次の土地の子供鉅人

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苦労したシーンはありますか。
山西 
全体的な話になっちゃうんですけど、環境の変化がすごくて。暑かったり寒かったり、雨が降りそうだったり色んな部分が。緊張感が無くなってしまわないようにと思ってました。
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緊張感という点なら、シーンごとの差はすごいですよね。役を演じる演技と、ツアー演劇のコンダクターの演技。
山西 
僕は劇団員になって初めての公演だったので、単純に演技する上で勉強になった部分が大きくて。でも、またそれとは違う、アドリブのツアーをしているときの演技は別の意味で面白くて。
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子供鉅人の役者って、ふつうは出来ないような、特殊な経験をしているんだなあと思うんですよ。劇場はもちろん、町家で芝居をするし、ツアー演劇もテント演劇もコントも音楽もイベントもする。演技のスタイルも回によって大幅に違う(それはもちろん、舞台に合わせているという部分は強いけれども)。
山西 
そうですね。大事にしている部分は毎回同じで、お客さんを楽しませるというところに尽きていると思います。退屈な時間がないようにというか。
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クルージング・アドベンチャー3。私は一瞬たりとも退屈しませんでしたね。たとえ船着き場が渋滞していても。お客さんを退屈させない為に次々と新しい展開をし続けているということがあるのかな。その彼らが東京に行く。これまで、大阪という土地と強い結びつきを持っていた彼らが東京に行く。それも新しい展開の始まりでしょうね。
山西 
すごく楽しみです。僕は入って間もないけれど、すぐに東京に引っ越しで。そこから時間をあけずに劇場での公演で。
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激流に次ぐ激流ですね。環境が変わっても、子供鉅人と言う船をメンバーが強く心に持っている以上大丈夫だと思うんですよ。
山西 
ありがとうございます。

タグ: 『東京』 出立前夜 ちゃんと楽しませる 子供鉅人の街頭演劇アドベンチャー 引っ越し 土地の力 半野外劇 ツアー演劇の可能性


劇団どくんご 公演第二十八番「OUF!」 THE NAKED DOG TOUR 2014

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今日はどうぞ、よろしくお願いします。神戸公演が終わった直後のお疲れの中、大変恐縮ですがお話を伺えればと思います。今日は大変貴重な機会を頂きまして、誠にありがとうございます。私、実は10年ぐらい前に京都大学西部講堂で「踊ろうぜ」を拝見しました。とても面白かったです。あの日からどくんごへの興味が尽きません。今年もツアー中という事で、関西には6月に京都に来られるんですよね。大阪には10月。ところで、ツアー公演をされていると例えばどういう事が面白いですか?どうしようかな、とりあえず、時計回りに伺ってもよろしいでしょうか。
一同 
(笑う)
どいの 
どうでしょう。各地の受け入れの方がいるから僕らもやっていける部分はありますね。新しい地域との出会いも常にあって楽しいです。
五月 
受け入れの方々との関係もありますけど、野外でやっているのが面白いかな。外でやっているから袖幕もなくて、お客さんの顔も自分達の芝居も同時に見えるんですよ。その時の私はどうやら楽しそうに見ているらしくて「凄く楽しそうに見てますよね」とよく言われます。なんでかな。やっぱり、自分達だけの芝居だけをやっている訳じゃないからかな。その日の客席とか天気とか、環境の中で毎回違うんですよ。うまく行く事も行かない事もあるけれど、毎回新鮮です。
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ありがとうございます。芝居はお客さんのものでもあるから、その意味では常に違いますよね。
ちゃあ 
僕は今年が初参加なので、旅をするのも本番も楽しくて。色々なお客さんが来てくださるのが嬉しいです。演劇以外にも舞踏の人とか音楽の人とか、出会おうと思っても出会えない人にたくさん出会えるのが楽しいです。
根本 
彼は鹿児島出身で、札幌の大学にいるときにどくんごを見て参加したいと言ってきて。去年は転換と演奏にも参加していました。
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今日はよろしくお願いします。2Bさんはいかがですか?
2B 
僕が面白いと思うのは・・・本番が何回も出来るという事かな。
どいの 
なるほど。
2B 
何回やっても完璧な回はなくて、駄目なところは必ず出てくるんですけど。千秋楽でも間違えたりするんですけど(笑う)。時間もあるので、自分の気持ち次第で芝居を変えていく事が出来るんですよね。
高田 
高田といいます。東京で「快楽のまばたき」という劇団で路上演劇をやっています。お亡くなりになった九条京子さんのご了解を得て、寺山修司さんの作品の登場人物の名前を使わせてもらっています。何が楽しいか?これからどうなるか分からないんですけど、まだ慣れてもないし本番も9回しか出来てないんですけど、本番の度に「今日はこう行こう」というのが毎回違っているのが自分でも面白いです。場所のせいという訳でも、周りのせいという訳でもない、その日に何を思っているかも違うし、自分のやろうと思っている事も違う。旅をしているどくんごだけの感覚なのかもしれないなと。面白くもあり、緊張することもあり。
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スベる時はスベりますからね。
高田 
そうなんですよねー、こうやれば絶対うまくいくと思ってやっても、みんなからすれば全然面白くないって事がありますから。こんなんで大丈夫かなと思ってたらウケた事もあるし。
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カオスですよね。でも、楽しいですよね。石田さんは?
石田 
去年参加して、行く度に受け入れの方が盆に子供が帰って来たみたいに受け入れてくださって。素敵な体験ですね。それと、私も他の人のシーンを見るのが好きです。
根本 
僕は、同じ公演で70~80ステージをするのは初めてで。今まで多くて15ステージだったから。単純に、行った事のない場所に行くというのは単純に楽しみですよね。それと、京都でもちょっと変わった事をしていたからか、ずっと連絡していなかった友達ともう一度繋がれたりとか、自分の地元で公演が出来たりとか、京都でもベビー・ピーのごった煮を前夜祭として出来たりとか。今回のインタビューもそうだし。接点の無かった人達に出会うのと同時に、自分の持っていた縁をもう一度新しい機会として掘り起こすのが楽しいです。
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なるほど。これからも硬直する事なく、そして古い部分に光を当て、地を進み、根を破り、水を割り、空を飛んで頑張ってください。
全員 
(笑う)
劇団どくんご
日本全国を旅するテント劇団。
劇団どくんご 公演第二十八番「OUF!」 THE NAKED DOG TOUR 2014
公演時期:2014年。会場:日本全国各地。詳しい公演スケジュールはこちら

タグ: カオス・混沌 ユニークな作品あります 最近どう? 半野外劇 路上パフォーマンス 本番は毎回違う、一過性の


テント公演と、女三人

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筒井さんは今後、どんな感じで攻めていかれますか?
筒井 
「たんじょうかい」のような地に足着いた演劇作品を作りつつ、僕が発見できた「ズレ」から広がった、従来にはない方法から模索していこうと思います。具体的な公演予定としては、秋にテント公演するんです。
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テント公演!?
筒井 
10人ぐらいが入れるテントで、いろんなところに持っていきたいなと思っています。
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面白そうですね!なぜテント・・・。
筒井 
ある条件下で作ってしまいがちな今の状況から抜け出したかったというのもありますし、実は昔から冗談で言ってたんですよ、テントでやりたいというのは。発想が劇場などのすでにある上演施設に収まりたくないという思いもあって。
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6月にはそよ風ペダルの公演もありますね。
筒井 
高槻市のシニアの皆さんですね。劇場での公演ではありますが、素人ゆえに劇場に収まらない方々なんですよ。お互いに「客席に顔を向けていかな」とかって声を掛けあってくれるんです。シニアの方々だからこそ出来る、生の声に聞こえるようなセリフの言い方がどういうふうに受け止められるかですね。その辺りが楽しみです。
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「女3人集まるとこういうことになる」は。
筒井 
今稽古途中なんですけど、演劇をやっていてダンサブルになりすぎる瞬間と、ダンサーが演技になりすぎる瞬間の、本来ならダメ出しされてしまう、ダメな部分を集めるとこうなる、という事をちまちまと作っています。
高槻シニア劇団 そよ風ペダル 第1回本公演『モロモロウロウロ』
公演時期:2013/6/22・23。会場:高槻現代劇場 レセプションルーム。
DANCE FANFARE KYOTO参加『女3人集まるとこういうことになる』
公演時期:2013/7/6~7。会場:元・立誠小学校 職員室。

タグ: 半野外劇 今後の攻め方 実験と作品の価値


あの時代(2)

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学生劇団を経て、世界一団の旗揚げ。その経緯について伺っても良いでしょうか。
木下 
学生時代に二本、自分で作演出をやったんですね。一本目が「DORAEMON」っていうテント芝居で、冬のポートピアアイランドで上演しました。二本目の「冒険王」は灘区民ホールの柿落とし公演で、学生劇団なのにそういう話が来て。それが結果的には3時間の芝居になって、本番の1週間前に台本が2/3しか出来てなくて、しかも小道具もセットも滅茶苦茶多くてみんな徹夜して作業と稽古して。やっと台本を書き上げて明日から仕込みという時に僕が熱出ちゃって稽古に行けなかったんですよ。下宿先で39度の熱で一人でうんうん唸って、その時正直死ぬ感じがあったんですね。でも、「何かしないと死ねないな」と思ったんですね。その時演劇をやっていたので、演劇をやろうと決めたんです。熱にうなされながら。
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はい。
木下 
翌日ホールに行って、最初に会った人に「劇団作んねん」と宣言しました。ちなみに芝居は・・・。灘区民ホールは公共施設なので退館時間が厳しいんですね。21時とか21時半とか。19時開演で3時間の芝居、途中で幕が閉まったんです。その時僕は演劇をやる決心がついていたので、ホールの人や勝手に幕を降ろした舞台監督さんとかにブチ切れしてました(笑う)。他の学生劇団からも人を呼んでいたので、なんなら出番の無かった人もいて、すごく、みんなショボンとしていました。後で知ったんですが怒ってるのは僕ひとりだった。あの時は凄かったな。元ピスタチオの宇田さんとかいましたね。平林さんはいたんだっけ?
平林 
僕は舞台監督でしたね。
__ 
えっ。
木下 
平林さんが幕を降ろしたの?じゃあ。
平林 
ま、何となく、周りがそういう雰囲気になって・・・。
木下 
(爆笑)そう、役者の方が、もうやめようという空気になっていたらしいんですよ。
平林 
本番の日まで、最後まで通してなかったんです。
木下 
やばいな、強制終了する演劇て。セットも危険だったし、宇田さんは10メートルの高さのキャットウォークでずっと待機して、縄ばしごで宙づりになるんですよ。外務省の役人だみたいな、つかこうへい芝居みたいな演技をして。でも降りれないから、一回上に登って、袖から出てくる。
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野生的な時代でしたね。
木下 
けが人も続出したよね。あるシーンで、セットのパネルが奥に倒れたら、そこは海だ!「冒険に行くぞー!」っていう演出を付けていたんですが、手前に倒れちゃって。一番背の高かった女優の子の頭で止まって、ブチ切れされたな。
__ 
(笑う)そんな過去があったんですね。
木下 
いや、ひどいですね、世界一団の初期の頃なんて。生意気だったし、評判も悪かったし。その後に旗揚げ公演をしました。作演は声を掛けた友達でした。僕が声を掛けたのに、旗揚公演が終わってから聞いたんです。「どうする?僕はまだやりたいねんけど」「いや俺は世界中で橋を作りたいねん」(ん、何を言ってるのか?)その子は土木関係の学部で、「橋を作る会社に入る、俺はこの劇団をお前にやる」とか言って。僕が作ったんだけどなと思ったんですが。第二回からは、僕が作演出です。

タグ: 徹夜 半野外劇