存在を許し合える場所

__ 
西尾さんがお芝居を始めたのはどんな経緯があったのでしょうか。
西尾 
中学校で演劇部に入ったんですけど、小学校から学芸会とか好きでしたね。中学校で鴻上尚史さんの「デジャ・ヴュ」をやっていて。意味は分からないけどカッコイイと思ったんですね。
__ 
鳥公園を立ち上げたのはどんな思いがあるのでしょうか。
西尾 
まず、なぜ「鳥公園」という名前にしたのかというと・・・私、二人で話をするのが好きなんですよ。3人以上だと難しいなあと。なんか、聞いていよう、と思っちゃうんですね。どうやったら3人以上の人数で、個のままで自由にいられるだろうと思ったら、それは公園かなあと思いまして。
__ 
ご自身にとって、公園という場所で対人関係の可能性がより開けそうだと思ったんですね?
西尾 
そうですね、公園には話している人もいれば散歩したりお昼寝している人もいるので。でも、みんなお互いが視野に入っている。だから場としてまとまりながらも自由な空間なんじゃないかと思うんです。
__ 
鳥は・・・?
西尾 
鳥はただ単に好きだからです(笑う)

タグ: 鴻上尚史 夜の共犯者 劇団=場所論 学芸会


カーテンコール

__ 
舞台に立っていて、どんな瞬間が好きですか?
小沢 
カーテンコールの時です。
__ 
なるほど! 昨日拝見した「エゴサーチ」のカーテンコールは、全員、何だか潔い感じがしましたが。
小沢 
本当ですか。でも、そんな感じになったのは最近だと思います。それも覚悟が付いたからじゃないかな。2時間の舞台を確実に面白いものにする。そういう意思を皆で確認するところから始まるんです。舞台が終わった時に、お客さんと一緒になって作り上げた結果がカーテンコールなので。感謝を込めたあの瞬間ですね。
__ 
私は初めて虚構の劇団という集団を拝見したのですが、大変強い集団力を感じました。ラストの流れるようなシーン展開は、全ての演技が整理されていて、全員で一つのセリフを喋っているぐらいの、キレイで見事な演劇だったんですよ。
小沢 
嬉しいです。
__ 
お客さんが、笑っているんだけど同時にすすり泣いているような人もいて。
小沢 
鴻上さんの作品の特長だと思うんですよ。人を救えるくらい大事な言葉をエネルギーを、鴻上さんの作品は持っていると思います。

タグ: 泣く観客 エネルギーを持つ戯曲 鴻上尚史


どんどん追い続けていると

__ 
さて、古野さんがお芝居を始めたのは。
古野 
高校二年生の時です。それまでバンドを組んでたんですけど、バンド仲間が関わっていた公演にノリで行って。鴻上尚史の「天使は瞳を閉じて」。それから演劇部に手伝いに行ってたんです。スタッフワークが楽しかったんですよね。セットを作ったりとか。
__ 
続けている理由は。
古野 
何というか、「ここまで出来た」っていう状態になっても、まだ分からない部分が出てくるところでしょうか。それをどんどん追い続けていると、辞めようにも辞められないんですね。ありがたい事に、大学に入ってから演劇をしていない時期はないですね。

タグ: 鴻上尚史 もう、辞めたい 自分は何で演劇を


vol.163 古野 陽大

フリー・その他。

2011/春
この人のインタビューページへ
古野

鵺的ミナモザ

__ 
今回の参加団体について。コンセプトが鴻上尚史の『トランス』で、テーマも恋愛でしたね。ミナモザ鵺的・MUというラインナップですが、これはどういうチョイスだっったんでしょうか?
ハセ 
非常にシンプルで、2009年に観た舞台のなかで面白い上に「シンパシーを感じた」のがこの2劇団だったんですよ。
__ 
なるほど。まず、鵺的はどのような。
ハセ 
鵺的主宰の高木登さんは、みんなが避けて通る暗いテーマを遠慮なく出すんですよね。演劇って笑いを使ってお客さんに寄っていくじゃないですか。暗い話でも同じく。鵺的はそういう事をしない、珍しく硬派な感じだったので。
__ 
そうなんですね。
ハセ 
次のミナモザですが、前回公演『エモーショナルレイバー』は2011年1月にシアタートラムで再演が決定しているくらい、傑作だったんです。でも今回はそれとは違う作風だったんですけど、それも挑戦かなと。この3団体は根底で通じていると思うんですよね。「ブラック」が前提にあるんだけど「大人」であることみたいな。酔ったり逃げたりしてない、自立してるブラックというか。

タグ: 演劇人同士の繋がり 鴻上尚史


「少人数でどこでも上演出来る物語」

__ 
今回のコンセプト「Re:trans」ですが、これはどうして。
ハセ 
鴻上さんの『トランス』ご覧になったことありますか?
__ 
やったことがあります。三蔵役で。
ハセ 
ははは。あ、そうなんですか。いいですね。やっぱ、演劇人ならだいたい『トランス』は通ってるんですよね。何の役やったかとか聴くと盛り上がるんですよ(笑)。ゼロ年代後半からポスト演劇が最先端になっていると思われているかもしれないけど、『トランス』みたいな「少人数でどこでも上演出来る物語」としてスタンダードになっているものを再提案しようっていう意識があったんですよね。ファッションのリヴァイバルと同じように。
__ 
なるほど。
ハセ 
で、僕の『無い光』に関していえば、『トランス』の3人のように愛されるキャラクターを確立したいと書いたものです。雅人、礼子、三蔵、のように。俳優なら、どの役かはやりたくなるような。だから脚本としてどんどん使ってもらえたらなと思っています。
__ 
それこそ、『トランス』のように。
ハセ 
ええ。関西の方で上演してくれたらうれしいですね。もちろん、ほかの2団体も同じ意思だと思うし。脚本ありますので、気軽にお問い合わせ頂ければ嬉しいです。

タグ: 鴻上尚史


土壌

イシゲ
まあ、でも個人的には京都の土壌を何とか出来たらなあと思っています。
___
私個人は、言い出したらキリがないのですが、これは確実に独特なものがあるなと思うんですが。色んな、才能のがある人がいて、文化圏というのか、ムードというのか、それはあると思うんですが、それを経済的な方面に結び付けられないか、という事でしょうか。
イシゲ
どうなんでしょうね(少し笑う)。まだちゃんと、考えられてはいないのですが。例えば、京都の芝居を見に来るお客さんのほとんどが同じ演劇人だという事実とか。こんな言い方は変ですが、一般の人がもっと足を運んでくれたらいいなあと。それが、結果としては一番欲しいものなんですけれども。
___
永遠のテーマですね。
イシゲ
テレビには勝てないですからね。
___
まあ、でも競合している訳でもないですからね。テレビと競合しているのはむしろネットだと思いますので。実は。でも、大半の人が夜7時からどちらに流れるかと言うと、テレビですからね。
イシゲ
簡単に言うとそういう事ですね。劇場に赴いて、例えば2000円払って、一時間半拘束される事に比べれば、家でテレビを見たほうが。
___
ただし、私がテレビに勝てるのは、生身の人間が観れるという事で、それはどうしても。
イシゲ
昔、鴻上とかの書いたものを読んでると、今の観客は想像力が無さ過ぎるとあって。演劇とは観客がいて初めて成立すると。それが難しくなっているのかな。

タグ: 鴻上尚史


テレビに向かう舞台人

__
ちょっと目線を変えまして。今後、お芝居や、それを続ける人達はどうなっていきますか。
齋藤
あー。
__
大雑把すぎる質問ですけれども。演劇のモードとか。
齋藤
何か、これは僕の中の感覚では、日本ではテレビとくっつかないと演劇人はご飯が食べれないというイメージが強いのではないかと。テレビに出るというだけで、月給並みのお金が貰えたりとか。舞台に出るだけだと、中々難しいものがありますね。だからどんどんテレビに向かってる気がしてて。ここ最近。ただ、それがだんだん二極化していて。
__
二極化。
齋藤
テレビに向かう舞台人と、テレビから離れて生きていく道を見つける舞台人が出てくるんじゃないかなあと。
__
テレビから離れて生きていく道を見つける舞台人。
齋藤
それは、例えばコンテンポラリーダンスの人達はテレビにくっつかずに自立をしている方がいるんですよ。田舎に住んで作品を作って都会に売りに来るという、ヨーロッパ的な発想で。あの流れに乗れる演劇人達も出てくるんじゃないかなと。純粋に舞台を極める人と、テレビと役者を兼業していく人に分かれるんじゃないかと。・・・という事をこないだ人に話したら、それは10年前くらいに鴻上さんがやった「リレイヤー」という芝居の最後のセリフでも同じような内容を言っていたらしくて。てことは、その頃から演劇人の間ではそういう考えが若干あったにも関わらず未だにテレビに向かっている、中々変わらない状況があるなと思いまして。でも、テレビでしか生きれない状況だと僕は寂しいなと思いまして。
__
そうですね。
齋藤
舞台でしか出来ない、舞台ならではの面白さがあるのに。そこに対して、もっとお金を払う人がいてもおかしくないのになあと。だから、何とかして自分達で演劇でお金を作るシステムを考えなければ、先がない。
__
はい。
齋藤
いつまでも、テレビからのお金で成り立たせようとしてるから、僕らは何か一生排他的な存在な訳で。コンテンポラリーの人達みたいに、自立する為の道を探そうと思ったら出来る訳で。

タグ: 鴻上尚史