だったら僕は演劇の事を知らなさすぎる

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IN SITUを旗揚げした経緯を教えてください。
大石 
高校から演劇をしていまして。大学でも劇団ケッペキで4年間やってたんですけど、将来の事を考えた時に、やっぱり演劇続けて行きたいなとなりまして。だったら僕は演劇の事を知らなさすぎると。そこで海外の戯曲を読み始めたんです。
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なるほど。
大石 
ここ百年ぐらいの戯曲が凄く好きで。それこそ、ワイルダーが出てきたあたりからです。家族という概念が強く出てきた段階のが凄くいいなあと。今の時代に書かれているのは、個人に重きが置かれてるんですね。
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共同体から、個人に興味が移ったという事ですかね。
大石 
そして、個人の絶望と再生が描かれるようになるんです。携帯やインターネットがない、コミュニケーションが容易に取れない時代。人と人との距離感に対する絶望とか、枯渇したものへの思いや願いがあるんです。対面しないと伝わらない。(離れた相手にどうするかと言うと手紙を書くんですけど、今は絶対ない距離感や時間の差も興味深いですね。)今なら解決出来ないものがあって、どうしても人と向き合わないといけないんですよね。
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近代戯曲を積極的に取り上げているのは、その時代のコミュニケーションの不自由さと、家族に興味があるから、ですね。

タグ: 不自由さ


生きる

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いつか、どんな演技がしたいですか?
嘉納 
大河ドラマみたいな演技がしたいです。というか、大河ドラマに出たいです。制約の多い演技が。昔の女性の、型が決まっていて制約が多い演技。
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それは何故でしょうか。
嘉納 
何か面白そうだなと。「何でもやっていいよ」と言われると、自分のやりやすい演技をしてしまうというか。不自由な感じをやってみたいです。
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その上で、笑いを取りたい?
嘉納 
そうですね、制約の上で取れる笑いもあるんじゃないかと思います。
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その時代に生きた時代の女性の精神性を表現したいという訳ではない?
嘉納 
そういうのは私はしなくていいです(笑う)本読めば分かるし。現代になる前のつらい生き方を強いられた時代の民衆、みたいなイメージありますけど、そういう時代でもびっくりするような生き方をした人っているじゃないですか。そういう人にすごく自由を感じます。
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梁石日の「血と骨」とかが思い浮かびますね。その主人公は、女性と無理矢理結婚して作った家族を蔑ろに自分の為だけに全力で生きるんですけど。
嘉納 
そういう熱い物語がいいですね。私も「大地の子」とか「チャングムの誓い」とか好きなんですよ。パール・バックの「大地」とか、ユン・チアンの「ワイルド・スワン」とか。中国の、ちょっとスケールが違うよな、というのが好きですね。
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パール・バックの「大地」、私も読みました。1巻の本妻がクールなんですよね。
嘉納 
第二夫人と違って、愛して貰えないですしね。旦那が、愛してやろうと思ったが顔を見ると萎えたみたいな描写があって、可哀想でした。
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この間ノーベル文学賞を受賞した莫言もいいですよ。

タグ: 2013/キックベース いつか、こんな演技が出来たら 不自由さ


まだあるのかもしれないのに

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では、自由ではない俳優とは?
上原 
うーん・・・、同じ事ばっかり出来る役者ですね。スキルとしては重要なんですけど。たとえばコンディションというものがあるんですが、それを無視して同じ事ばっかりやってしまう。「それはあなたじゃなくてええやん」って。
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ええ。
上原 
そうじゃなくて、その時のコンディションに合わせて、最低ラインは超えた上で、自由にやれる役者がいいんじゃないかなと思います。
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不自由な俳優。
上原 
可能性がまだあるのかもしれないのに、演出家の指示を守っているのか、追求しようとしない役者は、自由ではないと思いますね。
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それは多分、一つの演技の後ろに様々な選択肢がある事を忘れて精度ばかりを上げようとしているのかもしれませんね。
上原 
恥をかくことって大事なんですよ。装う事も重要ですけど、失敗しないようにしていたら、経験は広がっていかないんじゃないかな。

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お芝居の楽しい部分が詰まっている

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黒木さんは、ユニット美人の面白さってどこにあるとお思いですか?
黒木 
色んな人が好きだと言ってくれていて、何故かなあと。私はもちろん楽しいし、大好きなんですけど、演劇的に新しい事もやってないし、ネタもそんなに新しくないし。
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いえいえ。
黒木 
最近思ったんですけど、お芝居の楽しい部分が詰まっているからかもしれないと思っています。それはつまり、嘘をつかないというか。
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嘘をつかない。
黒木 
演劇の面白さって、目の前に人がいるから生まれるんですよ。それは「ライブ感があるからいいよね~」って、何だか手垢のついた表現で恥ずかしいんですけど、結局そこなんですよね。映像だったらカット割で瞬時に人間が消えたり、アップにも出来るし、空も飛ばせるしでいろんな事が出来る。でも舞台は出来ない。不自由なんです。急に若返ったり翼が生えたりしない。でも面白いのは、そのままの人間だからだろうなと。
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それがお芝居の楽しい部分?
黒木 
けして踊りがうまくないし、歌も私はうまくないし、30代でスタイルもよくない。ごまかしも編集もきかない滑稽な体を、でも晒すねん。うまく見せようとしないから、いいんだろうなと。
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確かに、おもいっきり自己紹介してますからね、30代って。だから親しみやすいのか。そこに技術の高さが加わるから、凄く説得力があると思うんです。

タグ: 恥ずかしいコト 不自由さ


明日があるさ

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子供を躍らせてますね。
駒田
さっきの話だけど、ミュージカルってやっぱり何パターンかに分類されちゃうんやなあ。
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そうですね。
駒田
それについて考えてたんだけど、ミュージカルって芝居と歌とダンスのジャンルミックスみたいな感じやん。
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そうですね。
駒田
そうなると、形式が自由になる代わりに内容が不自由になるんではないかと。
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ふうん。
駒田
なんでかっていうと、普通に芝居をしていていきなり歌やらダンスに移った場合になんでお前いきなりそうなんねんていうギャップを埋めるために必然性がないとあかんわけやん。ストーリーやらシチュエーションやら、そこに必然性を押し込んでいく、それが積もり積もって、内容が偏ってくると。
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なるほど。それは研究会が始まって以来問題とされていたテーマなんですよ。
駒田
そうなんや。
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解決するには、解決しなくてもいいという態度を取ればいい、つまりミュージカルはミュージカルとして。
駒田
ああ、サブジャンルとしてね。
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はい。
駒田
ミュージカルって、最初にストリートプレイがあって、その上で誰かがセリフだけじゃつまらんし、踊ったり歌ったりした方がええのんて、あとからくっつけたんかな?
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えっ・・・・・・調べてきます。すいません。研究会のクセに。
駒田
いやいや、でも意外に何かの宗教儀式から来てるんかな。
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ああ・・・・・・。
問題
コーラスラインのような、地味なミュージカルが存在すると知るまでは派手にならざるを得ないと考えていた。

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