言葉にするとそこでそれが固定されてしまう気がして恐怖症

高山 
本当に僕はお芝居において、自分の考えを言葉にするのが下手で。考えるよりは感じる事を大事にしているんだと思うんですが、例えば演出家に「いま、どうだった」と言われても、何か・・・
__ 
ええ。
高山 
困ってしまうというか。お芝居って矛盾する事を同時に進めないといけなかったりするじゃないですか。考えない演技を考えてする、とか。そこを言語化するのが本当に難しくて。twitterとかで、自分の演劇に対する考えを書く人がいますけど、考えが固定されてしまう気がして。この言葉に出来ないふわふわしたものが、割と今の自分にとって大切なものであるというか。
__ 
なるほど。
高山 
自分の考えを言葉に出来ないことに対して、悩んでますね。
__ 
演技を実践するというのは凄く大切ですけど、感覚を言葉に分解する試みも、また一つの実践だと思っています。評論する事で整理される情報はあり、もちろんそこで無くなってしまう情報もあるんですけどその勇気を持つのも、前に進む為の力になるかもしれないですよね。

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vol.400 高山 涼

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2015/春
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高山

カウパー団「月並みで永遠な」「onomatopoeia」

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願い致します。今年もそろそろ終わりますが、宮階さんにとってはどんな年でしたか。
宮階 
今年はハイペースで作ったり出演していて。3月から数えて14本のイベントや作品に出ています。C.T.Tなどでの再演も含めてですけど。
__ 
14本!物凄い本数ですよね。C.T.Tというと、カウパー団の「月並みで永遠な」(大阪名古屋では「onomatopoeia」に改題)、ですね。私は見逃してしまったのですが、大変な反響があったようで。
宮階 
あ、ホンマに。京都ではポカーンって顔をされてました。初めて舞台上で「お腹痛い、帰っていい?」って言いたくなりました。
__ 
どんな作品だったのでしょうか。
宮階 
その時の写真がこれ・・・これは写真が凄いよかったのね。
__ 
おお、これは凄い。
宮階 
これは芝居というよりパフォーマンスでした。アメリカのアニー・スプリンクルというパフォーマンス・アーティストの「売春を行う人が英雄である40の理由」という文章をアレンジした朗読が流れていて、例えば、「ユーモアがある」「誰にでも出来る仕事ではない」。これは、実は原文では頭に「売春を行う人は」があるんです。それを除いた朗読です。
__ 
「売春を行う人は」。
宮階 
「売春を行う人は」とつけると、自分の事とは関係ないと思って距離が出来るやろうなと。だから、その語句を外したんです。その後に続くのは普遍的な言葉で「勇敢である」「色んな人の話を聞く事が出来る」。しばらくして、私が倒れるとその40の言葉が流れてきて、立ち上がりながら、舞台においてある湿布を貼って、また歩きまわって。その合間合間に、大きなポリ袋の中でスポンジケーキにデコレーションしながら、リッキー・マーティンの音が流れてくる。そんな作品でした。私は、セックスワーカーの身体って街そのものと共通しているなと感じているんです。その事をずっと喋っている、音声テープが客席や舞台上から流れている、そんな作品でした。
__ 
松田正隆さんのお別れパーティーの時もパフォーマンスされてましたよね。宮階さんのパフォーマンス、何をしているのかが分からないですけど、意味を汲み取ろうとして考えても、何故か分からないですよね。
宮階 
私も言葉にしづらいんですよ、自分のを。言葉に出来るんだったら、それは頑張って文章にしたらいいんじゃないかなって。
__ 
言葉に出来ない事をやっているんですね。
宮階 
ううん、言葉に出来ない事を探してやってやろうて意識的になっている訳じゃなくて、結果的に言葉だけに出来ませんでした、という感じなんです。
__ 
宮階さんは、見に来たお客さんにどう思ってもらいたいですか?
宮階 
私はお客さんに甘えているんです。私も分からない、説明しづらい事をやっていて。どう思ってくれるのかなと。お客さんが、自分でお話を作ってくれるんですよ。それがね、本当にそんなお土産を頂いていいのか、って。お客さんが、自分の人生と照らしあわせて作ってくれたという事でしょう。その人が作品を作ってくれたという気がして。
カウパー団
2006年より発足。2013年5年ぶりに再開。その間も個人は国内外でパフォーマンス(ロンドン、釜山、東京、別府)や他のカンパニー作品に出演(高嶺格、bubu_de_la_madreine+山田創平、dracom、マレビトの会、岡田利規 等)。
C.T.T. vol.104(2013年7月)上演会参加作品 カウパー団『月並みで永遠な』
公演時期:2013/7/29~30。会場:アトリエ劇研。
C.T.T.大阪事務局試演会 vol.15 参加作品 カウパー団『onomatopoeia』
公演時期:2013/8/13~14。会場:ウイングフィールド。

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vol.333 gay makimaki

カウパー団。

2014/春
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gay

騙されやすい僕ら

__ 
OSI基本参照モデルでいう、第八層が確実に存在していると。そしてそれは、実は5層目くらいに位置しているかもしれない?
廣瀬 
何でしょうね。多分、記号化出来ない部分を大事にしたいなと思っているんです。それと、僕自身が記号に騙されやすい人間なんです。それをちょっと克服したいから演劇をしているのかもしれません。自分のファースト・インプレッションに流されやすい、一面的になりやすい。
__ 
そこは誰でもそうかもしれませんが。
廣瀬 
僕の場合はちょっとその傾向が強いので。自虐的ですけど。演劇でだいぶ克服してきたんですよ。今でも言い淀んだりどもったりはあるんですけど、演劇を始めるまでは更にひどくて。コミュニケーションがすごく苦手だったんですよね。

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「TACT/FEST2013」での悪魔のしるし

__ 
悪魔のしるしの作品を、ロクソドンタの「TACT/FEST2013」で拝見しました。それは子供をテーマにしたもので、もちろんお子さんがたくさん来ていて。なのに、悪魔のしるしの作品だけ、会場の子供が何人も泣き出すような作品でした。子供番組のお姉さんが出てきて、みんなと一緒にトトロを呼ぶ。「トトローっ」て呼んだら菓子袋の寄せ集めにくるまれた怪物や、真っ赤な妖怪が出てくるという。
危口 
ええ。
__ 
今考えると狼少年の逸話を借りた啓蒙作品だったのかもしれないし、期待したものが出てくるとは限らないという、社会の厳しさを教えるものだったのかもしれない。とても面白かったです。どのような意図があったんでしょうか?
危口 
そうですね、あれは最初にイベントの企画担当の方からお話を頂いて、とても面白そうだ、でも何をしよう?と考えたんです。どうしても我々は、やるのは大人、観るのは子供、そんな二項対立で考えてしまいがちですが、もう少し細かく、自分の子供時代も振り返りつつ考えてみれば、3歳・5歳・7歳・9歳と、成長するに従って興味の対象ってどんどん変わっていきますよね。だから、結論として、全年齢の子供を単一の理由で面白がらせる作品は不可能だと。本当は大人だって、年齢層や生活習慣が違ったら面白いと思うポイントは違うんですから。でも、最終的に作る作品は一つでしかない。だったら、それぞれの年齢層の子が面白がる理由を個別に用意した方がいいんだろうなと。例えばちょっと物心がついた小学校3年くらいだったら、呼んでも呼んでもトトロが出てこないズッコケ感は楽しめるだろうなとか、幼稚園ぐらいの子だったら、おねえさんが出てきてコールアンドレスポンスするだけで面白いだろうなとか。
__ 
お子さんを不気味がらせるという演出意図だと思っていたんですが。
危口 
怖がらせる危険性はあると思ってましたけど、まあそれはしょうがないと。狙っている訳じゃなかったです。役者が悪ノリしていた部分はありましたけどね。真っ赤な着ぐるみを着た、どぎついメイクの化け物が出てきて、泣き出す子もいるけど、一方で笑う子もいるんですよ。かといって、どちらかを選ぶことはできない。否定的な反応が出ることは、ある程度は覚悟してましたけどね。という訳で、最初に考えるのは複数化です。「子供向け」という条件だったら、「子供」を複数に分類しつつ、何歳以上、或いは以下の子はこのネタ通じないだろうな、ごめんなさい、と判断しながら、各年齢層へ届くであろう要素を個別に設計していく。児童向け作品に限らず、他の作品を考えるにしても同様です。
__ 
大人もびっくりしてましたよ。悪魔のしるしにものすごい興味をそそられました。
TACT/FEST2013
大阪 国際児童青少年アートフェスティバル2013。公演時期:2013/7/29~8/11。会場:大阪府阿倍野区各会場。

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質問 古藤 望さんから 清水 智子さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂きました、古藤望さんから質問を頂いてきております。「響きの好きな英単語を教えて下さい」。
清水 
英単語かー。あるとは思うんですけど・・・日本語でもいいのかなあ。
__ 
いいと思います。
清水 
「いぬ」が好きです。「い」と「ぬ」で犬を表現するんやなと。可愛くないですか?
__ 
あ、分かります分かります。実体である犬を表すのに「いぬ」という言葉を使うという、その理不尽さの面白さですね。分かります。
清水 
うん。あはは。
__ 
しかも、「いぬ」という言葉が持つ印象に可愛らしさと蔑みが同居していて。
清水 
そういうのがたまらなく好きで、ずっと考えているんですよね。「君ほほえめば」の時も、末満さん演じる引きこもりのケンを犬と呼ぶセリフがあったんです。何回かは心を込めて言ってました。
__ 
ネーミング、大切ですよね。私の中では「しみずともこ」は透明感があって、何か色々教えてくれそうな、賢そうな印象です。
清水 
ホントですか。へー。
__ 
まあそのままですけど、でも、「とも」がフレンドリーですよね。
清水 
大丈夫ですか、似あってますか。
__ 
はい。
清水 
あ、英単語。「ONE」が好きです。音と意味が愛しいです。

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vol.298 清水 智子

フリー・その他。

2013/春
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清水

構造

村松 
最近は、演じている素の自分をさらけ出そうという意識があります。演じていると、どうしてもカッコ良くしてしまうんですね。
__ 
ええ。
村松 
何故そうなるかというと、人に見てもらうからとか、後で自分で映像を見るから、とかなんですけどね。でも、そうするよりはありのままでやってみる方が面白いのかもなと。大崎が僕に振っている役を越えてカッコ付けると、これは笑えないなと。
__ 
周りの反応からそれが分かった?
村松 
それもそうだし、その前に、自分の演技が相手に対してどのような反応を起こすのかをもっと知りたいんですよ。テンプレート化された反応ではなく、本当の所はどうなんだろうという。周囲に気を遣える、本当にこの人はどう思うんだろうという想像が出来るようになりたいですね。
__ 
どういうやり方をすればよりリアルに見える、というアプローチの他に、他人への影響を洞察するという事ですね。
村松 
それが出来れば、舞台で、素の自分で生きる事がもっと出来ると思っています。感覚的な事なので言葉にしにくいんですけど。
__ 
例えばボケに対するツッコミをやる時に、どんな想像をするのでしょうか。
村松 
なんでツッコミが存在するかというと、一つにはボケを制裁する為の攻撃というのがあるんですよね。その時、どんな形でもいいのであれば成立させるのはあまり難しくないんです。でも、お客さんを含めた「周囲」を納得させる為には、何も考えずに叩いてしまってはダメだと思うんです。
__ 
というと。
村松 
普段の生活でも、誰かを注意する時はその人の今後の立場を考えるじゃないですか。会議の時に軽く叱ったり、隅でこそっと注意したりとか。後でどうなるかという事を考えながら叱っていると思うんですよ。その関係を面白く、例えば立体的に成立させるには論理だけでもセンスだけでもいけない。
__ 
関係を考える時の反射的な思考が必要という事ですよね。でも、本当に感覚と結びついているから、舞台でしか実現出来ない表現なんですよね。
村松 
それを繊細に作りこんでいく作品90分やるので、やっぱり集中力と体力が必要なんですよね。いや、どんな演劇も大変だと思うんですけど。

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