お祖母ちゃんの光景

__ 
ikiwonomuでは、どんな作品作りをされているのでしょうか。
黒木 
その人の生い立ちなどを聞くのが凄く好きなんです。それをまず最初にばーっと聞いて書き残して、面白かったエピソードを、ちょっと反映します。でも、「かつての風景」に関しては、大体わたし自身の話です。ちょっとずつ、お客さんが楽しめるように再構成して。
__ 
例えば。
黒木 
ウチの陽気なお祖母ちゃんの話かな。結構前から認知症で、私たち家族の事も忘れていて、今は施設に入ってるんです。でもお爺ちゃんのお葬式に、出席せざるをえないじゃないですか。私たちにとってはお葬式はしめやかで静かなものなんですけど、お祖母ちゃんにとってはライブ会場のようで、お坊さんの頭が光っているのを笑ったり、数珠のふさふさで遊んだり。家族としては思う所もあるんですけど、同時に、面白いなあと思ったんです。
__ 
というと。
黒木 
お祖母ちゃんからは、その時のお葬式はどんな風に見えていたんやろうか、と。違う風景が見えていたのかもしれない、と。それを、形を変えて今回の作品に生かせたら・・・。
__ 
黒木さんが伝えたい風景。それは根本的に、家族から来ている?
黒木 
そうですね。何年か前に引っ越したんですけど、その時の母のワクワク感とか、父が少し寂しそうだったり。そういうのが何か、良いなあと。
__ 
なぜ、家族の事を伝えたいと思うのでしょうか。
黒木 
何ででしょうね。そもそも、何で作品を作ろうと思っているのかな。でも、作らんとと思っていて。今のところ、テーマが家族になってしまう。そこにちょっと共感してくれる人がいた時、嬉しいというか、そういうものを通してのつながりが何だか好きなんです。

タグ: 引っ越し 家族という題材 焦点を絞った作品づくり


fukuiiiiii企画「歪ハイツ」

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願い申し上げます。最近、衣笠さんはどんな感じでしょうか。
衣笠 
よろしくお願いします。最近は、大学の卒業前なので引っ越しの準備とかで忙しいです。
__ 
京都を出る準備ですね。後顧の憂いなく旅立ってほしいですね。
衣笠 
そうですね。もう会えない人もいるのかもしれないので、少し寂しいです。
__ 
衣笠さんは京都造形大なんですよね。大学での思い出を教えて下さい。
衣笠 
お芝居の勉強を4年間やってきて。色んな人たちと一つのモノを作るという事の大変さを毎回のように痛感していました。あまり、大学の外で遊んだりとかはほとんどありませんでしたね、海に行ったりとか。
__ 
そうなんですね。
衣笠 
でも、普通の大学生とはきっと違って、中身のある4年間だったと思います。作品製作の中で楽しい事を見つけたり、人間関係を作っていったりとか。
fukuiiiiii企画「歪ハイツ」
公演時期:2014/2/14~15。会場:元・立誠小学校。

タグ: 出立前夜 引っ越し


津あけぼの座スクエアクリエーション2 葉桜

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。
全員 
よろしくお願いします。
__ 
3月の「葉桜」を西陣で上演されるという事で。まずは、最近、どんな感じでしょうか。How are youという意味で。
鳴海 
実は私、去年の4月に三重に引っ越してきてまだ1年経ってないんです。初めての冬と年越しをしたんですけど、地元と景色が似ていて、東京にいた頃には味わえなかった懐かしさがありますね。
__ 
餅は何個食べられました?
鳴海 
私たちが去年新しくオープンさせた劇場がある美里地域で、ちょうど餅つきをイベントとしてやっている団体がありまして。そこにお邪魔して、動けなくなるぐらい餅を食べました。七升ぐらいついていたのかな。実は去年もそこにお邪魔してたんですけど。
__ 
冬は寒いですか?
鳴海 
寒いです。北海道は家の中があったかいから、そこは違いますね。寒いのは東京も同じでしたけど。
津あけぼの座
2006年10月の開館以降、演劇公演・トークカフェ「ZENCAFE」・ワークショップ事業など、客席数50席の小規模空間のメリットを最大限活かして活動をして参りました。2012年3月から、津市栄町に最大150席のスペース「津あけぼの座スクエア」を2つ目の劇場としてオープンいたしました。これまでの津あけぼの座で培った劇場運営のノウハウを活かし、アーティストにも来場いただくお客様にもご満足頂けるよう目指して参ります。人々が交流し、文化芸術を発信し、研究できるスペース。ワークショップやアウトリーチ活動を積極的に推進し、地域に住む方々に還元する劇場。そして、全国にもクオリティの高い文化芸術を発信できるスペースとなるべく運営してまいります。(公式サイトより抜粋)
第七劇場
1999年、演出家鳴海康平と数名の俳優によって創設。作品製作時以外には、日本人独特の身体性を発展させた俳優訓練を恒常的に行いながら、日本の古典芸能である「能」や「歌舞伎」の動きや、舞踏やコンテンポラリーダンスの要素を取り入れた作品を製作。TVや映画などの映像表現、「文学の演劇的発展」などとは異なる演劇独特の表現効果を追求する演劇を目指し作品を製作。また演劇に関する状況を研究・改善するための運動も行う。(公式サイトより)
津あけぼの座スクエアクリエーション2~「葉桜」を上演する~岸田國士「葉桜」~
公演時期・会場:2015/2/28~3/1(三重公演・津あけぼの座スクエア)、2015/3/7~8(京都公演・西陣ファクトリーGarden)。演出・舞台美術:鳴海康平。出演:広田ゆうみ(このしたやみ)、川田章子。

タグ: 日本人の美意識 境界を越える・会いに行く ハウアーユー? 餅は何個? 引っ越し


子供の頃から・・・

__ 
せんのさんはどちらのお生まれなんですか?
せん 
私、愛知県出身なんです。岐阜が近い地域の、何もない住宅地なんですけど。
__ 
子供の頃は、どんな子供でしたか。
せん 
自分でもよう分からんのですけど、インドア派でありながらも休み時間の間はごっつう落書きばっかりしてました。根暗な子みたいに。でも外で男の子に混じって遊んでたし。快活なインドア派かな?でも遊ぶ時は無茶苦茶遊ぶので怪我も多くて、親にも心配されました。
__ 
ああ、それで絵も上手なんですね。興味の向くところには躊躇なく行くみたいな?
せん 
ええ、今はこれやと思ったらそればっかり。かと思えば冷静になるんですけど。
__ 
ポールダンスをやり始めたのは?
せん 
名古屋で高校卒業後に働きに出てたんですけど、その時にポールダンス教室をたまたま見つけまして。その時にハマってしまいまして。何だこれは、面白いと。その時の先生が大阪に戻られる事になって、私もしばらく大阪に行ってレッスンを受けてたんです。そしたら先生から「それぐらいなら大阪に来たら」と。それで引っ越す事になったんです。大阪に来るからには何かしたい。ポールダンス以外にも個展をしたいなと。玉造に引っ越して、無料でやらせてもらえるギャラリーバーをたまたま見つけて、お話させて頂いたら夢が叶いまして。それと、月一でライブをされているそうで、私の絵が絵本形式になっている事もあって、紙芝居をさせてもらって。知り合いの女優さんである、渋谷めぐみさんに協力してもらって。
__ 
紙芝居をやりつつ、イベントの企画をし始めていたんですね。

タグ: 子供についてのイシュー 厳しいレッスン 引っ越し


東京へ

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。
山西 
よろしくお願いします。
__ 
最近、山西さんはどんな感じでしょうか。
山西 
元気にやってます。いろいろ終わってひとつの区切りを迎えて。
__ 
東京への引っ越しもありますしね。その直前ですね。
山西 
はい。向こうでの生活が始まる実感はまだあんまりないんですけど。
子供鉅人
2005年、代表の益山貴司、寛司兄弟を中心に結成。「子供鉅人」とは、「子供のようで鉅人、鉅人のようで子供」の略。音楽劇や会話劇など、いくつかの方法論を駆使し、世界に埋没している「物語」を発掘するフリースタイル演劇集団。路地奥のふる長屋を根城にし、演劇のダイナミズムに添いながら夢や恐怖をモチーフに、奔放に広がる幻視的イメージを舞台空間へ自由自在に紡ぎ上げる。また、いわゆる演劇畑に根を生やしている劇団とは異なり、劇場のみならずカフェ、ギャラリー、ライブハウスなどで上演、共演したりとボーダーレスな活動を通して、無節操に演劇の可能性を喰い散らかしている。(公式サイトより)

タグ: 出立前夜 最近どう? 引っ越し


次の土地の子供鉅人

__ 
苦労したシーンはありますか。
山西 
全体的な話になっちゃうんですけど、環境の変化がすごくて。暑かったり寒かったり、雨が降りそうだったり色んな部分が。緊張感が無くなってしまわないようにと思ってました。
__ 
緊張感という点なら、シーンごとの差はすごいですよね。役を演じる演技と、ツアー演劇のコンダクターの演技。
山西 
僕は劇団員になって初めての公演だったので、単純に演技する上で勉強になった部分が大きくて。でも、またそれとは違う、アドリブのツアーをしているときの演技は別の意味で面白くて。
__ 
子供鉅人の役者って、ふつうは出来ないような、特殊な経験をしているんだなあと思うんですよ。劇場はもちろん、町家で芝居をするし、ツアー演劇もテント演劇もコントも音楽もイベントもする。演技のスタイルも回によって大幅に違う(それはもちろん、舞台に合わせているという部分は強いけれども)。
山西 
そうですね。大事にしている部分は毎回同じで、お客さんを楽しませるというところに尽きていると思います。退屈な時間がないようにというか。
__ 
クルージング・アドベンチャー3。私は一瞬たりとも退屈しませんでしたね。たとえ船着き場が渋滞していても。お客さんを退屈させない為に次々と新しい展開をし続けているということがあるのかな。その彼らが東京に行く。これまで、大阪という土地と強い結びつきを持っていた彼らが東京に行く。それも新しい展開の始まりでしょうね。
山西 
すごく楽しみです。僕は入って間もないけれど、すぐに東京に引っ越しで。そこから時間をあけずに劇場での公演で。
__ 
激流に次ぐ激流ですね。環境が変わっても、子供鉅人と言う船をメンバーが強く心に持っている以上大丈夫だと思うんですよ。
山西 
ありがとうございます。

タグ: 『東京』 出立前夜 ちゃんと楽しませる 子供鉅人の街頭演劇アドベンチャー 引っ越し 土地の力 半野外劇 ツアー演劇の可能性


がっかりアバター「あくまのとなり。」

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。最近、松下さんはどんな感じでしょうか。
松下 
最近は稽古でいっぱいいっぱいです。本番2週間前なんです。
__ 
がっかりアバター次回公演「あくまのとなり。」の稽古、ですね。いっぱいいっぱい。これまでに経験した中で、一番いっぱいいっぱいになったのはどんな時ですか?
松下 
ウーン。けっこう毎回、いっぱいいっぱいになっちゃうんです。次はこういう事に気を付けようとメモを取ったりしてるんですけど、それでも焦燥感に駆られてしまいますね。
__ 
なるほどね。演劇を抜いたら?
松下 
引っ越します。実家に戻ります。同じ大阪なんですけど、お金や時間の面でがっかりアバターに掛けられるだけ掛けようと。次の公演終わったら速攻引っ越します。
がっかりアバター
結成2011年6月。主催の何とも言えない初期衝動からほぼ冗談のように結束。2011年6月vol.1『岡本太郎によろしく』2012年11月vol.2『啓蒙の果て、船降りる』(ウイングカップ2012受賞)2013年6月vol.3『俺ライドオン天使』(公式サイトより)
がっかりアバター「あくまのとなり。」
公演時期:2014/5/15~19。会場:シアトリカル應典院。

タグ: 出立前夜 いっぱいいっぱいになってしまう 引っ越し


東に

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
Q本 
私、6月に東京に引っ越すんですよ。レトルト内閣は辞めたくないので、公演期間だけは大阪に戻ってこようかなという感じなんですけど。でも、東京に行くんだし、せっかくだから向こうの舞台にも出てみたいんですよね。オーディションを受けていきたいですね。
__ 
たとえば、どんな劇団に出演したいなどはありますか?
Q本 
FUKAIPRODUCE羽衣さん。一度見に行って、とても面白かったので。
__ 
なるほど。面白いですよね。

タグ: どんな手段でもいいから続ける 引っ越し


本当に素敵なショーだったんです

__ 
トランク企画の前回のセッション、「LIFE」を拝見していて凄く楽しかったのが、演技が噛み合った瞬間なんです。同時に、きっと難しい事なんだろうなと思っていました。高杉さんと内田さんと真野さんのやった、捕まったゴキブリの話はとても良かったですね。
木村 
そう!本当に素敵でしたね。いいシーン、家に帰ってもプププって笑えるのがいいインプロだと思います。お互いすっごい協力して、周りのみんなもいつも協力しようとしていて。なちゅほ(浜田)さんが最後に言ったセリフもすごい良かったですよね。人間が彼らを見つけてしまって、彼らが上を見上げて終わる、みたいな。
__ 
素晴らしかったですよね。何だか、そう作られた演劇のように思えたんです。最後の山口茜さんの実家話から始まるショーなんて、本当にあの台本で数ヶ月稽古したもののように見えました。実家の町で乗っていた自転車が宇宙船と交信を始め、そこから、思い出というあやふや記録の情景が、インプロなのに調和をもって紡ぎだされて、他の俳優達の町の思い出も混ざり合いながら、引っ越しの日を迎えるという明確な物語がある稀有なショーでした。UrBANGUILDの店員さんも凄い拍手してましたよ。
木村 
ええっ、それは嬉しい。
__ 
即興でしか生まれない空気感があるんですよね、確かに。

タグ: 引き出し合う ファンタジー 舞台全体を見渡せる感覚 即興、インプロについて 引っ越し 反応し合う Urbanguild


渋家について

木皮 
いま、渋家(シブハウス)というプロジェクトをやっています。僕は運営しているメンバーなんですが、月2万7千円で40人ぐらいが出資して、毎月22日にパーティーする、知り合いの知り合いならいつでも誰でも来て良いというアートスポットです。
__ 
凄いですね。
木皮 
美大出身の人たちが始めたんですが、映像・演出・俳優・アイドル・ニート・ダンサー・デザイナーなどなどが一緒くたになっています。地下はクラブスペースになっています。
__ 
盛り上がりますね。美大のBOXみたいだ。寂しくなさそうでいいなあ。
木皮 
集団創作を同時にやったりしています。クラブカルチャーとして、渋谷PARCOの2.5Dでシブハウス5周年パーティーをやりました。
__ 
梁山泊みたいですね。
木皮 
そうなんですよ。
__ 
苦労はありますか?
木皮 
ありますけど、あんまり気にしていません。それよりも楽しいんですよ。最初はマンションの一室でどんどん人を入れていったらどうなるか?というプロジェクトから始まって、4回の引っ越しを経て今の形になりました。

タグ: 引っ越し


vol.320 木皮 成

フリー・その他。

2013/春
この人のインタビューページへ
木皮

FMシアター「呼吸する家」

__ 
清水さんは、最近はいかがでしょうか。
清水 
君ほほえめばのあと、「この木皿さんとのつながりが夢に終わらないといいなあー」って思ってたんですが、先日、6月のラジオドラマに出して下さる事になったんです。6月末に放送です。
__ 
そうなんですね!聞けるかな。
清水 
NHK-FMで、50分の作品らしいんですけど。6月29日に放送です。キャストは温水洋一さん、白石加代子さん、ケーシー高峰さん、と私です。
__ 
それは多分、土曜日の22時から放送される「FMシアター」ですね。
清水 
おお~詳しい。それが私の今の生きがいです。
__ 
その他、演劇とは関係ない方面では。
清水 
姉の結婚が決まって、東京に引っ越しまして。それに伴い、色んなものが送られてきたりしました。テレビとか、ローテーブルとか服とか。
__ 
一種、羨ましい話ですね。
清水 
私も上京するので、買わなくてラッキーです。
FMシアター「呼吸する家」
放送時期:2013年6月29日 22時~22時50分。放送局:NHK-FM放送。

タグ: 引っ越し ラジオドラマ 温水洋一


vol.298 清水 智子

フリー・その他。

2013/春
この人のインタビューページへ
清水

つづく

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか。
渡辺 
既成台本というか、古典の戯曲に挑戦してみたいですね。一度、東京国立劇場にオーディションを受けに行ったときに長台詞を読むというのがあったんですが、全然言えなくて。それと、引っ越しはするんですが、メインは変わらず京都のつもりです。飛び道具の公演は、確実に受付に立ってると思います。でも、その愛知の引っ越し先でも、演劇WSは行われるみたいなんですよね。
__ 
あ、そうなんですか。
渡辺 
まずはそこで、演劇未経験者を装ってWSを受けてみようと思います。

タグ: 出立前夜 結婚したら・・・ 引っ越し 今後の攻め方 マイペースの価値


劇団飛び道具「四人のショショ」

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願い致します。最近は渡辺さんは、どういう感じでしょうか。
渡辺 
飛び道具の公演「四人のショショ」が終わって、5月に愛知に行く準備をしています。
__ 
なるほど。
渡辺 
愛知に行くって言ったらみんな「名古屋に行くの?」って聞いてくるんですけどね。みんな、その地名を言ったら「どこ?」って。私の方が叫びたいぐらい知らない土地なんですよ。工業地域で、農業してて、でも海もある不思議な土地です。京都とあまりにもかけ離れていて、やんややんや文句を言ってました。
__ 
今でもまだ、喧嘩している?
渡辺 
いや、今はそんな土地があっても良かろうと。本拠地は京都で、長期出張に行くみたいな気持ちです。
劇団飛び道具
京都を拠点に活動する劇団。
四人のショショ
公演時期:2013/3/21~24。会場:スペース・イサン。

タグ: 出立前夜 引っ越し 土地の力


軽蔑というのは、最後の手段にしてほしい。/無数の眠った声

__ 
最後に。地域の演劇についてお考えを聞かせて頂きたく存じます。私は京都・大阪と住んで来てそれなりに経ち、さらに東京の演劇も面白く拝見するようになってから余計にそうした事を考えるようになったのですが・・・。
藤原 
まだ現時点で確実な答えは返せないんですけど、今後は東京もひとつの地域として見なしていくことになるかもしれないとは思ってます。日本経済が衰退してしまって、明らかに往年のパワーはもはや東京にはない。そのプレゼンスは相対化されざるをえないでしょう。ただ、俳優の演技力とか演出のセンスといった面においては、地方都市と東京とではまだ随分ひらきがあるのではないかとも感じます。京都はちょっと別格でしょうけどね。ただその格差に関しても、人が移動して循環していくことで、変わっていく可能性はあると思います。特に多田淳之介さん(キラリ☆ふじみ芸術監督/東京デスロック主宰)とか、いろんなものを伝播させていく力を持ってる人だと思う。あとこないだ岡崎藝術座の神里雄大くんが言ってたんですけど、もはや「国家」ではなくて「街」単位なんじゃないかと。韓国とか台湾ではなくて、ソウルとか台北なんだと。確かにそういう発想で、アジアの様々な拠点を結んでいったら面白いかなと思います。そういう発想も全然、夢物語ではない。現実の話です。僕は横浜に引っ越してきたけども、東京と横浜も明らかに違う。ここも少し離して考えてみたい。
__ 
距離的に離れてそれぞれの環境がある。
藤原 
それぞれの点はバラバラのままでいいと思うんです。むしろリージョナルな可能性をもっと追求してもいいのかもしれない。それぞれの土地のヴァナキュラーな言葉や記憶にアプローチしていくとか。僕が今横浜でやろうとしているのはおそらくそれです。例えばこの辺りで飲んでると、伊勢佐木町のメリーさんの話が会話の端にのぼったりする。記憶が色濃く残ってるわけですよね。そうやって足場を仮構しつつ、その上で、別の地域に移動して、点と点を結べばいいというか。
__ 
移動する。そうですね、集中する必要はないですね。首都の周りを周回する衛星都市など、存在しない。我々は色々なところに種を撒いていけばいいんですね。
藤原 
あるコミュニティに根ざして生きる人もいます。一方でデラシネとして移動する人もいる。堀江敏幸という作家が『おぱらばん』に書いていた随筆に、スナフキンはムーミンがいるからこそスナフキンでいられるのだ、とあって、なるほどと思いました。寅さんだって、柴又の家と人々があるからこそ寅さんを演じ続けることができる。どっちも必要な存在だと思います。よく、コミュニティの人間がデラシネやノマドを軽蔑し、逆もまた然りということがありますが、その違いは違いとして受け入れて、お互いに敬意をもって耳を傾けることはもっとできるはずだと思います。背景も立場も、やろうとしている事も違うけど、その違いによって相手を否定しているわけではない。自分に自信があれば、他人を軽蔑する必要もないと思います。対話したり、良い意味での喧嘩はあっていいけど、軽蔑は良くないんですよ。これは本当にこの場を借りてみなさんにもお願いしたい。軽蔑というのは、最後の手段にしてほしい。そんなに簡単に切ってはいけないカードだ。
__ 
軽蔑。相手を矮小化して自分の価値観を守ろうとする反応だと思っています。もちろん、間違っていると私も思います。でも大変なんだと思うんですよ。良く知らない相手に対して、窓を開け続けるという事は。それが出来る人というのは、物凄く頼り甲斐を感じますね。藤原さんの窓はかなり広そうな気がしますね。
藤原 
いや、僕はまったく聖人君子ではないですよ(笑)。ただ10代、20代とかなり生きるのが大変で、誇張ではなくて、自殺することばかり考えていたような時期もかなりありました。結局自分にその蛮勇がなかったことをありがたく思うしかない。とはいえ何度かピンチを切り抜けて来られたのは、他人のおかげなんです。それは自分でコントロールできるものではないと思うんですね。もちろん僕にも好き嫌いはありますけど、そう簡単に他人を拒絶できないと思った。誰がどこでどんな救いの手を差し伸べてくれるか、まったく予想外のことばかりが僕の人生には起きてきたんです。そういう意味では、自分で選んだことなんてそんなにないのかもしれない。自堕落な人間です。大抵の場合、いろんなものに巻き込まれて生きてきたから。でも下北沢で35年くらい「いーはとーぼ」という音楽喫茶を経営してきた今沢裕さんという変わった人がいるんですけど、この人が「必然性のないことはするな」と言っていて、最近その意味が少し分かってきたかなとも思います。必然性のないことはしたくない。できればずっと寝ていたい(笑)。代書人バートルビーの言葉を借りて言うならば、「せずにすめばありがたい」んです。でもたぶん、演劇を観て、それを何かしら言葉にしていく作業というのは、僕の中では必然性のある行為なんだと思います。少なくとも今のところはそうですね。あとやっぱり、人間の謎の部分に興味があるんですよねえ・・・・・・。例えば、今そこの歩道におばちゃんが立ってるでしょ?
__ 
いますね。
藤原 
あの人がどういう人生を歩んできたか、僕にはさっぱり分からないし、大抵の人とはそのまますれ違っていくじゃないですか。でも酒場ではそういう人と出会ってしまって、ちょっとここでは書けないような淫靡な話を聴いたりする。公の場にはなかなか出てこないような話というものがやっぱり世の中には眠っている。無数の眠った声。小説や戯曲には、もしかしたらそういう言葉が書かれうるかもしれない。やっぱりそのダークサイドにどうしても惹かれてしまうし、芸術に興味を持つのもそのせいかもしれません。
__ 
分からない何かを、みんな持っている。
藤原 
どんな人にも謎はあります。それを無視して、簡単に他人を軽蔑したりはできないって思います。
__ 
ええ。・・・あのおばちゃん、まだ立ってますね。

タグ: 引っ越し 相互承認 手段を選ばない演劇人 地方における演劇の厳しさ


時間感覚と『演劇最強論』の出版

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願いします。最近、藤原さんはいかがでしょうか。
藤原 
えっと、毎日、刺激的です。
__ 
毎日刺激を感じている生活というのは、ご自身にとっては良い状態でしょうか?
藤原 
うーん、たぶん。二十代の頃、本当に何もしてないニート同然の時期があったので、あの頃から比べると全然いいんじゃないかな・・・・・・。
__ 
日々、どんな刺激を受けるのでしょうか。
藤原 
例えばそこの駅前の立ち呑み屋に行って、他のお客さんから昔の話を聴いたりとか。この辺りは土地の力が強いんですよね。人の記憶が積み重なって歴史に連なっている。やっぱり面白いのは、人の話を聴くことかな・・・・・・。最近東京から横浜に引っ越してきたんですけど、東京のあの、膨大な情報を猛スピードでやりとりするモードにうんざりしていたという、厭戦気分もあります。だからここに生きてる人たちの話を聴いてると、少し精神がまともになれる気がしますね。で、今は観劇予定がない日は横浜に引きこもって、昼間は編集や執筆の仕事をして、夜は飲むという。徳永京子さんとの共著で『演劇最強論』(飛鳥新社)という本を出版することもありまして。少し遅れてますけど、もうじき刊行できますので楽しみに待っていてください。
__ 
つまり、情報に触れる機会をご自分でコントロール出来ているという事ですね。
藤原 
あえて切断するということですかね。便利さや流暢さといったものから身を引き剥がしたくなった。僕自身の年齢や志向性がそうさせるのもありますけど、近年の演劇界のスピードもちょっと早すぎたんじゃないかなという思いがあります。もう少し、作り手も観客も落ち着いて観たり、聴いたり、考えたりをしてもいいんじゃないかと。もちろんたくさんの作品を浴びるように観まくるのも大事なんですけど、ひとつの作品を反芻することによって生まれてくる言葉や感覚もあるんじゃないか。そこは僕自身、反省するところも少しあります。例えばtwitterに舞台の感想をすぐさま書く。その瞬発力は自分の強みだとも思うし、それがなければいろんな仕事の依頼が来ることもなかったと思います。だけどそれが、今の演劇界の短期決戦の狂騒的な雰囲気に荷担することにもなってしまったかもしれない。だからあえて、ゆるめる。遅れさせる。僕ひとりがそうしたところで大した意味はないですけど、バタフライ効果的にその「遅延」がゆっくりひろがっていけばいいな、という気持ちはあります。何かをやるにしても、最低でも3年、できれば5年くらいのスパンで考えたい。そのくらいの時間感覚で初めて見えてくるものもある気が、今はしています。
演劇最強論
徳永京子 (著)。藤原ちから (著)。飛鳥新社。

タグ: 引っ越し 土地の力 反省Lv.3


もうスーパー素敵

吉川 
東京に引っ越しして、今で半年ぐらいです。東京の面白いお芝居にいっぱい出会いました。あ、でも私、京都のお芝居が好きやなっていうのも凄く思いました。
__ 
というと。
吉川 
何かね、立て続けに、東京公演してる京都のお芝居をとととーって続けて観た時があったんです。それが全部面白かったからあっさりそう思いました。好みなんだ!って。それでその後、5月のGWにヨーロッパ企画さん、6月の悪い芝居って続けて京都にいるから特に熱が今。ふふ、ヨーロッパ企画さんのハイタウン2012も凄いフェスでした。最高おもしろ先輩の集団なんやなぁって恐かったです。面白すぎて。あと、自分が出演させてもらったコメディ実験室っていうプログラムの、全部のタイトルが「●●コメディ」って付けてあって格好良かったな。武士みたいで。
__ 
私、吉川さんの出ている芝居のプログラムだけ見逃したんですよ。他のプログラムを拝見しましたが、面白かったですよね。東京ではどんな芝居をご覧になりましたか?
吉川 
特別印象に残ってるのは、井上ひさしさん作・長塚圭史さん演出の「11ぴきのネコ」。もうスーパー素敵だった!興奮しすぎて、何か、もう、放心でした。
__ 
興奮しましたか。
吉川 
しましたー。こんな事が出来るようになりたいって、目標が出来た。
ヨーロッパ企画
98年、同志社大学演劇サークル「同志社小劇場」内において上田、諏訪、永野によりユニット結成。00年、独立。「劇団」の枠にとらわれない活動方針で、京都を拠点に全国でフットワーク軽く活動中。(公式サイトより)

タグ: 引っ越し 実験と作品の価値


vol.247 吉川 莉早

フリー・その他。

2012/春
この人のインタビューページへ
吉川

こっ恥ずかしいという感覚

__ 
では、これからの目標は。
大塚 
ああー、ぱっとは答えられないですね・・・僕はフラフラしてるから。目標というか、これはもうキッカケを伺っているんですが、東京には行きたいですね。引っ越す分にはいつでも行けるんですが。
__ 
なるほど。
大塚 
こっちで頂いているレギュラーの仕事が落ち着いて、向こうでも安定したレギュラーの仕事が頂ければ、活動の場を移せるんじゃないかなと思います。目標というか、これはやらなきゃいけない事だと思っているんですけど。
__ 
これまでのインタビューで、東京に行きたいと仰った方は初めてかもしれません。
大塚 
もっとみなさん、ビジョンが明確なんですかね。
__ 
もしかしたら、最近、東京に行くというのはあえて選ばない人が多いのかもしれませんね。
大塚 
それはあるかもしれませんね。確かに、今更東京行くの?とか言われますし。若干、こっ恥ずかしいという感覚は、正直あると思います。
__ 
本当は全然、そんな事ないのにね。
大塚 
みなさん、夢の一つの通過点として、東京というのはあると思うんです。東京公演とか。僕の場合はフラフラし過ぎているので、分かりやすい道しるべとして言ってますね。
__ 
いえ、良いと思います。大塚さんの場合は、「大阪で名を上げつつある俳優が来た」という事で興味を引くと思います。それで舞台を見に行ったら、確かに大阪の俳優だ!みたいな。地方によって俳優の身体って、味わいが違う感じがしますからね。
大塚 
あ、それはあると思いますよ。というのは、大阪ってやっぱり東京ほど広くはないんですよね?その分評判の高い劇団には他のカンパニーの人間が結構な割合で行くんですね。その頻度は、確かに東京よりは高いと思います。
__ 
そうですね。
大塚 
きっと皆さん「あいつらより俺の方が面白いやんけ」って思いながらも、どこかしら、演技の端々に影響が出るんですね。知らず知らずにやってるんです。そういうところから、地域によっての味が出てくるんだと思いますよ。
__ 
願わくば、それが加速していくといいなと思いますね。

タグ: 出立前夜 引っ越し


ハートウォーミングパニック会話劇

__ 
岡部さんは、いつ頃から脚本を書き始めたんですか?
岡部 
小学校、中学校の時にみんなでマンガを書いて回し読みしてたのが最初だったんですよ。今読むとありえない、例えば転校初日に遅刻した女の子が男の子とぶつかるみたいな。
__ 
ああ、よくある感じの。今見るとシュール系ギャグになるんですかね。
岡部 
その頃からお話を作るのは好きだったんですね。中学は演劇部だったんですけど、高校からは放送部で。そこでラジオドラマのコンクール用の作品を作ったりしてました。
__ 
ああ、いいですねそういうの。どんな作品を。
岡部 
高校なんで、道徳的なお話だったんですね。ラストに主人公が選択を迫られて、「私は・・・」って終わる感じの。
__ 
含みを持たせて終わるみたいな。
岡部 
その頃からそういう傾向がありましたね。
__ 
何か、影響を受けた作品というのはありますか?
岡部 
当時バリバリ出てきてた三谷幸喜さんが好きでよく見てたんですよ。
__ 
ああ、あれは面白いですよね。
岡部 
面白かったですよね。その時気づいたのが、あれはレストランの中だけで話が進んでいたんですよ。他のドラマだと、ある人が会社ちってその帰りに何か起こって、という。これは凄いなって思ったんですね。
__ 
確かに、画期的ですよね。そういえば「引っ越しのススメ」もそういう形式でしたが、言わば影響を受けたと。
岡部 
私の書くジャンルもシチュエーションコメディと言えばそうなんですけど、ちょっとおこがましいなあと。で、企画書を作る時に劇団の先輩が「ハートウォーミングパニック会話劇」と付けてくれました(笑う)。
三谷幸喜さん
劇作家、脚本家、映画監督。
「王様のレストラン」
1995年、フジテレビ。全11回。

タグ: 三谷幸喜 引っ越し ラジオドラマ TVドラマの話題


「そういえば、私にも」を

__ 
今回の「引っ越しのススメ」。大きく言うと登場人物がみんな素直になっていくという流れだったと思うんですけど、やっぱりいいなあと思ったんですよね。ハートフルというか。そこで伺いたいのですが、岡部さんは空晴の作品を通して、どんな事を表現されたいのでしょうか。
岡部 
非日常やスペクタクルなものを見せているつもりはないんです。どこかの部分で、「そういえば、私にもそんな人がいた」と共感してもらえる。そういうことを大事にしています。
__ 
共感というと。
岡部 
ウチの芝居では、よく舞台上には出てきていない人の話をする事が多いんですよ。今回で言うと、西さんという女性の。
__ 
ええ、マドンナ役ですよね。
岡部 
他の作品だと、買い物に行ったまま帰ってこない両親とか。そういう、今はいない人達を語ると、舞台上に出てくるよりも想像が広がるんですよ。それで、観ている人にも誰かの事を思い出して貰えたらいいですね。
__ 
あ、それ私もなりました。家族の事を思い出しました。
岡部 
観て頂いた方それぞれにとっての、ある人の顔を思い出すという。それがいいんじゃないかなと思います。「実家の母に電話したくなりました」とか、アンケートに書かれていると嬉しいです。

タグ: 非日常の演出 引っ越し その題材を通して描きたい


空晴第三回公演「引っ越しのススメ」

__ 
先日の精華演劇祭での「引っ越しのススメ」、大変面白く拝見しました。
岡部 
ありがとうございます。ところで、どんな理由で来て頂けたんでしょうか?
__ 
実は以前から、岡部さんの客演を拝見する機会がありまして。そこで空晴の存在を知ったんですね。クロムモリブデンの板橋さんも出るし、もうこれは行くしかないと。
岡部 
何かね、板橋君の知り合いからは「彼の普通の芝居が見れた」って感想が多かったんですよ。
__ 
あの人はなんて言うか、キワモノの役が大変にハマりますからね。
岡部 
私も、板橋君の芝居を見たのはおじいちゃん役ばっかりだったんです。でも、人間としての彼が好きなんですよ。それで今回出演して頂きました。
__ 
そうだったんですね。今回はご本人の人柄の良さが出ていました。かえって斬新だなあと。
空晴第三回公演「引っ越しのススメ」
精華演劇祭vol.11・第19回下北沢演劇祭参加作品。会場:大阪-精華小劇場、東京-OFF・OFFシアター。公演時期:大阪-2008年12月18日(木)~23日(火・祝)、東京-2009年2月3日(火)~8日(日)。リーディング公演「一番の誕生日!」との二本立て。
クロムモリブデン
主宰・青木秀樹氏。1989年、大阪芸術大学映像学科を卒業した青木秀樹を中心に、同大学の学生らを主要メンバーに結成。積み上げてきた独自のスタイルを基盤としながらも、ポップさを前面に押し出したコメディ色の強い作品を制作。(公式サイトより)
板橋さん
俳優。2007年、クロムモリブデンに入団。鋭い眼光が印象的な、キレのある演技。

タグ: 俳優自体の人間力 引っ越し