早川さんの初期衝動

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早川さんがお芝居を始めた経緯を教えてください。
早川 
元々何か文章を書く事が好きで、読書感想文が得意なこまっしゃくれたガキだったんです。中学の時、文化祭のクラスの出し物でみんな演劇をするんですけど、大体ああいう時って女子が全然おもしろくない劇をし始めるんです。それが耐えられなくて。中三で台本を書いたのが初めての脚本です。そこから高校まで書いてました。文化祭で毎年劇をやってたんですが、それがまさか仕事になるとは思わなかったです。大学は大阪芸大に入りました。父親のすすめで。
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お父さんに薦められてですか。
早川 
僕のやりたい事を察したのかもしれませんね。ちょっと不思議な人なんですよ。僕が、折り合いを付けるつもりで適当な大学の願書を取り寄せたら「お前は本当にそれでいいのか」と怒られて。「お前はこういうのが好きなんじゃないか」と、芸大の資料を持ってきて。まさか普通、親は普通、芸大は薦めないと思うんですけど。
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そうですね。普通は。
早川 
芸大に入っても、実は脚本を書いていた訳じゃなくて。僕はコピーライターとかそっちのがやりたいなと思ったんですね。企画とか。夢みたいな夢じゃなくて、可能な夢にシフトしたんです。それでも、大学の最後、卒業制作でやっぱり一本芝居をやろうと。学内で役者を目指している仲間も出来たし・・・そうしたらこれが面白かったんですよ。楽しかったし。その時東京の広告代理店の内定を貰ってたんですけど、蹴って。もしかしたら本当は今頃フェラーリぐらい乗ってたかもしれないと自分では思っています。そういう経緯から、放送作家になりました。
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素晴らしい。早川さんの初期衝動について伺いたいんですが、女子が全然おもしろくない劇をやってたのが我慢できなかったと。それを見てしまって火がついた?
早川 
反感食らいそうですけどね。実は中一でルイ何世だかの王様の役をやってたんです。でもあまりにも台本が面白くないから、相手役の男子と相談して、勝手にちょこっとだけ自分達の台詞を作って、勝手に衣装も自作して、勝手なシーンを作ってやったんですよ。それがウケたんです。今思えば、役者としては最低ですね。
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(笑う)
早川 
ほら見ろと。女子はちょっとおかんむりでしたが、僕は大満足でしたね。
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それは、本番突然始めたんですか?予告なしに当日?
早川 
はい。当日。その来年の中二の時も、女子が企画した演劇でまたルイ何世とかの役が振られました。その時は衣装の子がいて全員分作ってたんですが僕は自分から拒否して。ロビンフッドの映画でのショーンコネリーが着ていた衣装を参考に、ちゃんとしたものを作りました。一人だけ衣装のクオリティが違うという。なんかそういう、ヤなガキだったんですよ。
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早川さんの笑いって、もしかして、誰かを驚かせたいという気持ちがあるのかもしれませんね。

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あの時のいい顔に見つけたもの

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白井さんがお芝居を始めたのはどんな経緯があったんでしょうか。
白井 
小学生の時に、深夜TVで芝居を見たんですよ。光GENJIの内お二人がでている真田十勇士のお芝居で、最後のカーテンコールで、脇役のおっさんがめちゃくちゃいい顔で挨拶してたんです。汗だくで。芝居はもちろん面白かったんですが、その顔が、めちゃくちゃいいなと思って。そっち側に行きたいなと思ったんです。
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その俳優の表情が、印象的だった。
白井 
あの嬉しさは何だろう。すごく汗だくできらきらしていたんです。でもそこからすぐに演劇を始めるという訳ではなかったんです。中学校の頃にお笑いブームだったので、文化祭でそういうのをやって、笑ってくれるのって嬉しいなと思って。高校の頃に、ゆとり学習の枠で、金曜日に一限だけ演劇の枠があって文化祭で上演しました。大学に入ってから、演劇ぶっくとかで公演の近い劇団に入団しました。
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恐れ入りますが、劇団名を伺えますでしょうか?
白井 
「暇だけどステキ」です。その8回目ぐらいの公演の時、僕が身体障害者の役を頂いたんですね。その時にスタッフで来ていた現在のステージタイガーの代表のhigeさんが見て下さった上に、団員の方にもオススメして下さったそうで。その、僕の役が本物に見えたと仰って頂いて。凄く嬉しかったですね。それから、お誘い頂いて出演させて頂くようになりました。

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変われた事の証明

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田中さんは、今後どんな感じで攻めていかれますか?
田中 
あのー・・・。実は、作演をしたいという願望があって。
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おお。観たいです。
田中 
大きいところに出させてもらうというのもありますので、今年なのかなと。自分の中で、何かやらなければいけないのではという思いが沸き上がってきているんです。でも、自分より若い人の作品を観ていると、よくみんなこんなものを書けるなと思って・・・。
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なるほど。ええと、どのような初期衝動があるのでしょうか。
田中 
芝居を始めた当初からその思いはありまして。当時つきあっていた彼女に、「俺しんどいねん」「めっちゃ頑張ってるのにうまく生きていけない」って、弱音でしか自分を表現出来なかったんです。だから、そういう自分を表現する芝居がしたかったんですよ。
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なるほど。
田中 
もし次に付き合う女性がいたとしたら、そういう事じゃない事を言いたい。
__ 
どうして、そうネガティブになっていったのでしょう。
田中 
なかなか周りに馴染めなかったからでしょうね。喋っている相手の気持ちが分からなかったり。だから僕なんかが芝居なんか、やっていいのか不安でした。
__ 
それが、どこかで馴染む力を手に入れた?
田中 
はい。何とか、芝居を始めた頃から少しずつ。絶対それはあるんですよ。だから演劇には感謝しています。変われた事の証明として、自分の中で残したいだけなのかもしれませんけど。
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変化ですね。
田中 
だから、あまり派手で明るい作品にはならないと思うんですけどね。
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私はその、それが結局上演されなくても、この話が聞けただけで十分ですけどね。

タグ: 初期衝動 今後の攻め方 残したいという気持ち


だから演劇や劇団が好きなんです

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確かに劇団もコミュニティの一つですね。いわゆる批判されたり、かと思うと憧れられたり。
柳沼 
僕は、その劇団のちょっと気持ち悪い感じが大好きなんですよ。
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というと。
柳沼 
出演者の人やお手伝いしてくれた人、みんないい大人なんですよ。仕事休んで平日の真っ昼間に集まって大道具を作ったりするんですよ。真剣に。作品を作るって何の補償もないし、今作ってる舞台セットだって自分達が作った事は誰も証明してくれない。のに、こんだけ一生懸命作ってる姿って、美しいなって。じーんときて、帰りに鴨川のほとりで泣いちゃったんですよ。
__ 
なるほど。
柳沼 
僕が頑張るのは当たり前ですけれど、この作品に参加した事を残すために釘一本でも打ってくださいとは呼びかけましたが、作業にそんなに積極的に参加してくれて。どうやったらリアルな壁に見えるかとか話し合うんですよ。各々が工夫して作業に当たるんです。これ気持ち悪いし、美しいんですよね。だから演劇や劇団が好きなんですよね。そういう姿を、八月の会に逆に投影してみたかったんです。

タグ: 初期衝動 一生懸命を描く


僕たちは世界を変えることができない~自衛隊に入ろう

村上 
入学当時、教授の方が教えてくれることとか、やっている事が、全然理解出来なかったんですよ。その時は電視游戲科学館の影響もあってかわからないですけど、カラフルな照明で、音も低音きかしてバンバン流したかった。だから単純にそれができそうになかったんで、あんまり授業通ってなかったんです。今では、教授の方たちがやっている事がすごく理解できるし、身近になってきたんですけど。
__ 
すると、今の村上さんの作風は今と昔でかなり違う?
村上 
結果的にはもともと、とりあえず同級生の子たちとは違った事をしたい、そう思っていたので、今でもその姿勢と作風は変わってないつもりです。変わったという人もいますが、昔から様々な作品をやっていたので。
__ 
ご自身の創作活動で、このとき決定的に変わったというタイミングってありますか?
村上 
造形大の舞台芸術コースの卒業製作のときですね。グループを作って公演を打つんですけど、選考があって、上演できないグループもあるんですよ。で、僕のグループが落ちちゃったんですね。その時、「造形大、俺の事がわかってない、あかんわ」と半分ヤケクソな時期に書いた戯曲が初めて同級生とか教授の方に読んで褒めてもらえたんですよ。その時、それまで絶望してたものとはまたちょっと違う気持ちになりましたね。本当に気持ちが救われましたね。あ、ちゃんと見てくれてるんやって。もっと信用しようって。
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どんな作品だったんですか? 
村上 
「僕たちは世界を変えることができない~自衛隊に入ろう」というタイトルで戦争のお話です。
__ 
あ、もしかしてこの間のpan_officeプロデュースでやってた。
村上 
あれは「単身デストロイ」という30分に改訂したものを伊藤さんが演出したものでした。「僕たちは世界を変えることはできない~自衛隊に入ろう」は、また違う一時間半のものです。
pan_officeプロデュース「京都かよ!」
アトリエ劇研協力公演。京都の4人の劇作家による作品を大阪の劇団france_panを初め大阪出身の俳優で演じたオムニバス公演。公演時期:2009年11月13日(金)~15日(日)。会場:アトリエ劇研。

タグ: 初期衝動 信頼のおける演出家 タイトルの秘密


マレビトの会

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前回のマレビトの回は、どのような経緯で出演となったのですか?
西山 
劇研のワークショップオーディションか何かで。
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あのチラシで西山さんのお名前を拝見して、一気にテンションが上がったんですよ。非常に意外で。
西山 
私も意外でした。
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マレビト、いかがでしたか?
西山 
楽しかったです。賛否両論聞きますが、凄く面白かったです。スタッフさんも含めて多く色々な方に会えましたし、影響を受けました。日々、私が感じている事・そうじゃない事をを他の人と共鳴したんですよ。不安定な時期だったのですが、やっぱりこれを信じてやろうと思えたのが大きいです。
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なるほど。
西山 
私、他人の集まりの中で自分をどのようにどれぐらいぼかして、でも芯を持って、というのがあまり出来なかったんですよ、人として当たり前の事が(笑う)。それをあの人達の中でそのバランスを学べたのは良かったです。
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貴重な体験ですね。

タグ: 初期衝動 賛否両論


vol.89 西山 真来

フリー・その他。

2006年以前
この人のインタビューページへ
西山

40年後

山崎
何か役者って、自分の外面的な部分しか表現出来ないんじゃないかと感じてて。一方作・演出だと批判が返ってくるじゃないですか。それが、凄く次につながっていく感じがして。役者とかだと、「今回はこういう役どころだから」みたいな逃げ場が出来てしまう。褒められたら「やろう!」ってなるくせに、批判されたら逃げてしまうみたいなのが凄く嫌で。だから、役者もやりたいんですが、作・演出もやっていきたいなっていう欲望が出ましたね。
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なるほど。・・・四十年後、芝居をやっていますか。
山崎
やっているんじゃないかなあ。
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はい。
山崎
イチローが言ってるんですけど、彼が野球を辞めないのは、「まだ上手くなれると思うから」って言っていて。それを聞いた時にああそうだなって思って。30歳になったら30歳の役をやりたくなるだろうし、40になっても同じで。何かね、それを人に言ったら楽観的やろうとか言われるんですけど。
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うーん。
山崎
ただ、結婚しますかって聞かれたら悩む思うんですよ。僕はこの子を幸せにしたいと思ったらたぶん芝居をやめると思うし。今は、芝居するのを許してくれる人がいいなと。
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なるほど。なんていうか。40年後も、僕らみたいに芝居をやってる人が大勢いればいいなと思ってるわけですが。
山崎
分かりますね。多分見に行きますもん。
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そうだ、山崎さんはどんな芝居をよく見るんですか?
山崎
学生劇団の新人公演とか見ます。凄く学ぶことがありますもん。はっきり言ってあまり面白くはないんですが、このシーンの作りは考えたんやなーとか。
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ええ。
山崎
そういうのを見て、尊敬する気持ちを持ち続けたいし。面白いんですよ。思い入れのあるであろうセリフとか。我武者羅かげんとか。
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逆に、プロとかの手馴れた芝居については。
山崎
それはそれで、凄いなっていうか。プロのワザっていったら変ですけど、例えば喫茶店のシーンで、前の役者二人が喋ってる時に後ろの人達をどう見せるかってのがプロと学生の違いかなって思っていて。
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ああ・・・。
山崎
どう違うんだろうなあって思ってて。今回もそういうシーンを作ったんですけど。前の人が喋っていて、しかし後ろの人達は目立たせない。邪魔をさせない、っていうやり方を今までやってたんですね。今回はどんどん動かして、前の人たちはそれ以上に派手にして目立たせる。そうしたら見え方が全然違って。
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なるほど。
山崎
芝居になるとどうして後ろの、背景の人達は声が小さくなるんだろうと思っていて。大発見でしたね。でもまだまだ、そういうのはいっぱいあると思うんですけど。
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ええ。
山崎
あと例えば、舞台のどこに机を置くかという時に学生だったら見え易さのために真ん中に置く。プロは下手(客席から向かって舞台の左側)に置く。とか。真ん中におく落とし穴というか、そういうのをどんどん知っていけたらいいですね。
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色んな芝居を見て、勉強するとか。
山崎
「真似ぶ」と勝新太郎が言ってますけど、本当に必要ですよね。一回、野田秀樹に嵌ってた事があって。その時やった芝居のアンケートにパクリだって書かれて。でも、芝居を作っていく上で影響を受けた作品の方法をなぞり、そんで劇が芝居に変わる瞬間とかを味わうと、これは勉強になりますね。

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