満月動物園=アングラ?

__ 
満月動物園の、開園の経緯を教えてください。
戒田 
開園、初めて言われました(笑う)。元々は大学でやっていて、ぼちぼち外部でのプロデュース公演にも参加するようになっていって。けれどもその内、先輩を含め周りが卒業して会社員になっていく訳ですよ。芝居を続けたいけれど続けられるかしら、と不安になる。なら、一つ形にしてみようと。
__ 
ありがとうございます。いつも思うんですが、公演のタイトルが非常に魅力的な付け方ですよね。あんまり、お褒めの言葉としては違和感があるかもしれませんけど。
戒田 
いえいえ、ありがとうございます。
__ 
そして、今の満月動物園。サイトにあるコンセプトの文章には「ファンタジー」「メルヘン」とありますが、それよりもとても、人間の心にどこまでも迫った作り方をしているように思うんです。これは本当にほめ言葉にはならないんですけど、「演歌」に近いんじゃないかなと。
戒田 
ええ。
__ 
最近の二作は主人公が冒頭で自分の死に直面しますよね。そこから、観客が自分自身の世界に入っていってる気がするんですよ。死ぬなんて超個人的なテーマですからね。本編も家族と配偶者についてのお話が中心だし、最後には泣いてしまうぐらい感情移入しているお客さんがいるのは当然だと思うんです。自分の人生もいつか終わっていってしまう、というのを強く感じました。生きていて死んでいく、自分の物語だから。
戒田 
ありがとうございます。的確だと思います。まあ、死ぬというのも含めて、僕自身が無くすという事を恐れていると思うんです。例えば川を欄干から見下ろしている時とか、この眼鏡をもし落としたらもうずっとお別れだなとか思っちゃうんですよね。常日頃からそれを敏感に怖がっている。メガネに対してさえ、そういう意識がふと行ってしまうと怖くなってしまうんですよ。死神シリーズではそういうのがよく出ていると思うんです。劇団の紹介に関して言えば・・・最近の満月動物園は、もはやアングラとは名乗れないかも(笑う)。
__ 
いえ、私にとっては現役というか、最前線のアングラですけどね。
戒田 
あ、そうですか。嬉しいです。それを聞いて、嬉しいと思う自分が新鮮です。

タグ: 愛される劇団づくり ファンタジー 観客との関係性 タイトルの秘密 旗揚げ 意外にも・・・


ファンタジーの不可解さって

__ 
作家としても幅を広げている野村さん。どんな作品を書きたいのですか?
野村 
何かあるんですかね。この前もテノヒラサイズさんで短編集のうちの一本を書かせて頂いたんです。ドキュメンタリーシリーズという事で、普段自分が思っている事を書いたんですよ。というか、どんな作家さんでも同じだと思うんですけど、自分が思っている事しか書けないものなんですよね。僕は普段、インドア派なんですけど、もうちょっと余所に出ていって、事件に巻き込まれなきゃならんなと。書ける範囲が限られてるな、とは、ね、思っています。
__ 
領域を広げる、という事ですね。
野村 
でも、ファンタジーの書き方にも興味があるんですよ。ファンタジーの中に生身の人間を置くやり方、とか・・・
__ 
ありえないファンタジーの世界や人物に、さらに訳の分からない事をしてもらう事で、自分の影の部分を投影しようとする、とかかもしれませんね。そこには現実の不合理さも流れ込んでいるのかもしれない。それで解消するような部分はあるかもしれない。だから、ファンタジーの住人には全然理解出来ない行動をとってもらいたいですね。
野村 
ああ、なるほど。
__ 
魔王とかにはもっと不可解であってほしいかな。
野村 
面白い事を聞きました。なるほど!書いてると気持ち悪くなるんですよね・・・矛盾を矛盾と思わなくなっていくのが大人やと思うんですけど、矛盾過ぎると気持ち悪くなって、途中で筋を通したくなってしまうんですよね。これで芝居をやっていけるんだろうか。
__ 
いやあ、これからどんどん、表現は色々な面から切り詰められていっていくような気がするので。遊びと余裕のある表現を大切にしてもらいたいです。ワガママかもしれないですけど。

タグ: ドキュメンタリー 訳の分からないボールの話 ファンタジー 事件性のある俳優 わたしとわたしの矛盾


君となら、銀河の果てでも、どこまでも!

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。最近、西村さんはどんな感じでしょうか。
西村 
最近は、劇団しようよで同志社小劇場の企画にお邪魔させて頂くんですけど、その稽古ですね。学祭での企画で、しようよを選んで頂いて。
__ 
可愛いチラシですね。『君となら、銀河の果てでも、どこまでも!そこになかったはずの酸素は要するに湧き上がり、星はまたたき、スーパーノヴァ』
西村 
無料の、入退場自由の企画公演になっています。もし宜しければ。
__ 
なるほど。西村さんはどんな役柄なんでしょうか。
西村 
実は初めての、自分とは年齢の離れた役なんです。役作りが大変で、難しいなと。
__ 
楽しみです。見に行けるように頑張ります。西村さんは、月面クロワッサンとしようよに同時に所属されているんですよね。
西村 
そうですね。元々は月面クロワッサンだったんですけど、しようよさんに客演させて頂いている内に大原さんからお誘い頂いて。月面クロワッサンはエンターテイメントで、ドラマもやって色々な方面に発信していく劇団で、劇団しようよは舞台でしかできないことにこだわるというか。そういった芝居をしたことが無かったので、新鮮に思っていたんです。月クロの活動がドラマ主体になっていったので、自分としては舞台をもっとやりたいなと思っていたのもあったんですが。
劇団しようよ
2011年4月、作家・演出家・俳優の大原渉平と、音楽家の吉見拓哉により旗揚げ。以降、大原の作・演出作品を上演する団体として活動。世の中に散らばる様々な事象を、あえて偏った目線からすくい上げ、ひとつに織り上げることで、社会と個人の”ねじれ”そのものを取り扱う作風が特徴。既存のモチーフが新たな物語に〈変形〉する戯曲や、想像力を喚起して時空間を超える演出で、現代/現在に有効な舞台作品を追求する。2012年「えだみつ演劇フェスティバル2012」(北九州)、2014年「王子小劇場新春ニューカマーフェス2014」(東京)に参加するなど、他地域での作品発表にも積極的に取り組む。野外パフォーマンスやイベント出演も多数。2015年「第6回せんがわ劇場演劇コンクール」(東京)にてオーディエンス賞受賞。同年よりアトリエ劇研(京都)創造サポートカンパニー。(公式サイトより)
月面クロワッサン
2011年、代表の作道雄を中心に活動を開始。演劇作品と映像作品の両方を発表、京都から作品を発信している。メンバーは、11人、平均年齢23歳。演劇・映像作品ともに、サスペンスやファンタジーなど、ジャンルは多岐に渡っているが、基本は群像劇のスタイルである。演劇では、笑えて、かつノスタルジックな物語性を中心とした会話劇を得意とし、vol.6「オレンジのハイウェイ」で、大阪に初進出。映像方面においては、2012年秋のWEBドラマを経て、2013年7月から連続ドラマ「ノスタルジア」をKBS京都にて3ヶ月にわたって製作、放送。地上波進出を果たした。また、「企画外企画劇場 IN 京都」などのバラエティーイベントの主催、WEBラジオの定期配信など、 様々なスタイルを持った活動で、新しいエンターテイメント創作者集団としての地平を開拓している。(公式サイトより)
同志社小劇場 同志社大学EVE祭プロデュース公演「すぺーす△ふらっと」劇団しようよ参加作品『君となら、銀河の果てでも、どこまでも!そこになかったはずの酸素は要するに湧き上がり、星はまたたき、スーパーノヴァ』
公演時期:2014/11/27~28。会場:同志社大学 今出川キャンパス 弘風館46教室。

タグ: 役作り=キャラクタの分析 ファンタジー 新しいエンターテイメント


sunday play日本の名作#2「友達」

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。平林さんは最近、どんな感じでしょうか。
平林 
最近はsudayの次回公演、「友達」の稽古ですね。公演は7月11日から。もう再来週ですね。
__ 
凄く楽しみです。安部公房の傑作「友達」。平林さんは主人公の家に押し掛けてくる一家、の父役を演じられるんですよね。「善意」がキーワードの戯曲だと思うんですが、ズバリどういうポイントを大事にして演じられたいと思われますか?
平林 
議論をたくさんする作品なんですけど、いい案配でお客さんまで納得させて、共感させるようになればいいなあと思ってます。
__ 
議論と説得力・・・そういえば、ウォーリー木下さんの作品で台詞のある芝居は久しぶりに拝見します。今回の作品、ウォーリー演出ならではのお楽しみポイントを教えてください。
平林 
そうですね、振り付けだったり音楽だったりはもちろん魅力なんですが、あるシーンでイメージがぽんぽんと切り替わっていくのがあって。振り付けと演技の区別が付かなくなるかもしれません。そもそも、この芝居における「振付」が一体どういう事なのか、今から楽しみにしてほしいです。
__ 
振り付けは冨士山アネットの長谷川寧さん。主演も務められるんですよね。とても楽しみです。意気込みを教えてください。
平林 
なんか、カラッとした感じになればいいなと思います。みんなが幸せになるお話じゃないですが、それも悪くないな、って思ってもらいたいかな。押し付けがましくなく演じられたらいいなと思います。
sunday
2004年、劇団☆世界一団、第1期終了。ふたつのinterludeを経て、sundayに改称。「今面白いと思うことを、遊びながら作る」というメッセージ性の少ないカンパニー。しかしその現代性とファンタジー性が融合した世界観は、ポップでありながら実験的。物語とパフォーマンスの絶妙なバランス、そして実力派の役者たちによる見応えのある演技は、公演回数が少ない割には確固とした評価と動員を得ている。目指すは「世界一おもしろい演劇部」。(公式サイトより)
sunday play日本の名作#2「友達」
公演時期:2014/7/11~14。会場:AI・HALL(伊丹市立演劇ホール)。

タグ: ダンスと振付 ファンタジー ユニークな作品あります 次の公演 世界観の作り込み ウォーリー木下


__ 
今後、一緒に作品を作ってみたい人や劇団はありますか?
坪坂 
そうですね。会話劇はしてみたいですね。全く動かない。ありがたいことに、ナレーターの方から一緒にやりませんかと声を掛けて頂いて、お仕事を頂く事もありまして。別ベクトルの刺激じゃないですけど。
__ 
なるほど。
坪坂 
ナレーターの方って、声をもの凄く大事に扱うんですよ。一言の音を最初から構成しているんです。役者はそんなに声を重視しないですよね。だって、動いて会話して、その存在感で伝わるんで。ナレーターの方との現場で、音の緻密な組立を目の前にして。じわじわと作っていくというのがもの凄く面白くて。別の競技の人とキャッチボールしている気分です。壱劇屋でも、そのあたりの事がいつか出来たら。なかなか難しいですけど。
__ 
いつか機会があるでしょうね。
坪坂 
だから、会話劇に出てみたいです。それと、キレイなファンタジー作品に出てみたいですね。

タグ: 会話のキャッチボール ファンタジー 壱劇屋・謎の一人遊びシリーズ 声のお仕事、細かい作業


~~~~~~~~~~~~~~

__ 
演劇を始めた経緯を教えて下さい。
市川 
アルベール・カミュが好きで、カミュになりたかったんですね。どうすればいいかというと、カミュがしていた事をすればいいと。どうやらカミュは演劇をやっていたらしい、と。大学入学と同時に、演劇を始めました。西一風に入りました。その時は演出という役割があるとは知らなかったですね。佐々木君や築地さん、先輩に高田ひとしさんがいました。
__ 
いつか、どんな演劇を作りたいですか?
市川 
「ルーペ/側面的思考」という6時間ぐらいの作品を、出町柳のカフェギャラリーで上演したんです。俳優6人でシフトを組んでやっていたんですが、ほとんどお客さんが来なくて。僕はそこでコーヒーを飲みながらずっといて、すごい時間だなと思っていました。
__ 
素晴らしい。
市川 
地下でやっていたんですが、もう皆が普通の生活を送っている地上と全く無関係の、何か異様な時間が流れていたんです。あれはあれで、一つのやりたかった事だろうと思っています。何からも隔絶しているけれど何故かあるもの。それを、ちゃんと客が来る状態でやりたいですね。
__ 
隔絶したものをお客さんに見せて、どう感じてもらいたいですか?
市川 
何もしなくて良かったんだ、かな?いや、何かしなくちゃ行けない必要な事、それは何もなくて偶然ここにいるだけなんだなと。ただそれだけの事だと考えてもらいたいのかなあ。でも、あまり、どう感じてもらいたいとかはあまり無いですね。同調も求めないし啓蒙もしないし。でも、空間として美しいものを欲望されたら、いいなあと。
デ・3「ルーペ/側面的思考法の発見」
公演時期:2012/6/8~13。会場:Gallery near。

タグ: 観客への思い ファンタジー オーガナイザーの企み


「そこで本当に起こっているんだ」

__ 
見に来たお客さんに、どう思ってもらうのが理想ですか?
坂本 
「ここで起こっている事は本当の事なんだ」と思って欲しいですね。ドキュメンタリーという意味じゃなくて。役者の演技が「そこで本当に起こっているんだ」と感じてもらいたいですね。
__ 
鬼気迫る、という事ですね。物語の再現という訳じゃなくて、いま目の届く距離にかの人がいる事。それは、何故でしょうか。
坂本 
私が興奮して見ている時、「本当の事なんだ」と思うから、ですね。現代劇でも歌舞伎でも、同じように思います。私の書くものはファンタジーであり、一見するとただの「つくりごと」なのですが、私、座右の銘的に思っている事があって。「リアリティとは現実に似ていることから生じるのではなく、わたしたちの魂の願望を言い当ててくれることによって生じるのではないか」って。これは「十二国記」の評論にあった一節なんですが。
__ 
魂の願望からリアリティが生まれる。
坂本 
「十二国記」は、主人公の女子高生が色んな超人的能力を得て一国の王になるという英雄譚で、それは現実にはあり得ないけど、魂の奥底にある願望を汲み取っているからここまでのリアリティがあるのだ、と。これも受け売りですけど(笑う)現実と似てるからリアリティを感じるんじゃなくて、現実からは遠いけれども、私達の根源的な望みや悲しみをすくい上げてくれているから共感出来るし、リアリティがあるのだと。そのことは思い続けていますね。
__ 
魂が震える、揺れるところを見たいですね。
坂本 
はい。それを書きたいです。演劇が面白いのは、役者は何回も同じ芝居を演じていて、もちろん結末も全て知ってるんですよね。そうした存在が、また自分の運命を頭からたどり直している。そこには、潜在的な色気を見る気がするんです。
__ 
構造が生む、かすかな色気。
坂本 
そうだと思います。それは狙う所じゃないんですけどね。まるでファンタジーです。見ようと思っても見えない。でも視界の隅でチカチカと光っている。でも焦点を合わせようとすると見えない。そういうものをつかみとろうとすることが、ファンタジーを書くという行為なんだと思います。

タグ: ドキュメンタリー ファンタジー 色気なるものの謎 今、手が届く距離にかの人がいる事 焦点を絞った作品づくり


本当に素敵なショーだったんです

__ 
トランク企画の前回のセッション、「LIFE」を拝見していて凄く楽しかったのが、演技が噛み合った瞬間なんです。同時に、きっと難しい事なんだろうなと思っていました。高杉さんと内田さんと真野さんのやった、捕まったゴキブリの話はとても良かったですね。
木村 
そう!本当に素敵でしたね。いいシーン、家に帰ってもプププって笑えるのがいいインプロだと思います。お互いすっごい協力して、周りのみんなもいつも協力しようとしていて。なちゅほ(浜田)さんが最後に言ったセリフもすごい良かったですよね。人間が彼らを見つけてしまって、彼らが上を見上げて終わる、みたいな。
__ 
素晴らしかったですよね。何だか、そう作られた演劇のように思えたんです。最後の山口茜さんの実家話から始まるショーなんて、本当にあの台本で数ヶ月稽古したもののように見えました。実家の町で乗っていた自転車が宇宙船と交信を始め、そこから、思い出というあやふや記録の情景が、インプロなのに調和をもって紡ぎだされて、他の俳優達の町の思い出も混ざり合いながら、引っ越しの日を迎えるという明確な物語がある稀有なショーでした。UrBANGUILDの店員さんも凄い拍手してましたよ。
木村 
ええっ、それは嬉しい。
__ 
即興でしか生まれない空気感があるんですよね、確かに。

タグ: 引き出し合う ファンタジー 舞台全体を見渡せる感覚 即興、インプロについて 引っ越し 反応し合う Urbanguild


野生に僕らは逆らわない

__ 
そういう意味では、「俺ライドオン天使」ではかなりスカッとしました。坂本さんにとってはどんな作品でしたか?
坂本 
楽しかったです。演劇って毎回、違う体験を得られるんですよね。退屈しないんです。例えば、キモオタが女の子のヒップラインを全身を使って見るシーンがあったんですけど、そこが僕の人生の中で5本の指に入る楽しさでした。彼とは「あなたが一番気を付ける事はなんですか?」「お尻を目で追いかける事です」「それは役者として役を演じる事以上に大切ですか?」「役者として役を演じる以上にお尻を目で追いかける事が大切です」こんなやり取りを30分くらいして、周りの人は全員引いていたんですけど、そういうコミュニケーションは大切にしたいです。
__ 
なるほど。しかし、過激な下ネタが予想されるチラシだったにも関わらず女性客が大変多かったですね。
坂本 
そうですね。もしかしたら女性的なのかな?意外と、男性より女性にウケるのかなあ?
__ 
小手先ではない品性下劣な下ネタを、もしかしたら女性こそ求めているのかも?
坂本 
ちょっと、話を聞いてみたいですね。次回公演はレディースDAYを作ってみたいですね。

タグ: B級の美学 ファンタジー 関係性が作品に結実する 役者に求めるもの 女性的、それはなにか 女性と下ネタ


劇場へ

__ 
演劇を始めた経緯を教えて頂けますでしょうか。
末山 
高校の時に演劇部に入ったのがきっかけです。何か部活に入ろうと思って、でも運動神経がないので運動部じゃないし、めぼしい文化部もないし。何をしたらいいのかと迷っていたら、小学校の頃の学芸会が楽しかったので、それを思い出して。それと、模型を作るのが趣味だったんですが、小道具を作ってみたら面白いんじゃないかなと思って。高校を卒業後、京都府立大学でも演劇部に入りました。
__ 
演劇実験場下鴨劇場ですね。「メガネ大使La・Gun」という作品がありましてですね、それが最高に面白かったんですよ。
末山 
ああ、伝説の。中野貴雄さんの作品ですね。僕ら後輩の間でも「La・Gunの頃が下劇のピークだったよね」と言われているぐらいです。僕らの代からまたちょっと方向性が変わっているみたいです。しょうもないアホな事を、たらたらやる、みたいなのを僕らの代が初めたんですよ。
__ 
下劇、またゆっくり時間を取って見に行きたいですね。ところで、大学の演劇部時代で見た衝撃作を教えてください。
末山 
電視游戲科学舘の惑星組曲と、ショウダウンの「僕らの二日間戦争(改)」でした。京都に来るまで小劇場を見たことがなくって本当に凄かったです。役者さんもすごいし、美術もすごいし。
__ 
懐かしいですね!
末山 
僕が大学に入った時なので、2004年ですね。あと、実は高校の頃に青年団が地元に上演しにきていて。「冒険王」という。子供向けの演劇とか以外で演劇を見たのはあれが初めてです。

タグ: アートコンプレックス1928 ファンタジー 書いてみたいと思った 迷っています メガネ大使La・Gun 伝説的な公演 学芸会


ミジンコターボ「シニガミと蝋燭」

__ 
ミジンコターボ「死神と蝋燭」。お疲れさまでした。結構メタ的な立ち位置でしたね。
山田 
そうですね。僕の演技スペースは舞台の二階だったんですが、そこから小説家の描く世界を見守るみたいな。メインのスペースで演じてるみんなを誰よりも見るみたいな。
__ 
ご自身としてはどんな経験でしたか。
山田 
何か子供もたくさんいたりして、文化祭を思い出しました。本番中も、袖から片岡百萬両さんと舞台上の役者の気になるところや、舞台袖で起こる事件を見たりして楽しんでました。「あいつ出とちってる!!ちょっと悩んで・・出るのあきらめたー!!」とか。ミジンコターボさんは二人の作演出家さんがいるんです。片岡百萬両さんの作品はコントっぽくてあったかい感じで、竜崎だいちさんの作品は最近はちょっとダークなファンタジーです。今回は竜崎さんでしたね。世界観と、リズムで見せる芝居でした。楽しかったです。
ミジンコターボ
大阪芸術大学文芸学科卒業の竜崎だいちの書き下ろしたオリジナル戯曲作を、関西で数多くの外部出演をこなす片岡百萬両が演出するというスタイルで、現在も関西を中心に精力的に活動中。2011年からは東京公演も行う。現在劇団員は片岡百萬両・竜崎だいち・Sun!!・川端優紀・江本祥・赤松洋樹・中元優那・西野遥子・箕原汐梨の合計9名で構成されています。最終目標は月面公演。(公式サイトより)
ミジンコターボ-10『シニガミと蝋燭』
公演時期:2012/7/27~29。会場:ABCホール。

タグ: 文化祭前夜 ファンタジー


「妖怪」

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
竜崎 
作家としてはリズム感を磨いていきたいと思います。ファンタジーという枠にいながら、今後は少し飛び出た事もやっていきたいなと思っています。
__ 
バートラムも、ジャンル的には童話ファンタジーなんですが、どこか飛び出ているように思います。
竜崎 
竜崎だいちって、結局ファンタジーよねと言われるのが嫌なので。唐突にお笑いの公演をやったり。飛び出たいですね。
__ 
俳優としては。
竜崎 
そうっすね・・・ここ最近、色んな役をやらせてもらっているので、もっと幅広くなりたいですね。化物みたいになっていきたいです。年齢不詳の、40代になっても子役が出来るような、「妖怪」になりたいですね。
__ 
ポタ子とか、そんな感じでしたよね。
竜崎 
ね。十代の役でしたから。もう説得力とか、どうしようかと思いながらやっていました(笑う)。

タグ: ファンタジー 今後の攻め方


二人とも、見せたいものが違うんです

__ 
さて、ミジンコターボには脚本家が2人いますよね。竜崎さんと片岡百萬両さん。しかも二人の作品はそれぞれ、似通っているようで全然違う。同じ劇団なのに、タイトルを聞いただけで違うって分かるんですよね。
竜崎 
そうなんですよ。全然違ってるんです。初期は私が脚本を引き受けていたんですが、途中から片岡も書くようになって。実は最初に片岡の脚本でやった時、大丈夫かなってなりはしました。
__ 
ええ。
竜崎 
ずっとファンタジーやってたのに会話劇やん! その時のアンケートに、「この方向で行くのなら、もう見ません」ってのがあって。
__ 
ああ・・・。
竜崎 
でも、見分けてくれたらいいのかな、と思ったんです。本公演とショートショートと。逆に、ショートの方しか見たくないという人もいると思うんですよね。片岡とは、好みが違う事からめっちゃ喧嘩するんですよ。
__ 
えっ、そうなんですか。
竜崎 
男女ですし。見せたいものが違うんです。でも、その二人が喧嘩しながら融合して作品作りをするのが、ミジンコターボの良い所なのかなと思っています。
__ 
でも、ミジンコターボの良さをそれぞれ100%引き出していて。

タグ: ファンタジー アンケートについての話題


伊藤えん魔プロデュース「悪いヒトたち。」

長尾 
あとは、ファントマも良かったですね。「悪いヒトたち。」
__ 
あ、そうなんですか。伊藤えん魔さんの作品、イベントで拝見した事しかなくて。
長尾 
美津乃あわさんがいた時は西遊記とか海賊とかある種のファンタジーの世界をやっていたんですけど。
__ 
ええ、それが最近では現代に舞台を移したとか。
長尾 
そうですね。以前は、強い感情を表現しようと思ったら現代の日本ではどうしてもウソっぽくなってしまう。だから、現実ではない世界で怪物と戦うみたいなシチュエーションで表現していたと。
__ 
強い感情?
長尾 
例えば舞台で「会社に遅れそうなので急いでいる」シーンがあっても、自分が実際に会社に遅れそうで急いでいる時の「死にそうに切羽詰った感」の半分も味わうことができない。でも「銃撃戦のさ中、残弾があと一発になってしまった」シーンを観た時に感じられる「死にそうに切羽詰まった感」でやっと自分が体験した感情に追いついてくる・・・とでもいいましょうか。
__ 
そういう表現をずっとしてきた伊藤さんが、現代ものですか。
長尾 
でも、やってみたら「現代もそれはそれで過酷だなと思った」とトークで仰ってました。観ているこちらとしても面白かったんです。プロ化して、一時代を作った人が、それでもなお新しい方向性を探っている。そういう謙虚さというか誠実さって、力ですよね。
__ 
ああ、今まで見てなかったんですが。見てみたいです。
伊藤えん魔
俳優。演出家。ハードボイルドとギャグを融合したエンターテインメントを追求する劇団ファントマ主宰。
伊藤えん魔プロデュース「悪いヒトたち。」
会場:ABCホール。公演時期:2009年12月3~7日

タグ: ファンタジー 伊藤えん魔さん


vol.129 長尾 かおる

フリー・その他。

2009/春
この人のインタビューページへ
長尾

・ 描きたいもの

__ 
それでは、梶川さんが表現したい内容とは何でしょうか。
梶川 
僕のやりたい事。ダメ男を描くのが大好きなんですね。きっとそれは、人間のダメな部分に何かしらの執着があるからだろうと思うんですが。
__ 
その、ダメ男の何が美しいのでしょうか? いや、美しいというのとはちょっと違うのかも知れませんが。
梶川 
いや、自分自身がいい男ではないから(笑う)。前回公演での主人公に起こったような事件がよく起こるんですよ。1人で頑張って、あるいはテンパってしまって周りをほったらかしにしてしまう、みたいな。自信が持てないと上手く喋れないみたいな。それを表現した所でどうなのかという話なんですけど。・・・描きたいもの、ですよね。
__ 
そうですね。ダメ男の話から入りましたけれども、ストーリーの流れから見てもお伺い出来ればと思います。例えば前回公演「ソニータイマー」ですが、最後登場人物が属する町工場が倒産し、全員が散り散りになってしまうという展開でした。
梶川 
何か・・・。自信のない人達や、喪失感・孤独感を描きたいんですね。誰しも、そういう弱い部分を持っていると思うんですよ。共通認識として。そういった弱さをどうしたら乗り越えられるのか。それは人それぞれだと思うんですけど、きっと、ある程度条件は一緒なんですよ。それを示せたらいいなあと思います。
__ 
乗り越える。
梶川 
何かを失ったけれどもそれを取り戻す、そういう様を描きたいんですね。「ソニータイマー」は僕ではなく広川くんの脚本で、逆に何かを失っていく過程の話だったんですけれど。
__ 
そうですね、今回の主人公は失っていきました。
梶川 
でも最後は、主人公の元にヒロインの女の子が戻ってきたんですけどね。その終わり方の良さも作品としてはありなんですが。公演を終えて振りかえると、僕はいまいちああいう終わり方というか、戻ってくる動機が分ってなかったなと。実際体験としてそんな事は起きねえよと。そういう時には近寄ってこないもんで、タイミング的にもう少し前後した段階ならば戻ってくる事もあるだろうと。
__ 
ダメ男として。
梶川 
あれは、理想というか夢物語だろうなと。最後、ファンタジーみたいに終わるじゃないですか。
__ 
バースデイケーキを取り囲んで終わり、でしたね。
梶川 
照明の魚森さんから、「この回想はどこから始まるの?」って聞かれた時に、「ケーキが舞台上に出てきたあたりからです」って答えたんですけど。多分、ファンタジーな部分は女の子が主人公の所に帰ってきた辺りからだと思うんですよ。
__ 
なるほど。もう、終わり方の美学の問題ですね。
梶川 
これを稽古段階から気付けていたら、もう少し違う終わり方をしていたのかも知れないですね。僕の中では、ラストシーンは主人公の社長が、バースデイパーティーの様子が録音されたICレコーダーを床に叩きつけようと腕を振り上げた瞬間なんです。後はちょっと長々しい、蛇足っぽい気がしますね。

タグ: ファンタジー