質問 木下 健さんから THE ROB CARLTONさんへ

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前回インタビューさせていただいた短冊ストライプの木下さんから質問を頂いてきております。「何故、演劇を選んだんですか?」
満腹 
僕の場合、THE ROB CARLTONの前身の団体、洛西オールドボーイズからやっていて。それが終わって普通に就職して働いていたんですが、なんだか違和感というか。ちょうど会社を辞めたタイミングに声を掛けてもらって。THE ROB CARLTONに本腰を入れようと思ったんですね。彼らとなら行けるだろうと。
ダイチ 
僕は実は何でもよくて。人が声出して笑っているのを見たらめちゃくちゃ楽しいじゃないですか。元々バンドをやってたんですが、それでメシ食うというのは厳しいなと。音楽を辞めて、どうしようかなと思ってたらボブが「やるから」と。最初はただの手伝いにしようと思ってたんですが、まともに役者が集まらなかったんで。まあ、今は楽しいんでね。
ボブ 
僕の場合は、高校生の頃にクラスで劇をやることになって。僕が台本を書く事になったんです。書いた事無かったんですけど、役者もお客さんも同じ学校の人だから何でもウケるんですけどね。そこでね、ちょっと面白いなと思ってしまって。そこからぼやっと「やってみたいな」と。元々映画が好きで映画の脚本も書いてみたいと思っていたんですが、演劇はレスポンスが良いんですよね。やはり、ライブの良さ。
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そうですね。
ボブ 
舞台だったら、もしかしたら面白いものが作れるかもなと。何事も出来ると思わないと出来ないですしね。そこから、舞台にベクトルがいったんですよね。
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ライブを引っ張れる脚本が書ける、という事ですよね、それは。

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こころをほどくとき

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去年の「君の名は」の大阪公演。場所は大阪城公園でしたね。とても面白かったですが、後半の方はものすごくおどろおどろしくて疲れてしまったんです。特に、2Bさんの悶々としたダンスが凄くどんよりとしていて。一見ポップなのに、ネガティブな表現もあるんだな、と。もしかしたら、旅をする人だから受け入れられたいという願いと同時に受け入れる事にも強い。その姿勢がきっと作品の作り方とも結びついているんじゃないか。そういう姿勢があるから、ネガティブな表現にも通じていくのかなと思う。そこで伺いたいんですが、お客さんにどう思ってもらいたいというのはありますか?
五月 
どう思ってもらいたいというのはないですね。色んな人がいるから、やっぱりキツい世の中だから、何となく気持ちが固くなって身体も固くなって、周囲に遠慮したり気を使ったり、それで自分がイヤになったり、遂にキレてしまったり。まあ何か、どくんごの芝居に来て、笑ったり空を見たり、下らないなあと思って呆れたり、可愛い小道具を見て和んでもらったり。色んな気持ちになって、感情を起こして、気持ちが柔らかくなるといいな、自由になるといいなあと。そう思います。だから色んなタイプの表現を挿入していると思います。だけど、基本的には「ひっどい世の中だなあ」という(笑う)、基本的には、私の芝居の世界は暗いんですけれども。でも、暗いでしょうと言ってもしょうがないですけどね。
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気持ちをほぐす。揺さぶっているんですね。では、自分の芝居をやる上で、総合的に心がけている事はありますか?ちゃあくんさんからお願いします。
ちゃあ 
いやあ難しいなあ、僕は芝居も初めてなので。基本的な事ですけど、ちゃんとセリフを言えて、僕だけの独りよがりにならない、お客さんを置いていかないで、イメージを伝えられるようにしたいです。
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難しいですよね、「ひとりよがりにならない事」。
2B 
まあ、自分がやりたいシーンを作ってやっているので・・・僕は、「どうすか?」って姿勢でいます。見る人によって色々だと思うんですけど、色々考えてもらえたらいいというか。去年のダンスも、ネガティブに捉える人もいれば、笑ってくれる子供もいるし。舞台でやっている事を使って、考えてもらうという部分があるんです。
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ああ、エンターテイメントとして終始するだけじゃなくて、深い部分にまで考えが突入していくような、そんな感じ。
2B 
考え事をしてもらえれば。そういう風になるには舞台上の僕とか作品が上演は強さがなければならないと思うし、そういう風にやっていけたら嬉しいと思います。
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ありがとうございます。高田さんは。
高田 
あえて決めてしまわないようにしてるかもしれません。大声を出そうとすると、「自分は大声を出すのが得意じゃないか」ってキャラを決めてしまって、その場でがんじがらめになってしまって。それはあえて決めないで、探していこうと思います。つまりは柔軟に対応しようという事だと思います。
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その場その場での判断。そこで集中していられたらいいですよね。
高田 
そうですね、その為に体とかのケアはしないといけないな。
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ケア出来ていますか?
高田 
どうですかね。一応、体調を落とさないようにはしています。
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石田さんはいかがでしょうか?
石田 
五月さんが言ったみたいな、色々な感情があるみたいなのが凄く好きで。私は健康優良児なのでそれを生かしていこうと。テントで後ろが開けていって、大きく大きく見せられるように。器用じゃないから大きく大きくしていこうと思います。
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なるほど。石田さんを早く見たいです。根本くんは。
根本 
僕はまあ、扉を開いていこうと思います。切り込み隊長だとこの間言われて。そういうポジションにいるのかなと思います。お客さんの中に入って新しいスペースを作って。ぐわって上げて、そこにさらに他の人達が乗っかって。
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扉が開く!
根本 
開ける!後は任せた、みたいな(笑う)。まあそんな事が出来たらいいなと思ってます。
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開く。それがキーワードな気はしますね。今回、根本くんは脚本ですね。これまでのどくんご公演は、役者の方々が作ってきた一人芝居・二人芝居を構成した作品だったと思うんですが・・・
根本 
今回も作り方としては一緒です。役者一人ひとりが作ってきたものを出すんだけど、僕が書いてきた脚本があって。今回はSFという設定で書いたんだけど、そこを各自が勝手に拾ったり、自分のアレンジでやったりとか、その繰り返しでやったり、原型が無くなっていったりとか。最終的にはどくんごの芝居という形になりますね。
劇団公演第27番・The Naked Dog Tour 13 『君の名は』
公演時期:2013年5月~11月。会場:日本全国各地。

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涙の落ちた谷

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この作品、あらすじを読む限りでは自分の中にある悪意に苦しめられるというお話なのかなと思いました。夢子さんは、見た人にどう思ってもらいたいですか?
夢子 
楽になってほしい。
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・・・。
夢子 
普段生きていて、辛い事やイヤな事あるじゃないですか。今回の作品、痛いシーンが多いと思うんですけど、でも見るとスッってなる作品だと思います。アンディさんの演出、前回までとすごく変わっていて。下ネタをしない以上に、作り方自体も上手になってるというか。
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「元気になる」とかじゃなくて、「スッとする」「楽になる」。観客席にいる人の人格が抱えている抑圧を、舞台が代弁する事で逓減するという事なのかな。(舞台上の俳優が観客に共感するという構図が成り立つ?)
夢子 
元気出すってしんどいと思うんですよ。感情を上げさせられる。無理した状態だと思うんです。
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ええ。
夢子 
いや本当になんかこう、痛々しい表現が多いですけど。同じ痛々しさを持つ人がもしお客さんの中にいたとしたら、その人のツボに入ったとしたら、スッとなってくれるんじゃないかなあって。

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脱臼/村のアホウ者

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風営法について。東京都の条例で、夜12時以降のクラブで客のダンスが違反になりましたね。その他にもタバコや風俗など、社会から遊びの部分がどんどん排除されていく、とてもヒステリックな世の中だと考えておりまして。それは公的な機関による圧力から、次は民意―大衆の暴力に移行していくだろうと。当然、表現の方にもそうした圧は及んでいくと危ぶんでいるのですが、宮階さんはどう思われますか?
宮階 
絶対良くないと思います。だってそれは、いまいる者を殺していく事でしょう。人殺しとほぼ一緒なんですよ。
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そうですね。
宮階 
何によっての殺人かというと、動機は嫉妬、そして寂しさだと思っているんです。
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寂しさ?
宮階 
例えば、今晩は大阪のヘイトスピーチのカウンターデモに行ったんですが、彼らは誰一人として強そうな人はいなかったんです。てっきり、怖そうな人がオラオラ叫んでいるかと思っていたら、なんかショボショボっとした人ばかりで。拡声器があるからようやく大きな声で「死ね」と言える。外に出てきたネトウヨを見ていて、なんか怒るというよりは、哀れだと思ったんです。彼らも、本当はしんどいんじゃないかと。そのしんどさの理由は韓国人や中国人や在日等の存在なんかじゃなくて、彼らの主張が「違うよ」と言ってもらえる人間関係がない事なんじゃないか。それはとても寂しい事で。親でも兄弟でも友達でも。
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本当に宮階さんにお話を聞けて良かった。
宮階 
いえいえ(笑う)
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私も少し前までネトウヨが嫌いだったんですよ。一見、頭ごなしのバカなポジショントークのように見えて、実は幼稚な感情論が底にあるところが。でもそれって、カウンターデモ側にも同じ状況があるんじゃないか?ネトウヨを攻撃する事で得られる達成感は、ネトウヨのそれとどう違うんだ?と。
宮階 
カウンターが発する罵声というのは、声の大きさや言葉にもよりますが、暴力性とはまた文脈も意味合いも違うと私は思っています。でも、私は個人的に怒鳴ったりは出来ないんですね。私はヘイトスピーチ側にもカウンター側にも、もちろん意思はカウンターですが、存在としては離れ小島や、村のアホウ者でいたいと思っています。
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離れ小島。
宮階 
ヘイトの中にいるけれども「もう嫌だ、ここから出たい」と思ったら、意固地にならずに逃げていいと揺らいでいいと思える例として。そんな離れ小島。現場では、ヘイトとカウンターは対立する形で離れているんですね。間に警察がいて、カウンター側を睨んでいる。どちらも怒鳴っている。
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ヘイト側もカウンター側も、どちらも相手を倒すために来ている訳ですからね。お互いを人間だと思えないぐらいの勢いで。
宮階 
私はそこで奇襲作戦を取るんですよたまに。
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おお。それは。
宮階 
ある時のヘイトスピーチの現場では、人が沢山いるなかで、生け垣だけ誰もいない。そこで2リットルの水を撒いて水を差すというパフォーマンスをやったら警察に引きずり降ろされそうになって、すぐ引き上げました。大阪では、ヘイトスピーチ側では彼らの子供が壁になってたんですよ。サッカーのフリーキックみたいに。そんなの、もの凄く悲惨でしょう。私は怒鳴っている人たちの間で、ずっと道に迷ったフリをしていました。電話しているフリをしながら。みんな、ポカーンとして見ていて。
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なるほど。
宮階 
私は脱臼させに行くんです。今日も大阪でやってきました。ヘイトスピーチ側が拍手して盛り上がっている時に風船を割ったんです。パーンって。警察に「ビックリするやろ」って言われて、「出て行けとか言われた在日の人たちの気持ち考えた事あんの?びっくりどころやないでしょう?」って言ったら「まあ、まあ」って。
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なんかいいですね。というか、「水を差す」ところから回を重ねる毎に面白くなっていっていますね。
宮階 
遊び場なんです、私にとっては。乱暴に言ってしまうと。差別のような醜悪なものに、どの生命も削らせたくない。私にとっての怒りの変換です。有効な電波障害をしようと。
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というより、そうなるべきなんです。あんなバカバカしい場だからこそ芸能が何かの役割を持ちうるでしょうね。
宮階 
彼らヘイトスピーチが掲げているスローガンは醜悪で、聞くに耐えない。当事者に矢面に立たせたくない。ばかばかしさをもってヘイト側に反射したるねん、て思います。出来るかわからないですけど。

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vol.333 gay makimaki

カウパー団。

2014/春
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gay

こんな事をやっている人がいるのか・・・。

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いつか、どんな演技が出来るようになりたいですか?
玉一 
これは人外だ、みたいな。すごい変な事を言えばそういう感じの。人を超える領域を垣間見たいなあと思いますね。卓越してるというか。夢のような話ですけど、飛び抜けていってみたい。そういう人たちと一緒に、見るに耐えないものをやってみたい。ロマンポップはサービス精神があると思っているので、いまそこまでは行かないですけど、やろうと思ったら行ってはいけないところに行けそうな気はします。そういう期待が、私がこの劇団にいる理由かもしれません。
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いつか、一緒に作品を作りたい人や劇団はありますか?
玉一 
こないだKYOTO EXPERIMENTでフリンジ企画のディレクターだった、「けのび」の羽鳥さんが来ていらっしゃって。向坂さんと仲が良いので何回か手伝いに行かせてもらったりしてたんです。それで初めてけのびの公演を京都で拝見したんですけど、めっちゃくちゃ面白くて。こんな事を言うのはおこがましいかもしれませんけど。
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へえ。
玉一 
はあ~、こんな事をやっている人がいるのか。って思って。私が見たのは「ウィルキンソンと石」という作品で、お客さんにテキストが与えられて、役者さんは順番にテキストをこなしていくんです。何々したら何々する、みたいなのが書かれていて。会場は普通のパブなんですが、貸切ではなかったので普通のお客さんもいて。普通に飲みに来たお客さんと演劇を見に来たお客さんと役者がいる空間は異様な雰囲気になるんです。ああ、これはキチガイの領域だなと。ぜひ一度、やってみたいと。
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それは拝見したいですね。
玉一 
いま、一番気になっている劇団です。

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