倍率とレイヤーが語りだす事はあるだろうか

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3月末の上演作品「肩甲骨と鎖骨」。どんな作品になりそうでしょうか?サイトに、はジョルジュ・ペレックに影響を受けた作品になるそうですが。
和田 
ペレックはフランスの作家です。きっかけは忘れたんですけど、「さまざまな空間」という本を読んで、それにすごく惹かれたんです。それは色んなレイヤーの空間にアプローチするっていう作品で、ページ、ベッド、寝室、アパート、通り、街区、街、国、世界と、どんどん倍率が広くなっていくかたちで記述が続いていく。
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面白そう。
和田 
それを皮切りにペレックの作品を読み進めたら、どんどん面白くなっていって。いろんな側面があるんですけど、作品を作る時の技法が興味深いというか。彼はウリポ(潜在文学工房)という実験的な文学グループにも所属していたんですが、例えば、書く時に制約を掛けたりするんですよね。「煙滅」という作品は、失踪した男についての話なんですけど、フランス語で最も使われている「e」を使わずに書かれているんですよ。しかもかなり分厚い。
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面白そうですね!
和田 
それから、ある1年に自分が食べたものをとにかくリスト化した作品や、自分の仕事机の上の物の来歴をとにかく記述した作品とか…。現実の物事をどのように描くことが可能か、そのトライアルをした人だったと思うんですよね。そこにとても共感しています。自分は演劇でそういうことをやりたいんじゃないのかなって。
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それが「肩甲骨と鎖骨」。
和田 
はい、ペレックの作業を参照しながら作ろうと思っています。

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退屈な時代の歩き方

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いつか、どんな演劇を作りたいですか?
大崎 
お客さんが劇場出たあともしばらく退屈しないような、、、普段の生活が面白くなってしまうぐらい。一年くらい前に、「暇と退屈の倫理学」という、國分功一郎さんという哲学者の方が書いた本を読んでそれがすごく面白かったんですけど。人はいかにして退屈とつきあっていくのかを考えてみるという。
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暇を有意義に過ごす方法という事でしょうか?
大崎 
その本には解決策は書いてないんです。それぞれ全てのケースが個別で特殊な問題だから、答えなんて出しようがない。でも、退屈ってのはなかなか恐ろしいものだという仮説があって。僕の芝居に出てくる人々は基本的に退屈しているんですよね。その退屈からどう抜け出していいか分からない。退屈な生活が普通の状態だと思いこんで生きている人たち。でももっと楽しく生きられるような状況が作れるんじゃないか。自分の力だけじゃなく、他人の力も借りたりして。見方をちょっと変えるだけで人生を楽しく生きられるかもしれない。楽しく退屈さと付き合う方法があるはずだ。そこに対しては、まだまだ掘り下げたいと思ってます。ヨーロッパ企画さんも、そういうところを見ているんじゃないかなって、作品見ると思ったりします。
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なるほど。
大崎 
パッと見騒いでいるだけのように見えて、その先の希望を見据えているんじゃないか。その上で舞台上でシュールな事が起きても「なんかいいな」ってなっちゃいますね。
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大崎さんにとっては、人生を楽しく生きる事がテーマなんですか。
大崎 
そうですね。それが、逞しく生きていく事なんじゃないかと思います。もののけ姫で、「曇りなき眼で見据えて生きよ」って台詞があるんですけど、なんか心に留まってますね。なかなか自由に生きてくってのは難しくて。ものを見るときにバイアスが掛かったり、思考がどうしても自分を慰める方向に向かったり。それを振り切って楽しくね。
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自分は捉われていると自覚する。
大崎 
なるべく忘れないようにしたいですねえ。ちゃんと物事を見ようってのは、大人にだなという事でもあるし、子供だなという事でもあるんです。それは、「オール」で書きながらも考えてました。
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実存的な、リアルな生き方。それは確かに逞しい生き方ですね。ただ、人によってはマッチョな考え方だととられるかもしれない。
大崎 
いやあ、楽しく生きていくってのはどこかしらマッチョなんじゃないかなあ。言い方変えれば、楽しく生きることとか、自分の好きなことにたいしてマッチョな人はほんとにイキイキしてると思うし、僕はそういう人を素敵だと思う。子供って遊ぶことに対してマッチョだと思いますし。ただ、こだわりというか好き嫌いというか、善悪というか、意志をはっきりすると損することもあるのが世間ですから。こだわりを持ったまま楽しい方向にするっと抜けれるのが逆にストイックでいいんじゃないですか。マッチョマッチョ言ってますね。マッチョってなんでしたっけ?
ヨーロッパ企画
98年、同志社大学演劇サークル「同志社小劇場」内において上田、諏訪、永野によりユニット結成。00年、独立。「劇団」の枠にとらわれない活動方針で、京都を拠点に全国でフットワーク軽く活動中。(公式サイトより)

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本を読もう

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今後、どんな感じで攻めていかれますか?
丹下 
最近、会話劇に出演させて頂く事が多いので、もう少し自分の内面を磨いていきたいなと思っています。
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内面を磨く。
丹下 
そうする事で、会話の演技だけでも見応えを感じられるような役者になっていきたいと思います。
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なるほど。それには、どんな事をしたら良いでしょうね。
丹下 
どんな事したらいいかな。ちょっと本を読もうかなと。
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あ、それはいいですね。同じ事を考えていました。私にとっては、読書をすることが想像力を引き出す事なので、そういう時間を取るのは大きな要素ですね。
丹下 
私は普段、あまり本を読めていなくて。しかも、自分で選んだ本はたいてい面白くなくて途中で読まなくなってしまうんです。誰かに勧めて貰った本は面白くて読めるんですけどね。知識を増やすというのが必要だと思うので、どんどん読んでいきたいです。

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vol.317 丹下 真寿美

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2013/春
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丹下

抵抗

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今回の一人芝居で演劇を辞めるという事ですが、もし伺えるのであれば理由を教えて下さい。
宗岡 
言うとアレなんですが・・・あまり興味が無くなってしまったんです。稽古がしんどくて、でも本番が楽しいからまた続けようと思えるんですけど、最近は本番も面白く思えなくて。むしろ、家で作業したり本を読んだりとかの方が楽しくなって。
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なるほど。
宗岡 
絵画や写真の人ともっと関わりたいと思っていて、私が元々好きだったジャンルの方々と交流をしたいので、一旦お芝居を離れようと思っています。
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幸運を祈っています。もしお芝居で身につけたスキルがあるんだとしたら、それが役に立つと思いますか?
宗岡 
元々人と関わるのが得意ではないんですけど、演劇を通して、色々な人と関わりを持てるように自分からアプローチを掛けることに抵抗がなくなったと思います。

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vol.284 宗岡 ルリ

フリー・その他。

2013/春
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宗岡

貧しい演劇

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つまり鈴木さんは、個人の生き方を捉え直そうとしているんですね。
鈴木 
僕の考えの一番最初には社会があるんです。その社会を生きやすいものに変える。これはピーター・ブルックの本を読んで知ったんですが、グロトフスキという劇作家が曰く「観客は必要ない。演出家と役者のみでいい」。彼の作品にはお客さんは必ずしも必要ではなくて、入れても30人ぐらい。彼ら自身を掘り下げる為の演劇なんですね。それを「貧しい演劇」とし呼んで実践してたそうなんですが、僕もそれを支持し始めたら劇団員が離れていくかもしれないです(笑う)。でも、演劇ってコミュニケーションの一形態に過ぎないんですよ。だったら、僕はお客さんと貧しい演劇を作りたい。それが出来るように、演劇を社会に普及させていきたいですね。

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ダークナイト・ライジング

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今日はどうぞ、宜しくお願い致します。高阪さんは最近はどんな感じでしょうか。
高阪 
サマーオニック2012が終わって、次の男肉公演は僕は出演しないのでのんびりさせてもらっています。見れなかった映画とか、本を読んでみたりとか。
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どんな映画をご覧になりましたか?
高阪 
ダークナイト・ライジングを見ました。あのシリーズが本当に好きで。
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面白いらしいですね。
男肉 du Soleil
2005年、近畿大学にて碓井節子(うすいせつこ)に師事し、ダンスを学んでいた学生が集まり結成。J-POP、ヒップホップ、レゲエ、漫画、アニメ、ゲームなど、さまざまなポップカルチャーの知識を確信犯的に悪用するという方法論のもと、唯一無二のダンスパフォーマンスを繰り広げている。
kitt
演劇集団。メンバーは高阪勝之、岩田奈々、高橋明日香、土田英生。

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好きなセリフはあるんです

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本間さんは、ご自身の作家生活で、どのような事を追求していきたいですか?
本間 
最近は、どんな物語を書きたいというのが無くなってしまって。台本には自分を通じたものしか書けない事に気づいたんですが、演劇しかやってこなかった人生って薄いんですよね。劇作家になるんだったら、もっと世界の事を知らないといけないんですよ。でも好きなセリフはあるんです。書きたい言葉があるんですよ、だから、その物語を書くための修行がいるんですよね。
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修行を積む。
本間 
まず本を読まないといけないし、脚本を読まないといけないし。
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でも、過去にも未来にも体験は埋まっていて、主観で見逃してしまった体験があるんじゃないかなと思うんですよね。
本間 
なるほど。
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これからも、描きたいと思いますか?
本間 
物語じゃなくてもいいのかなと思っています。僕はダンスも興味があって手をつけていて、言葉を使わない表現って基本的には通じているんですよ。言葉を使わないから理解は出来ないだけで、身体性は伝わっているんですよね。演出がどうとかというよりは、その空間に存在している俳優の身体性から伝わるものがあると思うんです。だから、表現したい言葉を演劇でやるんだったら、その身体性と、言葉で紡いでいく物語を交差させないといけないんだろうなと、思います。
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そうですね。
本間 
だから、物語を組み上げる事にばかりこだわらない方がいいかもしれない。セリフも、必ずしも大切じゃないかもしれないと思っています。脚本があって、それを元に作るというのは近代の考え方なので。
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とはいえ、色んな可能性を排除するべきではないですよね。脚本から出発するのを否定は出来ないと思っています。価値を決めつけて切り捨てるよりは、ベターな方向を選んでいくべきなんじゃないかなと。
本間 
そうですね。恐ろしいのは、僕が悩んでいなかったという事なんですよね。ただこういう表現が新しい、そう思って発表していただけで、僕自身がそこに何も見いだしていなかったのが問題なんですよ。だから、「何がしたいか分からなかった」という感想を聞いて、今はなるほどなと思っています。自分から出てくる表現を見つめ直さないといけないですね。良いものも不味いものも喰って、しっかりとゲロ出さないと。

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