わたしの役と相手の気持ち

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呉城さんが演劇を始めたキッカケを教えてください。
呉城 
田中遊さんの劇研アクターズラボが最初です。あれが最初じゃなかったかな。平田秀夫さんのWSとかを週に1回受けてて、公演クラスに行ってて。それを2回ぐらい。
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呉城さんは独特の存在感ですね。良く言われませんか?「春よ行くな」を引きずり過ぎてしまっているのかもしれない。まあいいや。今日聞こうと思ってたんですけど、俳優の仕事ってどういうところから始まると思います?
呉城 
えっ、何そんな。
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例えば、良く言うじゃないですか「相手の気持ちを考えよう」って教訓。これはもの凄く難しい事だと思うんですよ。私は自分にはそういう才能は全く無い事を自覚していて。まあそれはホテルでバイトしていた頃に発覚したんですけど。
呉城 
ああ、サービス業だとよく言われますよね。相手の気持ちを察する。
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でも、相手と同じ場所にいる時に、“自分の”気分には素直になれるじゃないですか。これはつまり、関係を連続していく内に、相手の気分と同調出来る可能性があるという事なんですよきっと。これは共感への道のりと言えるんじゃないか。気持ちに素直になるって、これはもう俳優の仕事の第一歩なんじゃないかなと。でも、その第一歩が分からない。
呉城 
相手の気持ちと同調する方法・・・赤色エレジーの稽古場では佐々木君と役について結構話していて。「この役はこの話が終わった後はどうこうするに違いない」とか。自分の劇団では良く、読みが浅いと言われているんですけど、今は読もうとしています。そういう話をした日の稽古は普段とはちょっと違う気がする。自分でもちょっと楽しいというのはありますね。
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なるほど。
呉城 
役についての話が増えていくと自分も楽しいんですよね。今はまだ、辻崎さんの話はまだ理解しきれていないんですけど、それでもとりあえずやってみる、そういう姿勢です。今の稽古場はそういう人が多いですね。他の人の稽古をちゃんと見とかな、って人ばかりで。私も全体を見て、視野を広げていようとしています。そうしないと失敗するタイプなんで。

タグ: ホテルの話 演技の理解、その可能性 俳優の「素」を生かす 舞台全体を見渡せる感覚 反応し合う 関係性が作品に結実する


2014年で出来たこと

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そしていま勝二さんは、ご自身のやりたい演劇が出来ていますか?
勝二 
そうですね、日本海にしてもきちんとした団体として立ち上げられたし、僕自身はフリーの役者として今年は3本も出演出来たし。脚本としても自分の書きたいものを書けているので。
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そう、今年はドキドキぼーいずにも出演されましたね。匿名劇壇の佐々木さんとのインタビューで、勝二さんとのシーンが話に出ました。
勝二 
あれはもう役者としてとても楽しいシーンでしたね。役としては楽しくないんですけど、見ている側は腹立たしいところだったと思いますけど(笑う)それから、トリコ・A・プロデュースに参加出来た事ですね。山口茜さんがやっぱり役者さんを大事にしはる方なので、貴重な経験でした。猛き流星で西部講堂も踏めたし、今年は本当に出会いが多かったなあと。
__ 
今後、やってみたい活動はありますか?日本海はもちろんとして。
勝二 
学生劇団は通ってきていないので、やっぱり下の世代との交流はあまり無くて。もっと、面識の無い方からもお話を頂くようになれればいいですね。自分は会話劇の役者だと思ってたんですけど、案外それだけでもないのか、身体表現的なのも興味があります。日本海でやった実感としては、喋らずとも語れるなという事も分かったし。もしオファーがあるなら是非やりたいし、オーディションも受けたいなと。
ドキドキぼーいず
2013年、代表である本間広大の学生卒業を機に再旗揚げ。京都を拠点に活動する若手演劇チーム。虚構性の強い演劇を目指し、『リアル過ぎる嘘っぱち』の創作に挑んでいる。生み出されていく衝撃を、時に優しく、時に激しく、作品として観客に提示することで、人間の本質を描き出す。いつまでも青臭い、カワイイ奴らでいたい。(公式サイトより)
匿名劇壇
2011年5月、近畿大学の学生らで結成。旗揚げ公演「HYBRID ITEM」を上演。その後、大阪を中心に9名で活動中。メタフィクションを得意とする。作風はコメディでもコントでもなく、ジョーク。いつでも「なんちゃって」と言える低体温演劇を作る劇団である。2013年、space×drama2013にて優秀劇団に選出。(公式サイトより)
トリコ・A
トリコ・Aは、山口茜が「自分で戯曲を書いて演出をしてみたい」という安易な気持ちを胸に、1999年、勢い余って立ち上げた団体です。当初の団体名は、魚船プロデュースと言いました。以来11年間、基本的には上演ごとに俳優が変わるプロデュース形式で、京都を拠点に演劇を上演してまいりました。やってみると意外と大変だった事が多い様に思いますが、皆様の暖かいご支援のもと、現在も変わらず活動を続けております。(公式サイトより)
猛き流星
役者の小西啓介が主宰する演劇ユニット。京都を拠点に活動している。2012年、当時小西が所属していた劇団ヘルベチカスタンダードの劇団内ユニットとして発足し、翌々年独立。毎回、新しく人を集めるスタイルで公演を行う。熱くて派手な芝居を志向する。(公式サイトより)

タグ: 今年のわたし 反応し合う トリコ・A


vol.397 勝二 繁

フリー・その他。

2015/春
この人のインタビューページへ
勝二

拳が震えている

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『ハムレットみたいなもの』、どのシーンが印象的でしたか。
佐々 
勝二さんとのシーンですね。勝二さん演じる友人のお父さんと、酔っぱらっている僕のシーンがあったんですが、個人的に凄く印象的なシーンでした。僕はリアクションこそが演劇だとちょっと思っている事があって。リアクションが成立していないと、たとえどんだけ喋っても相手が無反応だと演劇にならない。もちろんそれが全てではないですけど、リアクションを大事にしてこのシーンはやろうと思っていました。
__ 
あのシーンか。緊張感が凄かったですよね。
佐々 
相手の台詞に対してリアクションしていくから、毎回芝居がちょっとずつ違うんですよね。
__ 
リアクションというのは、相手の言葉を聞いて感情的に反応する。という範囲?
佐々 
それ以前に、「立って聞く」というのがまず出来ていないといけないなと思っています。地に足が着いていて、相手が言ってきた事が嫌だったらこちらの声のトーンやスピードが変わったり。勝二さんが一回、リアクションで僕の事をマジで殴ろうとして手が震えた事があったんですけど、その時僕は内心嬉しくて泣きそうでした。
__ 
素晴らしい。
佐々 
あの瞬間は今でも忘れられないです。あの時はお互い死ぬほどムカつきながらやってたんですけど。あの感じが、芝居で殺しあいしてる感じで。めっちゃ楽しかったです。
__ 
あれは後半の、とても緊張感のあるシーンでしたね。彼は普通の人間で、しかし敏感だったからさらに傷ついていて。悲惨でしたね。
佐々 
ちゃんと全員死にましたしね。

タグ: それを揺らしてはいけない 反応し合う


いわきに着いて

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上皇は、この作品にをご覧になったお客さんにどう思ってもらいたいですか?
高間 
笑ってもらいたいというのはもちろんですけど、福島に観光に行ってもらいたいですね。僕の原発についての考えなんかよりも。まあ大きいのは、今回参加の10数人、僕が企画しなければ、まず福島には行ってなかったでしょうから。実際に見てきたという体験は大きいんです。
__ 
そうですね。
高間 
あの丸山交通公園が、現地で面白い事を言わなくなって泣いてたんですよ。「高間さんここ無理っすわ」って。いわきに着くまではバスの中ではしゃぎまくってたんですけど、富岡に入ると押し黙ってしまってうるってなってましたね。
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あらすじによると、今回の作品の舞台は滋賀県の高校の修学旅行の行き先を決める政治劇だそうですね。遠く離れた滋賀県から、どんな人達がどんな思いで福島を見るのでしょうか。芝居の結末も気になりますが、そうした意識の問題についても興味が出てきますよね。

タグ: 泣く観客 どう思ってもらいたいか? めっちゃ泣いた・号泣した 政治とパーティー 反応し合う


舞台で生きる

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Hauptbahnhofで今後やりたい事はなんですか?
金田一 
京都と東京の二都市公演はしたいですね。
___ 
結構、お客さんの反応が違うんでしょうね。
金田一 
そうだと思います。でっかい芝居したいなあ。野田さんの昔の作品をやりたいんですよ。ずっとやりたいと思ってたんですよ。
___ 
あなたにとって、演劇を作るとはなんですか?
金田一 
うーん。いまちょっと自信を無くしてるからなあ・・・でも、唯一他の事より上手く出来ること。
___ 
演劇を使ってお客さんに与えたい事はありますか?
金田一 
ちょっと明日元気になってくれたらいいなあ、みたいに思ってます。不思議なもんで、悲しい話を聞いても元気になる事はあると思うんですよ。作品を見てへコんでも元気になったような気がする。笑って帰ってほしいという事じゃなくてね。
___ 
金田一君にとって、魅力のある俳優とは?
金田一 
凄く基本かもしれないけど、相手の台詞・自分の台詞にきちんと反応出来る人。
___ 
というと。
金田一 
台詞を投げかけられたら反応出来て、今を生きているかのような人は魅力的ですよね。ただ動きたいから動いているようなのじゃなくて。「こういう風に言われたら、私は下手に動く。けれど、今そういう風に言われたからここで止まって話を聞いている」というのがあるんだよね、役者って。それを自然と出来る人。でも、それくらいの役者じゃないといけないですよね。かといって「こういう風に言われなかったから動けませんよ」というのじゃなくて。
___ 
玉置玲央さんのユニット、カスガイの「バイト」という作品があるんですよ。その作品は役者の立ち位置を固定しなかったそうなんです。
金田一 
そういうのもあるんだね。
___ 
役者は台本の全てを知っているから、逆に難しい状況だったんだろうと思います。そんな中で凄く緊張感に溢れた作品だった。
金田一 
そういう事が出来る役者がカッコいいんだよね。自分の動きに根拠が持てている人、は相手が動く為のキッカケも与えてあげられるんですよ。ここで動けよ、みたいな。橋爪功さんが凄かった。ザ・キャラクターの稽古場の代役で僕が入ったんですけど、橋爪さんが何か原稿を書いている演技をしていて、で、書けなくなってしまった。ペンを机に音を立てて転がしたんです。「あ、今だ」と分かって、「どうしたの」って僕の台詞を言えたんです。パスをくれたんですね。うわあ、めっちゃいい役者だなあって思った。これかー、って。

タグ: お客さんに元気になってもらいたい 会話劇研究 野田地図 反応し合う


本当に素敵なショーだったんです

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トランク企画の前回のセッション、「LIFE」を拝見していて凄く楽しかったのが、演技が噛み合った瞬間なんです。同時に、きっと難しい事なんだろうなと思っていました。高杉さんと内田さんと真野さんのやった、捕まったゴキブリの話はとても良かったですね。
木村 
そう!本当に素敵でしたね。いいシーン、家に帰ってもプププって笑えるのがいいインプロだと思います。お互いすっごい協力して、周りのみんなもいつも協力しようとしていて。なちゅほ(浜田)さんが最後に言ったセリフもすごい良かったですよね。人間が彼らを見つけてしまって、彼らが上を見上げて終わる、みたいな。
__ 
素晴らしかったですよね。何だか、そう作られた演劇のように思えたんです。最後の山口茜さんの実家話から始まるショーなんて、本当にあの台本で数ヶ月稽古したもののように見えました。実家の町で乗っていた自転車が宇宙船と交信を始め、そこから、思い出というあやふや記録の情景が、インプロなのに調和をもって紡ぎだされて、他の俳優達の町の思い出も混ざり合いながら、引っ越しの日を迎えるという明確な物語がある稀有なショーでした。UrBANGUILDの店員さんも凄い拍手してましたよ。
木村 
ええっ、それは嬉しい。
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即興でしか生まれない空気感があるんですよね、確かに。

タグ: 引き出し合う ファンタジー 舞台全体を見渡せる感覚 即興、インプロについて 引っ越し 反応し合う Urbanguild


主体が動かされる時

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「TEA×HOUSE」の時、町家の一部屋で上演されていましたね。出演者はもちろん、観客席がお互いの顔が見える状態でした。「ハシ×ワタシ」も挟み舞台でしたし。そうした距離感を意識されているのでしょうか?
山口 
観客席と舞台を出来るだけ分けないやり方が好きなんです。高校卒業後、演劇を学ぶためにイギリスに留学してたくさんの舞台を観に行っていたんですが、気に入った作品のほとんどは舞台と客席が分かれていない形式が多かったんですよ。観客が舞台と同じ高さで知覚し、体験する。私も、自分の作品を通してそのリミットを広げたいと思うようになりました。
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舞台で起こっている事を体験する。
山口 
同じ空間で観劇するという事。それだけがやりたいわけじゃなんですけどね。変な形にすれば巻き込めるとは一概にいえないし。安易には言えないですけど、意識として、どういう形が合っているのかは考えますね。
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では、山口さんは具体的にどんな面白さを大切にしたいと思いますか?
山口 
何かに動かされている人が、踊りでも演劇でも好きですね。表現する力よりも、キャッチする感度が高い演者がいる作品を作りたいです。
__ 
感度が高いとはどういうことでしょうか?
山口 
演者が表現する内容の完璧さを追求するのではなくて、どれだけ主体が外部のものによって大きく動かされるか、です。
__ 
外の世界というのは、何を指していますか?
山口 
例えば、「TEA×HOUSE」ではブリジットという他者の言葉を通訳して演じてもらいましたが、俳優が置かれているその状況、です。英語から日本語に通訳していくことによって、その俳優が元々の話者に浸食されていく。もちろん俳優は俳優のままで、ブリジット・スコットになってしまうという訳じゃない。影響されているという事(つまり演技ですね)を見せたかったんです。「私はブリジットなんだ」って言い聞かせるみたいなのじゃなくて、あくまで通訳として「私はブリジット・スコットです」と口から言った時に、感度が高ければなってしまう。知らぬ間に徐々になってしまった、そんな瞬間が見たいです。
__ 
主体が動かされる時。
山口 
主体が動かされてしまう時、を見たい。普段もそうじゃないですか。こうして喋っている時も動かされている訳であって。演技はその再構築だと思うんです。私はそれを極端にしてみようと思っているんですね。それを、出来れば面白く見せたいですね。
__ 
主体は主体としてあるけれども、それが何かによって反応する。
山口 
取り憑かれる、乗っ取られるというのに近いクオリティを目指しているのかもしれませんね。
__ 
それは何というか、私があまり触れて来なかった領域かもしれません。具体的にそれがどんな面白さを見せてくれるのか未知数なんです。でも、それがそれだと分かったらものすごく興奮させられると思う。突き動かされている主体の向こうに、大きな力を目にするから。
山口 
その通りだと思います。「動かされる主体」は、受動的に動かされるんじゃなくて、そこには必ず完璧な能動性が必要なんですよ。主体が反応して動かされる、その感度ですよね。どれだけそれに対してクリアに反応できるか。それは「この演技が面白い」という邪念ではなく、素直に反応するのが面白いんだと信じてやっていきたいですね。とても難しいんですが、反応する人間が面白いんだという信念です。そうした事象が起こっていて、観客に体験を与える。
__ 
形骸化からは最も遠くあってほしいですね。
山口 
そうですね。そうありたいです。どうしても、「これだ」と思った瞬間にそれでなくなってしまう。型を作って、それを突き進むという芸術もあるんですが、その瞬間に何かを失うんだと思う。

タグ: 外の世界と繋がる 難しくて、厳しい 会話劇研究 「目の前で起こっている」 反応し合う 観客との関係性 留学して表現を学ぶ 海外で出会ったハコ


自然光

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照明を操作するとき、舞台の上の俳優と同じように演技している感覚があるという事ですが・・・。
川北 
そこは本当に感覚的なので、それこそ技術的にやらないといけないなあと。それが課題ですね。
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川北さんがそういう感覚を得られたのはきっと、自分の言動がライブでリアルタイムに表現になっていく現場にいるから得られる感覚なんでしょうね。照明卓と舞台という二つの視点から、その一瞬に立ち会うから。
川北 
そうかもしれません。
__ 
そこでどのようなものをどう表現するに意識的になれるか。少なくともそれは、アーティストとしての必要な要件の一つかもしれませんね。
川北 
もちろん、どちらをやっている時でも目立ちすぎるのは良くないし、かと言って目立たなすぎるのも。例えば昨日、下鴨車窓の「煙の塔」を見たんですけど、やっぱり魚森さん凄い!って。自然だけど、でも強調する部分があって。
__ 
あれは確かに、自然により近づいた表現でしたね。霧の中の夕焼けなんて、普通でも中々体験しないのに分かる。光の波長が違うのかな。PCのディスプレイの光と自然光って全然波長が違うから、それが結構、人の認識に影響を与えるんじゃないかという気はする。
下鴨車窓
京都を拠点に活動する劇作家・演出家の田辺剛が主宰するユニット。(活動紹介より)
下鴨車窓#10『煙の塔』
公演時期:2013/1/31~2/5。会場:アトリエ劇研。

タグ: 反応し合う


MCとかで、平気で話しかけてくる(!)

__ 
今後、かにぱんさんはどんな感じで攻めていかれますか?
かに 
本当に「楽しい」を追求していきたいんですよね。自分の好きな事をして食べていけるってすごい幸せだなって思っていて。それ以上に、楽しいを商売にして共有して、一緒に楽しいねって言っていけたら最高なんですよね。
__ 
なるほど。
かに 
動画だけじゃなく、イベントでも、同じ楽しい空間を生んで、「これはいい」って思ってペイ出来るというのが理想ですね。まず私が楽しくて、みんながのっかってくる事でより楽しくなる。それが条件なので、形はあまりこだわっていません。CDであるかもしれないし、ライブイベントかもしれないし、一日カフェを開催したり。その根幹は同じ「楽しい」。
__ 
「楽しい」を共有する。
かに 
楽しいというのは一番共有しやすい感覚なんじゃないかなと思っています。偉い人でも年上の人でも。共有した後に、悪い事は残らない。歌を聞いてもらって、上手いと思われるよりも楽しいと思われる方が私としてはうれしい。私が楽しく歌ってるから。上手に唄おうとはしていないんです、実は。
__ 
よく言われる'10年代(てんねんだい)。楽しさを素っぽい感じでコンテンツを生んでいく人たちの事を指すんだと思うんですよ。上手というよりは親しみやすい作品を作るんですよね。
かに 
だって、舞台と観客席って高さが違うんですけど、それはあくまで舞台が見やすいようにしているんであって、どっちが立場的に上かなんてないんですよね。私はそこに「凄い事やってるんだぜ」って気持ちで立ってる訳じゃなくて。むしろ、観客席にいる人と同じ空間を共有している事を大切にしたいですね。私のライブにくるお客さんは凄く口だししてくるんですよ。
__ 
それは面白い。
かに 
MCとかで、平気で話しかけてくる。それも、内容が普段の雑談のノリなんですよ。「かっこいー」とか、下から上へのそれじゃなくて。ウチのイベントは全然違います。ふつうに会話してきます。あのアットホームさは大事にしたいですね。
__ 
舞台と客席が、段差があるのではなく斜面で繋がれている感じがしますね。
かに 
うん。で、見ている人同士も交流を大切にしているんですよ。
__ 
大阪にオリジナルテンポというパフォーマンスユニットがあって。そこの前説の注意事項が「携帯はOFFにしなくて大丈夫です。おしゃべりしてもかまいません。むしろ、おひとりで来た方は隣の人と仲良くなって帰って下さい」って。
かに 
(笑う)それは滅多にいわないですね。
__ 
ネットの発達によって、交流しやすい素地が観客席にもある。これはニコニコ動画というシーンでも、小劇場でも同じですね。そこで、イベント空間で「楽しさを共有する」という切り口で売り出していくプロデュース形態が現れるのは一つの趨勢ですね。


オリジナルテンポ
2002 年に演出家ウォーリー木下を中心として設立。台詞を一切使わないパフォーマンスグループとして活動中。(公式サイトより)

タグ: 反応し合う 観客との関係性 今後の攻め方


vol.152 かにぱん。

フリー・その他。

2010/春
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かにぱん。