目標

__ 
メイン業務と今後の活動についてはいかがでしょうか。メインはTVドラマの制作なんですよね。
作道 
そうですね、TVドラマの制作は今後も行わせていただきます。僕らはいま、自分達で劇団だとは名乗っていなくて。ただ、自分達でTVドラマを作っている若手集団、というのはなかなか無い面白味だと思うので。
__ 
そうですね。
作道 
今、ほぼ制約のない形でドラマを制作出来ているんです。作りたいものが作れているなという実感はあります。もしちゃんとそこに面白味があるならば、もっと多くの人に知ってもらって、僕らの年齢が上がっていくと同時に面白さが大きくなっていけたらと思います。
__ 
ドラマ「ショート・ショウ」の第一話を拝見しました。面白かったです。太田さんがいいですね。吉岡さんも可愛かったし、悪い芝居の植田さんは分からなかった。
作道 
色々なところで言われているみたいですね(笑う)。やっぱり京都の演劇人としては嬉しいですよね、知っている人がたくさんTVドラマに出ているって。僕は三谷幸喜さんを尊敬していて、ドラマに舞台の人を出すという。三谷組の京都版というと不遜ですけど、映像畑と演劇畑の垣根を越えていけたらと思います。
__ 
素晴らしい。私が拝見した第一話「サティスファクション」、大衆ウケする/しないの話がテーマではありましたがまさに象徴的ですよね。それから、月面クロワッサンにしか出来ない、何と言ったらいいのか・・・あっさりした魅力というか。それが面白くもあり、不満でもあります。
作道 
それは色んな方に色んな表現で仰って頂きました(笑う)。ドラマとしての完成度はもっと高く出来るかもしれない、でも、言いたかった事は伝わる、と。
__ 
それはもちろん。作劇も良かったし、SF的な設定も現実味があって、何だか可愛い感じがしました。今後の方向としてはいかがでしょうか。
作道 
とりあえず一話完結で作っていこうとは思っていますが、今後はある種の連続性を演出していければと思います。最後の最後に、これまでの話の伏線が回収される、みたいな。やりたい事がたくさんあるので、そんな方向になるのかもしれません。
月面クロワッサンの連続ドラマ2「ショート・ショウ」
一話完結の短編集月面クロワッサンの連続ドラマ2「ショート・ショウ」。KBS京都にて放送2012年秋、YouTubeにて4週連続配信を行った「虹をめぐる冒険」―2013年夏、KBS京都にて放送された、地上波初進出連続ドラマ「ノスタルジア」―そして2014年春、また新たなドラマが誕生します。その名も、「ショート・ショウ」―2011年旗揚げ以降、映像作品と演劇作品の両方を京都から発信し続けている月面クロワッサンが、今回手がけるのは、一話完結の短編集。全六話、コメディ、SF、オカルト、フェイクドキュメンタリー、アクションなど毎回違ったジャンルのストーリーをお届けします。そしてこれまで同様、企画・脚本・演出・撮影・編集・音楽まですべてを月面クロワッサンが担当。手作り感あふれる、世界に一つの短編ドラマ集が誕生します。(YouTubeより)

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あの時に言うべきだったセリフ

__ 
お客さんに、最後はどう思ってもらうのが理想ですか?
福谷 
今回に限っては、泣かせようと思って書いてたんですよね。最終的にはそうなってないですけど。最後の方で劇団員に、「ずっと一緒にいよう」というセリフがあるんですがそれはまっすぐな気持ちで。台本だから、という透かし方逃げ方をしてたんですけど、言葉自体はものすごくまっすぐな愛の言葉なので。受け止めてもらいたいなと。
__ 
受け止めましたよ。役者だと石畑さんがとても良かったです。彼が自殺者役の時に、解散した劇団の主宰だったと明かされて、ラストのシーンでシーンの垣根を越えてそれぞれの人物に「あの時に言うべきだったセリフ」が書いてある台本を示す演技がありましたね。その時の彼のまなざしが優しくて、多分あの表情がこの作品の象徴だったんじゃないかと思っています。
福谷 
嬉しいです。
__ 
これはもう福谷さんの尊厳を蹂躙する見方なんですけど、いまこの作品を作った福谷さんは自分の限界が見えてしまっていて、あと5作品くらいでここまでは進めるだろうけどそれ以上は行けないだろうなという予感。それはこの脚本を書く時にはほとんど確信に変わっていて、それでも「ずっと一緒にいよう」と言わずにはおれない。その気持ちが石畑さんの役を借りて出てしまったという。
福谷 
そういう見方をされるのが一番気持ちいいですね。
__ 
でもきっと、この集団だからこそ作れた作品だったんだろうな、と思います。

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回帰

___ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
silsil 
攻める・・・(笑う)今、アーティストって少ないと思うんですよ。こじんまり、小奇麗にしないといけないような世の中になっていると思うんですよ。オシャレにしないといけない、みたいな。
___ 
なってますね。気を遣い合うのが普通みたいな。
silsil 
何か、誰かの意見やアドバイスのままに作品をつくったり、お客さんが欲しいというものばかりを用意したりであるとか。もちろんお客さんに感謝するのは前提ですけど。でも、「じゃない」ものを提案したって、そこに「感じる」ものがあれば皆がノってきれくれると思ってるんです。自分の思う「これが良い」と思うものを大きなスケールでやれれば良いですね。
___ 
それは本当の意味で、攻めですね。
silsil 
ライブペイントにしても、世の中の端っこに置かれてる感じがしてて。ライブの添え物だったりイベント会場での余興だったり。見ていても地味じゃないですか。だけど、私が思っているのもは違う、だからセンターに持ってきたんです。パーツの組み合わせではなくて、共存している。ひとつの時間と作品を生み出すようなライブ。あ、6月に観ていただいたイベントは“そう”なんです。
___ 
素晴らしい。
silsil 
最初は不安もありましたが、お客さんも、そのうち趣旨を分かって下さって。沢山の方が遊びに来てくれるようになりました。他にもきっと、私が出来る形がどこかにあると思うんです。
___ 
何故、そうした事をされたいと思うのでしょうか。
silsil 
アート=「訳の分からない奴でしょ」という思い込みが世間にはあるんですよね。その両極に、意味が分からない事が高尚だという刷り込みもある。そして、それは許しでもあり、社会から解離しているとも言える。どちらの先入観も好きじゃないんです。(個人的には難解な作品を観に行くのは好きなんですけど。)すると、複雑な作品を避けて、分かりやすく簡略化したものしか無くなっていく。いわゆる「おしゃれ」な感じ。人の生活に近いものと遠いもの、どちらかしかないという状態になっていて、間がないんですよ。でも、他の方向性があるんじゃないかと考えていて。それが、私の攻める方向になるんじゃないかと思っています。
___ 
それが、普遍的な傑作を作りたいという事にも繋がるんですね。
silsil 
私の作品・イベントなどを通しての活動は、愛に垣根はない、人間として愛する思想がベースにあります。世の中に「存在しない」ものはない。色々な出来事は世の中としては「ない」ことになっていて、その、あるんだけど見えなくなっている違いを認める事が出来れば・・・違いを排除するのではなく、認識を持ったり知ったりする事で、世界は少し変わるんじゃないかとも思って、作品を作っています。カテゴライズするのがいいのかは分かりませんが、LGBTを応援するのもその中のひとつだと思っています。普遍的な傑作、人の心に回帰する様なものを表現したいですね。

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vol.311 silsil

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2013/春
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silsil

こんな面白さもある、そんな面白さもある

__ 
これまで数多くの舞台に立っているユーコさんですが、これを機に変わったと実感した作品はありますか?
山本 
東京に行く前なんですけど、石原正一ショーですね。
__ 
なるほど。ドカコと野球狂の詩子。
山本 
演出方法というよりも、共演した兄さん姉さんの楽しそうっぷり。それまで私は頭でしか演劇をやってなかったから。武士道でやってたから。そういう価値観だけじゃない、まず自分が楽しくないとお客さんも楽しくないやん、みたいな事を、言われるのではなく実際に目にしてん。凄く考え方が変わったんです。少なくとも心持ちは変わって。で、東京に行ってからはコントやっててん。
__ 
コント。
山本 
「ラ・サプリメント・ビバ」という。言うたらお笑いの人やねんけど。その人がお芝居よりのコントをやりたいという出演者募集のチラシを見て、同時にリリパット・アーミーの舞台にも出演が決まったから、両方同じ時期にやって、その後に平田オリザ・松田正隆の「天の煙」にも出て。違う種類の作品にどんどん出会えて、こんな面白さもある、そんな面白さもある、って。
石原正一
演劇人。石原正一ショー主宰。1989年、演劇活動開始。1995年、"石原正一ショー"旗揚げ。脚本演出を担当、漫画を基にサブカル風ドタバタ演劇を呈示。関西演劇界の年末恒例行事として尽力する。自称”80年代小劇場演劇の継承者”。外部出演も多数。肉声肉体を酷使し漫画の世界を自身で表現する"漫画朗読"の元祖。"振付"もできるし、”イシハラバヤシ”で歌も唄う。(公式BLOG『石原正一ショールーム』より)

タグ: 石原正一ショー その人に出会ってしまった 退団したら・・・ 分かりやすい面白さと芸術的な面白さの中間 垣根の無い世界へ 平田オリザ


横断的な、あるいはアメーバ状になった感触

__ 
大橋さんがツイッターで書かれた事の中にですね、以下の一文があって。「ジャンルを超えたアートイベントをやろうとしたら、その着地点がまさに『ジャンルを超えたアート』というジャンルに着地してしまう」という一文があったんですよ。これ、凄く分かるんです。
大橋 
そうなんですよ。「あ、その枠ね」って。そういうジャンル。同じ人とやってると飽きてくるじゃないですか。だから超えようとするんですけど、いつの間にか舞踏的な表現してるみたいな。
__ 
自分の領分を越えようとするからじゃないですかね?私がカラフルの閉幕後に、ある予感を感じたんですね。かつてここに、いくつものオリジナルの劇団が一堂に会していて、一日を分けあっていたという事実が迫ってきて。自分達の世界観を失わずに、同時代でお互いがパフォーマンスを発揮しながら接触したり離れたりを繰り返すというのに立ち会うというのがとても必要だと思うんです。カラフルは「ジャンルを超えたアート」ではないけれども、「垣根を越えよう」という思想を実現したんじゃないかと思うんです。
大橋 
横断的な、あるいはアメーバ状になった感触がね。でも僕が今考えているのはボーダーを超えたアートなんですよ。そんな事が出来るのか?本当に。

タグ: ボーダレス・横断 イベントの立ち上げ 垣根の無い世界へ


vol.280 大橋 敦史

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2013/春
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大橋

同国の同時代にいる意味

__ 
iakuプロデュースの試みの一つに、大阪の演劇の発信と、他地域との交流を通した活性化があるとの事ですが、その狙いとはどのような。
横山 
今は、関西とか関東とかのくくりがある程度取っ払われつつあると思うんです。東京のカンパニーが自主企画で大阪公演するというケースも増えてきていたり、三重が全国のカンパニー招聘に力を入れていたり、福岡の演劇シーンが興味深かったり。ああ、これはもう、東京の小劇場とか関西の小劇場とかをもっと全国的なムーブメントにしていく時期なんじゃないかと。
__ 
時期。
横山 
東京からきたカンパニーに聞いてみたんですよ、何故大阪公演をしたのかって。一意見ですが、東京では頭打ちでもうお客さんが増えない、単純にもっと多くの人に見て貰いたいという事でした。正直言うと、大阪にそんなに大きなマーケットがある訳ではないですが、でも来てもらいたいです。それが、さきほど言った「分母」を生む事にもつながるし。関西にきて成功する劇団ばかりではないですが、少なくとも、僕が来てほしいと思った劇団には、何らかのアシストをしていきたいですね。これから関西にも、たくさんの演劇を輸入出来るように、地域との連携を深めていきたいです。その一助が出来ればと思っています。
__ 
と交換する形で、横山さんの書かれた作品も全国に行きますね。
横山 
そうですね。全国で自分の作品が毎月やっているようであればとても嬉しいです。関西にもまだまだ良い俳優がいて、厚い層があるという事を知ってもらいたいですね。
__ 
エダニクもサキトサンズも、全国ツアー中ですしね。私はどちらの作品も好きです。それが毎月、日本のどこかで上演されているというのは、考えてみれば嬉しいですね。
__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
横山 
iakuプロデュースは2011年から準備して、2012年は種まきの期間でした。2013年を迎えましたが、2014年までには、自分の作品が毎月日本のどこかでかかっていて。さらには、全国でどこでも面白い演劇が見られる状況に向けて、何か自分が関わっているようになっていれば。時間を区切ってしまうのは良くないんですけど、だらだらとは動けないし。出会った人と繋がっていき、地道にでも続けて行きたいです。単純に、各地の演劇人とつながるのは楽しいし。そこは攻めなのかは分からないですけど。
__ 
演劇から地方の垣根が取れて全国化するという流れ。当然の事ながら、各地に同時代の演劇人がいる事が実感できますね。もちろん、いないとは思ってませんでしたけど、いること自体に勇気づけられるというか。次のステージに行こうとしている段階を感じています。
横山 
世間全体が、飽きられる、飽きてしまうサイクルが早い世の中ですからね。それで自分達が諦めてしまう前に、飽きてしまう前に、時間を区切って挑戦していきたいです。

タグ: どんな手段でもいいから続ける 境界を越える・会いに行く 生き方と世の中の為に動く 垣根の無い世界へ 今後の攻め方 地方における演劇の厳しさ 深めていきたい


本当は恐ろしいWS

辻  
あと、要約力のWSというものをやろうと考えてます。まとめる力って必要なんですよね。完結に自分を出すという。自分を構成する要素をフリップで出すというね。「もう一度受けたい国語の授業」っていうWSを一度やりたいです。学校教育ではやらないんですよ、要約って。
__ 
そうした教育系だけではなく、WSって、地頭の良さと表現力がすごく必要とされると思うんです。自己表現を磨こうと思ったら、なおの事。その辺はどうでしょう。
辻  
それは僕も注意しています。最初に「あ、面白くなくていいですよ~」って。演劇のWSも、目立ちたい子に「笑い取る必要ないからね」。って。
__ 
そういう場ではない。価値観を確認しあう場所であるから。
辻  
はい。今日は様々なWSがあるという事を紹介したんですが、それぞれ色んな視点があるんですよね。それらがカテゴリを越えて色んな気づきをもたらしてくれていて、とても勉強になるんです。
__ 
垣根を越えて、新しいアイデアを作っていく。
辻  
それが理想ですね。
__ 
上手くいけばいいですね。一方、きっと、参加者に悪影響を与えるWSもあるはず。
辻  
それ、一度やってみようと思っています。
__ 
おお。
辻  
本当は恐ろしいWS。
__ 
面白い。
辻  
いわゆる信頼のワークを繰り返して、そこで僕がある言葉を与えたらそれを信じこむ参加者が出てきてしまう。自分で考える力を削いでいくという事に近いです。そう考えてみると、WSって、本当は恐ろしいんですよ。

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vol.270 辻 悠介

フリー・その他。

2012/春
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辻

連れて行かれるような体験

__ 
最近の出演作で、心に残った物は何ですか?
福原 
前回参加したロロvol.7『LOVE02』は大きかったですね。それから、「ダンスが見たい」のコンペで参加した、ビルヂングというカンパニーの作品です。その作品がオーディエンス賞を貰いました。
__ 
すばらしい。
福原 
僕役者なのに。それで垣根がぶっ壊れるかなという期待はあります。自分の中では大きい経験でした。ロロではとても多く感情を使ったんです。拗ねて、恋をして、愛を叫んで、絶望して、天国に行くという。どちらの感情にも振り切れて、新鮮でしたね。
__ 
天国に行く?
福原 
舞台上で脚立に登るんですけど、その上から地上を見たんです。舞台と客席を見て。「あ、俺天国にいる」というセリフを言うんですけど、実際に天に召されたような気分になりました。あれは何か、なかなか体験出来ない感覚でしたね。
__ 
舞台で演じながら感慨を抱く。それは俳優として、非常に貴重な体験であるように思います。それにはどのような要素があったと思われますか?
福原 
イメージがどれだけ豊かか、だと思うんです。というのは、演劇ではセリフを言った瞬間、それが本当になるんですよね。例えば「ここ、天国!」ってセリフだけでそこは天国になってしまうんです。その感覚が自分でも新鮮なんですよ。言葉は、すごく大事にしています。
__ 
ちょっと思い当たる事があるかもしれない。田中遊さんという、京都で「正直物の会」という演劇ユニットをされている方がいるんです。その人が最近試みているのが、戯声(たわごえ)というものなんです。紹介文によると、二者間のコミュニケーションと、呼吸と声とセリフの狭間から、人物の間に関係性が無数に発生し、時には共鳴を起こし、時空が生まれるという事をしているんですよね。
福原 
なるほど。興味あります。
__ 
その作品にダンサーの方も出ていたんですよ。ダンサーは身体に豊かなイメージを宿す事が出来る。俳優は身体を自由に動かす事は出来ないし、歌を使って観客をどこかに連れていく事も出来ない。でも、物語や、世界をその人間で背負う事が出来る・・・という事を田中さんが書いていました。
福原 
俺もそう思います。イメージという面で、俳優というのはどのような人種にも負けないんじゃないかな。それを大事にしたいですね。実は僕、詩人が大好きで。現代詩のライブによく行くんですよ。
__ 
なるほど。
福原 
舞台の上の詩人は、マイクに向かって紙に書いてあるものを読むんですが、その言葉を追っていくとその人を通してその人の世界に連れて行かれるような体験があるんです。詩人は、やっぱり言葉を大事にしている。言霊みたいなものを自然とやっているんですね。そこに、結構影響を受けていると思います。

タグ: 垣根の無い世界へ