月面クロワッサンVol.7「くりかえしへこむ/閻魔旅行」

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月面クロワッサンの次回公演「くりかえしへこむ」「閻魔旅行」が今月末ですね。どんな公演になりそうでしょうか。
作道 
今回は二本立てという事で、メンバーである丸山交通公園が脚本演出した「くりかえしへこむ」と、最近入団した二十歳の河合桃子が書く短編「閻魔旅行」ですね。1時間の作品と20分の短編になっています。ステージによっては短編がない回もあるんですが。
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なるほど。河合さんは今回、どのような経緯で脚本をする事になったのでしょうか。
作道 
ドラマを作っているときに、彼女も映像がしたいという事で入ってきてくれたんです。聞いてみると演出したり、書いたりもしてみたいという事で、今回は僕がプロデュースという形で監修しています。
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河合さん、どんな作品を書かれるんでしょうか。
作道 
独特のセンスがありますね。書き始めたばかりなのでもちろん拙い部分はあるんですが。とにかく表現しようという思いが強いのが面白いなと。ちょうど、京都学生演劇祭の上演作品で数多く見られるような、作家の「形にしたい」という熱を台本から強く感じられるんですね。
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それぞれ、どんな作品でしょうか。
作道 
丸山交通公園の「くりかえしへこむ」は男性四人のコメディです。中学校の頃の同級生が大人になって、引きこもりになってしまった旧友を部屋から引きだそうという、部屋の前を舞台にしたシチュエーションコメディですね。でも彼らはクラスの中で積極性に乏しいグループだったので、いざ説得しようとすると良くない方向に話がころがっていくと。河合の書く「閻魔旅行」は、閻魔大王が、あの世での仕事が忙しすぎて嫌になってこの世に来るんです。閻魔大王がこの世に何を思うのか。ちょっとファンタジックな二人芝居です。
月面クロワッサン
2011年、代表の作道雄を中心に活動を開始。演劇作品と映像作品の両方を発表、京都から作品を発信している。メンバーは、11人、平均年齢23歳。演劇・映像作品ともに、サスペンスやファンタジーなど、ジャンルは多岐に渡っているが、基本は群像劇のスタイルである。演劇では、笑えて、かつノスタルジックな物語性を中心とした会話劇を得意とし、vol.6「オレンジのハイウェイ」で、大阪に初進出。映像方面においては、2012年秋のWEBドラマを経て、2013年7月から連続ドラマ「ノスタルジア」をKBS京都にて3ヶ月にわたって製作、放送。地上波進出を果たした。また、「企画外企画劇場 IN 京都」などのバラエティーイベントの主催、WEBラジオの定期配信など、 様々なスタイルを持った活動で、新しいエンターテイメント創作者集団としての地平を開拓している。(公式サイトより)
月面クロワッサンVol.7「くりかえしへこむ/閻魔旅行」
公演時期:2014/9/26~28。会場:人間座スタジオ。

タグ: ひきこもり 次の公演 群像劇


経験と総括・2

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山野さんがお芝居を始めた経緯を教えてください。
山野 
高校2年の時に文化祭で、クラスで演劇を作る事になったのが人生最初の舞台でした。ちなみに、高校の時の担任の先生が劇研アクターズラボの田中遊さんの公演クラスに参加していたんです。渋谷善史さんという方で現在も田中遊さんのユニットの正直者の会.labで活動されています。その渋谷さんのクラスで文化祭に出て舞台に立ったのが最初です。
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いかがでしたか。
山野 
良かったです!!すごく褒めてもらえて・・・。高校時代の唯一のいい思い出ですね(苦笑)重要な役でプレッシャーも大きかったし、仲間同士で衝突もしたりで大変でしたけど・・・。本当にやっておいて良かったです。僕の人生を大きく変えた出来事でした。しかし、その舞台の直後に急激に体調を崩しまして・・・病院に行ったところある精神科の病気になってしまっていたんですね・・・。実は育った家庭の環境が非常に悪くて・・・物心ついた頃からあまり自分の家庭が好きではなかったんです。そのストレスからか高校に入学した頃から体調も精神状態も悪く、騙し騙し必死に耐えていたんですが、ついに溜まりに溜まったフラストレーションが爆発してしまって・・・。以来学校にもまともに通えなくなり、処方薬依存でボロボロの状態で勉強どころではなくなってしまって・・・。なんとか高校は卒業できましたが当然受験勉強も進学出来ずそのまま自宅に引きこもるようになってしまったんです。
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なるほど。
山野 
それからしばらくブランクが空くんですが、22歳の時にインターネットで某演劇サークルがメンバーを募集していてそこに入ることにしたんです。理由としては当時の僕は仕事も勉強もできていない、友達もほとんどいない、まあニートだったわけで・・・(苦笑)それが嫌で少しでも社会との接点を持たなくてはと思ったんです。「あの時素晴らしい経験を与えてくれた演劇なら自分に希望を与えてくれるのでは・・・」という思いで(苦笑)で入団してしばらく活動していたんですが正直ものすごく面白くなかったんです。考えが甘くて、だらだらしてて。あまりにも演劇を趣味として見ていたので。
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つまり、良くなかったんですね。
山野 
そうですね・・・。そこでしばらく悩んでいたんです。「そのサークルを辞めようか・・・しかし辞めたところで全くの無名の僕がどうやって芝居を続けるのか?いや自分が頑張ってそのサークルを立て直すべきなのか?しかしそのサークルの方達とは根本から考え方が違うのでは?」とかウダウダ考えている矢先にふつうユニットの廣瀬信輔さんと出会ったんです。確か2011年の1月だったと記憶しています。そこで廣瀬さんに気に入ってもらえてふつうユニットの「スペーストラベラーズ」という作品に出演させていただいたんです。その現場で廣瀬さんや他の共演者の皆さんに良くしてもらって・・・随分久しぶりに同年代の人達と関わることができて、喋って、遊んで、作品を造って・・・本当に楽しい現場でした。これをキッカケとして人と関わることを覚えて、徐々に引きこもりからを脱出することができたんです。
__ 
廣瀬さんと出会ったのはどんな経緯が。
山野 
谷さんが参加されていた、劇研アクターズラボの「恋愛論」という作品の挟み込みに、ふつうユニットの出演者募集のチラシがあったんです。当時の僕は今以上に演劇のことを何もわかっていませんでしたから・・・堅苦しいチラシとかだったら逃げ腰になってしまって絶対行けなかったと思うんですけど、そのふつうユニットのチラシがまあ、そのあまり上手くない絵が表にデカデカと描いてあって(笑)書いてあることも砕けた内容だったのでここなら自分でもと思い連絡をとってみたんです。そしたら連絡してきたのは僕一人だけだったらしくて(笑)それがきっかけで(苦笑)もしそれが無かったら現在の自分はなかったかもしれませんね(苦笑)

タグ: 俳優のブランク 自分を変えた、あの舞台 文化祭前夜 劇研アクターズラボ 高校演劇 ひきこもり もう、辞めたい


vol.364 山野 博生

フリー・その他。

2014/春
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山野

ゴム手袋

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がっかりアバターの作品についてお話出来ればと思います。2013年6月に上演された「俺ライドオン天使」、すごく面白かったです。個人的な所感ですが、非常に真摯に作られた下ネタであると感じました。大変下劣な下ネタに、あるフェアさを見た気がしたんです。いじめられっこもリア充も障害者も幽霊も皆同列に性欲を持っているという観点に、差別意識の無さを感じました。後半でひきこもりが出てくるんですけど、彼は非常に下種なんですが、それをとても正直に描いている。ネガティブな人間性すら受け入れ、下種をそのまま認めている。なぜ、そうした姿勢をとる事が出来るのでしょうか?
坂本 
もしかしたら、以前見た映像に影響を受けているんじゃないかと思います。障害者の性的支援サービスを紹介するドキュメンタリーで、おばさんがゴム手袋をしてしごいてあげるというもので。それを見た時に、「そうか、こういう人もそうなのか」と。障害を持って生まれた子を天使という言葉で呼んであげる親がいるけれども、障害者も当然性欲を持ってるんですよね。
__ 
そうですね。
坂本 
そういうモヤモヤした思いがあるんですよね。自分の中で答えが出ている訳じゃないんですけど。でも、その映像を見た時に納得した思いもあったんです。性欲というものは、NHKがそれを取り上げるぐらい歴然と社会にあるんです。
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そこに気付いた時、何かが腑に落ちた。
坂本 
はい。もちろん、下ネタをやっているのが楽しい、面白いというのはありますけど。
がっかりアバター vol.3『俺ライドオン天使』
公演時期:2013/6/28~30。会場:ロクソドンタブラック。

タグ: ドキュメンタリー ひきこもり 性欲 下ネタを考える


質問 古藤 望さんから 清水 智子さんへ

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前回インタビューさせて頂きました、古藤望さんから質問を頂いてきております。「響きの好きな英単語を教えて下さい」。
清水 
英単語かー。あるとは思うんですけど・・・日本語でもいいのかなあ。
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いいと思います。
清水 
「いぬ」が好きです。「い」と「ぬ」で犬を表現するんやなと。可愛くないですか?
__ 
あ、分かります分かります。実体である犬を表すのに「いぬ」という言葉を使うという、その理不尽さの面白さですね。分かります。
清水 
うん。あはは。
__ 
しかも、「いぬ」という言葉が持つ印象に可愛らしさと蔑みが同居していて。
清水 
そういうのがたまらなく好きで、ずっと考えているんですよね。「君ほほえめば」の時も、末満さん演じる引きこもりのケンを犬と呼ぶセリフがあったんです。何回かは心を込めて言ってました。
__ 
ネーミング、大切ですよね。私の中では「しみずともこ」は透明感があって、何か色々教えてくれそうな、賢そうな印象です。
清水 
ホントですか。へー。
__ 
まあそのままですけど、でも、「とも」がフレンドリーですよね。
清水 
大丈夫ですか、似あってますか。
__ 
はい。
清水 
あ、英単語。「ONE」が好きです。音と意味が愛しいです。

タグ: 言葉そのものを手がかりに ひきこもり 言葉以前のものを手がかりに 色んな秘訣集


vol.298 清水 智子

フリー・その他。

2013/春
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清水

行くべき時は行こうぜ!

藤原 
ここ数年、大事だと思っているのが「循環」という思想なんです。「金は天下の回りもの」という言葉があるけど、資本主義のシステムって、お金が循環しないと意味がないでしょう? それと、人が移動すること。移動によって、国境も含めたいろんな境界が揺らいでいく。僕は場が停滞しないように、循環するように、引っ掻き回すのが自分の役割だと思ってます。一種の道化ですよね。
__ 
というと。
藤原 
これは批判ではないので誤解しないで欲しいのですが、アカデミックな劇評家タイプだと、「研究」という側面がベースにあるから、どっちかと言うとどっしり構えた文章を書くことが多いと思うんです。
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構えた批評。
藤原 
いやそれ自体は悪いことじゃないですよ。一時的な流行に左右されないで、きちっとした研究成果を積み重ねていくことで後の世に大きな貢献を果たすかもしれない。その仕事はおそらくは重要なものを含みます。ただ、僕はそういう堅実なタイプではない。むしろもっと戦略的に、現実世界の様々な価値の境界を撹乱したい。そこに命賭けてるんですよ。どこにも所属しない、というストレンジャーだからこそ見えてくるものがあると思うから。アウェイの感覚をキープするのは結構つらいんですけどね・・・・・・。例えば北九州の枝光という小さな町に行って、そこで見聞きしたことを人に話したり記事に書いたりする。そこにひっかかりを感じた人が実際に枝光に足を運んだりする。何かと出会う。循環が起こる。それらの予期せぬ出会いが生まれていく可能性は閉ざしたくないと思っているし、そういう循環を促すような回路というか抜け道をほうぼうに生み出していく。四次元殺法的な感じで(笑)。でもそれが「メディア」の役割だと思ってるし、時代の過渡期にはそういう道化的な人物もそれなりの役目を果たしうると思う。今は引きこもりのフリをしてますけどね。
__ 
身軽さ、ですね。
藤原 
でも例えば「越境」っていうと聞こえはいいけど、失敗例もいろいろ見てきてはいるので、あんまり楽観視してないです。とはいえ、あの手この手で動いていく。偶然の出会いもできるだけ受け入れる。まだ出会っていない他者の存在を常に感じる。これはもう自分の手の範囲の及ばない、アンコントローラブルな領域です。ごく素朴に言えば、世界は未知の驚異に満ちているということです。これは雑誌「エクス・ポ」などを通してここ数年お仕事させていただいてきた批評家の佐々木敦さんの思想の影響もやはり受けているのかもしれません。というか僕の中にもともとあったそういう部分を佐々木さんに引き摺り出された気はしています。ただ、未知の世界を目の前にした時に、そこでの道化的振る舞いに関して、自分自身、正体がよく分からなくなってくる。きっといろんな誤解も受けてると思うけど、長い目で見たら自分の行動はそれなりに一貫しているような気もしています。表に見せていることは氷山の一角にすぎなくて、水面下で動いていることのほうがはるかに多いんですけど。twitterもある種の煙幕ですよね。忍術みたいなものです(笑)。
__ 
大切なのは、対話という事でしょうか。
藤原 
対話もそのひとつ、ですね。日本は表向きは単一民族国家だと未だに信じられていて、「私もあなたも同じだよね」という同調を迫る文化。それだと今後の世界に対応していくのは無理なんじゃないですか? すぐ傍にいる隣人が、自分とまったく異なるバックボーンを持った他者かもしれない、という前提で今後はコミュニケーションしていかないと、様々なイシューに対応できないと思う。
__ 
なるほど。
藤原 
まあ、「和を尊ぶ」とか「阿吽の呼吸」みたいな日本式の文化の魅力もあるとは思ってます。だけど異なる他者との交渉力はきっと必要になる。解り合えない、という前提で何をするか。守りたいものがあるのなら、時には喧嘩だってしないといけないかもしれない。あるいは水面下で交渉し、あるいは正々堂々と議論する。行くべき時は行こうぜっていう。そこは今回の岩城京子さんのブログキャンプとか、あと武蔵野美術大学の「mauleaf」という学内広報誌も編集してるんですけど、そういう若い子たちに接する機会を通して、彼ら、というか女の子が多いので「彼女たち」でもいいんですけど、その視界にどんどん異物を放り込んでいきたい。みんな知識や刺激に対して貪欲だなってことも思うから、とにかく全力で球を投げ続けるっていう。

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__ 
男肉の魅力。その時の思いつきなどによって姿を変えるパフォーマンスだという事がこれまでのインタビューで判明していますが。
江坂 
そうですね。実は、僕は大学時代はめっちゃ真面目なダンスを作っていたんですよ。現代に生きる人間の苦悩を題材に。でも、今男肉でやっているダンスも、実は昔のものとそれほど差がないと思うんですね。結局。
__ 
差がない?
江坂 
今自分がこの時点でここに生きていて、それでダンスを見せていること。僕は鍛えた体で見せるけど、男肉の中には下手クソのまま見せる奴がいる。ぜんぜん違うんですけど、それで面白いんです。僕はダンスを教えるつもりはないんですよ。身体を鍛える事で突破出来る。突破の仕方で見せてくれって。持ち物がバラバラなあのメンバーで(中には引きこもりもいるんです)、それぞれの突破の仕方がある。
__ 
男肉のダンスの面白さは、まずそこにあるのかもしれない。
江坂 
見てたらやっぱり魅力はあるし、鍛えた身体と同じくらい面白い。変化球だけど強い球だと思います。
__ 
逆に、面白くない身体とはどのようなものだと思われますか?
江坂 
そうですね、出来ないのに誰かの真似をしているとかですね。それは価値観として存在しない。本当にテクニックのある人は、ただ単にテクニックを持つ人の事ではないんです。嘘臭い、借りてきた価値観ではあかんと思います。ただ男肉もものすごい変化球なので、あかんという人もいるとそれは思うんですが。

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悪い芝居vol.13『カナヅチ女、夜泳ぐ』

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このチラシ。この絵のシチュエーションをみんなで考えようの会です。こんな重装備で溺れている女。自分でカナヅチだと分からない筈はないので、つまり他人に流されてここまでノコノコと来てしまい、こんなシチュエーションになってしまっていると。この絵、進野さん(悪い芝居メンバー、演出助手)が描いたものだそうですが、どういうシチュエーションなのだと思われますか?
山崎 
ここはこういうものだよというのはあるんですが、それは想像してほしいですね。もう出来上がったものなので。それよりは、重力に関する僕らの感覚を感じてもらいたかったんですね。
__ 
重力?
山崎 
このチラシの裏側、便宜上は下向きがあるんですが、たとえば出演者の画像は右方向に重力がかかっていて、スタッフクレジットや公演情報は左。チラシを横に向けたりしないと読めないんですね。それで、重力と向きを感じてもらいたいというのがあって。
__ 
山崎さんの中では、いま重力が気になっているんですね。
山崎 
人は何故か、反対側に行きたがったり、上にいったりと、重力とは別の方向に延びる事をよしとされる。万年床とか引きこもりとか、けして良い意味では使われませんね。どうしても、僕らはきっと重力と切っては切り離せないんじゃないかって。階段を上る感覚と下る感覚を同列に説明出来ない。
__ 
なるほど。
山崎 
この表側の絵も、実は左を下にすると女の子が空を飛んでいるように見えるんですよ。逆さにしても構造がまとまるし、天井が落ちてくるように見えるみたいな。
__ 
あっ、本当だ。
山崎 
と言っても、お客さんに浮遊感を味わってもらうためにお芝居から離れるという事はしたくなくて。物語をやる、関西小劇場の演劇でやるというのは変わらないです。そこで勝負するとした時に、下からの重力には逆らえないという事を忘れないように、物語を書いていこうとしています。

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それをひっくるめて強い

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最後に拝見した突劇金魚の本公演、「巨大シアワセ獣のホネ」。大変面白かったです。上田さんは他人とのコミュニケーションを上手く取れない人物でしたね。
上田 
僕も、出演していながら興味深かったです。実は、作品の中での立ち位置に悩んでいました。引きこもりなんだけど、まるでその世界の支配者の様でいて、誰かの協力を求めるみたいな、結構歪んだ事をしなくてはいけないので・・・。
__ 
そうそう、主人公たちを集めてホネを掘らせていましたね。最終的に、サリngROCKさんが演じる主人公が部屋から連れ出して。
上田 
そうですね。部屋から出られましたね。
__ 
蔵本さんにインタビューした時にも申し上げたんですが、最後に電車に乗っているシーン。赤星さんが演じたあの彼が声援を送っていたじゃないですか。それまでのサリngさんの作品では一人で孤独に旅立つ事が多かったのに。
上田 
実は、以前までの作品とは違ってスタート地点から既に人々が動いているんですよね。よく言われるように、世界観が展開した、という事だと思います。出演しながら、近くで見られて良かったな、という感覚があります。
__ 
サリngROCKさんの作品について、どのように思われますか?
上田 
女って怖いな、ドロドロしているなと。そうした感情を世界に表現出来る作家だと思っています。それが最近、整理が付くようになってきているので、今後どうなっていくかが楽しみですね。
__ 
突劇金魚の公演、お客さんにどういう風に受け取ってもらいたいですか?
上田 
女は怖いけど、それをひっくるめて強いと。
__ 
強さ。
上田 
女性の、男性が求めるみたいな上辺だけではない、ドロドロしたものを含めての女性の魅力だと思っています。女性には共感を呼ぶと思うし、もしかしたら女性も男性も、人間の魅力の源はそこなのかもしれませんね。
突劇金魚「巨大シアワセ獣のホネ」
公演時期:2011/2/2~7。会場:精華小劇場。

タグ: ひきこもり


自由について

イガキ 
だから逆に、現場に行かなくてはならないライブの魅力が再発見されるといいなあと思うんですよね。USTREAMで済ませないで。
___ 
ひきこもりでもない限り、家にじっとしている事は出来ないですもんね。たくさんの人が集まって盛り上がっている場所に対して、人はどうしても惹かれるんだと思います。中国ではAV女優の蒼井そらが大人気で、ライブをすると一万人からの人間が集まるそうですよ。
イガキ 
生でカワイコちゃんを見たいんでしょうね。
___ 
その上に、ネタとして盛り上がりたいという欲求があるのかも。
イガキ 
私もライブに関わる者として、どうしたら人を会場に呼び込めるのかがずっと課題です。難しいですよね。
___ 
そうですね。音楽ならではの苦労はありますか?
イガキ 
やっぱり演劇やダンスだと、映像と生はまるで違うんですよ。映像だと見えない視点がどうしても存在する。
___ 
そして、視線を動かすという動物的な快楽は観客席の特権ですね。
イガキ 
音楽は、CDの方がよく聞けるという人もいるんです。もちろん、LIVEでなくてはよりよい音は出せないというアーティストもいるんですが。ライブの魅力は、ライブならではの難しさと表裏一体だと思っています。
___ 
舞台でバイオリンを弾いている時、どんな事を考えていますか?
イガキ 
現場によりますが、自分から出てくるものを、どれだけフィルターを通さずに出せるかに集中しています。それを現場で考えていたら遅いので、心がけるという感じですね。うん、もっと自由になれるように、と願っています。
___ 
「自由になれる」。舞台で作品を表現する時に、身体が自由になって、それどころかお客さんも自由さを感じて、ってなかなかないですよね。

タグ: 観客のクオリア ひきこもり 観客との関係性 Ustreamの話題


児童演劇

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今回の企画のコンセプトは「子供も大人も楽しめる作品を目指す」というものだったそうですが。
伊沢 
以前、デンマークの児童演劇フェスティバルに行った時に、全然子供向けじゃない作品があったんですね。私が勝手に抱いていた幼稚なものなんかではなく、大人の私が感動して涙を流すような。内容も、デンマークの社会問題を取り扱ったもので。
__ 
手加減なしですね。
伊沢 
それを子供も面白そうに見ているし。デンマークでは、演劇を教育の一環として積極的に取り入れているんですね。小さい頃から。演劇教育の果たす役割は大きいなと。そう考えると、友達と仲良くしようとかいう話ではなくて、本当に質の良いものを見せるのが重要なんじゃないかなと。私も児童演劇に詳しい訳ではないんですけど、そのデンマークの児童演劇フェスの主宰の方に、日本から児童演劇を呼んでないのは何故か聞くと「子供を馬鹿にしているものばっかりだった」って。いっぱい見たらしいですけど、結局、日本から呼ばれたのは狂言と沖縄の舞踊が招かれていて。それはちょっと悔しいなと思ったんですね。
__ 
その、デンマークでご覧になった作品なんですが、お子さんにとって言葉の難しさとかは大丈夫だったんですかね。
伊沢 
さあ、デンマーク語だったんでね(笑う)。でも、分かっているとは思います。内容は、アル中のおじさんの話だったんですけど、反応から多分分かって見ていたんじゃないかな。あと、全くの無言劇もあったんですけど、それも理解していたと思います。
__ 
結構、年齢に関係なく理解出来るものかもしれませんね。演劇は。
伊沢 
演劇教育で小さい頃からお芝居を見ているというのが大きいと思うんですけどね。でも、「夜のメダル」でも子供が来てくれたんですが、内容が分かったみたいですね。大人より感じていたかも、という声がお母さん達からありましたね。
__ 
お話としては、具体的な社会の現場を抽象したものだったと思いますが。町のはずれに来た引きこもりとのふれ合いという。
伊沢 
それでも、退屈されては困るので、面白い動きとか形を付けましたね。

タグ: ユニークな作品あります ひきこもり 児童演劇の難しさ 無言劇


hako

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どうですか、hakoの活動は。
大角
hakoね。渡辺ひろこさんが面白い。稽古にならないくらい。
__
ああ、面白いですよね。
大角
凄いですよね。役になりきるというか。台本ないことを休憩中に喋らはるんですよ。今までにないくらい、渡辺さんという存在に頼りきりになってるから。変に安心感があって余計にユルユルになって。公演まであとちょっとしかないのに。で、こないだ渡辺さんが休みになったときにいつもの空気になって。それで焦りだして。
__
ああ、そう・・・。でも、そういうhakoの芝居、好きですよ俺。
大角
あ、ああ。そうですか。
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何見たんだっけ?一回目の・・・。
大角
家庭訪問の。私がちょっとアレな。
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あれか。面白かったなあ。
大角
その後が牛乳パッタで。
__
あれも良かったなあ。フルで癒し系ですよね。
大角
ぼんちゃんが普段から癒し系なんですよね。それと肥田さんの脚本のもつムードが合っていて。それに私が乗っかったみたいな。すごくやりやすくて。
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東山の空気と合ってますよね。
大角
ずうっと東山でしかやってないから。どこか、別の小屋でやろうかって時に、どこもうちらとは合わへんってなって。東山の西田さんからは自立しろって言われてて。
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はいはい。
大角
頼りすぎって言われて。あと、山口さんにも人材確保でお世話になったり。
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なるほどねー。いや、でも俺、そういう、hakoみたいなチームがあってもいいと思うけどなあ。
大角
誰かに言われたのが、草食動物の集まりみたいだって。全員、がつがつしてないから。外の団体との交流もなくって。引きこもりっていうか社交的じゃないから、逆に手助けしたくなる、みたいな。感じですかね。
__
あ、あるある。
大角
演劇してる人って優しいですよね。
__
そういう習性みたいなのがあるのかもね。というか。一つくらいそういうチームがあってもいいんじゃないかと思うけどね。hakoの芝居の良さって、そういう、素朴さとか素直さが出てるから受けがいいんじゃないかなあ。
大角
今回も、めちゃくちゃ素朴ですよ。
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ああ、そうなんだ。
大角
ラストでも何も変わらんから。劇的なシーンがひとつも無くて、肥田さんが悩んでます。
劇団hako
2003年度の演劇ビギナーズユニット(東山青少年活動センターが主催する演劇初心者のための企画)のメンバーで結成。メンバーは6名。演出・肥田氏による、日常の空気がぼんやりと舞台上に浮く作品。
ぼんちゃん
劇団hakoのメンバー、小田宮さんの事。
東山
東山青少年活動センター

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