「愛さないでくれよ」

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ドキドキぼーいずの話からさせて頂ければと思います。まず、あの役はご自身ではいかがでしたか。まあ複雑な役柄だったとは思いますけど。
佐々 
僕は楽しかったです。これは本間広大とも言ってたんですけど、「ハムレットみたいなもの」の主人公が普通で、周りが変なんですよね。ただハムレットは外界からのストレスに敏感なだけで、だから一番普通な奴が一番おかしくなってしまった。なので僕は、自分は何も作っていかないように気を付けていました。舞台に上がるまでのあらすじで語られる関係性と「どう思っているか」だけを持っていくんです、するとホントに、全員がムカつく事してくるんですよ。そのムカつきを体で発散したんです。内に籠もらせないで。気持ちをすぐ体に出すなんて、普段やらないじゃないですか。貧乏ゆすりぐらいしか。
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匿名劇壇だと、まあ確かに佐々木さんは止まってる事が多かった気がする。
佐々 
でも、すぐ動くのが求められてたんです。出来てるかは分からないですけど。僕的には楽しい、悲劇だから楽しいというのはおかしいかもしれないですけど。
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いや評判でしたよ。私個人としては、普通の青年が日常に戻ろうとして、自棄になるというよりは壊れてしまった感じ。叔父さんが実母と結婚したり、かつての親友が、あえて昔と変わらない調子で声を掛けてきたり、しかもそれが母親の差し金とかだったり。
佐々 
そういうの、ちょっと嫌ですよね。合わせられるんですけどね。
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何か、「愛さないでくれよ」とかいう気持ち。そっとしておいて欲しいというか。
佐々 
向こうの裏が見えてしまう感じ。まあ逆ギレなんですけどね。
ドキドキぼーいず
2013年、代表である本間広大の学生卒業を機に再旗揚げ。京都を拠点に活動する若手演劇チーム。虚構性の強い演劇を目指し、『リアル過ぎる嘘っぱち』の創作に挑んでいる。生み出されていく衝撃を、時に優しく、時に激しく、作品として観客に提示することで、人間の本質を描き出す。いつまでも青臭い、カワイイ奴らでいたい。(公式サイトより)
ドキドキぼーいずの大進撃#04『ハムレットみたいなもの』
公演時期:2014/10/3~6。会場:元・立誠小学校 音楽室。

タグ: ドキドキぼーいず「ハムレットみたいなもの」 優しい嘘 愛を厭う 関係性が作品に結実する


どくの沼地歩くから命へる 歩かなければすぐに死ぬ

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京都ロマンポップの前回公演、「どくの沼地歩くから命へる 歩かなければすぐに死ぬ」が素晴らしく面白かったです。今一番、脂の乗った時期と言えるかもしれないですね、ロマンポップ。ここ最近で見た中で一番面白かったかもしれない。
肥後橋 
ありがとうございます。
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2本目の作品。肥後橋さんは、主人公のライバル役を演じられましたね(主人公は向坂さん)。
肥後橋 
そうですね。基本的には凄くいい人でみんなから好かれていて、でも主人公にとっては迷惑な部分がある。コンビニで会ったらグイグイと近寄って来られて、少し空気が読めないところが、ネガティブな人を傷つけてしまう。そんな人物を描きたかったんだと思います。
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そうそう。しかし反面、主人公が作った作品を本当に評価してたり・・・
肥後橋 
ええ、一番上手く解釈して、自分がやりたい事の理解者だったという。そこが主人公にとってはやりきれないですよね。本当はいい奴で、でも認める訳にはいかない。逃げ場がないですよね。
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そして、「僕を理解するな!」と拒否して終幕しました。プライドはとっくに傷つけられていて、そのうえ愛されてしまった苦しみ。
肥後橋 
そうですね。「愛されてしまった」というのはありますね。
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それは本当は、彼が求めていたものではあるのですが。ラストシーンの直前に彼は、四条通で無差別テロをするためにトラックならぬ自転車を借りてましたね。武器を持って世界を壊そうとするけれども、ライバルに出くわしてしまい、彼の本質である芸術性を愛撫されてしまった、その混乱。
肥後橋 
現代では、テロの対象としての特定の場所がないという事もあるんですね。事件を起こす舞台がない。昔だったら二・二六事件のように、場所があるんですが・・・
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認められない事が、攻撃心に結びつき、対象を見つけられないまま・・・
肥後橋 
不意に現れたライバルこそが攻撃対象かと思っていたら自分の唯一の理解者だったという。

タグ: 死と性と ユニークな作品あります 愛を厭う 成長拒否