KYOTO EXPERIMENT オープンエントリー作品 - Theatre Company shelf『shelf volume 18 [deprived]

矢野 
今度京都に持ってくる作品というのが[deprived]というタイトルで、東京では(仮)とタイトルにつけて4月に上演したんですが、20人しか入らないギャラリーで、一週間ほど上演したんですね。音響や照明効果に頼らず、同じ空間で、観客と空間を共有して、物語を物語るという作品です。一度徹底的に、演劇に付随する様々な要素を削り落として俳優の“語り”の力だけを使った作品を作りたくて。
__ 
東京で上演して、いかがでしたか。
矢野 
今回の[deprived]に限らず、僕たちは基本的に、都度、再演に耐え得る強い作品を作るんだ、という気持ちが強くあります。僕は専業の演出家なので、基本的にテキストは他の誰かが書いたものを使う、というやり方を取っています。セットなども極力作らず、音響も薄く、観客の無意識を支えるように入れるか、あるいは最近はもう音響は無くてもいいかな、という感じで。だいたい装置を建て込む、という感覚からはもう10年ぐらい離れていますね。ただ、再演に耐え得る、といってもそれは同じものを正確に再現できるようにする、ということではなくて、つまりどこに持っていっても同じように上演できるパッケージ化された閉じた作品ではない。環境、つまり劇場という建築物の歴史や場所性、ロケーションなど大きな要素まで含めて、それらを含みこんで、その都度ちょっとずつ作り替えて、稽古場で出来るだけ柔らかく且つしなやかなものを作って、それを現場で毎回、アジャストしてから上演するという感じで。俳優には、まあ相当な負担がかかるんですけど、そういう風に劇場というか<場>の魅力を引き出した方が舞台芸術としてもっとずっと楽しいんじゃないかと。お金が掛からない、というのもありますけどね。でも、貧乏ったらしくはしたくなくて。
__ 
そうした上演形態が、shelfのスタイルですね。
矢野 
貧乏ったらしくしたくない、というのはこちらの気構えの問題でもあって、経費をケチってコンパクトにするというよりか、稽古場で相当な時間をかけ、試行錯誤しながら練り込んで来たものを1ステージ20人しか見られないような空間で上演する。それってむしろ、凄く贅沢なことなんじゃないだろうか、と。もちろんそこには懸念もあって、1ステージ20人だと、変な話客席が全て知り合いで埋まってしまうかもしれない。でもそれは何とかして避けよう。出来るだけ当日券を用意するとか、常連客しか入れないような一見さんお断りの飲食店のような雰囲気じゃなくて、誰でも入れるような、そんなオープンな空間を作ろうと。そのように、どうやって自分たちの存在や場所そのものを社会に対して開いていくか? ということについては、これからももっともっと考えていかないといけないと思っています。ただ先にも言ったように、自分たちのやりたいこと、課題、やるべきことが見えて来ているという意味では今は本当にとても充実した毎日を送っています。
__ 
課題が見えるという事は、少なからず問題に直面していた?
矢野 
将来的に考えて、何というか、テレビの仕事や、演劇、コミュニケーション教育など教える仕事、レッスンプロっていうんですかね、そういう二次的な仕事でなくちゃんとしたアーティストが、純粋に演劇作品を作ることでそれで対価が支払われるような社会になっていかないと、それはちょっと社会として余裕がないというか、貧しい社会なんじゃないかな、と思うんです。例えば俳優や、スタッフにしても例えば子どもを育てながらも演劇活動が出来るような、そんな世界になっていってほしいんです。まあ、そもそも演劇制作って、ビジネスとしてはすごく成り立ちにくいものなんですけどね。資本主義の、市場原理の中では回っていかない。だけど、や、だからこそ一人一人がただ良い作品を作ればいい、作り続けていれば、というのは違うと思ってて、それはそれでちょっと独りよがりな発想だと思うのです。で、だからそういうところから早く脱して、演劇に関わる一人一人が将来についてのそれぞれ明確なビジョンを持って、これからはそれぞれが一芸術家として文化政策などにも積極的にコミットしていかなければならないと思います。じっくりと作品作りをしている僕らのような存在が、ファストフードのように消費されるんじゃなくて、きちんと評価される。社会のなかに位置づけられる。国家百年の計、じゃないですけど、二年とか三年とかそんな目先の利益じゃない、大局的なビジョンを持って、演出家とか、劇団の代表者という者は活動をしていかなきゃいけない。そんなことをずっと考えていて、いろいろと、作品作りだけじゃなく制作的な面でも試行錯誤をしています。

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クルージング・アドベンチャー3 オオサカリバーフォーエバー編

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さて、子供鉅人の「クルージング・アドベンチャー3」。大変な公演でしたね。子供鉅人のツアー型演劇、今回で2回目。出演されて、いかがでしたか。
山西 
僕は4月から子供鉅人に参加して、初めてがアドベンチャー演劇だったので。すごく刺激が強くて。
__ 
役者にとっても観客にとってもものすごい冒険でしたよね。私は昼の回も夜の回も拝見したんですが、どちらにも違う魅力がありましたね。
山西 
どちらの回が良かったですか?
__ 
私は昼の方が好きですね。
山西 
そうなんですか!どういう部分が。
__ 
もちろんどちらにもそれぞれの良さがあるんですけど、昼はその、お祭り感が凄かったです。川を下っている時、岸に面したBARのお客さんがこっちを見ていて、手を振ったりリアクションを取ってくれたりするその現場感が凄い。夜は夜で、演劇的な良さがあるんですよね。大阪城は出るし、風景が動いている感じがね。
クルージング・アドベンチャー3 オオサカリバーフォーエバー編
公演時期:2014/6/13~30。会場:大阪府大川(旧淀川)周辺。

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どくの沼地歩くから命へる 歩かなければすぐに死ぬ

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京都ロマンポップの前回公演、「どくの沼地歩くから命へる 歩かなければすぐに死ぬ」が素晴らしく面白かったです。今一番、脂の乗った時期と言えるかもしれないですね、ロマンポップ。ここ最近で見た中で一番面白かったかもしれない。
肥後橋 
ありがとうございます。
___ 
2本目の作品。肥後橋さんは、主人公のライバル役を演じられましたね(主人公は向坂さん)。
肥後橋 
そうですね。基本的には凄くいい人でみんなから好かれていて、でも主人公にとっては迷惑な部分がある。コンビニで会ったらグイグイと近寄って来られて、少し空気が読めないところが、ネガティブな人を傷つけてしまう。そんな人物を描きたかったんだと思います。
___ 
そうそう。しかし反面、主人公が作った作品を本当に評価してたり・・・
肥後橋 
ええ、一番上手く解釈して、自分がやりたい事の理解者だったという。そこが主人公にとってはやりきれないですよね。本当はいい奴で、でも認める訳にはいかない。逃げ場がないですよね。
___ 
そして、「僕を理解するな!」と拒否して終幕しました。プライドはとっくに傷つけられていて、そのうえ愛されてしまった苦しみ。
肥後橋 
そうですね。「愛されてしまった」というのはありますね。
___ 
それは本当は、彼が求めていたものではあるのですが。ラストシーンの直前に彼は、四条通で無差別テロをするためにトラックならぬ自転車を借りてましたね。武器を持って世界を壊そうとするけれども、ライバルに出くわしてしまい、彼の本質である芸術性を愛撫されてしまった、その混乱。
肥後橋 
現代では、テロの対象としての特定の場所がないという事もあるんですね。事件を起こす舞台がない。昔だったら二・二六事件のように、場所があるんですが・・・
___ 
認められない事が、攻撃心に結びつき、対象を見つけられないまま・・・
肥後橋 
不意に現れたライバルこそが攻撃対象かと思っていたら自分の唯一の理解者だったという。

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sunday play日本の名作#2「友達」

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今日はどうぞ、よろしくお願いします。平林さんは最近、どんな感じでしょうか。
平林 
最近はsudayの次回公演、「友達」の稽古ですね。公演は7月11日から。もう再来週ですね。
__ 
凄く楽しみです。安部公房の傑作「友達」。平林さんは主人公の家に押し掛けてくる一家、の父役を演じられるんですよね。「善意」がキーワードの戯曲だと思うんですが、ズバリどういうポイントを大事にして演じられたいと思われますか?
平林 
議論をたくさんする作品なんですけど、いい案配でお客さんまで納得させて、共感させるようになればいいなあと思ってます。
__ 
議論と説得力・・・そういえば、ウォーリー木下さんの作品で台詞のある芝居は久しぶりに拝見します。今回の作品、ウォーリー演出ならではのお楽しみポイントを教えてください。
平林 
そうですね、振り付けだったり音楽だったりはもちろん魅力なんですが、あるシーンでイメージがぽんぽんと切り替わっていくのがあって。振り付けと演技の区別が付かなくなるかもしれません。そもそも、この芝居における「振付」が一体どういう事なのか、今から楽しみにしてほしいです。
__ 
振り付けは冨士山アネットの長谷川寧さん。主演も務められるんですよね。とても楽しみです。意気込みを教えてください。
平林 
なんか、カラッとした感じになればいいなと思います。みんなが幸せになるお話じゃないですが、それも悪くないな、って思ってもらいたいかな。押し付けがましくなく演じられたらいいなと思います。
sunday
2004年、劇団☆世界一団、第1期終了。ふたつのinterludeを経て、sundayに改称。「今面白いと思うことを、遊びながら作る」というメッセージ性の少ないカンパニー。しかしその現代性とファンタジー性が融合した世界観は、ポップでありながら実験的。物語とパフォーマンスの絶妙なバランス、そして実力派の役者たちによる見応えのある演技は、公演回数が少ない割には確固とした評価と動員を得ている。目指すは「世界一おもしろい演劇部」。(公式サイトより)
sunday play日本の名作#2「友達」
公演時期:2014/7/11~14。会場:AI・HALL(伊丹市立演劇ホール)。

タグ: ダンスと振付 ファンタジー ユニークな作品あります 次の公演 世界観の作り込み ウォーリー木下


枠縁1作目「タウン」

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田中さんが枠縁で4月に上演された「タウン」。面白かったです。ご自身ではどんな手応えがありましたか?
田中 
西一風で書いた作品を元に書き直すという作り方をしてたんですけど、元々突き抜けていた部分をこじんまりさせてしまって、という事を元を知っていた人に言われてしまったんです。
__ 
というと。
田中 
元の「タウン」はもっとワケ分からなくて、最後に彗星が落ちてきて滅亡しちゃうんです。そもそも、大人計画の「ふくすけ」をやりたくて色々パクって書いた作品だったから、それが恥ずかしかったのでまとめる形で書き直したんです。そうしたら突き抜けているのを知っている人には物足りなかったみたいで。サワガレでやっていく中でこじんまりまとめる癖がついたんじゃないかと凄く言われて。これはもう、次は突き抜け過ぎて失敗する勢いでやろうと思います。もちろん、「タウン」を通してやりたい素材もたくさん見つかったんですけど。
__ 
個人的には、あの作品に出てくる人物は全員突き抜けてました。彼らは自ら失敗する方向に行っていて、破滅願望に突き動かされているように思えました。そのあたりいかがでしょうか?
田中 
どうでしょうね。でも、破滅したいわけじゃないのに破滅していく姿は可愛いと思うんですよ。サワガレで最後にやった「袋の自己紹介」という作品の中に「例えばここに袋があるとすると、」「いや、ないじゃん」「いや、あるとすれば、あるじゃん」「ないんだから、ないじゃん」って喧嘩になって、最後は「バカじゃないの」って言って終わるシーンがあったんです。それが稽古しても会話として上手くいかなくて、結局ギャグっぽくしちゃったけど、書いている時は楽しくて。「私はこう思う」「俺はああ思う」とぶつけ合うだけっていう身勝手さが、そりゃ破綻、破滅するよなって感じで楽しいんですよ。
__ 
結局、押しの強い方に流されていったりしてね。
田中 
何も話は進展していないのに、展開としては転がっていく。それだけで芝居が一本作れたら嬉しいですね。
__ 
破滅に向かう人々と、そのディスコミュニケーションを描きたいのは、どんな理由があるのでしょうか。
田中 
単純に自分がコミュニケーション下手だから、というのがあると思います。コミュニケーションを上手く取り続けている芝居を見ても、退屈になってしまう自分がいたりするし。あと、純粋に間違っている人って可愛いんですよ。実はこの間、夜に街を歩いていたら自分独自のルールを暴力的に押し付けてくる人に出くわして。その人は「因果」だと言って怒りだして、延々怒鳴ったりしてるんですけど、よくよく話を聞くと面白かったんですよ、この人の中では筋が通ってるんだろうけど、やっぱり勝手だなーって。警察呼びましたけど。
枠縁1作目「タウン」
公演時期:2014/4/12~14。会場:人間座スタジオ。

タグ: 凶暴な役者 書いてみたいと思った ユニークな作品あります 退団したら・・・ その題材を通して描きたい とんでもない失敗をしてしまった 暴力


劇団どくんご 公演第二十八番「OUF!」 THE NAKED DOG TOUR 2014

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今日はどうぞ、よろしくお願いします。神戸公演が終わった直後のお疲れの中、大変恐縮ですがお話を伺えればと思います。今日は大変貴重な機会を頂きまして、誠にありがとうございます。私、実は10年ぐらい前に京都大学西部講堂で「踊ろうぜ」を拝見しました。とても面白かったです。あの日からどくんごへの興味が尽きません。今年もツアー中という事で、関西には6月に京都に来られるんですよね。大阪には10月。ところで、ツアー公演をされていると例えばどういう事が面白いですか?どうしようかな、とりあえず、時計回りに伺ってもよろしいでしょうか。
一同 
(笑う)
どいの 
どうでしょう。各地の受け入れの方がいるから僕らもやっていける部分はありますね。新しい地域との出会いも常にあって楽しいです。
五月 
受け入れの方々との関係もありますけど、野外でやっているのが面白いかな。外でやっているから袖幕もなくて、お客さんの顔も自分達の芝居も同時に見えるんですよ。その時の私はどうやら楽しそうに見ているらしくて「凄く楽しそうに見てますよね」とよく言われます。なんでかな。やっぱり、自分達だけの芝居だけをやっている訳じゃないからかな。その日の客席とか天気とか、環境の中で毎回違うんですよ。うまく行く事も行かない事もあるけれど、毎回新鮮です。
__ 
ありがとうございます。芝居はお客さんのものでもあるから、その意味では常に違いますよね。
ちゃあ 
僕は今年が初参加なので、旅をするのも本番も楽しくて。色々なお客さんが来てくださるのが嬉しいです。演劇以外にも舞踏の人とか音楽の人とか、出会おうと思っても出会えない人にたくさん出会えるのが楽しいです。
根本 
彼は鹿児島出身で、札幌の大学にいるときにどくんごを見て参加したいと言ってきて。去年は転換と演奏にも参加していました。
__ 
今日はよろしくお願いします。2Bさんはいかがですか?
2B 
僕が面白いと思うのは・・・本番が何回も出来るという事かな。
どいの 
なるほど。
2B 
何回やっても完璧な回はなくて、駄目なところは必ず出てくるんですけど。千秋楽でも間違えたりするんですけど(笑う)。時間もあるので、自分の気持ち次第で芝居を変えていく事が出来るんですよね。
高田 
高田といいます。東京で「快楽のまばたき」という劇団で路上演劇をやっています。お亡くなりになった九条京子さんのご了解を得て、寺山修司さんの作品の登場人物の名前を使わせてもらっています。何が楽しいか?これからどうなるか分からないんですけど、まだ慣れてもないし本番も9回しか出来てないんですけど、本番の度に「今日はこう行こう」というのが毎回違っているのが自分でも面白いです。場所のせいという訳でも、周りのせいという訳でもない、その日に何を思っているかも違うし、自分のやろうと思っている事も違う。旅をしているどくんごだけの感覚なのかもしれないなと。面白くもあり、緊張することもあり。
__ 
スベる時はスベりますからね。
高田 
そうなんですよねー、こうやれば絶対うまくいくと思ってやっても、みんなからすれば全然面白くないって事がありますから。こんなんで大丈夫かなと思ってたらウケた事もあるし。
__ 
カオスですよね。でも、楽しいですよね。石田さんは?
石田 
去年参加して、行く度に受け入れの方が盆に子供が帰って来たみたいに受け入れてくださって。素敵な体験ですね。それと、私も他の人のシーンを見るのが好きです。
根本 
僕は、同じ公演で70~80ステージをするのは初めてで。今まで多くて15ステージだったから。単純に、行った事のない場所に行くというのは単純に楽しみですよね。それと、京都でもちょっと変わった事をしていたからか、ずっと連絡していなかった友達ともう一度繋がれたりとか、自分の地元で公演が出来たりとか、京都でもベビー・ピーのごった煮を前夜祭として出来たりとか。今回のインタビューもそうだし。接点の無かった人達に出会うのと同時に、自分の持っていた縁をもう一度新しい機会として掘り起こすのが楽しいです。
__ 
なるほど。これからも硬直する事なく、そして古い部分に光を当て、地を進み、根を破り、水を割り、空を飛んで頑張ってください。
全員 
(笑う)
劇団どくんご
日本全国を旅するテント劇団。
劇団どくんご 公演第二十八番「OUF!」 THE NAKED DOG TOUR 2014
公演時期:2014年。会場:日本全国各地。詳しい公演スケジュールはこちら

タグ: カオス・混沌 ユニークな作品あります 最近どう? 半野外劇 路上パフォーマンス 本番は毎回違う、一過性の


集団になりつつある、がっかりアバター

__ 
次のがっかりアバター「あくまのとなり。」とても楽しみです。昨日乾さんと夢子オンデマンドさんにお話を伺えて、色んな事が分かりました。
松下 
そうなんですね。何を言ってましたか・・・?
__ 
まず、がっかりアバターはロックバンドである事。
松下 
たまにアンディが言ってますね。
__ 
そして、アンディさんにみんな賭けてるというような言い方をしていて。今の、全速力でやっていっているという勢い、その正体を知りたいです。
松下 
結構、毎公演、本番2週間前ぐらいに通せるぐらいにしてしまうんですよ。バーっと作ってしまって。それをその段階で全部壊すみたいな事をするんですね。今までの演出を全て変えたり、脚本の大部分をカットしたり差し替えたりとか。私が出た「啓蒙の果て、船降りる」ではラストのページが差し替わったんですよ。
__ 
なるほど。
松下 
変化球じゃないですけど、シフトチェンジしていくんですよ。アンディはそういう事をするので、キャストはこなせないんですよね。こなしてる感で演じられない。アンディはキャストのエネルギーってよく言ってるんです。宗教っぽいですけど、目に見えないエネルギーが必要とされる作品を作る劇団なのかなと思います。今までの自分を壊さないと出来ないのかなと。
__ 
改めて。がっかりアバターって、どんな劇団だと思いますか?
松下 
これまでのがっかりアバターは、皆が言っているみたいにアンディありきで坂本君に付いて行ってたんですね。それはこれからも変わらないし、みんな完全に大好きなんですけど、最近やっと、劇団として、それぞれの役割が決まりつつあるのかなと。まとまりつつあるのかなと思います。劇団の旗揚げが1年半前なんですけど、ようやく。
__ 
なるほど。
松下 
これまでは作品を作る度に集まって、公演してという感じだったんですけど。今はきちっと将来の事を考えだしたりしていて。集団になりつつあるんだと思います。
__ 
すばらしい。私は、がっかりアバターが生き残っていくなら、どんな形でもいいですけどね。
がっかりアバター第二回公演「啓蒙の果て、船降りる」
公演時期:2012/11/10~11。会場:ウイングフィールド。

タグ: ユニークな作品あります 私の劇団について オーガナイザーの企み


鳥公園「緑子の部屋」

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今回は鳥公園の作家・演出家である西尾佳織さんにお話を伺います。さきほど「緑子の部屋」の大阪公演の夜の回が終わったばかりですね。とても面白かったです。
西尾 
ありがとうございます。
__ 
タイトルからは想像が出来なかったんですが、人間同士の「対話」をめぐる作品でしたね。言ってしまえば、人種を始めとする様々な差異から発する差別心が生活の中でどのように顔を出すのか、が大きいテーマだったんじゃないかと思います。持論ですが、今後日本は30年程度を掛けてだんだんと多民族社会になっていくんじゃないかと思っています。すると意識すらしていなかった差別心に突如出会う事になり、非常に戸惑う事になるのではないか。もちろん対話は色々なレベルで行われていく筈ですが。さて、「緑子の部屋」。演劇として非常に面白かったです。配役の切り替え方、空間の使い方がとかユニークで、語数の少ない詩が読まれた時の広がりのような印象を受けました。私が気になったのはラストシーン。「対話」が一方的にシャットダウンされてしまうという描写がありましたね。
西尾 
一方的、そうか、はい。
__ 
何というか、絶望を感じたんです。同棲している彼女と彼の会話。説明の難しい悩みを武井翔子さん演じる彼女は抱えていた。浅井浩介さん演じる彼は見るからに疲れていて、結論も出ないまま途中で対話を打ちきってしまった。こういう場面を見るにつけ、まずは対話する相手を受け入れる姿勢を持つべき、とは思うんです。でも、相手を許容しあう対話が全てを解決するかというと、それはどうなんだろう・・・?そこは個人的に悩んでいるんですが。
西尾 
ありがとうございます。嬉しいです。そうなんですよね、差別の心があるというのは、ダメだと言われても無くならないと思うんですよね。誰でも、何かに対して偏見とか差別心を持っているんだよなあ、って。無菌状態なんてありえないんだと思うんです。
__ 
確かにそうですね。
西尾 
一体、自分はどういう色眼鏡を掛けているのか?いや、自分の目自体にそういうものが備わっているのかもしれない。そういう事込みで考えていかないといけない。難しいですよね、話すって。
__ 
色眼鏡というより、私の眼球にそれが入っている。
西尾 
じゃあ目をえぐり出せるかというと、それが良いとは全く言えない。
__ 
と言って我々は被差別者にはなれないから、彼らの気持ちを想像も代弁も出来ない。そんな絶望がありますね。
西尾 
実は「我々」の中でも差別をし合っているんじゃないかと。種類は違うけれども、さらに差別し合っているのかもしれない。
__ 
というと?同じカテゴリー内の差別?
西尾 
今、次に演出をする作品の関係でセクシュアルマイノリティの問題を日々考えているんですけど、LGBTの中でもゲイの人たちの発言が強かったり、トランスの人同士でも、性別適合手術をしている人が手術までは望まない人に「そんなのは本当に苦しんでない」と言ったりすることがあると聞いて。でも、きっとそうだろうなと思うんです。関係ない立場の人はもっと無関心で、素朴に「それは大変だろうねぇ」ぐらいに処理することしか出来ないことが多いと思うから。
__ 
なるほど。
西尾 
「当事者」としての切実さがあるからこそ、同じカテゴリーに入れられている人同士の間で、差異にたいする意識がより強く働いてしまうこともあるんだろうかと、思った事があります。
鳥公園
2007年7月結成。作・演出の西尾佳織と俳優・デザインの森すみれによる演劇ユニット。「正しさ」から外れながらも確かに存在するものたちに、少しトボケた角度から、柔らかな光を当てようと試みている。モノの質感をそのままに手渡す言葉と美術、「存在してしまっていること」にどこまでも付き合おうとする演出が特徴。11年10月、「おねしょ沼の終わらない温かさについて」でフェスティバル/トーキョー11公募プログラム参加。12年2月、大阪市立芸術創造館主催・芸創CONNECT vol.5にて「すがれる」が優秀賞受賞。12年7月、広島市立美術館主催・ゲンビどこでも企画公募にて、「待つこと、こらえること」が粟田大輔賞受賞。同年9月、同作品が3331EXPO「おどりのば」スカラシップ受賞。鳥取、北九州、広島、大阪など、東京以外の様々な土地での滞在制作も積極的に行っている。(公式サイトより)
鳥公園「緑子の部屋」
公演時期:2014/3/21~23(大阪)、2014/3/26~31(東京)。会場:芸術創造館(大阪)、3331 Arts Chiyoda B104(東京)。

タグ: カテゴライズされる俳優 「異なる角度から」 ヘイトスピーチ ユニークな作品あります 鳥公園という場所


Aripe!

__ 
いつか、どんな演技が出来るようになりたいですか?
永津 
そうですね。私ちょっと声が弱くて。「グッド・バイ」での岡田あがさちゃんみたいにがんがん叫ぶような演技が、例えば一ヶ月のロングランの公演でも出来るようになりたいです。
__ 
今後、一緒に作品を作りたい人や劇団はありますか?
永津 
ナイロン100℃さんが好きなので、いつか出演させて頂ければ嬉しいです。それと、20代の方たちの若い劇団ですね。この間石原正一ショーで共演した渡辺綾子さんのイッパイアンテナ、とか。
__ 
そんな中での永津さん。いつか見たいですね。
永津 
それと、年内か、来年上半期にはAripeのツアーが出来たら良いな
__ 
そう、永津さんはAripeのリーダーなんですよね。実は拝見した事は無いんですが。見たかったです、去年の「人の気も知らないで」。どんな作品なんでしょうか。
永津 
女性三人の会話から始まり、色々と予測できない障害が発生して。お互いを庇いながらも無理が生じてきて・・・横山拓也さんの脚本演出で、ちょっと社会派な感じなんですよね。
__ 
そうなんですね!あの可愛いチラシからは想像出来ない。
永津 
そうですよね(笑う)。
__ 
機会があったら是非参ります。
永津 
Aripeは女性による女性だけの演劇ユニットという事で旗揚げしたんです。当時としては珍しく、カフェやギャラリーなどの劇場にこだわらない場所での公演が出来ないか、という試みをしてきています。時期は分からないんですが、意外なかたちでお目にかけられるかも。
__ 
今から楽しみです。
演劇人、石原正一を参照。
イッパイアンテナ
同志社大学の学生劇団「同志社小劇場」のOBを中心として、2007年11月に旗揚げされた演劇団体。 主な演目はコメディとコント。 劇場を気持ちよく走り抜けるライブ空間にすべく日夜活動している。(公式サイトより)

タグ: ユニークな作品あります 声が出せるように 意外にも・・・


ドキドキぼーいずの恋煩い#03「だらしない獣」

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今日はどうぞ、よろしくお願いします。最近、坂根さんはどんな感じでしょうか。
坂根 
最近は、自分たちの劇団、ドキドキぼーいずの本番の稽古ですね。あと、外部での映像の仕事があります。ちょこちょこ撮らせてもらっています。
__ 
次回公演、「だらしない獣」ですね。
坂根 
今回は今までとは少しテイストが違うんです。これまでの作品は僕らの年代から出てきたものが元だったんですが、今回は民話や、昔の民衆の生活を元に台本を書いてみようという事になりまして。
__ 
どんな題材でしょうか。
坂根 
俗習や差別問題から始まって、それが現代ではどうなっていて、人間が結局どういう存在なのかを考えていたんですが、稽古を重ねる毎に表現の仕方が変わっていって。今はそれを作っている段階ですね。僕の役柄はまあ、欲深い愚かな人間の代表です。今までずっと、小劇場で芝居していたんですが、京都府立文芸の大きい舞台でどういう表現が出来るのか、僕らにとっても大きな挑戦ですので。
__ 
楽しみです。
坂根 
僕らも再旗揚げして、もっと沢山の客層の方に共感してもらいたいなあと思いまして。それで京都演劇フェスティバルに応募させてもらいました。
__ 
色んな層のお客さんに会いたい?
坂根 
はい。ドキドキぼーいずの良さは、やっぱり若さなんですよね。それこそ20代前半の。若いからこそ、実は多面的に物事が見れるんじゃないかと思うんです。旗揚げをしたばかりなので、柔軟に様々な方法を試せますし。
ドキドキぼーいず
2013年、代表である本間広大の学生卒業を機に再旗揚げ。京都を拠点に活動する若手演劇チーム。虚構性の強い演劇を目指し、『リアル過ぎる嘘っぱち』の創作に挑んでいる。生み出されていく衝撃を、時に優しく、時に激しく、作品として観客に提示することで、人間の本質を描き出す。いつまでも青臭い、カワイイ奴らでいたい。(公式サイトより)
ドキドキぼーいずの恋煩い#03「だらしない獣」
公演時期:2014/2/15。会場:京都府立文化芸術会館。

タグ: ユニークな作品あります 若さの価値


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川北さんにインタビューした時、市川さんの台本は小説のようだと伺いまして。「名づけえぬもの」でしたね。実際に読ませて頂いたんですが、とても面白かったです。何故、あのような書き方になるのでしょうか。
市川 
あまり、自分でその理由を突き詰めて考えた事はありませんでした。戯曲って、それを俳優が声を出す命令書きみたいになりがちなんじゃないかと。それはあまりしたくない。出来るだけ指令書にはしたくないんですね。台本である前に、それなりに読み応えのある読み物であるべきだと考えていて。
__ 
なるほど。
市川 
声に出されない部分を大切に作りたいなと。イメージを稽古場に提出出来る脚本にしたい。すると、セリフだけじゃ足りないんじゃないか。実は、出来るだけ上演出来ない台本になるように心がけているんです。
__ 
上演が難しいようにするんですね。
市川 
上演を遠ざけないと、脚本を書く態勢と演出する態勢が距離的に近くなってしまって。演出と、脚本が切り離して考えられなくなってしまうんじゃないか。と。
デ・4「名づけえぬもの」
公演時期:2013/3/12~13。会場:STスポット横浜。

タグ: 書いてみたいと思った ユニークな作品あります 世界


カウパー団「月並みで永遠な」「onomatopoeia」

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今日はどうぞ、よろしくお願い致します。今年もそろそろ終わりますが、宮階さんにとってはどんな年でしたか。
宮階 
今年はハイペースで作ったり出演していて。3月から数えて14本のイベントや作品に出ています。C.T.Tなどでの再演も含めてですけど。
__ 
14本!物凄い本数ですよね。C.T.Tというと、カウパー団の「月並みで永遠な」(大阪名古屋では「onomatopoeia」に改題)、ですね。私は見逃してしまったのですが、大変な反響があったようで。
宮階 
あ、ホンマに。京都ではポカーンって顔をされてました。初めて舞台上で「お腹痛い、帰っていい?」って言いたくなりました。
__ 
どんな作品だったのでしょうか。
宮階 
その時の写真がこれ・・・これは写真が凄いよかったのね。
__ 
おお、これは凄い。
宮階 
これは芝居というよりパフォーマンスでした。アメリカのアニー・スプリンクルというパフォーマンス・アーティストの「売春を行う人が英雄である40の理由」という文章をアレンジした朗読が流れていて、例えば、「ユーモアがある」「誰にでも出来る仕事ではない」。これは、実は原文では頭に「売春を行う人は」があるんです。それを除いた朗読です。
__ 
「売春を行う人は」。
宮階 
「売春を行う人は」とつけると、自分の事とは関係ないと思って距離が出来るやろうなと。だから、その語句を外したんです。その後に続くのは普遍的な言葉で「勇敢である」「色んな人の話を聞く事が出来る」。しばらくして、私が倒れるとその40の言葉が流れてきて、立ち上がりながら、舞台においてある湿布を貼って、また歩きまわって。その合間合間に、大きなポリ袋の中でスポンジケーキにデコレーションしながら、リッキー・マーティンの音が流れてくる。そんな作品でした。私は、セックスワーカーの身体って街そのものと共通しているなと感じているんです。その事をずっと喋っている、音声テープが客席や舞台上から流れている、そんな作品でした。
__ 
松田正隆さんのお別れパーティーの時もパフォーマンスされてましたよね。宮階さんのパフォーマンス、何をしているのかが分からないですけど、意味を汲み取ろうとして考えても、何故か分からないですよね。
宮階 
私も言葉にしづらいんですよ、自分のを。言葉に出来るんだったら、それは頑張って文章にしたらいいんじゃないかなって。
__ 
言葉に出来ない事をやっているんですね。
宮階 
ううん、言葉に出来ない事を探してやってやろうて意識的になっている訳じゃなくて、結果的に言葉だけに出来ませんでした、という感じなんです。
__ 
宮階さんは、見に来たお客さんにどう思ってもらいたいですか?
宮階 
私はお客さんに甘えているんです。私も分からない、説明しづらい事をやっていて。どう思ってくれるのかなと。お客さんが、自分でお話を作ってくれるんですよ。それがね、本当にそんなお土産を頂いていいのか、って。お客さんが、自分の人生と照らしあわせて作ってくれたという事でしょう。その人が作品を作ってくれたという気がして。
カウパー団
2006年より発足。2013年5年ぶりに再開。その間も個人は国内外でパフォーマンス(ロンドン、釜山、東京、別府)や他のカンパニー作品に出演(高嶺格、bubu_de_la_madreine+山田創平、dracom、マレビトの会、岡田利規 等)。
C.T.T. vol.104(2013年7月)上演会参加作品 カウパー団『月並みで永遠な』
公演時期:2013/7/29~30。会場:アトリエ劇研。
C.T.T.大阪事務局試演会 vol.15 参加作品 カウパー団『onomatopoeia』
公演時期:2013/8/13~14。会場:ウイングフィールド。

タグ: ユニークな作品あります 今年のわたし 言葉以前のものを手がかりに


vol.333 gay makimaki

カウパー団。

2014/春
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gay

図る

__ 
悪魔のしるしという集団について、こういう言われ方をして事があるんじゃないかと思うんですが、どこか建築的ですよね。
危口 
ちょいちょい話には出ますね。
__ 
例えば全員で一つの複雑な構造物を運ぶ作品「搬入プロジェクト」はまさに建築をモチーフにしているし、「注文の夥しい料理店」はまさに作品のコンセプトそのものがとても構造的だなと感じたんです。登場人物の人肉が出てきて、それを食べる作品というのは、これはもう驚きを覚える仕組みだと。
危口 
そうですね。お客さんを強制的に舞台空間に強制的に組み入れてしまう。
__ 
それは、どのような考え方で作るのでしょうか?
危口 
まあ、学生時代に建築をずっと勉強していて、その考え方が今でも生きているというのはあります。まず、ダイアグラムが大事であると。一旦図式化して、関係性を考えながら作る。
__ 
図式化する。
危口 
お客さんが演劇を鑑賞する際に、お金を払って劇場に来て、椅子に座って見るだろうと。そういう図式を前提としつつ、そこをちょっといじる事で、他の作品と比べにくくするという事なのかなと。同じ土俵で勝負したら勝てないという卑屈な自覚があるので。身体も強い、脚本も強い人たちには勝てないから、そうじゃないやり方をする我々が、スキマ産業的にいられればいいかなと思ってます。というのがこれまででした。最近はまたちょっと違ってきたかもしれませんが。
「搬入プロジェクト」
通常、演劇において舞台上の演者の動きは脚本と演出、すなわち言葉によって導かれる。しかし、ひとを動かすのは何も言葉だけではない。たとえば、ものすごくデカくて複雑なカタチの物体を運び入れねばならないとしたら――その物体の重量や形状こそが、このパフォーマンスの“脚本”と言えるのではないか。(公式サイトより)
「注文の夥しい料理店」
宮沢賢治の名作「注文の多い料理店」を元にした悪質剽窃舞台劇。原作では一命を取り留める猟師たちだが、本作では腕を切り落とされ目玉をえぐられ最後にははらわたを食い荒らされる。観客席をS席とA席に分け、倍近く価格は高いうえ正装を強いられたS席の客は特等席に座り、 話題のフードアーティスト諏訪綾子(food creation)による、場面展開に添った食事を食べながら観劇できるという仕掛け。逆にA席側から観ると、晩餐に興じる観客もまた舞台世界の住人のように感じられる。なお、本作のテーマとなる絵は画家である危口の父親が描きおろした。(公式サイトより)

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カルト劇団、がっかりアバターの繁栄

__ 
観客と、どう接するのが理想だと思いますか?
坂本 
うーん、意外とシビアなんですよね。twitterで炎上したから・・・どうしようかなと。自分の意見としては、今の関西小劇場のあり方は、僕は違うと思うんですよ。伸びない、派生しない。演劇に全く関係ない人にリーチ出来ていない。単純に情報が行ってくれないという事でもあるんですよね。何とかして大きくなりたい。って思いますね。
__ 
カルト的な人気が出たらいい気がしますね、とくにがっかりアバターの場合は。今、情報ってきっと、必要とされる人には行きやすい環境にあるんじゃないかと思うんですよ。面白い情報は、つまり目を引く内容なので。
坂本 
具体的にどうすればいいですかね?
__ 
カルト劇団として、NAVERまとめとかに掲載されたら有名になりやすいんじゃないか。例えばツリメラとか。NAVERまとめにあったんですけど、プロデューサーの小林タクシーさんは2014年の3月末までにCDを1000万枚売らないと死ぬらしいんですけど・・・
坂本 
それめっちゃ面白いですね!メモっときます。

タグ: 炎上、がっかりアバター ユニークな作品あります


FUKAIPRODUCE羽衣「Still on a Roll」

__ 
木皮さんが振付で参加したFUKAIPRODUCE羽衣の「Still on a Roll」。大変面白かったです。そして、昨日芸劇eyes番外編「God save the Queen」で拝見したうさぎストライプの作品も面白かったです。ええと、木皮さんが振付をされる時、どのようなポリシーがあるのでしょうか?
木皮 
劇団によって僕の振付は違いますね。僕が特にこだわっているのは演劇中のダンスなんですが、やっぱり踊る人のクセや個性を生かした振付がしたいと思っています。「格好良さ」を見せるだけには作らない、その劇団に見合ったダンスはコンセプトになっています。
__ 
確かに、劇団毎に振付のイメージが全然違いますね。
木皮 
うさぎストライプではダンストゥルグという役職を持っています。うさぎストライプの主宰の大池さんが、可愛い動きがほしいと言っていて。それが思いつける人として僕を横に置いているという感じですね。
__ 
そういうポジションなんですね。
木皮 
だから、気に入った動きでなければあっさりボツにされます(笑)。でも、気に入られれば「これだ!」となるので。
__ 
FUKAIPRODUCE羽衣では。
木皮 
10代の時にお手伝いをしていまして、踊るようになってから糸井さん(作・演出・音楽)に声を掛けてもらいました。もともとの羽衣のダンスの振付って糸井さんが振付を考えてらしたんですが、踊る人の発想じゃないというのが気持ち悪くていいなと思っていたんです。如何にダンサーが思いつかないアイデアを入れられるかが勝負ですね。まさかこんなところでこれはしないだろう、みたいな。最近の羽衣のコンセプトとしては、「うまく踊れすぎずかつ下手になり過ぎず」というところを狙っています。10何人かの出演者が全員踊れて、人間賛歌をテーマにしている羽衣の雰囲気が発揮出来るように構成していますね。
__ 
人間のクセと個性を生かす。
木皮 
個性とクセを、嫌わないで愛するという事ですね。クセが魅力になるように。おかしくなっていれば直しますけど、基本的なベースはそういうスタンスです。
FUKAIPRODUCE羽衣
2004年女優の深井順子により設立。作・演出・音楽の糸井幸之介が生み出す唯一無二の「妙―ジカル」を上演するための団体。妖艶かつ混沌とした詩的作品世界、韻を踏んだ歌詩と耳に残るメロディで高い評価を得るオリジナル楽曲、圧倒的熱量を持って放射される演者のパフォーマンスが特徴。(公式サイトより)
FUKAIPRODUCE羽衣「Still on a Roll」
公演時期:2013/7/11~28。会場:東京、香川、大阪の全国ツアー。

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vol.320 木皮 成

フリー・その他。

2013/春
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木皮

BRDG vol.2『TEA×HOUSE』

__ 
「TEA×HOUSE」。物語というよりも、取材で得た資料を再構成して作品化しているという事ですが、そうした作品を作っているのはどのような理由があるのでしょうか。
山口 
まず、私は物語が作れないんですよ。自分からはどうしても出てこない。紡げないし、自分よりも大きなものが沢山あるとずっと前から思っていて。紡ぐよりはどう吸収するか、が私の表現だと考えています。舞台に出る時も、自分から表現するというよりも何かに動かされる事が多いですね。外の要素だったりとか、もちろん共演者、環境、お客さんにも動かされるのが好きなんです。受動的な・怠惰な態度ではなくて。作品を製作する時も、世界を解釈をして変換して、つまり通訳してそれを違う言語に出力する。そういう事に興味があります。私は別に作家じゃないと思っています。紡げないので。外と接する作品を作りたいと思っています。
__ 
個人が世界と接する作品。
山口 
個人と他者が、どう接するのか。いい悪いじゃなくて、そこを観察したいですね。
__ 
ありがとうございます。私は最近のテーマとして、情報は読み手の創造性を以って初めてその価値を成立させると思っています。だから、山口さんの仰っている事はそうした観客にはきっと歓迎されるかもしれません。しかし、観客という他者が、舞台上の世界を常に受け止めてくれる訳ではありませんよね。積極的になるかもしれないし、消極的になるかもしれない。むしろ、敵視してくるかもしれない。
山口 
そうなんです。他の人にも、それが美しいと思ってもらえる為の工夫をしないといけないんですよね。やっぱり、お客さんの感想が分かれるんですよ。「全く意味が分からなかった」と、「もの凄く面白かった」と。それは、どちらも当然返ってくる反応で。分からない=面白くないと見なすのは当然じゃないか、って私も思ってしまう時があるんです。だから、もっと作り手として、「これがキレイだよね」と紹介するだけのものじゃなくて、「何故そう思えるのか」が分かる。そんな、もっと面白く見てもらえる仕組みを考えださないといけないと感じています。
__ 
余談ですが・・・「TEA×HOUSE」で、非常にスリリングで面白いと思ったシーンがあります。スコーンが焼けるまでに、若干時間が余りましたよね。その時に舞台上で二人の出演者が暴れまわっているという場面がありました。時間稼ぎだと気付いた瞬間、ものすごく面白かったんですよ。物凄い可愛らしい時間でしたね。チャームポイントだったと思うんですよ。何か、お客さんに渡してあげたゆとりのある時間というか。
山口 
素敵に思って頂けるのは嬉しいですが、そこに甘んじる事無く(笑う)スコーンを焼く間の時間で作品を収めようと決めていたんですが、出演していたブリジットが「焼き時間を短くなんて出来ない」と言ってくれて。だからどうしても。辛かったお客さんもいたかもしれません。
BRDG vol.2『TEA×HOUSE』
公演時期:2013/4/26~28。会場:京都四条大宮滋野宅。

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村川拓也「羅生門」を終えて

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします!最近、舞台でよく見る大石さんにお話を伺います。大石さんは、最近はどんな感じでしょうか?
大石 
よろしくお願いします。最近は、『羅生門』が終わって、バイトをしたり、映画を観たりと、のんびりとした時間を過ごしています。
__ 
村川拓也さんの『羅生門』ですね。振り返ってみると、大石さんの良さが非常によく出た作品だったと、私は思っています。ご自身にとっては、どんな経験になりましたか?
大石 
自信を持つことが出来た公演でした。自分のことを役者と名乗ることに対しての抵抗が、少しだけ減りました。
__ 
なるほど。公演の内容的に、結構特殊な役どころでしたね。大石さんが言葉の通じないドイツ人の女性に、身振り手振りで羅生門を説明するという作品でしたね。でもそれが、どこか重なるかのような。伝わったというか、重なったんじゃないかなと。どのような稽古場だったのでしょうか?
大石 
他の稽古場のとき以上に、演出家(村川拓也さん)と対話をする時間が多い稽古場でした。自分の考えを言葉にして伝えなればならない状況が、他の稽古場よりも多かったように思います。
__ 
言葉にするというのは、セリフの言い方を整理する為に、考え方を精査するという作業でしょうか?
大石 
うーん、というよりも、舞台でする行為を僕自身が自覚して行えているかに、向き合う作業だったように思います。うん、何だか的は外していないのですが、伝えたいことと微妙に違うような気もします。一言では表せない作業でした。
AAFリージョナル・シアター2013~京都と愛知 vol.3~ 参加作品 村川拓也「羅生門」
公演時期:2013/6/13~16(愛知)、2013/6/21~23(京都)。会場:愛知県芸術劇場小ホール、京都芸術センター。

タグ: 役者の認識(クオリア) 稽古とコミュニケーション能力 客席と舞台の共犯関係 今の作品に集中する 非日常の演出 ユニークな作品あります 最近どう? 創造環境としての京都 実験と作品の価値


vol.312 大石 英史

フリー・その他。

2013/春
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大石

【LOVE】

__ 
石田さんが主宰するリンクスという演劇イベント。私はこれまで4回ほど拝見しました。大変盛り上がるイベントで、今年2月の「NonStop to TOKYO」が最新のイベントですね。
石田 
ありがとうございます。いまはイベントは出来ていないのですが、今までに関わった人たち・新しく出会った人たちの劇団の稽古場にお邪魔して、その様子をtwitterとかSNS、ブログ「日々幸進(http://ameblo.jp/mkca/)」で伝えています。
__ 
いいですね。
石田 
僕が載せた情報を見て劇場にいらしたという方もいるんですけど、僕の活動をみてあまりいい気がしない方もやっぱりおられると思うんです。この活動、賛否両論だと思うんですけど、どう思われますか?
__ 
そういう人は石田さん個人が嫌いなんじゃないですかね?
石田 
ああ~あはは。僕の事が嫌いなら嫌いでいいんです。でも、僕はそういう人とちゃんと話したいと思ってるんですよね。
__ 
いや、きっと誠実な活動であるとか、ひたむきさが届けば、認め合えるとは思うんですよ。きっと。私もそうだったので。
石田 
そう言って頂けると嬉しいです。僕の動きの原点は【LOVE】なんです。大好きである事。何を言われようが、僕は好きな人の為に動けるんですよね。人の道に外れなければ、何をやってもいいかなと。もちろん、批判される事はあるんですけどね。
__ 
リンクスという個性的な演劇イベント、確かに拒否感を持つ人はいますよね。私も当初そうでした。
石田 
あは~(笑う)。
__ 
そして同時に、「こういう人が好きだなあ」という感情も強かったんですけどね。その感情が最も強かったのが、最後のリンクスのテーマソングの合唱。演劇のショーケースなら、一つ一つの世界観を大事にしたいという気持ちと、イベントなんだから盛り上がって嬉しい、という二つの感情が温度差を持ちながら同居していたというか。
石田 
なるほど。
__ 
個人的には、ショーケースとして構成が非常によく出来ていたイベントとしては、スイス銀行のイベント「スイス金鉱」が凄く良いなと思った事があります。3つ程度の団体の作品がランダムに出てきたりして、途切れないんですよ。リンクスでは、上演の幕間の暗転が、ちょっと流れが切れていたんですよ。芝居の内容はとても良かったんですが。
石田 
見せ方の問題という事ですね。
__ 
そう、まさにそうです。
演劇ソリッドアトラクションLINX’S「NonStop to TOKYO」
公演時期:2013/02/14~18。会場:世界館。
演劇ユニット スイス銀行
嶋田典子・久野麻子・枡野幸宏による演劇ユニット。「お客様の信用と信頼を大切に」上質な会話劇を年1~2回公演する心構え。時折イベントとしてCafe Liveなども展開する(予定)(公式サイトより)

タグ: ユニークな作品あります 賛否両論


切り離す

__ 
末山さんの脚本。「ビリビリ直子ちゃん」、とても面白かったです。ある高校の文化祭を舞台に、原発問題と表現の自由を描く野心作。書く時に、どのような事を考えましたか?
末山 
あの時、社会的な気分だったんですよ。原発に関して、あんなにいっぱい反対する人がいて、でも預かり知らぬ所で物事が決まっていって。そんなのでいいのか。黙っていていいのか?という疑問があって。しかし、とはいえ、僕が反対運動に参加する訳じゃなし。
__ 
ええ。
末山 
大飯原発再稼働の時、会社の研修で東京に行っていて。滞在していたホテルの部屋で、デモのUstream中継を見たんです。僕は原発を信じていないし、あっさりと再稼働するのはおかしいと思っていまして。でも、反対派の人たちの騒ぎもどうかと思うんですよ。太鼓で音を鳴らしたり、神輿を担いだり。この人の中には、消費税増税反対派の人々もいるに違いないと。
__ 
そうでしょうね。
末山 
身の回りの事を切り分けずに、色んな問題をいっしょくたにしてるんじゃないか。もっと、細かく切り分けて考えた方がいいと思うんですよ。それとこれとは話が違う。僕の中には、そういう考え方が根づいていたんです。
KAIKA劇団 会華*開可「ビリビリ直子ちゃん」
公演時期:2012/11/23~25。会場:KAIKA。

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應典院舞台芸術祭space×drama2013 特別招致公演 ミジンコターボショートショートvol.11「ゼクシーナンシーモーニングララバイ」

__ 
前回の公演「ゼクシーナンシーモーニングララバイ」。大変面白かったです。当初私は楽しいお芝居を期待して劇場に行ったのですが、実際に受けた印象はそれとはかけ離れた、個人の心情に触れる作品でした。話の筋は、人生に迷って生きる優柔不断な男・シンイチの後をヒロイン・ナンシーが付いて行くというもので、男女同権主義者としては心にクるものがあったんですが、やはり一人の男として、彼の人生は果たして幸せだったんだろうかと。ハッピーな結婚の話だったんですが、そう考えると哀しい感情を掻き立てられるような・・・人生で仕事を見つけられなかった彼は、死後、天国で最高に幸せな結婚式を迎える訳ですが、それは彼の人生にとっては本当の幸せなんだろうか?この話、片岡さんはどのようにして生み出されたのでしょうか。
片岡 
まず、すんごい遠い題材でやりたいと思っていて。僕自身が結婚願望がそんなにないんですよ。じゃあいっそのこと、結婚をモチーフにしたお芝居にしようと。さらに、言い訳ばっかり口ばっかの守るものもない、何の目的もなく生きている男の話を書きたいと思ったんですね。言い訳する奴の話が書きたかったんです。
__ 
なるほど。
片岡 
そして去年、公演直前に入院した話。
__ 
本公演「シニガミと蝋燭」の時、ですね。
片岡 
誕生日の前日にやっちゃって病院に搬送されたんです。ところで入院すると、名前や番号や誕生日が書かれたバンドが手首に巻かれるんですよ。次の日が誕生日だったから一日限りのバンドだったんです。なんや、年齢変わるんかいな、と。稽古場もバタバタしていた状況だったので、僕の状況が誰にも伝わっておらず、期せずして誰も近くにいない、祝ってもらえない誕生日がやってきて、逆に気持ち良かったんです。一人や、と。病室はカレンダーはあったんですが時計が無くて、時間も分からないみたいな残酷さを感じて。人に迷惑は掛けているけど開き直るしかない境地になってました。だって、もう申し訳ないという言葉を重ねてもしょうがなくて。病室から稽古場に連絡を取って、役者さん達に頑張ってもらったんです。そういう、ちょっと死を感じるような事があったんです。人が周りにいっぱいおるけど孤独感がある。そういう感覚は女性には分かってもらえないんじゃないかと思ったんですね。それをやりたい、というのが原動力かなあ。
__ 
そのリストバンドの存在が印象的ですね。誕生日が書いてあるものを手首にはめられるのはちょっとショッキングかもしれません。いや、填めてみないと分からない感慨でしょうけど。
片岡 
そうなんですよ。それにもうその歳ちゃうがなと。もう歳食ったんかいと。去年から入院していたような気になってしまって・・・。劇団員が千羽鶴折って持ってきてくれて、千足りてなかったんですけど。なるべく早く退院したくて、リハビリ以外の時間も頑張ったんですよ。夜中に病院脱出しようとしてみたりして、めっちゃ怒られました。力づくで病院の玄関をこじあけようとしたりして(笑う)。
__ 
「ゼクシー」の主人公のシンちゃんも、言ってみれば寂しい人生だったんじゃないかと思うんです。あの特殊能力も活かせないまま。
片岡 
そうですね。
__ 
私にとっては虚しくて泣ける話でした。
片岡 
男性全てがそうだとは限らないんですが、知人の結婚式にいくと、やっぱり新郎さんではなく新婦さんにフォーカスが当たるんですよね。でも満足気なんですよ。目立ってないけど。目立つ事が良い訳ではないけど。女性がやりたい事をやっているのを見て満足しているというのが、男にはあるんじゃないか。ちょっとロマンチックですが、それを見ているだけでプライスレスというか。シンイチの人生に関して言えば、それが一番のご褒美だったんじゃないかと思うんです。自分が演じてきて、それを感じましたね。
ミジンコターボ-10『シニガミと蝋燭』
公演時期:2012/7/27~29。会場:ABCホール。

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