IN HER THIRTIESの思い出 伊藤えりこさん編

__ 
IN HER THIRTIESについて。去年の公演ですが、今後も追跡取材をしようと思っています。まず、ご自身にとってはどんな公演でしたか。
伊藤 
まず、オーディションを受けるかどうかを迷っていて。私オーディションに受かる確率が本当に低くて。仕事を貰うのは大体、声を掛けていただいていたんです。でもプロデューサーの笠原さんから「受けてみたら」って勧めて頂いたので。ワークショップオーディションみたいな形でした。ワイワイやりながらだったのでやりやすかったです。
__ 
伊藤さんは麗らかチームの34歳のコーナーでしたね。
伊藤 
そうですね。全員個性がバラバラの人たちで、結婚もマチマチでした。頂いた台本のボリュームが最初は少なかったんです。これ大丈夫かな?と。でも話し合っていくうちに「女性の30代はまだまだあるで」みたいな感じになって、稽古中はオーディションの延長みたいにたくさん話し合いながらやっていきました。楽しかったですね。稽古期間は1ヶ月弱だったんですけど結束感を感じながら本番を迎えました。公演後も凄い仲良くなったんですよ。一つの舞台を作る時に生まれる自然な結束力ってすごく大事なんですけど、あんなに、30代の人間として結婚とか出産とか演劇を続ける事について話すのは貴重で、もう全部分かる!でした。20代ならあんなに打ち解けられないし、40代だともっと引いて見てしまうかもしれない。30代だからあんなにワイワイやれてたんですよね。
__ 
なるほど。
伊藤 
作品としても変わった試みでしたね。一人の女性を複数人でやるというのは初めてでした。終演後、トークゲストで観てくださったiakuの横山さんが「一人の女性をやっているというより、100人の女性を観ているようだった」って。誰にも通じる事をやっていたんですね。それは上野さんが狙っていた事かもしれない。バラバラなキャスティングだから成立したのかも。それぞれの人が思っているように見えたのかな。
__ 
37大西さん・38片桐さんのコーナーが面白かったですね。
伊藤 
大西さんは元の事務所の先輩なんですけど、ずっと変わらないんですよ。
__ 
若く見えますよね。配置についた瞬間びっくりしました。あの人は15歳若く見えますね。
TOKYO PLAYERS COLLECTION「IN HER THIRTIES」
公演時期:2014/3/27~31。会場:in→dependent theatre 2nd。

タグ: 続ける事が大事 IN HER THIRTIES 迷っています 人生の節目 尊敬している人 インタビュー取材による作品づくり


IN HER LINE

__ 
さて、度胸と愛嬌に溢れた「IN HER THIRTIES」。10人の女性が一人の女性の30~40歳までを一年ずつ演じる作品。是常さんは32歳のコーナーを担当されていましたね。
是常 
そうですね。レトルトのQ本さんとシンメトリーでした。
__ 
全体へのツッコミ役でしたね。大変良かったです。
是常 
永津さん演じる37歳の「私」がツッコミ甲斐がありましたね。あのお話の32歳は、結婚して仕事もこれから上向きでという時期で、そりゃその時期の私は突っ込むわな、とね。聞いてへんわ!その五年後。
__ 
そうですね・・・。どんな思い出がありましたか。
是常 
あれは不思議な現場で。役者が10人いて、もう1チーム合わせると20人いて。だから一人の演出家から割いてもらえる時間はあまりなくて。どっちかと言うと、役者同士でディスカッションして作った部分が多いですね。華やかチームはいわゆる女の幸せが分かりにくい話になって、これはこれで良いよねと思わせるのがすごく難しい作業でした。自分の前の年齢の人が何を考えていて、そこを踏まえながら次の人に渡して行かなくてはいけない。それは本番入ってからも続きました。麗らかチームが本番をやっている上の階の楽屋で、「どういう気持ちで言ってます?」みたいな。38歳の永津さんの「私床上手やねん」っていう例の台詞があって、それに対するリアクションも年代によって違うんですよ。結婚して間もない31~34はドン引きしてる人が多くて、それ以降はまんざらでもなくなっていく、みたいな。
__ 
確かに、あれは段階的に分かれましたね。リアクションが。
是常 
こっち側はパートナーがいて順調な訳じゃないですか。しかし35を挟んだ向かい側の自分が年下の恋人と・・・「!!」となって。「年々上達していく」とか聞いてへんわ!どう思っていいか一瞬分からんくなるというか。35から向こうは「へえ、そうなんだ」ってまんざらでもない、というグラデーションが見えたら面白いねと言い合ってました。
__ 
それぞれの役作りと時系列が関わっていくんですよね。
是常 
役者達の個性や、自身の経験もあるし、私自身もこういう人生を歩む可能性がゼロではないんだなと。そういう無限の可能性を感じる公演でしたね。
__ 
そうですね。麗らかチームと華やかチームの人生を比較しても面白いかもしれませんね。
是常 
シバイシマイの作家が両方見てくれて。どっちも見た方が面白かったそうです。
__ 
インハーの皆さんに一言。
是常 
また何か、一緒にやりたいですね。今回のはワッとみんなで一気に集まって舞台を作って、ワッと解散したんです。今でもちょいちょい集まってるんですけどね。LINEでグループを作ったんですが、それがずっと、今でも頻繁に稼働してるんですよ。誰かの誕生日だったり、メンバーの舞台を見に行ったらその写真をアップしたり、飲みに行ってるメンバーが募集したり。
__ 
大変、正統的なLINEの使い方をされていますね。
是常 
私も東京公演の時に水野伽奈子さんの公演に行ったのでその事を書いたり。いまだにビアガーデンに行ったりしてるですよ。本当にいい座組になりましたね。みんながみんなを尊敬しあって、面白がっている感じがしました。
TOKYO PLAYERS COLLECTION「IN HER THIRTIES」
公演時期:2014/3/27~31。会場:in→dependent theatre 2nd。

タグ: 役作り=役割の分析 劇団のおわり IN HER THIRTIES


TOKYO PLAYERS COLLECTION「IN HER THIRTIES」

__ 
さて、TOKYO PLAYERS COLLECTIONのIN HER THIRTIESについて。西村さんにとってはどんな思い出ですか?
西村 
どんな思い出・・・あれだけ魅力的な人たちと一緒に過ごせて、すごく大切な時間だったなと思います。公演が終わった今もビアガーデンに行ったりしています。もちろん現場で一緒になることもあるし。皆で一人の人物を演じたからか、何か心の距離が近いんですよ。
__ 
20人で全員、一斉に一人の役作りをしましたからね。西村さんは30歳のコーナーでした。稽古がガールズトークから始まったそうですね。
西村 
本音がポロッと出てしまったりとか、サラっと言ってしまった事を上野さんが拾ったりとかして。ああ、聞いていたんだなあって思いました(笑う)。
__ 
出演者の方にとっては、色々考えさせられる舞台だったようですね。30歳として、西村さんはいかがでしたか。
西村 
親の事や、結婚出産に関しても色んなリミットが迫ってきて。次々選択していかなければならないなというのがリアルになったというか。自分の人生についてもすごく悩みました。自分はこれからどうしていけばいいんだろう。自分はずっと芝居していくのかとか・・
__ 
そうですね。
西村 
20代とは全然違う責任があるんですよね。
__ 
IN HER THIRTIESは、多くの人に内省を促した作品でしたね。
西村 
私30歳になりたてて稽古してたんです。30代になると色んな選択が迫ってくるなって色々考えました。
__ 
いやあ、芝居しているなんて最高の親孝行だと思いますけどね。だって舞台に立ってるんですよ?
西村 
うーん、親は安定を求めているかもしれないです・・・。でも、私の両親は「あなたの好きな事をやりなさい、でも自分でやっていきなさいよ」と言ってくれてるんです。結婚しないの?とか言ってこないんです。
__ 
おお。
西村 
でも、絶対思っているんです。周りも結婚ラッシュだし。親孝行、ってなんなんですかね?
__ 
うーん・・・でも、西村さんがそういう心配をしつつも、自分のやりたい事を一回一回完遂しているというのは親の愛に応えていると思いますよ。だって、何もしないのはあり得ないですよ。親からもらった命を全うしようとしてるじゃないですか。それは答えていますって絶対。
西村 
いや、そうですよね。きっとそう思います、だって、私が嬉しそうに楽しそうにしている方が、輝いている方が親にとっても・・・
TOKYO PLAYERS COLLECTION「IN HER THIRTIES」
公演時期:2014/3/27~31。会場:in→dependent theatre 2nd。

タグ: 結婚について 役作り=キャラクタの分析 IN HER THIRTIES 本音の価値 インタビュー取材による作品づくり


TOKYO PLAYERS COLLECTION「IN HER THIRTIES」

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。永津さんは最近、いかがお過ごしでしょうか。
永津 
最近は「IN HER THIRTIES」の稽古です。一人の女性の30歳から39歳を10人で演じるんです。2チームに分かれるんですが、それぞれ別の俳優が演じるので、年毎に全然違う人なんですよ。でも、同じ一人の女性。しかも今回は俳優ばかりという訳じゃなくてダンサーさんや音楽関係の人、演劇が初めての人もいるんです。
__ 
面白いですよね。実はわたし、去年の「IN HER TWENTIES」を見ておりまして。もしかして、あの続きなのかな。
永津 
私も見ました。面白かったですよね。あの作品は恋愛が中心にあったと思うんですけど、今回は仕事や自分の人生を考える、そんな作品になると思います。実は「麗らか」と「華やか」でストーリーが違うんです。
__ 
えっ、そうなんですか。
永津 
大きな分岐点があって、別の道を選んでいたらどうなっていたのか。そういう面白さもあるので、是非2チームとも見てもらいたいですね。
__ 
意気込みを教えてください。
永津 
この所女性が多い稽古場が続いていたんですが、一人の女性を十人でやるのは初めてで。その中のエピソードも、どこか出演者の人生が反映されているんですね。
__ 
もしかしたら、永津さんの人生も?
永津 
結構、出ているんじゃないかと思います(笑う)。間違いなく、誰かの人生が上演時間にはあって、そのどれかが心には残ると思います。大事に受け止められるような、そんな作品が作れたら嬉しいです。
__ 
とても楽しみです。
Aripe
女性だけの演劇ユニットAripe。当時としては珍しい、食事もできるカフェ公演を積極的に行う。
ブルーシャトル
劇団ひまわりのプロダクション部門「ブルーシャトル」です。俳優・タレントのマネージメントや育成と、舞台のプロデュース公演を手がける会社です。(公式twitterより)
TOKYO PLAYERS COLLECTION「IN HER TWENTIES」
公演時期:2014/3/27~31。会場:in→dependent theatre 2nd。
TOKYO PLAYERS COLLECTION「IN HER THIRTIES」
公演時期:2013/1/31~2/3(大阪)、2013/2/7~2/11(東京)。会場:芸術創造館(大阪)、王子小劇場(東京)。

タグ: 分岐点 IN HER THIRTIES 恋愛至上主義 メタフィクション