この生きづらい世界で

__ 
かのうとおっさんの作品、とても好きです。何というか、性悪説を体現したかのような登場人物たちの放埒な姿を見ていると、人間そのものを許せるような気がするんですよね。その奥に、地獄を肯定してやるんだ、的な姿勢を感じるんです。
嘉納 
ありがとうございます。そういう事だと思います。
__ 
クズばかりが出てくる芝居だと思うんですが、書いている方からしてはいかがでしょうか?
嘉納 
特にここ2・3年はそういう方向になってきている気がしますね。それまではちょっとおかしい人々を書いていたんですけど。
__ 
なぜそのような人物を描くようになったのでしょうか?
嘉納 
生きづらい世界だと思うんですよ。ちゃんとしないといけないんですが、そうしたくないなあという気持ちがどこかにあって。立派にいようとすると、ちょっとしんどい。
__ 
成長したくないというのは大変文学的なテーマだ、みたいな評論がどこかにあったような気がします。そういう気持ちが嘉納さんにはある?
嘉納 
20代の頃、立派になろうと振る舞っていた時期があったんです。いい人であろうと、自らを演出しようと、例えば相談されたら「大丈夫だよ」とか答えたり。しばらくして、このままだとつまらない人間になりそうな気がして辞めてしまったんですよね。3ヶ月くらいで。立派な事を言ったりしてたらああこれクソつまんねえなと。

タグ: 性悪説 「かのうとおっさん」という特異点 相互承認 自由自在になる 受け入れる・受け入れられる 成長拒否 関係性が作品に結実する ロックな生き方