TOKYO PLAYERS COLLECTION「IN HER THIRTIES」

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さて、TOKYO PLAYERS COLLECTIONのIN HER THIRTIESについて。西村さんにとってはどんな思い出ですか?
西村 
どんな思い出・・・あれだけ魅力的な人たちと一緒に過ごせて、すごく大切な時間だったなと思います。公演が終わった今もビアガーデンに行ったりしています。もちろん現場で一緒になることもあるし。皆で一人の人物を演じたからか、何か心の距離が近いんですよ。
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20人で全員、一斉に一人の役作りをしましたからね。西村さんは30歳のコーナーでした。稽古がガールズトークから始まったそうですね。
西村 
本音がポロッと出てしまったりとか、サラっと言ってしまった事を上野さんが拾ったりとかして。ああ、聞いていたんだなあって思いました(笑う)。
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出演者の方にとっては、色々考えさせられる舞台だったようですね。30歳として、西村さんはいかがでしたか。
西村 
親の事や、結婚出産に関しても色んなリミットが迫ってきて。次々選択していかなければならないなというのがリアルになったというか。自分の人生についてもすごく悩みました。自分はこれからどうしていけばいいんだろう。自分はずっと芝居していくのかとか・・
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そうですね。
西村 
20代とは全然違う責任があるんですよね。
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IN HER THIRTIESは、多くの人に内省を促した作品でしたね。
西村 
私30歳になりたてて稽古してたんです。30代になると色んな選択が迫ってくるなって色々考えました。
__ 
いやあ、芝居しているなんて最高の親孝行だと思いますけどね。だって舞台に立ってるんですよ?
西村 
うーん、親は安定を求めているかもしれないです・・・。でも、私の両親は「あなたの好きな事をやりなさい、でも自分でやっていきなさいよ」と言ってくれてるんです。結婚しないの?とか言ってこないんです。
__ 
おお。
西村 
でも、絶対思っているんです。周りも結婚ラッシュだし。親孝行、ってなんなんですかね?
__ 
うーん・・・でも、西村さんがそういう心配をしつつも、自分のやりたい事を一回一回完遂しているというのは親の愛に応えていると思いますよ。だって、何もしないのはあり得ないですよ。親からもらった命を全うしようとしてるじゃないですか。それは答えていますって絶対。
西村 
いや、そうですよね。きっとそう思います、だって、私が嬉しそうに楽しそうにしている方が、輝いている方が親にとっても・・・
TOKYO PLAYERS COLLECTION「IN HER THIRTIES」
公演時期:2014/3/27~31。会場:in→dependent theatre 2nd。

タグ: 結婚について 役作り=キャラクタの分析 IN HER THIRTIES 本音の価値 インタビュー取材による作品づくり


「ここでしか聞けない先輩の本音。」

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さて、祭についてもう少し。お祭という体裁が学生達にどんな影響を与えているのでしょうか。
沢  
今回は時期が変わってしまって、申し訳ないんですけど・・・。色んな同世代と出会えて競い合える。そういう場として、認知されつつあるとは思います。
__ 
そうですね、何日かではありますが、交流しあわないではいられない場ですね。
沢  
でも、その交流もそのままにしていては何もならないですから。最近頑張っているのは、学生演劇祭の前にオープンステージという括りで番外企画をいくつもやっているんですね。
__ 
番外企画。
沢  
今回は5月末に合同稽古をして、学生自身にWSをしてもらうと。学生がその内容を考えるんですね。その次はMONOの土田英生さんや照明家の葛西健一さんをお呼びしたWSですね。大きい公演の舞台裏ツアーをしてもらうという企画もありました。KUNIOの「HAMLET」です。アフタートーク付きで。これは参加人数が限られているんですが、大きな刺激になったようです。上のステップが覗ける、いい機会になったんじゃないかと思います。
__ 
なるほど。
沢  
それから、先輩たちの本音が聞けるトーク企画も開催します。まあ、演劇を続けるって大変で。社会人として演劇を続けている方、バリバリ舞台で作品を作り続けている方をお呼びして、「ここでしか聞けない先輩の本音。」という。学生自身が、これからどういう道があるんだろうと考えて貰えるような企画を考えています。

タグ: 本音の価値 自分は何で演劇を


「グッド・バイ」

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さて、メイシアタープロデュース SHOW劇場VOL.8「グッド・バイ」。とても面白かったです。
永津 
ありがとうございます。
__ 
永津さんは女性編集者の役でしたね。主人公の作家と不倫関係にありながら、その作家の奥さんとも対話するという微妙な関係が見事でした。あの舞台、もうほぼ全ての役が好きになれなかったです。それは何故かというと、クライマックスになるまで人物の本音が全然分からなくて。特に永津さん演じる「太田静子」がそうでしたね。最終的には作家の子を妊娠するという事で自分のエゴを守るみたいな。
永津 
あの作品については、多分そうなると思います。出来ているかどうかは分からないんですけど。普段隠している見せたくないエゴ、隠している事すら忘れている部分を見せるという稽古をしていたので・・・
__ 
それは凄い稽古ですね。
永津 
辛かったです(笑う)だから好きになれないと言われるのは成功だったかもしれませんね。
__ 
いや、結構な人数が好きになれなかったですね。でも段違いに嫌だったのはあの変な飲み会のシーンですね。全員が全員、嘘でごまかしてきたのに耐え切れない状況のはずなのに、そこへきてさらにごまかそうとしている。それも暗黙の了解で。
永津 
あそこは凄く評判がいいですね(笑う)。
メイシアタープロデュース SHOW劇場VOL.8「グッド・バイ」
公演時期:2014/3/6~9。会場:吹田市文化会館 メイシアター 小ホール。

タグ: 登場人物が好きになれない 本音の価値


二つの意味で透明なモノローグ

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異彩を放っていたシーンがありましたね。渡辺さんの、最後に落語という形のモノローグ。そこだけが具体的にはシチュエーションという訳じゃなかったなと。
大崎 
クールキャッツ高杉が演じた落語家も、劇中、ラジオで落語を口演するんですよ。そのシーンは舞台上で演じられるんですが、だんだんとモノローグへと変わっていく。ラジオはラジオで演じられているんですが二重になっているんですね。そんな彼と一晩一緒にいたインタビュアーの女の子にも、その演じ方が移ってしまう。マイケルジャクソンの隠し子で、本当はキャビンアテンダントの彼女は、普段本音はあまり口に出していなくて。それが落語っていうカタチで、飛行機の客席に向かって自分の事を喋ってしまう。その客席から見ていた一人が近づいてくる。彼は初恋の女の人をようやく見付けたんですね。彼女は彼女で、ようやく自分の事をずっと見てくれていた人に会えたって感じで。
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なるほど。
大崎 
発見してもらう事で面白い物に出会えた。ちゃんと物事を見てる人間はちゃんと他の物からも見てもらえると思います。

タグ: 落語 本音の価値


ドキドキぼーいずの恋煩い#03「だらしない獣」

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今日はどうぞ、よろしくお願い致します。最近、佐藤さんはどんな感じでしょうか。
佐藤 
最近はドキドキぼーいずの次回公演の稽古ですね。
__ 
そう、京都演劇フェスティバルにドキドキぼーいずが参加する作品「だらしない獣」ですね。
佐藤 
僕は主人公たちに山の掟や物語の背景を伝える、マタギの役なんです。劇団としては珍しいテイストの作品なんですが、実は第一部と第二部に分かれている作品でして、第二部ではだいぶ印象が変わるんです。
__ 
というと。
佐藤 
第一部はまるで絵本を読み聞かせるような演出ですが、後半になるとドキドキぼーいずが得意としてきた、個人の内面に迫る描写になるんです。演劇フェスティバルなので色んな層のお客さんが来ると思うんですが、最初からとっつきにくい描写をしてしまうと、お客さんを遠ざけてしまうから。そんな狙いもあるんじゃないですかね。
__ 
そうした作品は、とても好きです。本当のところ、個人の内面に迫る過程というのは非常に難しい作業だと思うんですよ。だから嘘は介在出来ない。では、ドキドキぼーいずにそれを行える資格はあるのでしょうか。
佐藤 
どうでしょうね。生々しい描写は、実は僕自身はそんなに好きじゃないんです。でも、演劇でこそそういうネガティブな表現をやる意味はあると思うんです。本質に近づく行為なんです。
__ 
なるほど。
佐藤 
実は僕らはこういう方法しか知らないですしね。いやキレイな表現で本質に近づければいいんですけど、でもその為にはこの過程を通らないといけないんじゃないか。それはお客さんもきっとそうなんです。
__ 
核心に迫る行為を知らなければ、本音への志向性を持っていなければ・・・。
ドキドキぼーいず
2013年、代表である本間広大の学生卒業を機に再旗揚げ。京都を拠点に活動する若手演劇チーム。虚構性の強い演劇を目指し、『リアル過ぎる嘘っぱち』の創作に挑んでいる。生み出されていく衝撃を、時に優しく、時に激しく、作品として観客に提示することで、人間の本質を描き出す。いつまでも青臭い、カワイイ奴らでいたい。(公式サイトより)
ドキドキぼーいずの恋煩い#03「だらしない獣」
公演時期:2014/2/15。会場:京都府立文化芸術会館。

タグ: 私の劇団について 本音の価値


26歳の北尾亘が探しているもの

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今日はどうぞ、宜しくお願いします。北尾さんは、最近はどんな感じでしょうか。
北尾 
こちらこそ、よろしくお願いします。僕はいま26歳なんですけど、今年に入ってから色々とお仕事を頂いておりまして、ずっとばたばたとしています。26歳としては、そろそろ将来のことを考えて動いていかないといけないなと思っているところです。一日のなかで、考える時間が多いですね。ネガティブな思考になりがちなので、後ろ向きになってしまわないように気を付けたいです。
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私も基本的にはネガティブなので、お気持ちは分かります。いつか、ここから抜け出せるでしょうか。
北尾 
それを信じて行きたいですね。今年の残りがどうなるかで決まるように思うんです。あと少し、駆け抜けたいです。
Baobab
主宰:北尾亘が全作品の振付/構成/演出 所属メンバー:目澤芙裕子・米田沙織と共に企画/運営を行う。作品毎にダンサーや役者の垣根を越えた人材を募り、経験の有無や得意不得意に関わらず集まった人をみな踊らせてしまう大胆なダンスの扱い方が特徴。コミカルでいてリズミカルな独特の躍動感を持つ振付と、それぞれの関係性にまで手を伸ばす演出を織り交ぜ、[時に喋り歌い 沢山笑ってたまに泣く] 強いパフォーマンス性を武器に身体の先に人間を描く。出演者それぞれの本音として溢れ出る身体・言語を舞台上に充満させ、その熱が客席まで侵食していくような表現を目標としている。 KYOTO EXPERIMENT (京都国際舞台芸術祭)/ ダンス・インパクト吉祥寺/PLAY PARK~日本短編舞台フェス~/こまばアゴラ劇場 サマーフェスティバル 汎-PAN- 等様々なフェスティバルにも積極的に参加し、活動の幅を広げている。またパフォーマンスと観客のボーダレスな関係を求め、作品創作だけでなくパフォーマンスイベントの企画やクラブイベントへの出演なども行う。●トヨタコレオグラフィーアワード2012「オーディエンス賞」受賞●コンドルズ振付コンペディション2010(CCC) アホウドリ賞(準グランプリ)受賞・KYOTO EXPERIMENT(京都国際舞台芸術祭) フリンジ企画 3年連続参加(公式サイトより)

タグ: どんな手段でもいいから続ける ボーダレス・横断 追い詰められた時期 最近どう? ネガティブ志向 夜の共犯者 本音の価値


本音

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有北さんにお話を伺ったところ、彼の原動力はしょうもない人への愛情だという事が分かりました。
嘉納 
そう、そうですよね。ちょっとロクでもないところを見せてくれないと友達にはなれないよな、って気はしますよね。あとは銭湯でお互いの裸を見せ合わないとね。
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かのうとおっさん作品では、登場人物は本音をモノローグで言ってくれてますよね。私達が日常生活で「思っても口に出せないこと」どころか「不謹慎すぎて意識の上にすら上げたくないような打算」を易々と代弁してくれる。非常に露悪的なパフォーマンスなんですが、それは何故かとても笑える。かのうさんは、なぜそういう人物を描きたいんでしょうか。
嘉納 
台本を書く上でそういう台詞の方が映えるんですよね。立派な事を言っている台詞って、わざわざ舞台上で見なくてもいいような気がするんです。それと、人がそういう本音を言っているのを見たいんですね。「モテたい」とか「モテてる奴は全員死ねばいいのに」とか。
__ 
台詞が映えるというのは何だか分かりませす。
嘉納 
立派な人たちばかりが出てくる芝居が、面白いとは私には思えなくて。やっぱり喜んでもらいたいですからね。
__ 
受け付けない人もいるかもしれませんね。
嘉納 
ああ・・・やっぱりいるんじゃないですかね。方向性を間違えたら、何か言われてしまうかもしれません。

タグ: 『モテ』 本音の価値


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格闘の本番と舞台の本番。共通する事を感じた経験はありますか。
嵯峨 
本番の舞台では誰も助けてくれない。それを強く意識します。演劇的な見せ方への意識って、武道の演武で生きるんですよ。見栄を張るやり方ですとか目線であるとか、発声であるとか。同時に、武道で培ったものが舞台で生きる事は多いですね。ピンと背筋を張った立ち方であるとか、立ち幅とか、相手との間合いの違和感を感じるかどうか。
__ 
違和感?
嵯峨 
手の届く距離に相手がいること。それを本番でも意識する事で、緊張感をもって演技することが出来ます。そして、目線の使い方です。「のるてちゃん」を東京でやった時、ゲストに来ていただいた藤本由香里先生に「あなた本物っぽい!」って言われて。警察官僚ってそういう風に立っているのよ、って。研究したから、というのもありますが。武道をやっているかどうかは結構伝わるみたいです。
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武道をやっている人の立ち方、目線が生きるんですね。
嵯峨 
背筋に力を入れた緊張しっぱなしの立ち方だと疲れてしまうし、リラックスし過ぎでも良くないんですよね。空手の有名な先生の話で、海外で強盗に出くわした時はさっと用意しておいた20ドル札を渡すんですって。そりゃ強盗を空手で制圧する事は簡単なんですけど、その後の面倒臭さを考えると、被害を避ける為の一番の方法はそうすることだそうです。海外だと特に。それも一つの武なんですよね。「武」とは、争いを避ける事ですから。技術を使って相手を制圧するのは意外と最後の最後なんですよ。
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備えているという事ですね。
嵯峨 
絡まれた時も、落ち着かせて話を聞く事とかね。実のところ、絡まれて腕を掴まれても、ちょっと習った位では振りほどくための技なんて出ないんですよ。訓練して訓練して、指導員クラスの人でようやく出るくらいなんですよね。さらに、矛盾するようですけど、道場で教えられた護身術はみだりに使ってはいけないんです。中国拳法の世界でもそうですけど、手が出るのはラスト。今日で人生がちょっと変わってもしゃあないな、という覚悟が出来た時だけなんですね。空手はとても危ない事を学ぶんです。だからこそ、正しい心を持たないといけないんです。

タグ: 印象的な特徴「目」 わたしとわたしの矛盾 本音の価値


あなたが好きな物が好き

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九鬼さんがお芝居を見た頃に見た、衝撃を受けた作品を教えてください。
九鬼 
私、これは癖なんですけど、その時周りにいる近しい人が何かの作品を見て、首ったけになっている姿を見て、うわああってときめくんですよ。ああ、面白そうにしている。ああ、って。
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例えば。
九鬼 
本谷有希子の作品にハマっている友達がいて、作品に夢中になっている姿が可愛くて。だから、本谷有希子というよりは、本谷有希子を観ているその子に、衝撃を受けたといえば、受けた。
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ときめいている姿にときめく。
九鬼 
はい。
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瑞々しい感覚ですね。分かる気がします。ご自身にはなぜそういう感じ方があると思われますか?
九鬼 
自分の目に自信がないんでしょうね、きっと。あなたが好きな物が好き、という言葉になるんですけど。私がこの人センスがいいなあと思う人がいたとして、その人は最初私のことをそんなに好きじゃない。私が心底頑張って、その人がもし私の事を気に入ってくれたら、その人が好きになったものなら私も好きになれるから、それで自分を肯定出来そうな気がする。という気持ちですかね。
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なるほど。
九鬼 
自分の碇を持ってる人はセンスがいい気がします。努力クラブの稽古場でも、合田くんや丸山くんがどういうポイントで笑うかが面白いんですよ。本当はお客さんにそこを見て貰いたいですね。

タグ: 衝撃を受けた作品 人が人を好きになるってすげえじゃん 本音の価値