トリコ・Aプロデュース演劇公演2013「つきのないよる」

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トリコ・A「つきのないよる」。思い出す度に鳥肌が立つんですが、ひとえに丹下さんが怖かったですね。
丹下 
怖かったですかー?
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怖かったですね。
丹下 
私がやった役の「さくら」はお話の中で4人と付き合ってたんですが、作・演出の山口茜さんから、「全員にいい顔をしてください」と言われていました。嘘を付かないで下さいと。私も付いているつもりはなかったんですよ。
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あ、正直者だったんですか!
丹下 
はい。相手を悲しませたくないから、NOとは言えない人間というか。目の前のこの人を傷付けないための嘘。そういう形でやってくださいと言われたんです。
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でも毒殺するんですよね?
丹下 
毒殺ではなく、男性に飲ませていたのは睡眠薬入りの飲み物なんです。眠らせた後、練炭による一酸化炭素中毒にさせて殺してしまいます。そのへんになってくると難しいところで、もうみんなに知られて来てしまって、本命の彼もいるし、これ以上ごちゃごちゃしたくなくて・・・という形なんです。これは実際の事件を元にしているんですが、資料としての取材本が凄く面白くて。茜さんの台本にも少しずつ事実が設定として出てくるんです。やってる側としては客観的には見れないので、どうだったのかは分からないんですが・・・。
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私としては、山口さんの作品は境界が曖昧で、お話なのか設定なのか、単なるギャグなのか暗喩なのか分からない演技もある。ただ、全体を貫くその腑に落ちなさが、凄くロマンチックになるんですよね。
丹下 
やってる側もどこかすっきりしない部分は残るんですが、これは明確にしない方がいいんだろうなというイメージはありましたね。
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消化出来ないものを扱っている。
丹下 
実はトリコ・Aさんを見たことがなくて、しかも共演者も初めての方ばかりで。緊張しました。
トリコ・A
トリコ・Aは、山口茜が「自分で戯曲を書いて演出をしてみたい」という安易な気持ちを胸に、1999年、勢い余って立ち上げた団体です。当初の団体名は、魚船プロデュースと言いました。以来11年間、基本的には上演ごとに俳優が変わるプロデュース形式で、京都を拠点に演劇を上演してまいりました。やってみると意外と大変だった事が多い様に思いますが、皆様の暖かいご支援のもと、現在も変わらず活動を続けております。(公式サイトより)
トリコ・Aプロデュース演劇公演2013「つきのないよる」
公演時期:2013/7/26~30(大阪)2013/10(金沢)。会場:インディペンデントシアター1st(大阪)、シアターアンゲルス(金沢[リーディング公演])。

タグ: ロマンについて 俳優の「素」を生かす 衝撃を受けた作品 殺す 役づくりの成功 曖昧さへの礼賛


vol.317 丹下 真寿美

フリー・その他。

2013/春
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丹下

蟻・を・殺・す

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今日はどうぞ、よろしくお願い致します。最近、嘉納さんはどんな感じでしょうか?
嘉納 
最近は時間があるので、手作りで色んなものを作ったりしていますね。
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なるほど。例えばどんなものを。
嘉納 
虫よけとかですね。
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虫よけ?
嘉納 
家に蟻が登ってくるようになりましてですね、最初は殺虫剤を使ってたんですが、だんだん効かなくなってきまして。では手作りで作ってみようと。調べたら薬局で売っているハッカ油というのが効くらしく、それをアルコールと混ぜて、水で薄めてスプレー容器に入れると除虫剤になると。そういうものを作ったりしていました。
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なるほど。
嘉納 
それが割と効きまして。良かったですね。殺すよりは、寄せ付けないような効き目があります。
かのうとおっさん
'99年、嘉納みなこと有北雅彦により結成。独特の台詞回し、印象に残るビジュアル、笑いをベースに人の生き様を鋭く描く作風は小学生から60代まで広く支持される。'12年「関西ふたり芝居セレクション」優勝。(公式BLOGより)

タグ: 手作りのあたたかみ 殺す 暴力


当たったら死ぬよね

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ZTONの稽古はどんな感じで進んでいくんですか?
土肥 
最初に段取りを付けてから細かい所を付けていきます。今回は本当にセリフを覚えるだけじゃなくて、それぞれの種族のディテールを詰めて考えてこないといけないんですよね。例えるなら、河瀬さんの言葉を借りると、ガンダムの一年戦争です。「ストーリーが一本あって、舞台はホワイトベースの内部が主なんだけど、しかしその外にも色々な部隊があって、敵の勢力にも色々な人物やドラマの存在を感じる事が出来るだろう。今回は戦記として、世界が感じられるような作り方をしてこい」と。それは今回の特長ですね。
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それが肝なんですね。
土肥 
そうですね。その世界の空気を立ち上げるために、それぞれの部族の生き方を持っていないと構成出来ないので。今までと何よりも違うのは、借景がないんですよ。日本史という背景があれば大体イメージ出来るので。
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完全なオリジナルの世界観なんですね。
土肥 
江戸時代なら米食ってるのかとか想像出来るんですけどね。
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今回は、そうした世界観を作る所から始まるんですね。
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意気込みを聞かせてください。
土肥 
いや~、僕はもういっぱいっぱいで。でも主役なんですよね、天の章、地の章ともに。頑張ります。
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殺陣もね。
土肥 
今回は殺陣のアプローチも今までとちょっと異なるんですよ。言ったら「当たったら死ぬ」ものを作ろうとしています。
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おお!というと。
土肥 
今までは「カッコイイ!早い!やっつけた!決まった!!」ものを作ろうとやってましたけど、当然、刃物が当たったら切れるんですよ。そこを大切に見せようと思ってます。今回は刀の殺陣だけじゃなくて、短刀とか斧とか弓矢とか、バリエーションのある殺陣を作っています。種族ごとに狩りの方法が違うので。そして、それを振るう人たちの思いを大切に描きたいですね。これは、戦国無双じゃないよと。ゲームみたいな殺陣の爽快感というのは、今作ろうとしている「天狼ノ星」ではきっと浮きます。
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なるほど。大改革ですね。
土肥 
河瀬さんが突き詰めて考えてきたものが、ようやく仕上がりつつあるという感じですね。
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スピード感があって美しい殺陣。当たったら死ぬという当然の事をやろうとしているのが気になりますね。
土肥 
そうなんです。「はい、ここから殺陣ですよ」みたいな事にはしたくないですね。芝居で殺陣を見るとき、技術そのものには実は感動はないんだと思うんです。ドラマがあって、剣を持たないといけない理由が分かって、相手を殺すのでも制圧するのでも、全ての行動にそれなりの理由が体感出来るのが殺陣をやる意味だと思うんです。話に対して浮いている殺陣ショーにはしたくないですね。それはみんなが思っていると思います。
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演劇でやっている意味がないからですね。
土肥 
そうですね。殺陣だけ出来てもしょうがないですからね。実際の剣術じゃないし。
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芝居が始まった瞬間のドラマに共感出来た時、目の前で行われている演技に臨場感が生まれて、ようやく予測から離れる。そこからが面白いと思える。というモデルですね、きっと。
土肥 
そうですね。早い、カッコイイだけになってしまうと、きっと物語を見せている意味が無くなってしまう。物語の空気に触れていってほしいです。とか言っていらんギャグとか言っちゃうんですけどね。この間遊戯王カードのネタ言っちゃったり。そういう矛盾も含めて。
__ 
プリキュアネタとかね。
土肥 
あ、狗神エイトの時ですね!懐かしい!寝坊して「今何時?プリキュアは!?」とかね。「あの役あんなナリでプリキュア見るねんな」って思ってもらえたら嬉しいです。
__ 
あのネタ、自分で作ったんですか!?
土肥 
はい、河瀬さんは呆れながらも流してくれるんですよ。ダメなときもたくさんありますけど。
狗神エイト
公演時期:2009/8/27~30。会場:ART COMPLEX 1928。

タグ: ガンダム 殺す プリキュア 段取リスト 殺陣の話題 世界観の作り込み


みんな死にましょうよ

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一瞬聞いただけで残りますよね。さっき気づいたんですが、五・七・五ですよね。
合田 
あ、ホンマや。全然気づいて無かったです。
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いいタイトルですね。牛の鈍重さ、4回も反芻するという執拗さ、時折発揮する野生。そういう、上品さとは無縁の牛らしさ。それが芝居の様々な場面に反映されていました。
合田 
はあ・・・。ちょっと分からないですけど。
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お互いが話していてもちっとも理解の進まない登場人物たち、ほぼ全てのコントが最後は同じ結末―つまり全員が何か殺害されて、やがて夕陽に照らされると生き返って立ち上がり、斜陽に目を細めて終わる―を迎えるという繰り返し。
合田 
ふふふ。
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まず、それにはどういう意味があったんですか?
合田 
とりあえず、ルールは守りたいなと思ったんですね。各コントの終わりに夕陽に照らされるというルールが決まったんですよ。で、やってる内に、「みんな死にましょうよ」って事になって。夕陽か死か迷ったんですけどね。先に死んで、夕陽を浴びる事にしました。
__ 
その、下らなさはもちろんとして。夕陽を浴びると今までのがまるでコントだったかのようになるんですよね。
合田 
夕陽、関係ないですからね。
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だからあの一瞬、当助人物が本当に生き返ったという描写と、コントの練習が終わった役者たちの黄昏という図が同時に成立するんですよね。コントで描かれる下らない人々と、それを練習している役者達のわびしさが。
合田 
そうですか。めっちゃいいふうに解釈して下さって(笑う)。
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いや、もちろん全部悪ふざけと取りましたよ。本当に下らないし。でも、あってもなくてもいいような芝居ではなかったですね。
合田 
ありがとうございます。

タグ: 殺す おふざけ ネガティブ志向 悪意・悪趣味


ドゥエンデ

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今後、俳優として目指していく方向とかは。
山本
今回のワークショップでもつくづく思ったんですけど、自分の演技の浅さなどを痛感しました。深めていきたいと思います。
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深めていく。深い演技とは、具体的にどのような事を指すのでしょうか。
山本
具体的に。いや、ワークショップ行った直後で、普段思ってる事と見聞きしてきた事が混ざってね、普段のが・・・。
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一週間もですしね。
山本
今回受けてきたのはルティ・カネルさんというイスラエルの演出家の方のワークショップで、テキストにした戯曲が「ロルカ」っていう人の作品なんですけど。
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ロルカ。
山本
スペインの劇作家で、今回はその人の「血の婚礼」と「イエルマ」っていう本を使いました。で、ワークショップの前に役が決まっていて。各自これだけ覚えてきて下さいって。で、戯曲だけじゃなくて基礎的な身体の使い方とか声の出し方とかもやったんですけど。・・・その、「ドゥエンデ」という言葉があるんですって。芸術の精神という意味で、それは自分をも殺す事が出来る炎なんだと。これがないと意味がないという話で。使ったテキストは、既婚女性が夫ではない人を好きになったりとか、子供が欲しいけど出来ないとか、強い欲望を持った人たちが出てくる、割とドロドロした話なんですが、それを事前に読んで、考えていったんですけどもう全然あかんと。もう全然何もない。私なりには考えてるし、やってるつもりだったし、表現してるつもりだったんですけど。いや、実際やってみたら、自分でも全然何もないわと思ったんですけど。で、このロルカという人は同性愛者で。当時この同性愛は今以上に社会に受け入れられない。人に話せない。なので、ロルカは、自分の心情を男女の話に置き換えて作品を作ってて。ルティさんがジプシーの音楽を聴かせてくれたりもして。でその中で、ほんまに自分が浅いという事を感じて。
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はい。
山本
で、私も、そういうのが芝居には必要やなと思うし、そうでなかったらやってる意味もないなと。
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そのドゥエンデが。
山本
マレビトでも松田さんが「切実にやれ」と仰ってたりしていて。

タグ: 殺す 愛はないとぼくは思う 人が人を好きになるってすげえじゃん ギラギラした俳優 深めていきたい


宣伝書き込みについて

ニガツ
制作の人に一度聞きたい事があったんですよ。私はmixiで観劇コミュニティを運営しているんですけど、そこでの宣伝書き込みについて。
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はい。まあ、私は制作者ではありませんが・・・。
ニガツ
例えばmixiのトピックで、宣伝のカキコミがされるんですけど。最初は「申し訳ないのですがスペースをお貸し下さい」から始まって、後はほとんどチラシの情報のコピペでしかないんですね。最後に、「この書き込みが不適切でしたらお手数ですが削除して下さい」と。なんで皆さんああいう書き方をするんですか?
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劇団ホームページの掲示板でも、しょっちゅう見かけますね。
ニガツ
不適切かも知れないと思うんだったら最初から書くなよ!と。それなら、「消したら殺す!」くらいの勢いで書いてほしいですね。宣伝書き込みの内容も、もっと工夫のしがいがあると思います。自動的にコンピュータが書き込んでいる訳じゃないんですから、例えば身内の人が「今日稽古を観にいったけど凄く面白かったですよ」とか、あるいはトピックの前後の書き込みの内容に関連させて宣伝してくれれば、書き込みを見る側としても興味を持ちます。あくまで、コミュニティの人に向けたものであるのなら、アレンジのしようがいくらでもあるのに。そういうお金をかけない宣伝の方法があるのに、もったいないですね。愛がないよ、宣伝に。

タグ: 殺す


vol.65 ニガツ

フリー・その他。

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ニガツ