法人になるということ

__ 
さて。作道さんはこの度、会社を立ち上げられたそうですね。どんな経緯があったか伺えますでしょうか。
作道 
2年ぐらい前から映像の仕事をするようになりまして。例えばKBS京都さんで30分枠のドラマを放映させていただいたりとか。少しずつですけど経済的な面で回りはじめてきていて。創作的にも経済的にも良い環境を作っていきたいと。これは、劇団の旗揚げから考え続けてきていました。
__ 
なるほど。
作道 
もっと精力的に活動していきたいと強く思った時に、一つ落ち着ける場所を作ろうと思ったんです。という事で、会社を作ろうと思いました。
__ 
ざっくりとした聞き方ですが、どんな会社にしたいですか?
作道 
すごく大きくしたいとかは全く思っていないです。僕と他のメンバーがやりたい事を単純に叶える場所でありたいです。会社の人数を増やすとか、利益を増やすとかという事ではなくて、今の構成メンバーが、例えばもっと大きい舞台に立ちたいであるとか、広く名前が知られるようなクリエイターになりたいであるとか。
__ 
自分達のやりたい事が出来るようになる場所。

タグ: 映像の現場 劇団=場所論


KYOTO EXPERIMENT オープンエントリー作品 - Theatre Company shelf『shelf volume 18 [deprived]

矢野 
今度京都に持ってくる作品というのが[deprived]というタイトルで、東京では(仮)とタイトルにつけて4月に上演したんですが、20人しか入らないギャラリーで、一週間ほど上演したんですね。音響や照明効果に頼らず、同じ空間で、観客と空間を共有して、物語を物語るという作品です。一度徹底的に、演劇に付随する様々な要素を削り落として俳優の“語り”の力だけを使った作品を作りたくて。
__ 
東京で上演して、いかがでしたか。
矢野 
今回の[deprived]に限らず、僕たちは基本的に、都度、再演に耐え得る強い作品を作るんだ、という気持ちが強くあります。僕は専業の演出家なので、基本的にテキストは他の誰かが書いたものを使う、というやり方を取っています。セットなども極力作らず、音響も薄く、観客の無意識を支えるように入れるか、あるいは最近はもう音響は無くてもいいかな、という感じで。だいたい装置を建て込む、という感覚からはもう10年ぐらい離れていますね。ただ、再演に耐え得る、といってもそれは同じものを正確に再現できるようにする、ということではなくて、つまりどこに持っていっても同じように上演できるパッケージ化された閉じた作品ではない。環境、つまり劇場という建築物の歴史や場所性、ロケーションなど大きな要素まで含めて、それらを含みこんで、その都度ちょっとずつ作り替えて、稽古場で出来るだけ柔らかく且つしなやかなものを作って、それを現場で毎回、アジャストしてから上演するという感じで。俳優には、まあ相当な負担がかかるんですけど、そういう風に劇場というか<場>の魅力を引き出した方が舞台芸術としてもっとずっと楽しいんじゃないかと。お金が掛からない、というのもありますけどね。でも、貧乏ったらしくはしたくなくて。
__ 
そうした上演形態が、shelfのスタイルですね。
矢野 
貧乏ったらしくしたくない、というのはこちらの気構えの問題でもあって、経費をケチってコンパクトにするというよりか、稽古場で相当な時間をかけ、試行錯誤しながら練り込んで来たものを1ステージ20人しか見られないような空間で上演する。それってむしろ、凄く贅沢なことなんじゃないだろうか、と。もちろんそこには懸念もあって、1ステージ20人だと、変な話客席が全て知り合いで埋まってしまうかもしれない。でもそれは何とかして避けよう。出来るだけ当日券を用意するとか、常連客しか入れないような一見さんお断りの飲食店のような雰囲気じゃなくて、誰でも入れるような、そんなオープンな空間を作ろうと。そのように、どうやって自分たちの存在や場所そのものを社会に対して開いていくか? ということについては、これからももっともっと考えていかないといけないと思っています。ただ先にも言ったように、自分たちのやりたいこと、課題、やるべきことが見えて来ているという意味では今は本当にとても充実した毎日を送っています。
__ 
課題が見えるという事は、少なからず問題に直面していた?
矢野 
将来的に考えて、何というか、テレビの仕事や、演劇、コミュニケーション教育など教える仕事、レッスンプロっていうんですかね、そういう二次的な仕事でなくちゃんとしたアーティストが、純粋に演劇作品を作ることでそれで対価が支払われるような社会になっていかないと、それはちょっと社会として余裕がないというか、貧しい社会なんじゃないかな、と思うんです。例えば俳優や、スタッフにしても例えば子どもを育てながらも演劇活動が出来るような、そんな世界になっていってほしいんです。まあ、そもそも演劇制作って、ビジネスとしてはすごく成り立ちにくいものなんですけどね。資本主義の、市場原理の中では回っていかない。だけど、や、だからこそ一人一人がただ良い作品を作ればいい、作り続けていれば、というのは違うと思ってて、それはそれでちょっと独りよがりな発想だと思うのです。で、だからそういうところから早く脱して、演劇に関わる一人一人が将来についてのそれぞれ明確なビジョンを持って、これからはそれぞれが一芸術家として文化政策などにも積極的にコミットしていかなければならないと思います。じっくりと作品作りをしている僕らのような存在が、ファストフードのように消費されるんじゃなくて、きちんと評価される。社会のなかに位置づけられる。国家百年の計、じゃないですけど、二年とか三年とかそんな目先の利益じゃない、大局的なビジョンを持って、演出家とか、劇団の代表者という者は活動をしていかなきゃいけない。そんなことをずっと考えていて、いろいろと、作品作りだけじゃなく制作的な面でも試行錯誤をしています。

タグ: 観客のクオリア ちゃんと楽しませる 社会の中で演劇の果たすべき役割 ユニークな作品あります しなやかさが大切 私の劇団について 劇団=場所論 再演の持つ可能性について 役者に求めるもの 会場を使いこなす


存在を許し合える場所

__ 
西尾さんがお芝居を始めたのはどんな経緯があったのでしょうか。
西尾 
中学校で演劇部に入ったんですけど、小学校から学芸会とか好きでしたね。中学校で鴻上尚史さんの「デジャ・ヴュ」をやっていて。意味は分からないけどカッコイイと思ったんですね。
__ 
鳥公園を立ち上げたのはどんな思いがあるのでしょうか。
西尾 
まず、なぜ「鳥公園」という名前にしたのかというと・・・私、二人で話をするのが好きなんですよ。3人以上だと難しいなあと。なんか、聞いていよう、と思っちゃうんですね。どうやったら3人以上の人数で、個のままで自由にいられるだろうと思ったら、それは公園かなあと思いまして。
__ 
ご自身にとって、公園という場所で対人関係の可能性がより開けそうだと思ったんですね?
西尾 
そうですね、公園には話している人もいれば散歩したりお昼寝している人もいるので。でも、みんなお互いが視野に入っている。だから場としてまとまりながらも自由な空間なんじゃないかと思うんです。
__ 
鳥は・・・?
西尾 
鳥はただ単に好きだからです(笑う)

タグ: 鴻上尚史 夜の共犯者 劇団=場所論 学芸会


寄り添う

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
山口 
川那辺と、BRDGが場になるようなあり方を考えながら進みたいです。二人とも計画性がないんです(笑う)そこが悪い部分でもあり良い部分でもあると思っています。やってる事がばらばらではあるんですが、離れていくのではなく、どう寄り添って成長していけるか。共通部分を見つめながら、流れていけるやり方を見つけたいですね。
__ 
挟み撃ちですね。
山口 
そうですね(笑う)。

タグ: 劇団=場所論 今後の攻め方