言葉にするとそこでそれが固定されてしまう気がして恐怖症

高山 
本当に僕はお芝居において、自分の考えを言葉にするのが下手で。考えるよりは感じる事を大事にしているんだと思うんですが、例えば演出家に「いま、どうだった」と言われても、何か・・・
__ 
ええ。
高山 
困ってしまうというか。お芝居って矛盾する事を同時に進めないといけなかったりするじゃないですか。考えない演技を考えてする、とか。そこを言語化するのが本当に難しくて。twitterとかで、自分の演劇に対する考えを書く人がいますけど、考えが固定されてしまう気がして。この言葉に出来ないふわふわしたものが、割と今の自分にとって大切なものであるというか。
__ 
なるほど。
高山 
自分の考えを言葉に出来ないことに対して、悩んでますね。
__ 
演技を実践するというのは凄く大切ですけど、感覚を言葉に分解する試みも、また一つの実践だと思っています。評論する事で整理される情報はあり、もちろんそこで無くなってしまう情報もあるんですけどその勇気を持つのも、前に進む為の力になるかもしれないですよね。

タグ: わたしとわたしの矛盾 言葉以前のものを手がかりに


vol.400 高山 涼

フリー・その他。

2015/春
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高山

ファンタジーの不可解さって

__ 
作家としても幅を広げている野村さん。どんな作品を書きたいのですか?
野村 
何かあるんですかね。この前もテノヒラサイズさんで短編集のうちの一本を書かせて頂いたんです。ドキュメンタリーシリーズという事で、普段自分が思っている事を書いたんですよ。というか、どんな作家さんでも同じだと思うんですけど、自分が思っている事しか書けないものなんですよね。僕は普段、インドア派なんですけど、もうちょっと余所に出ていって、事件に巻き込まれなきゃならんなと。書ける範囲が限られてるな、とは、ね、思っています。
__ 
領域を広げる、という事ですね。
野村 
でも、ファンタジーの書き方にも興味があるんですよ。ファンタジーの中に生身の人間を置くやり方、とか・・・
__ 
ありえないファンタジーの世界や人物に、さらに訳の分からない事をしてもらう事で、自分の影の部分を投影しようとする、とかかもしれませんね。そこには現実の不合理さも流れ込んでいるのかもしれない。それで解消するような部分はあるかもしれない。だから、ファンタジーの住人には全然理解出来ない行動をとってもらいたいですね。
野村 
ああ、なるほど。
__ 
魔王とかにはもっと不可解であってほしいかな。
野村 
面白い事を聞きました。なるほど!書いてると気持ち悪くなるんですよね・・・矛盾を矛盾と思わなくなっていくのが大人やと思うんですけど、矛盾過ぎると気持ち悪くなって、途中で筋を通したくなってしまうんですよね。これで芝居をやっていけるんだろうか。
__ 
いやあ、これからどんどん、表現は色々な面から切り詰められていっていくような気がするので。遊びと余裕のある表現を大切にしてもらいたいです。ワガママかもしれないですけど。

タグ: ドキュメンタリー 訳の分からないボールの話 ファンタジー 事件性のある俳優 わたしとわたしの矛盾


作家としての作道さんが

作道 
僕は、誰かとだらだら喋っているとすごく気分が癒されているように感じるんですね。それは脳が喜んでいるからだと思うんです。にも関わらず、そういう会話を見るのは苦痛なんですよ。矛盾しているんですけど。
__ 
おお。
作道 
基本的にすっきりとした作りの作品の方が好きで、人が悩んでいる姿を長い間見ていると、もっと端的に見せてくれればいいのにとか思ってしまうんですね。自分がそうであるがゆえに見たくないのかも。それが、僕の作家としての今の悩みですね。自分が作りたいものと見たいものの間にズレがあるんです。登場人物をどれだけ悩ませたり苦境に立たせたら嘘じゃなく感情移入出来るのか。
__ 
抑制させるというところなのかな。
作道 
そのいい塩梅を見極めて、見てても書いていても、共感しやすい登場人物を作り出す、というのが書き手としての課題だと思います。

タグ: わたしとわたしの矛盾 作家としての課題


「人格を消費する」

__ 
今回の最初のシーン、戦隊モノから入っていきましたね。もうこれはエンターテイメントであると宣言してくれていたような気がして、それを最後まで裏切らずいてくれて。俳優も全員面白かったです。まず伺いたいんですが、お客さんにどう感じてもらいたいですか?
福谷 
どう感じてもらいたいんかな・・・さっき言った事と矛盾してしまうんですけど、事実ではないと言いながらもやっぱり僕の作家性みたいなものは完全に入っているので、スタート地点は真実だったりもすると思うんですよ。スパイク・ジョーンズが好きなんですが、彼の映画には監督の苦悩が露骨に作品に出てきてるんですよ。僕はそれを見せ物として楽しんでもらいたいんですね。
__ 
苦悩?
福谷 
いじめられている俺を見て笑ってくれ、という気持ちですね。お客さんに対して。
__ 
それはつまり、自分に同調してもらいたいと思っている?自分をネタにして面白がってもらいたい?
福谷 
そうそう、そうですね。
__ 
それを面白いと思うようになったのはどこからですか?
福谷 
うーん、割と昔から、かな。作り込んだものよりも、ハプニングの方が面白いみたいな感覚ってあるじゃないですか。僕らのやっている事はそれではないですけど、僕の想像力なんて乏しいので・・・一番身近にある僕というコンテンツを消費してくれというスタンスですね。
__ 
なるほど。そういう企みに我々は見事に引っかかり、次も楽しみにしてしまうんでしょうね。その性向は、福谷さんにどのようにして備わったのでしょうか。
福谷 
僕、元々お笑い芸人になりたかったんです。小学生から高校までそう思ってたんです。全盛期から今でも好きなのがロンドンハーツなんですが、あれはものすごく人格を消費する笑いで、僕はそうなりたくないから止めた一方で、でもそれがあるんだろうなと思いますね。
__ 
ロンドンハーツ、面白いですよね。あれは普通の雛壇番組とは全然違って、そこにいる人達の関係性を駆使した笑いと、さらに尊厳を蹂躙する事で生まれる快楽。
福谷 
それはもう人気番組ですからね。みんな、それを求めてるんだろうなと。

タグ: 僕を消費してくれ 書いてみたいと思った わたしとわたしの矛盾 新しいエンターテイメント 関係性が作品に結実する 単純に、楽しませたい


匿名の矛盾

__ 
福谷さんが演劇を始めたのはどんな経緯が。
福谷 
僕は近畿大学の舞台芸術専攻に入ったのがキッカケですね。
__ 
なぜ近大に入学されましたか。
福谷 
本当は東京の日大に行きたかったんですけど、経済的事情もあって。入るなら、ツブシの利く総合大学かなと思って。
__ 
旗揚げしたのはどんな経緯が。
福谷 
大学入って2年の頃。授業以外で自分の公演が出来るんですよ。2012年6月が旗揚げですね。
__ 
そのころからメタフィクションだったんですか?
福谷 
旗揚げ公演が今回の作品みたいな感じでした。で、その一つ前のスタッフワークを中心に学ぶ公演のメンバーが、ほとんど今のメンバーなんです。東以外。カフカの「変身」を上演する劇団のバックステージもので、それも入れ子構造でぐっちゃぐちゃの作品でした。
__ 
なるほど。匿名劇壇では、今後どういう事をやっていこうと思っていますか?
福谷 
ちょっと前の「ポリアモリー」を作っていた頃は、まっとうな物語演劇を作ろうと思ってたんです。今はちょっと違って、例えば劇団の劇団性みたいなのが観客に事前知識として必要なのと同様、今回の作品は、僕が匿名劇壇の主宰であるという知識があって見た方が絶対面白いと思うんですね。劇団としてはそこをやりたいと思います。誰かが劇団を辞めたらその辞めた性が重要になってくる。そんな感じ。
__ 
何故そうしたい?
福谷 
それが自分で面白いと思ってるから、ですね。演劇の何が一番面白いというかというと、生である、という事ですよね。それも、裏側込みの生。踊る大捜査線でも、ギバちゃんと織田さんが一緒に出ているシーンに、含みをもった面白さがあるんですよ。みんな、そういう部分はあると思っていて、僕らをそういうふうに消費してほしいですね。
__ 
スキャンダラスさを含んだ、ね。初めての人でも面白い内輪ネタが出来るようになってほしいですね。
福谷 
そうですね、それは素晴らしいですね。
__ 
いつか、どんな作品が書きたいですか?
福谷 
やっぱり、外に出ても引きずれる作品。寺山修司の街頭劇のような、劇場の外に出ても芝居が続いているような、そんな芝居が作れたらと思います。
__ 
なるほど。
福谷 
事実と思われたくないと言ってる一方、客だしの時の僕らを見る目がちょっとおかしくなっている事が望ましいです。それがずっと引きずっているいるような。矛盾してますね、メタって。
__ 
パンフに、開場中は他の劇団のチラシは見ないで僕らの事だけを考えてほしい、みたいに書いてますね。
福谷 
そうですね。自己顕示欲というか。例えば芝居に人を殺した役が出てきたとして、「本当に殺してるんじゃないの?」と思わせたら勝ちですね。
__ 
なるほど。
福谷 
ポリアモリーの前にやったjerkという芝居で、劇団員との話をこっそり録音したテープを元に作った芝居を作ったんですよ。という体で実は全くの創作なんですよ僕の。
__ 
ええっ。
福谷 
それを、実際に録音したと思われたいです。
__ 
そういう福谷さんの、言葉は悪いですがかまってちゃん性に共感します。自分達を消費してほしいとか、ちょっと現代的な気がする・・・そんな言葉で表して良いのかわからないですけど、異質な感じがする。
福谷 
そうですね、自己満足には陥りたくないと絶対に思いますね。あくまで見せ物ですし、エンターテイメントですから。

タグ: 「初めて芝居を見たお客さん」 フランツ・カフカ 内輪ウケの・・・ わたしとわたしの矛盾 新しいエンターテイメント


そこにしかない自由さ

__ 
IN SITUでやってきた事を伺ってきましたが、では、IN SITUでしか出来ない事が伺えたらと思います。いかがでしょうか。
大石 
一つは自由度の高さなのかな。芝居に対する切り込みの角度というか。僕は作家ではないので、そういう自由さはあると思います。
__ 
大石さんにとって、魅力的な俳優とは。
大石 
自分の良さを分かっている人は見ていて気持ちいいですね。それから、言葉に対して誠実な人。おざなりに台詞を言ってしまうのではなく、テクストを理解して構成立ててくる。そういう人の台詞は濁り無くすっと入ってくる気がします。あと、がむしゃらな人。矛盾してるかもしれませんけど、演劇に命を掛けて、自分の生活に影響が出るくらい、役と自分が同化していく人には憧れますね。僕は絶対、そういう事が出来ないので。

タグ: 役をつかむ 「異なる角度から」 わたしとわたしの矛盾


オペレーターの失敗

___ 
あるシーンでの照明が、本当にそのプランが最も妥当なのか?というのは観客からはわからないんじゃないかな、と。別に地明かりでも影響ないんじゃないか。そういう事を考えたとき、その光が代替可能ではない、つまり貴重な、それだけで傑作に値する、そんな照明を作るにはどうすれば良いのでしょうか。
ツォウ 
一つ言えるのは、照明プランナーの考え方としては、お客さんに気付かれないのがいい明かりと言えるんですよね。「いい明かりだな」と思われると、その瞬間、舞台の役者さんや作品から、お客さんを持っていってしまうんじゃないかというのがあって。「役者さんがきれい・かっこ良い」と思われてほしいですね。その辺はオペレーターの腕にも掛かっていると思いますね。
___ 
なるほど。
ツォウ 
矛盾しているんですよね。プランナーとしてはやっぱり「キレイだな」と思ってもらいたいし、オペレーターとしては光をキレイだと思われてしまったらある意味失敗だし。

タグ: 傑作の定義 わたしとわたしの矛盾


積み上げる

__ 
いつか、どんな演技が出来るようにしたいですか?
鈴木 
難しいなあ。でも、喋ってるだけで面白いような、間の取り方が面白いとか、いるだけで空気が生まれるような。「あの人、喋るだけで面白い」と思われるようになりたいです。それだけでほころぶような。私、まだ必死でセリフを覚えて喋っているだけなんです。覚えたらそれを必死で喋るだけみたいな感じで。まだちょっとそういう所があって、そこはまだ自分で破りきれていないですね。
__ 
いつか破れるでしょうか。
鈴木 
さっき言った事とは矛盾するんですけど、自分の中の引き出しを増やせば無理矢理キャラを作らなくてもいいのかもしれない。自分の中にある独自の何かに行けるのかなあと思うんですけど。
__ 
生田朗子さんみたいな。
鈴木 
そうなんですよ。生田さん凄いですよね。あんな人になれたらいいのに。筋肉少女の時に強く思いました。あんなに凄くて面白いのに、率先してバラし作業を手伝ってくださったり、年上であって経験も長いのに常に周りを気にかけておられて。芸を磨くだけじゃなくて、スレたりせずに、いつでも気を遣える人間性を高めるんだって。
__ 
そうなるためにはきっと努力が必要なんだと思う。努力を積み上げたら、それが余裕になるんだと思う。続けていたら、いつかそうなれるんじゃないかなと思いますよ。ただ、積み上げるのが物凄く難しいですよね。でも、自分のためのノートを付けられる鈴木さんなら、それはきっと・・・

タグ: いつか、こんな演技が出来たら いつか、あの人と わたしとわたしの矛盾 セリフを吐き捨てるように発する


vol.318 鈴木 ちひろ

フリー・その他。

2013/春
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鈴木

恥ずかしくて美しいもの

__ 
劇団しようよ「アンネの日記だけでは」。今はどんな稽古を。
小林 
このところはとても劇団しようよらしい稽古というか。脚本・演出家の大原さんが悩む時期らしいです。俳優サイドと相談しながら色んな演出を試しています。稽古場で作ったモノが成立してるのかどうか探っていて、こんな土台を作りながらやってたんだって。結構新鮮で面白いです。
__ 
一番楽しい時期のようですね。
小林 
月面クロワッサンの西村さんと森さんが本番前で稽古場にいないので、色々試して遊んでる感じです。
__ 
どんな作品になるのでしょうか。
小林 
ほとんど、核の部分は出来てるみたいです。でも、その台本を上演したい訳じゃないとも仰ってて。どんな作品になるんだろう・・・?ええと、大原さんの文章、私は凄く好きで。結構恥ずかしい感じの事を書いてくれるじゃないですか。それをマジメにやったら、すごく見てるとこう、恥ずかしいけどキレイな感じ(もしかしたらそういうものを作りたいんじゃないかもしれないですけど)。バランスよく、作品に出来たらいいと思います。女性ばかりだし、KAIKAという劇場も普通の場所じゃないので、いい意味で劇団しようよ的なものにならないんじゃないかなと思います。
__ 
つまり小林さんは、恥ずかしくて美しいものを欲しいと。
小林 
あの、そういうものを好きな自分が嫌いなんですよ。自分めちゃ子供やなと思う部分を隠そうと思って生きているんですが、全く隠れてないんですが、そういう自分の嫌いな部分をくすぐるのが大原さんの文章と作品なんです。大原さんにも言ったんですが、あんまりかなという印象を受けた作品でも、でもホンマは「私、こういうの好きやな」と。そういう複雑な気持ちはあって。スーホの時も、女性ばかりの芝居を大原さんがしたらどうなるんかなと思って。
__ 
ユニット美人のような。
小林 
そうですね、女性が演出を付けた女性というものと、男性が演出を付ける女性ってこんなにも違うんだなと。結構それが衝撃で。それでまた、大原さんも独特な女性観を持っているので。そこに興味を持ちました。それからしばらくして、大原さんから「女性ばかりの芝居をしようと思ってるんですが」って。ああ、出ます!と。

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vol.310 小林 由実

フリー・その他。

2013/春
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小林

__ 
格闘の本番と舞台の本番。共通する事を感じた経験はありますか。
嵯峨 
本番の舞台では誰も助けてくれない。それを強く意識します。演劇的な見せ方への意識って、武道の演武で生きるんですよ。見栄を張るやり方ですとか目線であるとか、発声であるとか。同時に、武道で培ったものが舞台で生きる事は多いですね。ピンと背筋を張った立ち方であるとか、立ち幅とか、相手との間合いの違和感を感じるかどうか。
__ 
違和感?
嵯峨 
手の届く距離に相手がいること。それを本番でも意識する事で、緊張感をもって演技することが出来ます。そして、目線の使い方です。「のるてちゃん」を東京でやった時、ゲストに来ていただいた藤本由香里先生に「あなた本物っぽい!」って言われて。警察官僚ってそういう風に立っているのよ、って。研究したから、というのもありますが。武道をやっているかどうかは結構伝わるみたいです。
__ 
武道をやっている人の立ち方、目線が生きるんですね。
嵯峨 
背筋に力を入れた緊張しっぱなしの立ち方だと疲れてしまうし、リラックスし過ぎでも良くないんですよね。空手の有名な先生の話で、海外で強盗に出くわした時はさっと用意しておいた20ドル札を渡すんですって。そりゃ強盗を空手で制圧する事は簡単なんですけど、その後の面倒臭さを考えると、被害を避ける為の一番の方法はそうすることだそうです。海外だと特に。それも一つの武なんですよね。「武」とは、争いを避ける事ですから。技術を使って相手を制圧するのは意外と最後の最後なんですよ。
__ 
備えているという事ですね。
嵯峨 
絡まれた時も、落ち着かせて話を聞く事とかね。実のところ、絡まれて腕を掴まれても、ちょっと習った位では振りほどくための技なんて出ないんですよ。訓練して訓練して、指導員クラスの人でようやく出るくらいなんですよね。さらに、矛盾するようですけど、道場で教えられた護身術はみだりに使ってはいけないんです。中国拳法の世界でもそうですけど、手が出るのはラスト。今日で人生がちょっと変わってもしゃあないな、という覚悟が出来た時だけなんですね。空手はとても危ない事を学ぶんです。だからこそ、正しい心を持たないといけないんです。

タグ: 印象的な特徴「目」 わたしとわたしの矛盾 本音の価値


配剤

__ 
野木さんがお芝居を始めたのはどういうところからでしょうか。
野木 
中学生で、クラスの学芸会で演劇をやったのが最初です。オペラ座の怪人を劇団四季で見たかったのにお小遣いでは見れなくて、なら自分でやろうと。何でそう思ったのかは分かりませんけど。
__ 
見れないなら自分でやる。
野木 
訳わかんないですね(笑う)。みんな分からないながらもはいはいと付き合ってくれて、上演までいきました。
__ 
パラドックス定数」の旗揚げは、大学在学中ですよね。
野木 
はい。戯曲を上演したかったというのもあるんですが、実は日本大学の演劇学科で、周りがポコポコ旗揚げしていて、それに押されて・・・「一番早く潰れる劇団」と噂されていました(笑う)。
__ 
劇団名の由来を教えて下さい。
野木 
旗揚公演に、アインシュタインを題材に選んだんですよ。「神はサイコロを振らない」という。彼の脳がスライスされて、世界中の科学者が保持していて、彼が蘇って探しにいく話。で、ぴあにチケットを預けようと電話した時に団体名を聞かれて。その時、なんと何も考えていなくて、手近にあった資料の本を二冊くらい探って、目にした単語を並べたんですね。「パラドックス」と「定数」って。
__ 
面白いですね。
野木 
後から、「パラドックス」=矛盾、「定数」が固まった数概念という。それすらも矛盾したネーミングという事で、面白がって下さる方もいらして・・・。
__ 
神の配剤的な決まり方ですね。
野木 
そうですかね(笑う)。それから、ネーミングを変えずにここまできました。
__ 
プログラミングだと、コードの最初で宣言する変数で、プログラムの中で何度も呼ばれるものを定数と呼びます。「パラドックス定数」は社会の中にあって、常に矛盾を提起する存在として宣言されていると思っていましたが、そんな事だったんですね。
野木 
ホントにお話した通りなので、何も、なんですよ(笑う)。

タグ: わたしとわたしの矛盾 名称の由来 学芸会


生きたいな

__ 
今まで、目標にしていた役者像はありますか?
影山 
芝居を始めた当初、自然な人間像を表現したい、という気持ちがあったんです。人間性や性格、どう生きていくのか、人間を自然に表現する事だけを大事にしていて。でも、子供鉅人に入って、ボスに「そんなの下らないぞ」と言われたんです。言葉に出して主張した訳でもないのに。
__ 
伝わってたんですね。
影山 
それは、「演劇では面白くない、エンターテイメントとして成り立たない」という事だと思うんですが。それから月日が経って、今はボスの考えに魅力を感じています。
__ 
というと。
影山 
益山さんは「動き」について凄く考えていると思うんですよね。歌舞伎のような見栄のように、表現の一つとして独立したものとして。動きで分かりやすく見せるのは、単純に面白く見せる事が出来る。
__ 
なるほど。
影山 
でも、僕はそこに一つ引っかかっているんですよ。役者が空のまま、ただ動いても面白くないんじゃないか。せっかくだから生きたいなと思うんです。内面と動きと、その二つは矛盾する考え方なんですけど、両方とも取り込みたいと思っています。
__ 
観客に印象を与える為に動きをシャープに削る方向と、人間像を表現するために内面を重視する方向。確かに、矛盾するかもしれませんね。
影山 
でも、俳優はそもそもが矛盾した存在と言えるんじゃないかと。舞台でも、リアルな感情を感じるんです。役としても人間としても。それを誇張した演技を試したりして。怒られますけど(笑う)。でも、どんどん反抗していこうと思っています。演出の言った事を大事にしつつ無視する。これも矛盾していますけど。
__ 
本番での空気感を大事にしつつ、お客さんに近づけるといいですね。

タグ: わたしとわたしの矛盾


無目的ビーム

___ 
最近はどんな感じでしょうか。
佐々木 
月面クロワッサンが終わって、努力クラブの稽古ですね。
___ 
「無目的ビーム」。多目的ホールをもじったんでしょうね。いいタイトルですよね。
佐々木 
合田さんのあのセンスは大好きですね。
___ 
ビームという、指向性そのものが無目的という矛盾が面白いですね。ここで改めて伺いたいのですが、努力クラブとは何なのですか?
佐々木 
僕が三回生の時、西一風の座長をやっていたんです。その時高田ひとしさんが企画した、学生劇団の代表を集めようという会があって。その時に彼に会いました。
___ 
第一印象は。
佐々木 
変なビジュアルで気持ち悪いなあと思いました。その後劇団紫を観に行ったんですよ。出た事もあります。大好きなんですよ。本番の前にアップしないし、セットも作らないし、西一風だったら「ちゃんとせな」って怒られるような感じでした。だからショッキングでしたね。
___ 
それで結成したんですね。
佐々木 
去年C.T.T.に出そうという計画があったんですが、一年くらいぐだぐだしていて。その後ようやく旗揚げしました。
努力クラブ3「無目的ビーム」
公演時期:2011/12/23~26。会場:壱坪シアタースワン。
C.T.T
C.T.T.とはContemporary Theater Trainingの略で「現代演劇の訓練」を意味する。1995年に京都のアトリエ劇研で発足し、70回以上の上演会を行う。現状、3カ月毎の上演会を予定。(公式サイトより)

タグ: 自分を変えた、あの舞台 わたしとわたしの矛盾 タイトルの秘密 悪意・悪趣味 旗揚げ


地方の文化の違いって

___ 
しかし、明日どうなるか分からないですね。今晩中に台風が過ぎ去ってくれるかどうか。願わくば、台風の目に入ってもらえたらいいですね。
川那辺 
早めに、他の対策を考えていた方がいいのかな・・・。
___ 
制作者としての腕の見せ所ですね。
川那辺 
いえいえ、まだまだですよ。一年ぐらいしか経ってないのに、こうして仕事をいただいているのは本当にありがたいです。でも、まだまだ食べていける状態じゃないんですよね。色々矛盾しているんですけど。
___ 
そうだ、異邦人の時の俳優インタビューでも、生計についてお聞きになっていましたね。
川那辺 
あ、読んで下さっていたんですね。みなさん仕事をされていて、両立して演劇を続ける事について、というアプローチでインタビューをしました。実際どんな演劇人が京都にいるのかというのもテーマだったんです。
___ 
そうですね。その地域の文化的傾向って面白いですよね。
川那辺 
ええ。絶対、少しづつ違う傾向があるんですよね。
___ 
何故か地域によって、俳優の身体性が違いますからね。
川那辺 
どんなワークショップを受けているか、というのもあるし、地方の文化の違いってどうしてもある。
___ 
乱暴な言い方をすると、地方によっては、特定の人間関係の取り扱いが違うのが大きいのかな。そういう価値観の違いは、凄く薄いけれど、やっぱりどこかで影響を与えていると思う。
川那辺 
そうですね。
AAF リージョナル・シアター2011-京都と愛知- 京都舞台芸術協会プロデュース公演『異邦人』
山岡徳貴子・作。柳沼昭徳・演出。公演時期:2011/6/9~12(京都)、2011/6/18~19(愛知)。会場:京都芸術センター、愛知県芸術劇場小ホール。

タグ: 続ける事が大事 わたしとわたしの矛盾


夜想シリーズ

__ 
PASSIONEがこれまで続けている夜想シリーズ。とても幻想的な作品群ですよね。
蟻  
演劇的・実験的という言葉にすると矛盾して聞こえるかもしれませんが、芝居のなかでは使いにくい題材や素材を、演劇的な表現のなかで使ってみたいという欲求があったんですね。それが形になったのがこのシリーズですね。
__ 
前々回公演「バオバブ」を観て思ったのは、大人が見ても子供が見ても十分に判りやすく楽しめるんじゃないかなと。
蟻  
子供には、どうなんですかね。
__ 
私が思うに、構成がしっかりしていればある程度複雑なものでも子供は理解してくれると思うんです。ここで言う構成というのは、それこそショーの理論で。私はPASSIONEの演出は、その辺の構成がすごくよく出来ていてとても見やすいと思うんです。
蟻  
ありがとうございます。
__ 
「0100」も、ダイナミックだけど丁寧で、とても演劇的な引き込まれる展開でした。だから見やすいし、面白い。子供だったら受け止めやすく見てもらえるではないかと。
蟻  
まあ、子供っぽいものを作ろうと言う考えではないんですけど、ただ、身体感覚に忠実にものを作ろうと思っています。話も、飛びたくなったら飛んじゃう。台本も、第一稿は起承転結も辻褄も無視しますから、ひどい出来です。役者は「これでいけるのか?」と思ってるんじゃないですかね。
劇団PASSIONE vol.34 夜想? 「バオバブ」
公演時期:2008年7月18~20日。会場:東山青少年活動センター。

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