ホテルの雰囲気

__ 
ホテルとラグビーが、THE ROB CARLTONの構成要素だそうですね。個人的な話、私もホテルでアルバイトしていた事があったんですよ。ドアマンと受付をやっていました。
ボブ 
そうなんですね。楽しいですよね、ホテルで働くという事は。ホテルは非日常だと思うんですよ。
__ 
そうですね。
ボブ 
日常のようなホテルなんて、ちょっとがっかりするじゃないですか。まあホテルマンというのは演出するんですよ。出来るだけ胡散臭い格好や言葉遣いをしよう、とか。フランクなホテルマンもいらっしゃいますが、その対極にあるような、たとえば髪をガシガシに固めてピシピシ動くようなホテルマンがいたら嬉しいと思うんです。お客様は。芝居も同じように、お客様の理想像をしっかり具現化したいなと考えています。
__ 
それはまさに役作りですね。
ボブ 
そこはやっぱり、しっかり演じてほしいところだと思うんですよ。だらっとされたら嫌なので。嘘でもいいから過剰にしてほしいですね。お芝居も、お客様を迎えてほしいんですよ。そこに見合った、それを越えた満足をしてほしいですから。しょうもないホテルには二度と行きたくないものですよ。
__ 
そこが一番見えるところですからね。インテリアやタリフよりも。
ボブ 
そういう事ですね。もう一つの要素であるラグビーは、全員が高校のラグビー部だったからです。ラグビーって面白いんだよという事を、芝居を通して一人でも多くの人に伝えたいです。
__ 
「トーストマスターズ」のラスト、ボブさんの正装で出てくるんですが、その衣裳がラグビーの・・・
ボブ 
ラグビージャージの(笑う)。あれはラガーマンの最高の正装ですから。
__ 
最後に出てきた時、何故短パンになっていたのかと思いましたが、そういう事だったんですね。

タグ: ホテルの話 役作り=役割の分析 B級の美学 「変身願望」 優しい嘘 おふざけ あの公演の衣裳はこだわった 衣裳・ユニフォーム系


ドキドキぼーいずの大進撃#04『ハムレットみたいなもの』

__ 
石畑さんの、役者として最近のテーマは何ですか。
石畑 
僕はずっとビシッとした体で立つという事を目指していたんですよ。でも、京都で客演させていただいたドキドキぼーいずさんの「ハムレットみたいなもの」では、ゆるく立つ事を求められたんです。そこに近づけようとしていました。ビシッとした体だけじゃないんだなと。
__ 
緩い体を求められた時は、そうありたいという事?
石畑 
そうですね。柔軟に対応出来ればと思っています。今までそれをやった事はなくて。そういう風に芝居を捉えた事はなかったんです。新鮮な体験でした。
__ 
「ハムレットみたいなもの」。ご自身としては、どんな手応えでしたか。
石畑 
事件が起こってからのお話なんですけど、その被害者であるハムレットと仲が良かったのに、離れていってしまうという役柄で。現代に限ったことでないと思うんですけど、ややこしい事件が起きたらその人から離れていく人たちがほとんどだと思うんですが、それを意識していました。僕自身も、最後の方はハムレットから離れたかったです。
__ 
ハムレットと同じく、まともな人だったですからね。
ドキドキぼーいず
2013年、代表である本間広大の学生卒業を機に再旗揚げ。京都を拠点に活動する若手演劇チーム。虚構性の強い演劇を目指し、『リアル過ぎる嘘っぱち』の創作に挑んでいる。生み出されていく衝撃を、時に優しく、時に激しく、作品として観客に提示することで、人間の本質を描き出す。いつまでも青臭い、カワイイ奴らでいたい。(公式サイトより)
ドキドキぼーいずの大進撃#04『ハムレットみたいなもの』
公演時期:2014/10/3~6。会場:元・立誠小学校 音楽室。

タグ: ドキドキぼーいず「ハムレットみたいなもの」 優しい嘘


「愛さないでくれよ」

__ 
ドキドキぼーいずの話からさせて頂ければと思います。まず、あの役はご自身ではいかがでしたか。まあ複雑な役柄だったとは思いますけど。
佐々 
僕は楽しかったです。これは本間広大とも言ってたんですけど、「ハムレットみたいなもの」の主人公が普通で、周りが変なんですよね。ただハムレットは外界からのストレスに敏感なだけで、だから一番普通な奴が一番おかしくなってしまった。なので僕は、自分は何も作っていかないように気を付けていました。舞台に上がるまでのあらすじで語られる関係性と「どう思っているか」だけを持っていくんです、するとホントに、全員がムカつく事してくるんですよ。そのムカつきを体で発散したんです。内に籠もらせないで。気持ちをすぐ体に出すなんて、普段やらないじゃないですか。貧乏ゆすりぐらいしか。
__ 
匿名劇壇だと、まあ確かに佐々木さんは止まってる事が多かった気がする。
佐々 
でも、すぐ動くのが求められてたんです。出来てるかは分からないですけど。僕的には楽しい、悲劇だから楽しいというのはおかしいかもしれないですけど。
__ 
いや評判でしたよ。私個人としては、普通の青年が日常に戻ろうとして、自棄になるというよりは壊れてしまった感じ。叔父さんが実母と結婚したり、かつての親友が、あえて昔と変わらない調子で声を掛けてきたり、しかもそれが母親の差し金とかだったり。
佐々 
そういうの、ちょっと嫌ですよね。合わせられるんですけどね。
__ 
何か、「愛さないでくれよ」とかいう気持ち。そっとしておいて欲しいというか。
佐々 
向こうの裏が見えてしまう感じ。まあ逆ギレなんですけどね。
ドキドキぼーいず
2013年、代表である本間広大の学生卒業を機に再旗揚げ。京都を拠点に活動する若手演劇チーム。虚構性の強い演劇を目指し、『リアル過ぎる嘘っぱち』の創作に挑んでいる。生み出されていく衝撃を、時に優しく、時に激しく、作品として観客に提示することで、人間の本質を描き出す。いつまでも青臭い、カワイイ奴らでいたい。(公式サイトより)
ドキドキぼーいずの大進撃#04『ハムレットみたいなもの』
公演時期:2014/10/3~6。会場:元・立誠小学校 音楽室。

タグ: ドキドキぼーいず「ハムレットみたいなもの」 優しい嘘 愛を厭う 関係性が作品に結実する


バトンタッチ

__ 
次回公演「MATCH」。意気込みを教えてください。
白井 
僕が貰っている役というのが前半メインで、後半では段々と出番は減っていくんですが、通して見ると、後半に向けてどんどん盛り上がっていく感じ。急加速してラストに向かっていくんですね。でも、僕に関して言うなら、出ていないシーンでも存在感が出せればいいなと思います。
__ 
その場にいないときにでも?
白井 
僕の役が思い返されるように、バトンタッチが出来たら。そう思った時に、次の人への影響が良かれ悪かれ印象付けられたらいいかなと。
__ 
印象を刻む、という事ですね。
白井 
この人がいたから、この人のいるシーンが生まれて、この人の台詞に繋がっているみたいな。
__ 
そこをしっかり押さえるんですね。最近ちょっと思うんですが、役者の自分の演技に対する理解って、観客の共感とどう関係しているんだろうという疑問があるんです。もちろんお客さんはそれぞれ別の価値観を持っているので共感は別々にするでしょう。でも、役個人が語る批評について、役者個人が理解していなければ、観客の価値観に訴える事出来ないはずで、それが役作りであり役作りにおける「理解」なんだろうなと思うんです。
白井 
今のお話を聞いていて、確かにその通りだなと思う部分はあるんですが、でも「伝わってるな」と感じながらやっている訳ではないんですね。僕も、「お芝居をしてしまう」というところで良く怒られてしまうんです。
__ 
「お芝居をしているわね」と言われてしまうんですね。
白井 
嘘をついてはいけないんです。役のその気持ちは、ホンマにそう思ってやっているのか?「そのつもり」でやったらそれは嘘になる。それがすごく難しくて。だから僕らのお芝居は本当に走って本当に疲れるんですね。そのリアルさには嘘がないので。
__ 
その通りですね。
白井 
僕はテクニカルな役者ではないので、でも嘘は付かない、大きな声を出す、目をまっすぐ見る、そういう事には気を付けるようにしています。まだまだですけど。

タグ: 役作り=理解の深さの効用 優しい嘘 嘘のない


私のホントと嘘の質

__ 
今回、髙橋さんが配役を演じるうえで大事にしたいポイントは。
髙橋 
そうですね。私の演じるのは嘘つきな女の役なんで・・・毎回、早川さんの脚本で私に振られるのは、本当にこれ、私が演じるべき役なのかなと思うんです。でもまあ、毎回、途中から「これが面白いんだ」って思えるようになるので。これでいいんだと。
__ 
今回も違和感があるんですか?
髙橋 
早川さん曰く、私には「虚飾」を感じるらしく。たぶん、そういう本質を付いたキャスティングなんだと思うんです。正直、個人的には好きになれない女性像なんですけど、でも、だからこそ私の本質に近いのかもしれない。本当は私の本質はこういうものなのかもしれない。だからピンとこなくて苦しんでいるのかも・・・。他の作品とはまた違うアプローチを掛けていく感じですかね。
__ 
なるほど。それが今回演じられる、リサ・ブライアントですね。
髙橋 
そうですね。彼女自身が、何が本当なのかわからなくなる程自分の嘘に辟易していくような気配が出せたらいいなと思います。
__ 
現時点で、役作りの上での気付きは何かありますか?
髙橋 
いや~、もう行き詰まって困ってしまって・・・でも、舞台上の世界観の中で、板の上でちゃんと生きている事を最低限にしようと思っています。分からなくなったら、とにかく嘘を付かずに、その場にいる。という事を大切にしようと思っています。今回のリサ役はウソツキなので、嘘の質を考えて演技をしないと。
__ 
嘘の質?
髙橋 
嘘と分かる嘘なのか、見破れないくらいリアルな嘘なのか。私個人は基本、嘘を付けない人間らしいので。
__ 
本当に嘘を付くのが上手い人は、「嘘がヘタだと思われている人」らしいですよ。
髙橋 
えっ、そうなんですか。
__ 
いや、私もこれの意味は良く分かってないんですけど。
髙橋 
(笑う)
__ 
相手の、嘘を見破らせる洞察の深さまで調節させられるという事かもしれませんね。
髙橋 
そうなんですね。
__ 
では、公演の見所を教えて下さい。
髙橋 
青年座の、キャリアある素晴らしい俳優達を早川さんがどう料理するのかというところですね。稽古場でも、上は70歳の俳優まで幅広いメンバーが若手の早川さんを尊重して、早川さんも俳優達を一人一人尊重して、誰に対してでも真髄を付く駄目出しをしています。劇団の中にも新鮮な風が吹いているというのが、客席にも伝わればいいなと思います。

タグ: 登場人物が好きになれない キャスティングについて 役をつかむ 優しい嘘 次の公演 嘘のない


「グッド・バイ」「ぼく」

__ 
毎月、何かしらの舞台に立っている平林さん。今年の3月に出演された「グッド・バイ」が記憶に新しいです。とても面白かったです。あの嘘・誤魔化しまみれの宴会のシーンとか、凄かったですね。
平林 
ありがとうございます。嵐のように過ぎ去っていきましたね。まず山崎君の粘り強さが非常に強いというか。
__ 
本当に強烈でした。岡田あがささんが凄かったし、全ての女優が凄かったですね。
平林 
演出の山崎くんとは、きたまりさんとAI・HALLで作った「ぼく」で出会ったんですよ。「ぼく」は他にも色々な出会いがあって面白かったです。
メイシアタープロデュース公演 SHOW劇場 vol.8「グッド・バイ」
公演時期:2011/6/10~12。会場:吹田市文化会館 メイシアター 小ホール。
“Taka a chance project026”  KIKIKIKIKIKI『ぼく』
公演時期:2014/12/31~12/31。会場:AI・HALL(伊丹市立演劇ホール)。

タグ: 優しい嘘 その人に出会ってしまった 今年のわたし


花のように過激に生きる

__ 
前回公演「おしゃれな炎上」での、目玉になり果てた弟を食べて踏みつぶす演技が良かったです。あのシーンがあったから、全体の印象が引き締められたと思うんです。
夢子 
ありがとうございます。アンディさんが生んでくれた役を精一杯やって生きて死にたいですね。アンディさんの書いた台詞って、嘘っぽくなく心から口に出せるんです。その人物として物語の中で生きていられるんですよ。私なんてただの24・女・フリーターで、何もかもうまく行ってないのに、でもそんな役の役者でいると、すごく楽になれるんです。
__ 
嘘をつきたくない。アンディさんのセリフは、自然に出せる気がする。
夢子 
上演時間2時間の夢の間、生きてるという感じを得たいです。「俺ライドオン天使」の時、お客さんの感想ツイートの中に「生きるってこんなに過激だったのか」という表現があって。
__ 
おお・・・。
夢子 
普通に生きている事が既にドラマなんだ、って思って。私、これまで出演した3作品全部で「幸せになりたい」ってセリフを喋ってるんですよ。お金とか安定した生活とかそういう意味じゃなくて。
__ 
夢子さんの演じた人物は全員追い詰められた人生だったと思います。解放されたい、という事だったのかな。
夢子 
全員、それぞれにエグい生き方をしていて。今回の作品は痛みとか愛とか葛藤を描いています。目を逸らさずに幸せを見つめています。ひどい事をする人物にも背景や環境や抱えている痛みがあって、その痛みや負い目がお客さんの中にもあったりしたら、どこか肩の力が抜けると思うんです。そういう所が、がっかりアバターにしかない魅力なんじゃないかと思います。
__ 
がっかりアバターは今まで地獄を描いてきたと思うんですよ。「誰の心の中にも地獄がある」、これは闇金ウシジマくんの評論の一つなんですけど、何故地獄絵図を見ると心が楽になるのか。もしかしたら地獄という情景に心が行く事で、抑圧から解放されるんですね。それが魅力と言えるでしょうね。
がっかりアバター「おしゃれな炎上」
公演時期:2013/12/27~12/29。会場:ウイングフィールド。

タグ: 観客に血を流してもらいたい 舞台に立つまでの葛藤 背景が浮かびあがる 炎上、がっかりアバター 優しい嘘


人の欲とか打算、面白いですよね

__ 
さて、なぜかのうとおっさんではそのような人々を描くのでしょうか。たとえば移り気で打算的で目先の利益に弱い人々を。
有北 
人は本質的に嫌なところを持っていて、でもそこだけを強調したい訳ではないんです。本気の部分、素の部分が好きなんですよ我々は。
__ 
なるほど。
有北 
僕の周りにいい人が沢山いたら、今頃そういう芝居を作っていたのかもしれません。
__ 
そうではなかった?
有北 
(笑う)そうですね、いやいるんだけど、剥いていくと悪い部分があるんです。僕は、人の欲とか打算とかが大好きなんですよ。
__ 
人間の皮を剥いていく事に興味がある。それは、いつ頃からでしたか。
有北 
それはもしかしたら、高校ぐらいですかね。周りにロクでもない奴がいて、彼らとは今でも仲が良くて季節の変わり目には集まって飲んだり遊んだりしています。あいつらも大概アカンですね。そこに原体験があるのかもしれません。
__ 
人間には色々な面というか、悪い・しょうもない人格をその内に抱えていて、それも人間だといいう事を友人関係を通して自然に学んでいくのも一つの教育なのかな、と思っています。学校では教科としては教えられてはいないけれども、集団生活を通して自然と身に付いて行くのが理想でしょうね。
有北 
そういう訳で僕はナイーブなんですが、何故いま人を傷つけてえぐるような事をしているのか、自分では分かりません。ただ、凄く楽しいんですよ僕は。
__ 
楽しみたいんですか?
有北 
例えば稽古場で、僕らはとても笑うんですよ。ひどい事を演技してもらうととても楽しいんです。我々が楽しくなければ意味がないと考えていて、それを追求した結果、酷い人々ばかりが出てくる作品になりますね。
__ 
遠坂さんが年下の女の子に「バーカバーカ」とか言ったり。
有北 
唾吐いたりしてましたね。
__ 
それに、最後の最後に佐々木ヤス子さんが低級妖怪を演じる、不要なシーンもありました。
有北 
あれは彼女が八木進さんの代役をしていた時の演技をそのままを再現してもらっただけなんです(笑う)一応設定はあって、30cmくらいの大きさでお墓のお供えモチを食べる。あと、水も飲んでくれと。
__ 
「悪魔くん」のピクシーみたいな。
有北 
そんなイメージでしたね。
__ 
しかも、不要なシーンでしたしね。

タグ: 人脈・コネクションの大切さ 優しい嘘 「かのうとおっさん」という特異点 関係性が作品に結実する ロックな生き方


__ 
俳優として、いつかどんな演技が出来たらいいと思いますか?
森口 
難しいですね。明確には言えないんですが、誰にでも目標にしている人があるじゃないですか。あの人のような演技が出来るようになればいいなあと思います。
__ 
というと。
森口 
当時入っていた養成所の先生なんですけど、芝居をしようか迷っていた22歳の頃にわざわざ時間をとって相談していただいたんです。仕事、将来、色々と。その方は新劇で活躍されている方なんですけど、「とりあえず自分がやりたいんだったら、30歳ぐらいまではやってみたら」と言ってくれたんですね。その人は凄く、優しい芝居をされる方で。その人みたいな芝居がいつか出来たらいいなと思いますね。
__ 
優しい芝居。
森口 
柔軟で、優しい芝居。私の勝手なイメージなんですけど、懐が深いというか。観ていても話を聞いても面白くて。
__ 
柔軟で落ち着いている人は、自分の根本があるんでしょうね、きっと。
森口 
そういう人柄でありたいです。
__ 
「薔薇にポケット」では、それを感じました。
森口 
そういう方向性に行っていればいいですね。

タグ: 優しい嘘 いつか、こんな演技が出来たら 迷っています 新劇と「出会う」


上手に嘘を付く

__ 
飯坂さんの今の目標を教えて下さい。
飯坂 
一番は、上手くなる事ですかね。自分が未熟だという事は分かっているので。西一風を引退してからいくつか公演に出させて頂いているんですが、自分のダメなところが一つ一つ分かってきて。次の舞台ではそれを試して・・・。次に試してみたいのは、上手に嘘を付くという事ですかね。
__ 
上手に嘘を付く。
飯坂 
日常生活で嘘を付く時って、やっぱり演技していると思うんです。舞台でも嘘を付いているので、それを嘘だと悟られちゃいけないんだなって。何かちょっと、私は嘘を付いているというのを出してしまうんですよ。私飯坂はアルコール依存症のフリをしていますよみたいな。それって全く意味がないっていうか。
__ 
それを悟られないようにしないといけない。
飯坂 
本当でもいけないし、あたかも私という人間が、本当にそうやっているかのように演技するというのが目標です。お客さんはバカじゃないんだから、そんなに過剰にやらなくても分かるって思えるようになったんですね。そういう芝居は過剰になってしまって。楽しくないから。
__ 
すぐ嘘って分かりますか。
飯坂 
同年代の芝居を見ると、分かりますね。そんなにオーバーにやらなくてもとか思ってしまって。逆にそれを全く感じないのがポツドールという劇団で、客席で見ていてすごく居心地がいいんだろうなあと。目撃者という感覚にしてくれるんですよね。
__ 
今後の目標は。
飯坂 
何でも出来るようになりたいです。サワガレみたいな物語の芝居や、市川さんの「デ」で行うパフォーマンス演劇。どちらも求められている技術が全く違っているので、私も自分からチャンネルを変えて臨んでいるんですが。ギャグもダンスも、出来るように。
__ 
今後、やってみたい企画って。
飯坂 
上の年代の方たちの芝居に出てみたいなと思っています。実は先日、あるところのオーディションに受かって。凄く嬉しかったんです。それに向けて、早く成長したいですねー。

タグ: 優しい嘘


vol.256 飯坂 美鶴妃

フリー・その他。

2012/春
この人のインタビューページへ
飯坂

恋愛

__ 
監督作品の「あばうとあがーる」拝見しました。面白かったです。
角田 
ありがとうございます。
__ 
あれを拝見して思ったのですが、男の性欲青春モノなのに、救いがないのが珍しいなと。バッドエンドでも、少し成長するとか恋愛を笑うとか、そういう陽性を帯びるのがセオリーだと思っていたんですが、全然ない。むしろ、恋愛に対する怨嗟が感じられて。望んでも何も手に入れられない、全ての弱い人間のための物語なんじゃないかなと。
角田 
あれ、原作は男肉duSoleilの吉田みるくさんで、脚本は僕なんですね。ラストについては吉田さんと話していて、ハッピーエンドにはしたくないなと。2年後3年後はそれは立ち直ってるかもしれませんけど、高校生にとって恋愛って全てですから。
__ 
まあ、必ず中心には来るでしょうね。
角田 
そういう嘘は、映画の中ではつきたくないんです。もちろんお話なので嘘をついてもいいんですけど、あの作品の恋愛の終わりで無理矢理なハッピーエンドは悪い嘘だと。
__ 
悪い嘘。
角田 
当時流行っていた恋愛映画で、レイプされた女の子がすぐに次に進む決意をして新しい男とセックスする展開があったんです。そんなんは、悪い嘘だと思うんです。観た人に無責任な悪い影響を与えるんじゃないかって。

タグ: バッドエンド 映画の話題 優しい嘘 ハッピーエンドについての考え方 性欲 恋愛至上主義


__ 
ありがとうございます。そうだ、前回のインタビューでも伺ったんですけど、改めて。「役者として、どんな方向で進みたいですか?」
山脇 
ちゃんとプロになりたい。何だろう。やっぱりきちんと「仕事が出来る」、ようになりたい。
__ 
なるほど。最近思っているのは、いい役者って事件性のある人なんじゃないかと思っていて。その人を客席で見て、凄い事が起こっている、と感じるような。事件を起こすのが役者の、仕事かもしれないなって。
山脇 
そうですねえ。お芝居って芸術の側面はあるけど、興業でもあって。「あの人が出るんだ」って話題も、一つの魅力ですよね。
__ 
山脇さんは、どんな役者に憧れますか?
山脇 
嘘が凄く少なくて、極端に嘘がつける人かなあ。本当にヤバい一瞬までギリギリまで嘘が少なくて、強いシーンになって、舞台に立っているその人が本当に傷ついちゃったんじゃないかって心配になるみたいな。
__ 
大きな嘘が付けるようになりたい?
山脇 
なりたいっていうか、何だろう。でも舞台上で、借り物みたいな事はやりたくないなーと思います。
__ 
なるほど。台本と、演出の演技指導通り(あれば)にやるのはちょっと違う?
山脇 
というか、例えば、A地点からB地点に行くのって、もし訓練を受けてたら誰でも出来るんですよ。でも、自分が見つけた行き方で行きたいなって常に思っています。AからBへの近道を作るようにはなりたくない。素敵な役者さんって、絶対に自分のやり方で道を作ってらっしゃるんですよね。
__ 
大切ですね。「その人の演技は、その人にしか出来ない」。
山脇 
だからその人に役を頼むんだろうなって。それが役者の仕事なんだろうな、って思っています。選択した道に、自分の血が通っているんです。色んな人を見て、そう思っています。
__ 
仕事を振られて、でもそれをこなすだけじゃまだまだなんですよね。その仕事を通して、誰に何を与えられるかを意識する必要がある。台本と指示通りにやるのであれば・・・
山脇 
じゃあ誰を呼んできてもいいじゃないか、という事になってしまいますね。
__ 
なぜロボットを使わないのか、という事になる。
山脇 
私は自分でも映画を撮るので、撮影時に、その人なりの演技が出てくると監督としてとても嬉しく思います。昨年舞台で共演した憧れの人たちからもものすごく勉強させてもらいました。

タグ: 優しい嘘 事件性のある俳優 ロボット演劇


ドヒャー!ワー

___ 
佐々木さんがお芝居を始められたキッカケを教えて頂けないでしょうか?
佐々木 
大学に入って軽音部に入ろうと思っていたんですが、新歓ブースに行ったら何だか違うなと思って。その時に西一風が新人募集をしていて、チラシで「演劇なんて壊してしまえ」みたいな事を言ってて。でブースに行ったら全然適当で、全然勧誘する気がなくて。「うわ~素晴らしいここ」って思ったんです。
___ 
というのは。
佐々木 
ガツガツしていないのが好きだったんですかね。音響希望で入ったんですけど、そのうち役者もやらされて。
___ 
最初はどうでしたか?
佐々木 
最初は演技ってものが全くできませんでした。僕、演技って嫌なんですよ。今はまあ、良くも悪くも慣れましたけど、当時はドラマとか観てても「はいはい演技やろ」としかなれなくて。台本を渡されても、これを読んで会話なんか出来るわけないやんと。
___ 
なるほど。
佐々木 
稽古でも、劇の会話というものが全く出来ずに全部棒読みしてました。本番二週間前になって、急に何故か、セリフ全部叫んでやってました。
___ 
誰にも何も言われないのに?
佐々木 
はい、勝手に叫んでました。
___ 
素晴らしい。
佐々木 
もうわからへん、ドヒャー!ワーって。したら高田さんが面白がってくれてそのまま舞台に上がりました。
___ 
佐々木さんは、なぜ叫ばれたのでしょうか?
佐々木 
とりあえずその、会話風にセリフのやり取りをするのが嫌だったんです。そんな、嘘に塗り固めてしまうんじゃなくて。嘘やでーって。
___ 
嘘であろうという疑念があったんですね。もしかして、ヤケクソだった?
佐々木 
そうですね。そのときの出てた役者たちの中で、圧倒的に僕が役者を出来ていないのが分かっていたし。まあ、とにかく本番はあるからどうにかしないと、と思っていました。
___ 
今でも叫びたいと思いますか?
佐々木 
う~ん・・・思いますね。僕は今でも普通の会話劇は、きっと出来ないだろうなと思います。今でも「いま僕は嘘のセリフをホント風にやっています」という声が聞こえてきて。
___ 
お芝居しながらご自身を批評しているんですね。
佐々木 
それはありますね。忘れたくないです。

タグ: 優しい嘘


そういう「恥ずかしい」

__ 
ご自身は、悩む体をさらす事について、抵抗はありますか?例え舞台の上の演技としても。
田中 
うーん・・・。もしかしたら、そういう「恥ずかしい」という気持ちも表現しないといけないかもしれませんね。
__ 
そうそう、山岡さんの戯曲のすごいところは、人間関係の中の自意識の描き方にあるんじゃないかなと思っていて。登場人物が相手と話しながら、自分のキャラクターを作り上げていくんですよね。そこには嘘があったり、弱みが見え隠れして、たまらないんですよ。
田中 
そうですね、弱いところも強いところもありますよね。悩みますよね。
__ 
身体作り、人間作りか・・・。いま思いついたような事なんですが、京都の舞台芸術が得意とするところだと思うんですよ。
田中 
ああ、そうかもしれませんね。そこに仲間入り出来るように頑張ります。

タグ: 優しい嘘


亀島君の新鮮な動きかた

__ 
今回の作品でもの凄く面白かったのは、恋人同士が久し振りに喫茶店に行くシーン。普通に椅子に座ればいいのに、男が振り向きざま飛びあがって抱きつく形でイスに腰掛けるという。ああ、これは絶対文章では伝わらないですけど、何か凄く新鮮なおふざけを見られたんですよ。
三浦 
彼はロロのメンバーで亀島君というんですが、彼の動きは本当に面白くて。その、イスにジャンプして座るというのも、細かいタイミングが凄く重要なので何回も練習しています。
__ 
あ、やっぱり適当にやっている訳じゃないんですね。洗練されていると感じたのはやっぱり、精度があったからだし。着実に練習しているなと感じました。あと、演劇の面倒な手続き逆手に取ったセリフも面白かったですね。場面転換を、後ろを振り向きざま「ハイ着いた!」だけで済ませたり。
三浦 
演劇特有の嘘みたいなのが凄い好きなんです。三角巾を額に付けて幽霊を表したり。旗揚げ公演の時に、雨男という設定のキャラクターに、ずっと横について如雨露で水を掛ける係を付けたり。ロロではいつも、演技にルールを付けているんですよ。この前で言うと何度も同じ動きをしたり、あえて変なポーズで止まったり。
__ 
そこが現代的な感覚に思えるんですよね。

タグ: ジャンプ!についてのイシュー 優しい嘘 おふざけ 反復の生むもの