わたしと劇団レトルト内閣

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Q本さんが演劇を始めたのはどんな経緯があったのでしょうか。
Q本 
去年のレトルト内閣の「倦怠アバンチュール」のオーディションに突然応募したのが最初です。そこまでの経緯を説明すると、ゲキシネってありますよね。
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ありますね。
Q本 
母が宝塚が好きで、当時はトップスターが天海祐希さんだったんです。天海さんが出演された「薔薇とサムライ」のゲキシネを見たらすっごい面白くて。「そうだ、私って昔ガラスの仮面が好きで演劇部に入りたかったじゃないか」と思い出して。もしかして大阪なら演劇もあるんじゃないか、都会だし、と思って「大阪 小劇場」で検索したらレトルト内閣が結構上に来てて。
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そうですよね、強力なSEO対策してますよね。
Q本 
そうなんですよ。めっちゃしてるんですよ。検索の上位にありますよね。「ここなら大丈夫かも」、って思って。
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警戒心があった?
Q本 
演劇は観たことないけれど、一歩間違えたら変なところに引っかかってしまうんじゃないか。なるべく大丈夫そうだなというところを選ぼうと。その時はちょうど、「猿とドレス」をやってて。ABCホールはキレイそうだし、安心して見に行ったらもの凄く面白くて。演劇に対するイメージが変わりました。
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とりわけカッコいい作品でしたね、「猿とドレス」。
Q本 
その次の「金色夜叉オルタナティブ」も観て、それも面白くて。しばらく後に劇団のtwitterで出演者オーディションを知って、「倦怠アヴァンチュール」に出演した後、「劇団に入りたいです」とお願いしたら入れてもらえました。
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大阪でも屈指の、丁寧で細かくこだわる作品を作りますよね。責任意識を感じるんですよね。それが悪い方向に働く場合もあるけど、独特の緊張感がある。
Q本 
社会人だからかな?ビジネスライクなところがあるかもしれないなってちょっと思います。いい意味で。
レトルト内閣第20回公演「倦怠アヴァンチュール」
公演時期:2013/2/1~3。会場:HEP HALL。
劇団レトルト内閣18回 10周年記念公演第二弾「猿とドレス」
公演時期:2011/9/16~18。会場:ABCホール。
劇団レトルト内閣19回公演「金色夜叉オルタナティブ」
公演時期:2012/6/15~17。会場:HEP HALL。

タグ: それを揺らしてはいけない レトルト内閣のウワサ


受けてみようかなっ

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佐々木さんは神戸大学の学生劇団のご出身なんですよね。
佐々木 
そうです。自由劇場です。神戸大にははちの巣座もあります。仲いいんですよ。
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外部への出演が多いですが、それはいつ頃ぐらいから?
佐々木 
今年の2月にレトルト内閣さんに出演してから、です。先輩が勧めてくれたオーディションに運良く受かって。受けてみようかなっ、という軽い気持ちでした。
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ご自身としてはどんな体験でしたか。
佐々木 
みなさんとても優しくして下さって、かのうとおっさんのお二人にも出会えたし、ホントに貴重な体験でした。
自由劇場
神戸大学。2013おおさか学生演劇祭にて優勝。新人公演「花の紅天狗」(公演時期:2013/9/21~22。会場:神戸大学シアター300 )

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vol.315 佐々木 ヤス子

フリー・その他。

2013/春
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佐々木

レトルト内閣第20回公演「倦怠アヴァンチュール」

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さて、レトルト内閣の次回公演「倦怠アヴァンチュール」。大変楽しみです。再演ですね。意気込みを教えて下さいますでしょうか。
福田 
初めて客席から見たレトルト内閣の公演が、これの初演だったんですよ。6年ぐらい前かな。それがめっちゃ面白かったんです。それを観てなければ入団してないと思います。あの面白さを再現したいですし、越えたいですね。劇団として越えなかったら意味ないですし。
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初演、そんなに面白かったんですね。
福田 
そうなんですよ。それから何回かレトルト内閣の作品に参加していましたけど、あの作品の良さはずっと忘れられなくて。常に疾走感があって、たまに歌が入って。ずっとリズムに乗って続いていくんですよ。ラストに向けて盛り上がっていって。
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それ、すごく面白そうですね。
福田 
それと、B級耽美な感じが。私は当時、耽美な人たちかと思ってたんですけど、それを自らB級としてネタに出来る人たちなんですよね。シャレでやってるけど、本気なんです。その哀れな感じに、キュンとします。
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今回の役どころを教えて下さい。
福田 
倦怠アヴァンチュールはニューハーフの話なのですが、ニューハーフの1人です。5人組なんですけど、パシリみたいな役です。子供鉅人から出てくださる益山さんが最高に美しいです!稽古場では演出助手をしてます。目がいっぱいほしい役回り。
レトルト内閣第20回公演「倦怠アヴァンチュール」
公演時期:2013/2/1~3。会場:HEP HALL。

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劇団レトルト内閣とその変遷について

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さて、レトルト内閣とその変遷について今日はお話したいと存じます。
三名 
細かく説明しだしたらキリがないんですけど、どういう感じでいきましょうかね。
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まず、私の経験から良いでしょうか。5年前に楽園狂想曲という作品を芸術創造館で拝見し、それから一作品くらい飛ばして全て拝見しています。
三名 
ありがとうございます。
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これは大変失礼な言い方ですが、最初に観たその作品からほぼ別の劇団なんじゃないかというぐらい作品の質が上がったと思っています。偉そうな言い方にならざるを得ないんですが、成長されたなと。最初に観た作品は、下手というよりかは、表現を伝えたいという意思と手法がマッチしておらず、安易な作りに見えたというか・・・やりたいようにやってるだけのように見えてしまったんですね。しかし5年して、演出方法に劇的な変化があり、ほとんど変身しているように思えます。驚きました。何があったんでしょうか。
三名 
楽園狂想曲に関しては、まあ失敗したなというのがあったかなと。
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そうなんですね。
三名 
演出方法として、大劇場寄りの作り方をしてしまったので・・・これではちょっとあかんなと。どこまでいっても大劇場を超えられないし自分達の良さを引き出せない。そういう意味では絶叫ソングもそうでした。社会に訴えるようなというテーマを選んでしまったために、焦点がぼやけていて。演出の面でも、ポイントがハッキリと分からなかったんですよね。
__ 
しかし、「さらばアイドル、君の放つ光線ゆえに」から一転、全く違う演出方法が取られるようになりましたね。「さらばアイドル」は非常に場面転換が多い、暗転と出ハケと映像のテンポが良く、恐ろしいスピードでイメージの切り替わる芝居でした。それまでのレトルト内閣の持っていたイメージを受け継ぎながら、とてもシャープな仕上がりでした。強烈なイメージを伝えるのに必要な、切れ味のあるやり方。演劇に形を借りたパフォーマンス作品と言えるんじゃないかと考えています。そういう作品はあまり観たことがなかったので、新鮮でした。そうなったのは、内から来る表現欲求だけに拘るよりも、演出方法に目を向け始めたからじゃないかと考えているのですが。
三名 
それはありますね。従来の手法を変えようと言い出したのがレトルト内閣の代表でした。
__ 
というと。
三名 
「さらばアイドル」以前は演出に向いていないんじゃないかと思っていて。それならお芝居の鉄則、一場一シーンに則って作ったらクオリティが高くなるんじゃないかなと。ウチは台本を決める会議を毎回するんですが、そこで私が「鉄則通りの大人しい演出をしたい」と言うと、代表の川内が「それは可能性を狭めるから嫌だ」と。「そんな発想ではもうどこにも行けないから、抜けだそう」と。じゃあ思い切ってやってみましょうかという事になって、逆にシーンを細かくぶった切って映画のシーン作りを意識した演出になりました。
__ 
そう、映画みたいな演出でしたよね。
三名 
次の「猿とドレス」はデビッド・リンチやジョーン・ゾーンを研究して、訳の解らない演出をやりました。
__ 
あれは凄かったです。強烈なイメージがあるんですよね。
__ 
しかし、そうした転換は会議で決まった方針なのですね。
三名 
会議はいつも作品が幅広い客層にウケるようにというスタンスで、焦点のボケるものだったんですけど・・・。その時は珍しく、変化や挑戦していこうと代表が言って、すごく感謝しています。
__ 
それからなのか、俳優の会話もモノローグも凄く上手くなっていったような気がします。自分の保守範囲を守るような演技じゃなくて、演じる事に捧げているように感じます。見せ方が変わっただけじゃなくて。この間の「金色夜叉オルタナティブ」も非常に面白かったし。そうなんですよ、劇団って頑張ったら成長するんですよね。少なくとも変わる。でも、俳優の方々は苦労されたんじゃないですか?
三名 
凄く苦労しました(笑う)。早替えであったりとか、複数役があるとか、数秒で暗転するとか。技術も気合もいる(笑う)
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でも、よく訓練されている感じはしますね。全然不安にならない。
三名 
やり始めたら、技術がだんだん蓄積し始めているんですよ。俳優も苦労しながらノウハウを蓄積して、根をあげず助けてくれました。
__ 
たった一作品で変わる事ないですもんね。
三名 
ウチの特徴として、セリフのテンポが早いんですね。以前伊藤えん魔さんがゲストで来て下さったとき、ものすごく多忙な時期を融通してくださって来てくれたんです。バタバタだったので段取りだけ確認して、本番が始まってから、自分の出番までの時間で台本を覚えてはったんです。そろそろ自分の出番かなというシーンで。そしたら、すごいスピードでシーンが変わっていくから「今、どこ?こんな早いんか、間に合わない」って(笑う)。
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それは伊藤えん魔さんが面白い話ですね(笑う)。
三名 
知れば知るほど凄い方です(笑う)。

タグ: 出ハケについて 伊藤えん魔さん 転調 レトルト内閣のウワサ 段取リスト 作家の手つき


適切さについて

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ちょっと話を戻して・・・。三名さんは、演劇をアートだと考えている。
三名 
やっていくうちに、考えるようになりましたね。演劇を作る時に、演劇を参考にしなくなったのがあります。絵画だったり映画だったり、音楽だったり。自分のやっている事もアートの一つなんじゃないかなって。お客さんに届けたい、違うイメージを届けたい。そういう時に、演劇というくくりの中で考えていたのが、少なくとも自分にとっては限界を感じたんです。
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そうなるまでは、演劇をやっているつもりだったと。
三名 
そう、そうかもしれません。
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いや、演劇をやる事を否定するつもりはないですけど、巨視的に捉えたら、お芝居を成立させる事が最後のゴールではないですからね。はっきり言って。
三名 
最近気付いたんですけど、京都の人と話していると「私達アーティストは・・・」と言うのに対して、大阪だと自分達を「演劇人」と呼ぶんですよね。
__ 
ああ。
三名 
という、不思議な光景が。
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なるほど。ただ、どんな形態にしても、自分達のやりたい事で、自分たちに合った形態を見つけられればそれが最高だと思います。男肉duSoleilのように。
三名 
一度、観たことはあります。
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あれを、アートと呼べますか?
三名 
本公演を観た事がないので、なんとも・・・。
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でも、あれが彼らに本当に合っている表現だと思うんですよ。しかしそれを見つけるのが、きっと一番難しい。
三名 
人がどう呼ぶかというより、自分たちがどう考えているか、アイデンティティにも関わってくる問題ですよね。
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そうですね。そして、男肉もレトルト内閣も、自分たちの根本を見失なっていない。しかしレトルト内閣は演出の面から徹底的に姿を変えた。そんなレト内が、私にとっては、成長していける劇団のモデルケースだと、自然に思えるんですよ。
三名 
ありがとうございます。でも、未だに、自分達を適切な言葉で言い表す言葉を探しているんです。
男肉duSoleil
2005年、近畿大学にて碓井節子(うすいせつこ)に師事し、ダンスを学んでいた学生が集まり結成。J-POP、ヒップホップ、レゲエ、漫画、アニメ、ゲームなど、さまざまなポップカルチャーの知識を確信犯的に悪用するという方法論のもと、唯一無二のダンスパフォーマンスを繰り広げている。

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