへの原罪のようなものってやっぱりあって。ただ、後ろめたさに溺れていくのも甘えだと思う。デカダンス気取りではいられないんです。もはや生きてしまっている以上、開き直りということでもなく、その「存在している」という事実を過不足なく受け止めたい。そうすると、どんな隣人と一緒に生きていくのか、ということは考えざるをえませんね。今は幸いにも一緒に仕事をしようと言ってくれる人もいるので、本当にありがたいです。たぶん他人から受けた恩は、一生かかっても返しきれない。そのぶん、若い子たちに何かプレゼントできれば、と思ってはいるんだけど・・・・・・。
- __
- 藤原さんは、13歳から東京に移ったんですよね。
- 藤原
- 中学進学と同時ですね。寮ではなくて、アパートで一人暮らししました。なんでそんなことしたんだろう・・・・・・。未だに謎なんですけど、たぶん高知というそれまでいた世界とか、家とかが、窮屈に感じられて、外の世界で勝負したいって思っちゃったんでしょう。でも想像してた以上にキツかったです。いきなり知らない土地に放り出されたようなものだし。自分で選んだことだけど、まだ子供ですからね・・・・・・。
- __
- ようやるわ、と思います。
- 藤原
- 想像を絶する孤独でしたね。寂しいからテレビ付けっぱなしで寝たりとかしてたんですけど、途中で砂嵐になってむしろ怖いし眠りも浅いから、闇に耐えるしかない。同じ家に人がいるかどうかだけで全然違うんだと痛感しましたね。実際、空き巣に入られそうになったりとか、具体的な危険もあったし、ボロアパートだからヘンな虫とかもいたし、ほんとに夜が恐ろしかった。僕はいわゆる一般的な「反抗期」というものも経験してない。反抗する対象がいないわけだから。その頃からですかね、夜の徘徊癖が出てきたのって。待ってるのが怖いから、自分から夜に向かっていくしかなかったのかも。こう見えても結構不幸な人生を歩んできてるんですよ。それこそ京都にも心中しようと思って旅したことあるし(笑)。自分でもよくここまで死ななかったなと思います。「中学から一人暮らししてえらいね」とか同情されることはしょっちゅうでしたけど、いや誰にもこの孤独は共感出来ないでしょ?、と思ってた。だからよくあるホームドラマ的な家族観は苦手なんです。いや全然違うしって思う。「家族」なんて存在しない。「ある家族」が存在するだけだと思う。すべての体験は固有のものです。簡単に共感とか言われても困っちゃう。だから僕は、みんな違うという前提に立ち続けたいのかもしれない。
ワクワクする場所
- __
- ウォーリー木下さんは、今現在、ここ関西で何をしたいですか?
- 木下
- 一つは、さっきも言いましたが能動的な観客が生まれるような作品を作り出したいです。もう一つは、海外のカンパニーがたくさん集まる場所にしたいなというのがあります。僕が行った先に面白いのがたくさんいたし、さっき話した、面白いテレビがやってたら「見て見て!」って騒ぐ衝動に通じますね。面白いのをみてほしいと思いますね。あとは・・・演劇だけじゃなくて、美術にしても音楽にしても映画にしてもメディアアートにしても、色んなメディアの主戦場になっていったらいいなあと思いますね。東京の主戦場のあり方はマーケティング寄りだと思っていて、ある種切った貼っただと思うんですよ。それがもうちょっと、何と言ったらいいのかな、木訥に作品についてだけをあーだこうだ言える場所になっていけたらいいなと思いますね。いま、カフェ公演が各地でされてますけど、あれはいいと思っています。
- __
- 東京の話が出たので。今関西にいるのは、関西が好きだからですか?
- 木下
- いや、それは全然ないです。東京には劇団☆世界一団の時に何回か行って、それこそ攻めていたんですよ。賞とかももらって。でも、結局のところ、発想が勝ち負け基準になっていくのを感じて。それは後々ストレスになると思って。それよりは、自分がやりたいワクワク出来る事は何かを、色々と都合のいい場所でやる方が現実的なんじゃないかと。
「受け入れられてる感じしたよ!」
- __
- 東京公演の意気込みを伺えれば。
- 6号
- 二週間ぶりに稽古が再開して同窓会気分で、でもやってみたら案外覚えていて。だからその分、精度を上げるように改善していくようにしています。最後の一週間で作ったシーンもあり、手探りでやっていた部分もあるんですね。自分達で把握しきれなかった部分を明らかにして、自分達のやっていることを緻密に再構成していけばもっと面白くなるのかなと。
- __
- なるほど。
- 6号
- 単調だという声もあったので、そこを改善する方向で色々試しています。
- __
- 大阪での公演を経た作品。お客さんがたくさん入るといいですね。
- 6号
- そうですね。初めての東京ですからねー。東京で芝居をしている人にアドバイスを聞いたら、やっぱりかなり口コミが大切みたいなんですね。初日の評価とか。東京に前乗りして、劇場にチラシを置かせてもらうという計画をしています。
- __
- そうそう、初日が大事なんでしょうね、きっと。
- 6号
- 本当にウケるといいですね・・・。大阪公演のどこかの回で、ものすごい拍手が起こった回があったらしいんですよ。終演後に3号さんが「おいおいすごい拍手だったな!受け入れられてる感じしたよ!」って興奮してたんですね。やってる方は必死で、拍手の大きさまで気付けなかったんですが。
- __
- へえ。
- 6号
- 今までにない拍手の量だったらしいです。それがね、東京に続けばいいなと思います。
彼女の情熱
- __
- 今回、この客演が決まったのはどういう経緯があったのでしょうか?
- 吉川
- はい、悪い芝居の制作、有田さんからお話をもらいました。その後、山崎さんと電話で話して「出ます。」っていうのが経緯です。もう出ることは無いだろうって思ってたからびっくりしましたー。あ、悪い芝居は佐藤佐吉賞の受賞や、岸田戯曲賞の最終選考に残るっていうのがあった様で、ていうかあって。そしたらその次の公演はね、絶対気合入れようぜ!ってなると思うのに。うーん。そこで、山崎さんがまた一緒にやろうって思ってくれたのが嬉しいかな。植田さん、大川原さんにもそう思うかな。でも、有田さんのおかげです、この機会は。
- __
- 彼女の情熱なんですね。
- 吉川
- 有田さんの情熱か、最高に嬉しい(笑う)。でも劇団に入った時は、退団しても続けてる自分なんかちょっとも想像してなかった。
- __
- なるほど。
- 吉川
- でも、お芝居辞めてないから。辞めたいと思わんという事は、自分は、お芝居好きなんやなって。2年かけてそれだけ分かりました(笑う)
- __
- 好きになったんでしょうね。
- 吉川
- なったんですかね。なりましたね!
- __
- そう思います。東京に行っても続けてるんだし、よく戦われていると私は思います。
- 吉川
- 有難うございます。でもでも、それは全っ然です。私、へたれ。もっとしっかり、こう・・・。
- __
- そんな事世界中の人間がそう思ってますよ。
- 吉川
- そうかな。そっか。じゃあ私もそう思ってる!思ってます。
ピンク地底人暴虐の第10回公演「明日を落としても」※
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- ピンク地底人暴虐の第10回公演「明日を落としても」。意気込みを教えてください。
- 竹子
- 今回は勝ちに行きます。これまで私は、地底でもハト派、つまり作品至上主義だったんです。良い作品を作れば、みんな見に来てくれるよというような。でも、せっかく東京にも大阪にも行くので、もっともっと、ぐいぐい行ってもいいんじゃなかなと。侵略するぜオーラを出していきたいですね。
- ※ピンク地底人暴虐の第10回公演「明日を落としても」
- 公演時期:2012/6/30~7/1(大阪)、2012/8/17~8/19(東京)。会場:インディペンデントシアター2nd(大阪)、王子小劇場(東京)。
こっ恥ずかしいという感覚
- __
- では、これからの目標は。
- 大塚
- ああー、ぱっとは答えられないですね・・・僕はフラフラしてるから。目標というか、これはもうキッカケを伺っているんですが、東京には行きたいですね。引っ越す分にはいつでも行けるんですが。
- __
- なるほど。
- 大塚
- こっちで頂いているレギュラーの仕事が落ち着いて、向こうでも安定したレギュラーの仕事が頂ければ、活動の場を移せるんじゃないかなと思います。目標というか、これはやらなきゃいけない事だと思っているんですけど。
- __
- これまでのインタビューで、東京に行きたいと仰った方は初めてかもしれません。
- 大塚
- もっとみなさん、ビジョンが明確なんですかね。
- __
- もしかしたら、最近、東京に行くというのはあえて選ばない人が多いのかもしれませんね。
- 大塚
- それはあるかもしれませんね。確かに、今更東京行くの?とか言われますし。若干、こっ恥ずかしいという感覚は、正直あると思います。
- __
- 本当は全然、そんな事ないのにね。
- 大塚
- みなさん、夢の一つの通過点として、東京というのはあると思うんです。東京公演とか。僕の場合はフラフラし過ぎているので、分かりやすい道しるべとして言ってますね。
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- いえ、良いと思います。大塚さんの場合は、「大阪で名を上げつつある俳優が来た」という事で興味を引くと思います。それで舞台を見に行ったら、確かに大阪の俳優だ!みたいな。地方によって俳優の身体って、味わいが違う感じがしますからね。
- 大塚
- あ、それはあると思いますよ。というのは、大阪ってやっぱり東京ほど広くはないんですよね?その分評判の高い劇団には他のカンパニーの人間が結構な割合で行くんですね。その頻度は、確かに東京よりは高いと思います。
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- そうですね。
- 大塚
- きっと皆さん「あいつらより俺の方が面白いやんけ」って思いながらも、どこかしら、演技の端々に影響が出るんですね。知らず知らずにやってるんです。そういうところから、地域によっての味が出てくるんだと思いますよ。
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- 願わくば、それが加速していくといいなと思いますね。
質問 奥田 ワレタさんから 植田 順平さんへ
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- 前回インタビューさせていただいた、奥田ワレタさんから質問を頂いてきております。「その内東京来るんすか? いや来てくれたら嬉しいけど、みんな来るのはなんかなあ。いや嬉しいけど」。
- 植田
- それは・・・どうでしょうね。
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- 答えづらい質問ですね。奥田さんとしては、みんな来てもしょうがないんじゃないって思っているのだと思います。
- 植田
- もちろん、東京にも大阪にも京都にそれぞれの小劇場の文化があって、それぞれの特色があるのが大事な事だと思います。次の悪い芝居は東京のみの公演(再演)ですのでどんな反応が返ってくるのかが楽しみです。他にも、山崎は現在は東京で客演、僕は大阪で客演、池川はAI・HALL、西岡は京都、岡田はバンド活動と色々活動の幅が広がってきていますし、外部での活動にも興味はありますね。
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- それで答えになっていると思いますよ。
- 植田
- まあ、奥田さんには、東京に行ったらよろしくお願いしますと。申し上げたいです。
普通なんだなって
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- 東京に行って、何か変わった事はありますか?
- 奥田
- うーん・・・やっぱり、現実を見たって感じですね。演劇をやりたいって人がめちゃめちゃ沢山いて、上には上がいるというか。並大抵のアレでは・・・。
- __
- なるほど。
- 奥田
- 今考えると、関西にいた時は気楽だったと思う。TVの仕事とかも最初は嬉しかったけど、それはやっぱり普通なんだなって思うようになりました。ああ、なるほどねって。やっぱり東京に行けば何とかなるって思ってたんだけど、必ずしもそうでもないなって。
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- ご自身の夢が叶ったり叶わなかったり。それで人も沢山いて。それで、夢が価値を失ったという事でしょうか?
- 奥田
- いや、例えばドラマの現場に行って、それまで憧れだった人に会ってみて。実際に踏み込んでみると地続きなんだって思ったんですよね。
- __
- 地続き。
- 奥田
- 普通の現実だったって事で、夢見がちでなくなったって事です。
- __
- 足を踏み入れてみたら、もの凄い事が起こるという訳でもなかった。
- 奥田
- うーん。東京に行ったら何か、やった以上の事が起こると思ってたんですね。でもやった分だけ返ってくる。やらなかったら帰ってこない。そんだけ。いい意味で現実的になったんですね。