そんな所まで行けたらいいわね

__ 
いつか、どんな演技が出来るようになりたいですか?
髙橋 
私が尊敬してやまない青年座の先輩、高畑淳子さん。人間的にも尊敬しているんですけど、先日、入団10年目にしてやっと一緒に仕事させていただいたんです。藤山直美さんと高畑さんがW主演をした『ええから加減』という舞台に、方言指導という形で付いて回ってました。そこでお話した時に、あの高畑淳子さんでさえ、本番前は手が震えるぐらい緊張するって。でも散々悩んで決めて進んで、必死で覚えて、自分が作ってきたものを出すしか無いんだ、って仰ってたんですね。本当に素敵だなあと。方言に関しても大阪弁を血の滲むような努力をされて。私なんて全然努力してないわと思うぐらいの。
__ 
いえいえ。
髙橋 
尋常じゃないぐらいの努力を。やっぱりこれぐらいストイックに努力しないといけないんだ。あの淳子さんが袖で「怖い、本当に怖い」って言うんですよ。一緒に焼き肉に行った時、「いつか、セリフを吐き捨てるように言えるようになりたいわ」と仰ったのが印象的で。
__ 
セリフを吐き捨てる?
髙橋 
セリフがその演技の上で「これはセリフです!」って存在しているんじゃなくて、吐き捨てているけど表現として届く、みたいな。そんな所まで行けたらいいわねって。まだまだ高みを目指していらっしゃって。目指す所が無くなったら壁を伝っていくんじゃないかと思うぐらい。
__ 
なるほど。
髙橋 
下に対しても気を遣われる姿勢が素晴らしくて・・・最高に尊敬する先輩です。

タグ: セリフを吐き捨てるように発する


積み上げる

__ 
いつか、どんな演技が出来るようにしたいですか?
鈴木 
難しいなあ。でも、喋ってるだけで面白いような、間の取り方が面白いとか、いるだけで空気が生まれるような。「あの人、喋るだけで面白い」と思われるようになりたいです。それだけでほころぶような。私、まだ必死でセリフを覚えて喋っているだけなんです。覚えたらそれを必死で喋るだけみたいな感じで。まだちょっとそういう所があって、そこはまだ自分で破りきれていないですね。
__ 
いつか破れるでしょうか。
鈴木 
さっき言った事とは矛盾するんですけど、自分の中の引き出しを増やせば無理矢理キャラを作らなくてもいいのかもしれない。自分の中にある独自の何かに行けるのかなあと思うんですけど。
__ 
生田朗子さんみたいな。
鈴木 
そうなんですよ。生田さん凄いですよね。あんな人になれたらいいのに。筋肉少女の時に強く思いました。あんなに凄くて面白いのに、率先してバラし作業を手伝ってくださったり、年上であって経験も長いのに常に周りを気にかけておられて。芸を磨くだけじゃなくて、スレたりせずに、いつでも気を遣える人間性を高めるんだって。
__ 
そうなるためにはきっと努力が必要なんだと思う。努力を積み上げたら、それが余裕になるんだと思う。続けていたら、いつかそうなれるんじゃないかなと思いますよ。ただ、積み上げるのが物凄く難しいですよね。でも、自分のためのノートを付けられる鈴木さんなら、それはきっと・・・

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vol.318 鈴木 ちひろ

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2013/春
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鈴木

やりたい事が出来る自分でいたい

__ 
ピンク地底人「散歩する侵略者」。最後の、片桐さんと諸江さんのシーンが秀逸だったと思います。私の捉え方としては、あそこで片桐さんが、自分の細かい反応の演技をものすごく意識してやっているんじゃないかと。
片桐 
そうですね、でも一方で、適当にやる事も大事なのかなと思うんです。
__ 
適当に?
片桐 
何でしょうね。うーん、・・・でも、自分の感覚に正直にやる事も大事というか。それは演技をする時だけじゃなくて、そういう生き方をしたいんですね、私はきっと。
__ 
つまり?
片桐 
やりたい事が出来る自分でいたいし、自分がこう感じているということをごまかしたくない。もちろん、人の意見を聞かないという事じゃないですけど。いや、社会人になって演劇を続けるって大変じゃないですか。うじうじ悩んだ時期もあったんですけど、今は、演劇が出来ない理由を探すのはやめようと思います。やろうと思えば出来るから、やりたいなと思っています。
ピンク地底人
京都の地下は墨染に生まれた貧乏な三兄弟。日々の孤独と戦うため、ときおり地上にあらわれては演劇活動をしている。夢は関西一円を征服することと、自分たちを捨てた母への復讐。最近は仲間も増え、京都を中心に大阪にも出没中。(公式サイトより)
ピンク地底人策略と陰謀の第11回公演 「散歩する侵略者」
公演時期:2013/2/15~18。会場:アトリエ劇研。第8回アトリエ劇研舞台芸術祭参加作品。

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vol.288 片桐 慎和子

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片桐