クルージング・アドベンチャー3 オオサカリバーフォーエバー編

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さて、子供鉅人の「クルージング・アドベンチャー3」。大変な公演でしたね。子供鉅人のツアー型演劇、今回で2回目。出演されて、いかがでしたか。
山西 
僕は4月から子供鉅人に参加して、初めてがアドベンチャー演劇だったので。すごく刺激が強くて。
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役者にとっても観客にとってもものすごい冒険でしたよね。私は昼の回も夜の回も拝見したんですが、どちらにも違う魅力がありましたね。
山西 
どちらの回が良かったですか?
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私は昼の方が好きですね。
山西 
そうなんですか!どういう部分が。
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もちろんどちらにもそれぞれの良さがあるんですけど、昼はその、お祭り感が凄かったです。川を下っている時、岸に面したBARのお客さんがこっちを見ていて、手を振ったりリアクションを取ってくれたりするその現場感が凄い。夜は夜で、演劇的な良さがあるんですよね。大阪城は出るし、風景が動いている感じがね。
クルージング・アドベンチャー3 オオサカリバーフォーエバー編
公演時期:2014/6/13~30。会場:大阪府大川(旧淀川)周辺。

タグ: ユニークな作品あります 子供鉅人 子供鉅人の街頭演劇アドベンチャー ツアー演劇の可能性


ゆるい闘争

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芝居を作る上での最近の気付きがあれば教えてください。
小林 
うーん・・・特にないんですよ。演劇ってこれはこうじゃないかという仮説を稽古場でやってみても、すぐ忘れちゃうんですよね。
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研究は身体に積み重なるから、そんな気にすることではないと思います。
小林 
そうですね、それで良いと思ってます。
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演劇論をびっしりとノートに付ける人もいますけどね。
小林 
僕がもしそれをやったら、舞台に出て行ったときにノートが頭をよぎって良くないと思います。そこから外れないようにして堅くなったり、外れたら立ち直れなくなったり。普段の会話でもそうだと思います。「今日はこれを話そう」と思って臨んだら平行線ですしね。ライブだから、その力を生かしたいですね。アドリブは出来ないんですけど。
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そうですね。強力な理論武装が観客との対立を招く事はよくあります。というか、実はフレンドリーな作品の舞台でさえ、「今日はなんだか、舞台と客席が対立している」と感じる事はあるんですよ。いったい何なんでしょうね。感覚的には、起承転結の起で三手外すとそうなりやすい気がします。そのあたりの中長のシークエンスで三手を連続で外すとそうなる、みたいな。対立が起こると、舞台上の演技の悪いところが全てとても気になり始め、マイナス評価を付けてしまう。
小林 
その状態、怖いですよね。演劇って、初対面の人らが暗いところで開演を待たされていて。あの出会いかたはけっこう辛いですよね。
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いや、明るいところから出てきて丁寧な挨拶をしても、何かボタンの掛け間違いが起こったらずっと・・・
小林 
それが非常に上手くいっていたのが、子供鉅人の「コノハナアドベンチャー2」だと思うんですよ。
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確かに!
小林 
現実からSFがいい感じで混ざりあっていって、あのいやらしすぎない絶妙な観客いじりが楽しくて。最初に、見えないとされているお客さんにそれとなく頼んで、モノを中に浮かせる念動力のネタがあったじゃないですか。
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そう、あれは完全な観客参加型演劇の入り方でしたね。
小林 
羨ましいですよね。お客さんがどんな参加をしてきても受けられる度量があの人たちにあるからだと思います。僕も、イベントをやるんだとしたらああいう入り方をしたいなあ。
コノハナアドベンチャー2
公演時期:2013/3/22~4/1。会場:大阪市此花区梅花エリア。

タグ: 子供鉅人


vol.324 小林 欣也

フリー・その他。

2013/春
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小林

新しく生まれるもの

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猥雑さ。話は飛びますけど、それは子供鉅人が強烈に持っているものですね。
藤原 
そうですね。こないだの『幕末スープレックス』も実に猥雑ですごく面白かった。傑作でしたね。大阪の、彼らが育ってきた環境があの猥雑なパワーを生んでいるのかも。びっくりしたのが、菊の御旗さえも「ええじゃないか」の踊りに巻き込んでいってしまうところ。あの飲み込んでいくパワーは凄いと思った。益山貴司くんは自分は在日だとインタビューでも答えていたけど、「日本」の虚構性を肌で感じつつ、単なる批判とかではないもっとクリティカルな懐の広さをあの作品で体現したんじゃないかと。あと弟・益山寛司くんのあの性的倒錯ぶりはほんとかっこいい! ああいう人たちがどんどん出ていってほしいなー。商業シーンにも進出してほしいし。
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おお。
藤原 
例えば深夜ラジオとか。あれも一種の悪場所だと思うんですよね。まあとにかく社会の中に遊びをやれるだけの余裕がなくなってるから、単にオッサンとかに買い叩かれていくのではなくて、自分たちで悪戯できるような場所をつくっていくしかないのかな。きっと理解者はマスメディアの中にもいると思います。ただ札束ちらつかせて身体の関係を求めてきた、みたいな話も未だに聞きますからね。マジひくわー。いやほんとに終わってる連中もいるので、さすがにそういうオッサンには早々にご退場願いたい。ここ2、3年が正念場かなって気はします。ここで新しい価値をつくっていくことができたら、日本も多少は良い国になれるかもしれない。いや、もう国家という単位で考えていいのかも分からないですけど。さっきは撹乱ということを言いましたけど、同時に、新しい価値をビルドしていくことも大事。ただそれは僕ではなくて、若いアーティストたちの仕事のような気もします。分かんないですけど。

タグ: 傑作の定義 子供鉅人


2012ポコペン公演「キッチン・ドライブ」

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今日はどうぞ、よろしくお願いします。
益山 
よろしくお願いしまーす。
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さて、子供鉅人のロングラン「キッチン・ドライブ」公演中ですね。そんな最近は、どうお過ごしですか?
益山 
最近ですか?
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ハウアーユー?という事です。
益山 
オーケー、アイムグレイト。英語にしたらこんな感じです。ヘラクレスみたいな!
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ポパイ的な感じなんですね。
益山 
何があたしのほうれん草かって?
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あっ、はい。
益山 
何やろうなあ。RedBullとイメージかな。お芝居のイメージを思い浮かべたら楽しくなるから。
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そのイメージ、どこから湧き出てくるのでしょうか?
益山 
キッチンドライブというお芝居で、リリーという役が自分にハマっていると思うんですが、そのお芝居の枠を映像的にイメージすると楽しいです。ただの額縁という意味じゃなくて、映像化した時のように。私が「ハワヤ?」って出てきたらパヤーン!!!!!!!って、昔のマンガみたいに、バラが散ったりとか。ダサいんだけど可愛いねん。
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分かります。
益山 
芝居する時にも、そういうのが浮かびますね。
子供鉅人
2005年、代表の益山貴司、寛司兄弟を中心に結成。奔放に広がる幻視的イメージを舞台空間へ自由自在に紡ぎ上げる。(公式サイトより)
2012ポコペン公演「キッチン・ドライブ」
公演時期:2012/3/23~4/16。会場:カフェバー・ポコペン。

タグ: ハウアーユー? 子供鉅人


視覚的な面白さ

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BABさんはどんなキッカケで芝居を始められたのでしょうか?
BAB  
思い起こせば、よくこども劇場に連れられて行ってたんですよね。その時に、オズの魔法使いかな、舞台で女の人が大きなパンをみるみるうちに食べていくシーンがあって。それが面白かったんですよね。
__ 
なるほど。
BAB  
中学校の新入生歓迎のときに演劇部の人たちが身体ひとつでシーンをクルクル変えていったのが面白く感じて、それで中学の演劇部に入部しました。高校・大学では演劇部に入らなかったです。大学時代はバンドやってました。
__ 
どのパートですか?
BAB  
ドラムです。
__ 
ドラム!? 意外ですね。
BAB  
背が低すぎて、ドラムに隠れちゃってました。
__ 
いわゆる、ステルスドラムですね。
BAB  
見えないのに音がするという。面白いのが好きなんでしょうね。それからポコペンに遊びに行くようになって、益山に会って。劇団が子供鉅人に改名するぐらいの時期に入りました。
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最初は、ポコペンのお客さんだったんですね。
BAB  
そうですね。友達がポコペンで展示していて、それを観に行ってからかな。益山の芝居を見たのは、月眠ギャラリーでの出展作品を見たのが最初でした。実は、もっと面白く出来るんじゃないかとその時思って、アンケートに色々書いたのが最初だったのかな。
__ 
物足りなかった?
BAB  
役者の動きとか、もっと演出できるだろうと思って。不完全燃焼だったんじゃないかな。

タグ: 学校の新入生歓迎 子供鉅人 アンケートについての話題


質問 イガキアキコさんから 森田 真和さんへ

Q & A
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前回インタビューさせていただきました、イガキアキコさんというヴァイオリニストから質問を頂いております。「たゆたう」という音楽ユニットをされていて、舞台関係だと劇団子供鉅人に音楽を提供したり、舞台に立つ事もある方です。「ご自身が演劇を続けている理由は何ですか」?。
森田 
やっぱり、自分が社会に対して一番深く爪痕を残せるのは役者なんだろうなと思っていて。先ほどおっしゃっていただいたんですが、やっぱり見た目のインパクトとかには自信があるので。
__ 
それはきっと、森田さんが頭の中で考えている戦略の以上に、森田さんという身体がそう考えているのかなと。
森田 
ええと・・・?
__ 
現象としての森田さんが、そういう風に社会に影響を与えたいと思っている?
森田 
そうですね、でも理由は単純なんですよ。僕がそこに存在したという証を残したいんですね。まだ言葉でまとめられていないんですが。とにかく、プラスの方向に転がるような影響を与えられたらいいですね。
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本当は、プラスの方向がどこかに向いているかどうかより、その力そのものに興味がある?
森田 
・・・ありますね。

タグ: 子供鉅人 残したいという気持ち 自分は何で演劇を


子供鉅人2008年10月公演「電気女夢太る」

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今日は、宜しくお願い致します。
益山 
宜しくお願い致します。
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しかし、凄く良い雰囲気のお店ですね。
益山 
ボロいだけですけどね(笑う)。
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いえ、こういう感じ好きですよ。さて、前回公演の「電気女夢太る」。非常に面白い作品でした。
益山 
ありがとうございます。
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俳優の演技のスタイルや、演出や、音楽が一つにまとまって、面白く拝見できました。
益山 
ミュージシャンの方とも、仲の良い人たちとやれたんですよね。今回は初めての長尺のお芝居でしたが、それまでは習作の短いお芝居をライブハウスなどでやっていたんです。それの集大成としての作品でしたね。
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ええ、お芝居としても最後のカタルシスがきちんと演出されていて、終わった後に確かな見ごたえがありました。主人公のデブが、それまで周囲にはひた隠しにしていた電話を全員に掛けてハーメルンのバイオリン弾きよろしく電気町に連れていくという・・・。舞台となった町が洪水で流されてしまうという展開も良かったですね。
益山 
ちょっと、力技の落ちでした。
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良いシーンがいっぱいあった芝居でした。益山さんは、どのシーンがお気に入りですか?
益山 
僕ですか? 全てのシーンが好きですね(笑う)。まるで我が子のように。あえていえば、最後のシーン、オーラスの後に死体が結婚式を挙げるというのが。
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あそこはキレイでしたね。カーテンコールも起きましたし。そういえば気になっていたんですが、序盤で川に流れ着いた死体が動いたりしてましたよね。その死体がまたキレイな身なりをしていて。幻想的なお話だなと思っていたんですが、あれはどういった着想があったのでしょうか。
益山 
昔、私の実家の隣の川によく死体が流れてきたんですよ。それを膨らませて。
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あ、凄いですね。
益山 
子供の時下町に住んでいたんです。まあちょっと金持ちのあんまりいない、まあそういう空間だったんですよ。極貧じゃなかったんですけど、ちょっとさびれた。
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ええ。
益山 
デパートとか行くと、金持ちの空間が広がってる訳じゃないですか。何だかんだいって、世の中はそういう感じで分けられていくんだなと思ってたんですよ。
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それが作品の世界観のベースにあったんですね。王様が出てきたり。
益山 
身分制度が好きなんですね(笑う)。
子供鉅人2008年10月公演「電気女夢太る」
公演時期:2008年10月11~13日。会場:芸術創造館
カフェバー・ポコペン
益山さんの経営する谷町六丁目のカフェバー。

タグ: カーテンコール ユニークな作品あります 子供鉅人 世界観の作り込み