まさに異文化交流

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UNIQUE NESS」では、まさに異文化でしたね。戸惑った事等はありますか。
早川 
初日の読み合わせで文化の違いを感じて帰りたくなった事かな。緊張していたというのもありますけど。
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というと。
早川 
オールキャスト・オールスタッフで、社長さんを始め制作の方もいらして。突然大阪から連れて来られた僕が一人。とりあえず読んでみましょうと読み合わせが始まって、コメディなので「ここは笑えるだろうな」と思っていた箇所で誰も笑わなかったんですよ。普段の読み合わせだと笑ったりしてくれるんですけど、それがほぼ無いお通夜みたいな。ショックでしたね。
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ああ・・・
早川 
どっちかというと自分を恨んでましたね。僕はなんという本を書いてしまったんだろうと。後ろの席で舞台監督の方だけが一人クスクス笑って下さったので「この人の為に頑張ろう」と思いました。後で伺ったらみなさん緊張していた部分もあったみたいです。初めての世界観で、本当に異文化交流でしたね。「この作品の舞台はイギリスですので、僕はみなさんの事をイギリス人だと思うようにします。みなさんも僕の事をイギリス人だと思って下さい。そうすればお互いイギリス人として繋がって、いつか分かり合えると思います」ってツカミのつもりで言ったら、それすらウケなかったんですよ。
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ええー!
早川 
これをずっと前日の新幹線の中で考えてたのに、冒頭で言ったら笑ってくれるかなと思ってたのに。
__ 
稽古はいかがでしたか。
早川 
台詞の解釈についての質問や疑問をきっちりとみなさんが持っていて、僕は割と、脚本を理詰めで書いているつもりだったんですけど、これはつもりだったな、と反省しました。笑いの間などコメディの技術的なことに関しても皆さん勘が良くて、「そういう事ね、よし分かった」って掴むともの凄く早いんです。

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俳優として、いつかどんな演技が出来たらいいと思いますか?
森口 
難しいですね。明確には言えないんですが、誰にでも目標にしている人があるじゃないですか。あの人のような演技が出来るようになればいいなあと思います。
__ 
というと。
森口 
当時入っていた養成所の先生なんですけど、芝居をしようか迷っていた22歳の頃にわざわざ時間をとって相談していただいたんです。仕事、将来、色々と。その方は新劇で活躍されている方なんですけど、「とりあえず自分がやりたいんだったら、30歳ぐらいまではやってみたら」と言ってくれたんですね。その人は凄く、優しい芝居をされる方で。その人みたいな芝居がいつか出来たらいいなと思いますね。
__ 
優しい芝居。
森口 
柔軟で、優しい芝居。私の勝手なイメージなんですけど、懐が深いというか。観ていても話を聞いても面白くて。
__ 
柔軟で落ち着いている人は、自分の根本があるんでしょうね、きっと。
森口 
そういう人柄でありたいです。
__ 
「薔薇にポケット」では、それを感じました。
森口 
そういう方向性に行っていればいいですね。

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埋まっている

石田 
逆に、同じ言葉が通じる劇場の方が、難しくなってしまうこともある。特に地点の作品だと、「いま歌いながらセリフを言ったけど、どういう意味があるの?」って。
__ 
それは、よく思います。
石田 
実は作ってる側もそこに引っかかるんです。が、本番にあがる前に俳優それぞれが埋めていけばいい事なんですね。その俳優の作業の内実は、観客や、もっというと演出が知らなくてもいいことだと思うんです。自分がその埋まっているものを知っていればいいんですよ。それを形式一辺倒にやってしまうと上手くいかない。もちろん長セリフだって、やらされてる感満載になってしまう。理由が埋まっている事の必要性を、言語が通じないグローブ座で認識しなおしました。
__ 
埋めるという作業が、俳優の仕事なんですね。
石田 
反面僕なんかは、いい加減なのかもしれないけど、芝居を見に行ってもあまりセリフを一言一句聞いてないんですよね。そんなにみんな、セリフばかりを気にして見てるのかなあ。もっと、何か大きいレベルで見ているんじゃないかな。もちろんやってる側はセリフを全部覚えている訳ですが。
__ 
お客さんの身体のモードが色々あって、例えばお笑いの時はかなり頭を使って見てると思います。細かい間とか、論理とかを追いかける訳ですから。石田さんの仰っている見方は、きっとパフォーマンスに近い、スケールが大きい方の鑑賞体験なのかもしれませんね。
石田 
海外で演劇を見る時、もちろん分からない言語で喋っている俳優を見る事になるんですけど、やっぱり面白い演技は面白いんですよね。そのうえ、上手さも技術も分かるんですよ。ものすごく高い技術の研鑽があるんです。海外では演技を体系付けた学問がある、それを肌で感じます。
__ 
言葉が通じないからこそ、営々と築きあげてきた表現の学問の体系を感じたと。
石田 
そこで僕なんかが意識するのは、日本の演劇史の初期に新劇の人たちが作り上げたものの凄さなんですね。今から考えたら「わざとらしい」演技なのかもしれない。テキスト自体が話し言葉じゃないから。スタニスラフスキーシステムを元にリアリズムを追求していたのが、今の時代の僕らにはそのリアリズムが分からない。でも、ある意味では、文語体で書かれたセリフをどう音声言語化するかという技術だったと思うんです。それを、個人の性質に合わせて身につけていくんです。シェイクスピアの作品を上演するにあたって、そのことが必要な事だったんだということを実感しました。

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高校演劇部時代

__ 
糸井さんがお芝居を始めたのはどのような経緯があるのでしょうか。
糸井 
凄く前なんですが、高校の演劇部から始めました。中学は帰宅部で、明るい学生生活が送れなかった反省があって。何となく演劇部に見学に行ったら、先輩達が装置を作ってまして。その内の一人の先輩が金髪で長髪で(校則に反していたんですが、役作りという事で免除だったそうです)。ロック好きの元・中学生としては、そんな人がジョン・レノンとか掛けながら大工仕事をしているのに惹かれたんですね。これは面白いんじゃないかと思って。それが間違いの始まりだったんですね(笑う)。
__ 
なるほど。ほぼ偶然だったんですね。
糸井 
それまで人前で演技するとか、演劇に興味があるわけでは全然無かったんです。
__ 
高校演劇部時代。どのような部活動でしたか。
糸井 
老舗の厳しい演劇部だという事が入部後に後々判明しまして。新劇や不条理演劇の既成台本を、超厳しい顧問に竹刀で小突かれながら稽古する日々でした。
__ 
体育会系だったんですね。
糸井 
とにかく先生が恐ろしかったですね。でも、やっている内にその、演劇の魅力に気づくようになりました。
__ 
初舞台は緊張しましたか。
糸井 
いや顧問がとにかく恐ろしくって、顧問に止められない本番というものが凄く楽だったという記憶があります(笑う)。
__ 
その後大学でも演劇を学んだとの事ですが。
糸井 
高校の演劇部で深井さんと同期だったんです。大学に入っても同期でした。実は深井さん唐組が大好きになっちゃって。僕は怖くてとても入れなくって・・・。学生劇団も作ったんですが、卒業と共に離れていって・・・僕も一旦辞めて、改めてという事で深井さんが主宰で羽衣をやり始めたという流れです。それから、大体6、7年ですね。

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学びたい

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弓井さんが、今後関わっていきたいお芝居とは。
弓井 
そうですね。新劇が好きですね。ストレートプレイというか。割と、造形色ではないんですよ。
__ 
京都造形大的カルチャーというか、ポップアートっぽくない、という事でしょうか。
弓井 
そういうものがあるとすれば、ですが。でも、機会があれば是非そういう作品にも出演したいですね。凄く、学びたいという気持ちが強いので。
__ 
学びたい。今まで、どのような事を学ばれてきたのでしょうか?
弓井 
造形大では、割合で言うと3:2:5で講義:基礎:舞台製作という形でしたね。今はカリキュラムが変わったので分かりませんが、私の時はそんな感じでした。とにかく、基礎をすっ飛ばしていたんですね。ストレッチとか、演技のメソッドとか。そういうものに割く時間は例えば欧米の学校に比べたらきっと少なかったと思います。私がいた頃はどちらかというと、作品の制作が主でした。松田正隆先生であったり、大田省吾先生であったり。そこでは、講師の考え方に少しは触れる事が出来たのですが・・・。大学4回になって、学科再編した際に、アメリカからスタニフラフスキーシステムを教えて下さる先生が来たんですよ。凄く衝撃的でしたね。
__ 
基礎~応用の段階を学びなおした、と。
弓井 
実は大学二回の頃から、アクターズラボにも参加していて、そこでも沢山基礎をやっていたんですね。・・・結局、自分に自信がなくて。
__ 
今後は、具体的にどんな形で学んでいくおつもりでしょうか。
弓井 
新国立劇場のオーディションをずっと受けてるんです。今年も受けるんですが。あと、文学座にも挑戦してみようと思っているんですね。スタニフラフスキーメソッドを本格的に教わりたいので。
__ 
なるほど。
弓井 
もちろん、京都でも短い期間であればそういうワークショップを受ける機会もありますので、継続的に受けていこうと思っています。3年は学びたいですね。で、いつかは留学したいと思っているんです。
__ 
留学。どちらにでしょう。
弓井 
ニューヨークです。というのは、大学の先生の影響が強いんですけど。現実的には英語も喋れないし、お金もないんですけど、いつかは。恥ずかしながら。
__ 
なるほど。わかりました。全く恥ずかしい事ではありません。

タグ: 恥ずかしいコト 新劇と「出会う」 留学して表現を学ぶ


vol.94 弓井 茉那

フリー・その他。

2008/春
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弓井

オーディション

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大角さんって、どんな経緯で芝居を始められたんですか?
大角
私ね、変ですよ多分。えと、まず中学生の頃にオーディション一杯受けてて。プロダクション経由の劇団に入ろうってしたら親に止められて。高いし。高校入って、それでも続けたいって言うんだったら考えてあげるから中学生の間はやめてって。でもオーディション受けるのが趣味になってて。映画のも歌のも受けて。高校入って二年間養成所入って。でも、何かしっくり来なかったのと、その、2年いるくせに進級とかもなくて。で、大学入って1・2回生と授業だったり遊びだったりで一杯一杯で、3回生になってまた芝居をやりたくなって。
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うん。
大角
3つくらい上の先輩がビギナーズユニットに入ってて。で、そのつながりで。しばらく、大阪の養成所と同時でやってました。
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そんなことやってたんだ。養成所とか。知らなかった。どんなんだったんですか?大学時代のは。
大角
何かちょっと、新劇の人達が教えてる所で。喋り方が古いって言うか、やり方が古いっていうか。合わなかったんですよ。一年目二年目の先生はまだ理解があって違うことをしても逆に喜んでくれたんですけど、今年の先生は人と違うことをすると怒るんですよ。
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ああ・・・。
大角
「他の人の注意を聞いていなかったのかお前は」って。でも、そんな人と同じふうには出来ませんって、私は私のやり方でやりたいんですって言ったら嫌われたみたいで。
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うーん。
大角
試されてたのかもしれないけど。ちょっと・・・。今はhakoでやってます。
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そんなの全然知らなかった。
大角
いやいやいや・・・。
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そういう人が、hakoにいるって面白いなあ。
肥田さん
hakoの作・演出家。
ビギナーズユニット
東山青少年活動センターが毎年主催する演劇初心者のための企画。

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