肉体の演技、分身の演技

江坂 
僕が男肉にいる理由は、そういうところにあります。
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それは、ダンサーの実存に宿る面白さに意義を感じている?
江坂 
そういう事ですね。大長編にヨーロッパ企画さんの俳優が参加してくれる事が多くなって。前回石田さんが客演して下さった時に「ダンスを教えて欲しい」って言って下さったんですね。でも実は、僕が教える事なんてあんまり無かったんですよ。突破の仕方だけ教えて、あとはどうなるかを見ていたかったんです。いや、俳優の方だけあって、立ち方も振りも面白いんですよ。結局、どうやって生きるかだと思うんですよね。小石の演技とか見ていてそう思います。あいつ一度、本番の最中にセリフを間違って逆の事を言った時に、「違う!」って取り消したんですよ。感動しました。それが成立してるんですよ。アルトーが書いていた肉体の演技、分身の演技ってこういう事なのかなと。
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その小石さんが一際輝くのが「男肉卒業式」ですね。もう6年ぐらいまえから作品の〆として上演されていますが、あれも男肉を象徴するパフォーマンスで、次回公演が決まっているのに卒業式を執り行うという荒唐無稽さ。そして、小石さんの切実さ。
江坂 
やっててマンネリ感は一切ありませんね。特に小石は観客がいなくても練習もゲネプロも全開でやるんですよ。
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ええっ。
江坂 
手を抜いたら出来なくなるのかもしれません。僕にしたって、全力じゃないと踊れないので。

タグ: 肉体、重心 立ち方


アトリエ劇研でのワークショップ

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今日はどうぞ、宜しくお願いします。
堀川 
お願いします。
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京都へは、確かワークショップで何度も来られるんですよね。
堀川 
はい。11月は再来週14、15日。12月は12~13、1月は4~5にアトリエ劇研で開催します。
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どのような内容なのでしょうか。
堀川 
今回やっているのは、本当に凄く基本的な事なんですよ。あまり普通のワークショップでは扱われないぐらい。例えば11月には立ち方について扱います。
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姿勢の取り方という事でしょうか。
堀川 
実は、キレイな立ち方は俳優が自分で気を付けていても中々難しい事なんですよ。私は体が右に落ちているので、そのままでは客席にまでセリフを伝える事が出来ないんですよね。伝わらないから、言葉の力が弱くなる。
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それは初めて聞きました。それは、シンメトリーである事が美しいという事になりますか?
堀川 
長台詞をばーっと言う時に体が左右どちらかに落ちていると言葉の伝わりが悪いと思うんです。左右どちらかに落ちていると、声のベクトルがずれてしまう。直接言葉を伝えるには、体をまっすぐにするのがベストだと思っているんです。それは片方の鼻が詰まっているだけでも変わります。だから、自分の体のどこがウィークポイントで、どこをまっすぐにしないといけないかを知る、というワークショップにしようと思います。
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そうなんですね、そんな基本的な事をされるんですね。
堀川 
やっぱり20年・30年・・・と生きてくると、生活によって体がどこかに偏っていくんですね。
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あ、そういう話は聞いた事があります。左にヴァイオリンを持ち続けたヴァイオリニストが、重心が左になって、楽器をもってやっとバランスが取れるようになったとか。
堀川 
そういうことを、参加者の方が指摘しあうワークショップにしたいと思っています。
世田谷シルク
2008年1月「15 minutes made vol.3」で旗揚げ。特徴は「踊る大人の絵本」。脚本・演出の堀川炎が考える芸術作品を行う団体。2009年より本格的に劇場で公演を行う。アングラや一律の会話劇でもなく、独特の照明と音響演出で美しい舞台を追求し、多人数のダンス群舞を得意とする。2010年、「第4回公演 渡り鳥の信号待ち」にて世田谷区芸術アワード”飛翔”舞台芸術部門賞受賞。(公式サイトより)

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