役者と空気感

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役者として、最近のテーマはなんですか。
芝原 
(今回は)割と自分の中にある感情でやっていますね。リアルさとか生々しさを意識しています。そっち系です。
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最近よく考えているんですが、役をリアルに演じる時も、やっぱり見世物にしないといけないですよね。
芝原 
そうですね、例えば、ささやくという演出が付いていても、(その声が)客席に届かなかったら意味がなかったり。劇場に入らないと分からない事も沢山あるので、早く劇場入りしたいです。
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そうですね。そこでしか確認出来ないことはありますよね。その、リアルな人間か・・・難しいですよね。普通の日常会話で、細かい言い方をリアルタイムで内省したり検証したりって、実は難しい事ではない(何故かは知らないけど)。でもそれが演劇になると途端に難しくなる。相手がどう受け止めるかを考えて決めないといけないから。
芝原 
その場の空気を作るのが役者のお仕事なんじゃないかな。
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劇場の空気感みたいな事ですかね。
芝原 
そうですかね。

タグ: 舞台にいる瞬間 見世物 美しい1ミリ


難しいセリフの話

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LINX'Sでの匿名劇壇の作品「ハイパーフィクション」を見ました。面白かったです。まさにメタフィクション作品でしたね。元劇団員達が関係性の迷路に落ちてしまうお話。
吉本 
ありがとうございます。
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どんな事が大変でしたか。
吉本 
松原さんとの掛け合いのシーンが難しくて難しくて。会話をしつつ、でもただの会話じゃなくて、やっぱり見世物なので、本心でセリフを言うんですけどここは聞かせる、みたいな。ここは相手のセリフを聞いて。会話するって本当に難しいですよね。
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会話劇、難しいですよね。
吉本 
相手のセリフが聞けていないとか、自分のタイミングでセリフが言えなくて気持ち悪くなっちゃったりとか。
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普通の会話でありながらそれが面白いというのは難しいですよね。多分、吉本さんにしか出来ない会話劇があるんでしょうね、きっと。

タグ: 会話劇研究 見世物


質問 危口 統之さんから 廣瀬 信輔さんへ

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前回インタビューさせて頂きました、悪魔のしるしの危口統之さんから質問を頂いてきております。「自分の作品は、何年前まで通用すると思いますか?」
廣瀬 
どうでしょうね。僕は、現代で普及しているデバイスを前提にして書いているので。下手したら5年前ですら無理かもしれませんね。演出とか役者で限ったら、何時の時代でも受け入れられるものもあるんじゃないかなとは思いますけどね。そういう表現方法が、その過去の時代にあったら、ですけど。
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今の時代の音楽や漫画や演劇や映画を100年後に持って行っても十分通用するような気がしてならないですよ。もちろん、これから100年後の作品をいま見ても理解出来るような気がする。
廣瀬 
江戸時代に現代口語演劇を持って行ったらどうするでしょうね。どっちかというと、見世物とか技術を見せられる気分になるような気はしますね。話全然関係ないですけど、僕、平賀源内が生まれた村を町にした議員の玄孫なんです。だから平賀源内には結構リスペクトしていて。
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ああ、平賀源内。生き方がロックですよね。
廣瀬 
平賀源内、獄中死してますからね。勘違いで刀振り回して二人殺しちゃって投獄されて。破傷風に罹って。――ッククク・・・
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・・・ッッ・・・アッハッハハハ・・・(爆笑する)

タグ: 古典芸能など 相互承認 感性ではなく考えて表現出来る人 見世物


大理不尽

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坂本さんの作る作品は、この世にあってどのような存在であってほしいですか?
坂本 
一つあるんです。モテない、鬱屈としたヤツのハケ口。これさえあれば生きられる、みたいな。「いいなあ、こいつら、アホやなあ」と思ってもらいたいです。僕もそういう人たちに励まされてきたんですよ。筋肉少女帯やみうらじゅんさん、そういう人たちに救われてきたんです。目指せ、演劇界のGAROですね。
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サーカスみたいな見世物になればいいんですよね。
坂本 
そうですね、見世物になりたい。
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最近、観客の感情移入について考えているんです。会話劇を見る時、セリフを投げかけられた瞬間の役者って、観客の頭の中では「特定の誰か」として意識されている訳じゃないなあと。
坂本 
ええ。
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極端な例で言うと、空中ブランコから落ちて地面に激突する瞬間、その身体は誰かという属性なんて持っていなくて、砕け散る肉体としてしか印象されないんじゃないかなと思っていて。そして、観客の肉体的感覚はその時の誰でもない身体に強く移入し、その身体が臨む破壊を直観し仮体験するであろうと。であれば、役者に炸裂したエネルギーはそのまま観客の脳みそにて客を焼くんじゃないかと思うんですよ。それは快感を伴うに違いない。だから、処刑の瞬間の理不尽を、尖った劇団には期待してしまうんです。
坂本 
分かります。僕も理不尽見たいです。
__ 
これはもう、世界平和とは完全に関係ないですけどね。
坂本 
真裏ですもんね。
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でも、ハケ口は必要ですからね。
坂本 
そうですね、TVドラマで気が晴れる人もいますけどね。

タグ: 肉体、重心 賛否両論 見世物 大・大・理不尽


やさしい不条理劇

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私実は不条理劇を見るのはあまり経験がないのですが・・・
永野 
ですよね、上演される機会はあまり多くないですね。実は去年、ヨーロッパ企画の「冬のユリゲラー」が映画化された時に、三条御幸町に宣伝の一環でイベントカフェを開いた事があって。
__ 
「カフェ・ド・念力」ですね。
永野 
そこで、不条理劇の芝居を演出・出演したんですよ。
__ 
あ、ブログにありましたね。いかがでしたか?
永野 
まあ、お客さんの反応はぽかーんと(笑)。
__ 
ああ・・・。
永野 
でも、もの凄い勉強になりました。単純にやって見世物になるほど甘くないんですよね。で、作り込むほど真剣になれる感触もあって、そうして作ったシーンほどお客さんが見入ってくれる。
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意味が伝わりにくい分、受け手にも送り手にも集中力が必要とされる。
永野 
はい。あ、今回の「授業」も不条理劇ですが、全然分からない脚本でもないし、見やすい雰囲気の作品になっていると思うので、全然大丈夫です(笑う)。

タグ: 見世物


演劇?

村上 
演劇を何のためにするのか分からない時期があって。舞台上で俳優が叫んではるのを見ていて、急に、彼らは何に向かって叫んでいるのかなって考えちゃって、演劇ってなんだろうとわからなくなったんです。そういう時期を経て、「演劇をやるってどんな事なんやろうな」と、すごく考えたんです。
__ 
というのは。
村上 
演劇ってなによりまずは、見世物を前提としてて、でも、何のためにわざわざ見世物にするのかという事が疑問だったんです。その時に哲学者のアンリ・グイエという人の本で「劇は、舞台上にある前に、世界にある」と言う言葉を見て、演劇というのは芸術の一ジャンルで、劇は世界に含まれているもので、演劇は劇と現実をつなぐ役割を果たしているってスッとはいってきたんです。
__ 
一般社会で行われるイベントを劇という言葉で改めて定義したと。
村上 
演劇をやる前に、まず世界に劇があるという話ですね。3月の『教育』では、そこを、ド直球に取り組んでみようと思っています。それをするには、劇を演るという行為を捉え直してます。いままでの知ってるやりかたを考え直さなくてはいけない。
__ 
いままでのやり方を考え直す。
村上 
それは、体にしみこんでいて、ごく自然で根深いものなので、難しいですね。だから本質を突き詰めて演出しようと思ってます。

タグ: 外の世界と繋がる 見世物


緊張感

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村井さんがお芝居を始めたのは何故なのでしょうか。
村井
小学生の頃から、声優になりたいというのがあって。というのも、音読が好きだったんですね。
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ああ、分かります。
村井
本読みが上手だと言われたから好きになったんだと思います。んで中学校入って、演劇部がなかったので作って、高校で演劇部に入って、大学の演劇部が合わなかったので自分で作って。
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円劇飴色ですね。
村井
で、その延長線上で何色何番に。今は、もうダメだと思うまで演劇を続けて、限界になったら就職しようと。それで今まで、うっかり続けています。
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うっかり。
村井
うっかり。
__
それでは、村井さんの趣味について伺いたいと思います。
村井
趣味。こういうお芝居が好きとか。
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いえ、お芝居作りにおいての村井さんのスタンスですね。作るにあたって大事にしたい事ですとか。たかつさんからはとてもストイックなやり方をされると伺っていますけれども。
村井
あ、ホントですか。ストイックって響きがかっこいいですよね。
__
そうですね。
村井
・・・緊張感。
__
それは、演技をする上での。
村井
演技をする上で、ですかね。ダラダラするんだったらしない方がいいと思っているので。今は稽古期間が休み中で、本番まで時間が無いんですが、そういう意味ではもの凄い緊張感がありますね。
__
緊張感というのは、稽古時間中の話ですか?
村井
芝居をするなら、いつでも「殺される」と思っていないとなあ。という。わかんないですね。
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いえ、ええと。緊張感そのものが重要という事なのかなあと思うんですが。芝居の内容ももちろん重要なのですが、それとは別で、舞台上で集中している人、というのが大事なんですかね。
村井
あ、そうですね。緊張感が好きです。
__
いいですね。それは。
村井
いえ、私から出てるかは知らないですよ(笑う)。
__
いえいえ。集中している人の姿というのは、演劇でしか見られないですもんね。
村井
ショッキングな場面というのは、現場に行けば見れるものかもしれませんが、それは見世物と言っていいものかどうか。事件現場であったり、抗議活動のさ中であったり、劇的だし、非日常的だし、凄いあてられるものがあるのですが、それは見世物とは違う。
__
マスコミの取り巻く中で殺されたりね。
村井
そういうのは見世物とは違うけれど、人はそういうものをうっかり見てしまいたくなるものだと思うんですね。人倫的な事はともかく。舞台上で役が傷つくのは、それに応えられるものになるなあ、と思っていて。まあ、重たい人には重たいと思うんですが。
__
劇場に行けば、失敗したら終わりの本番が見れますね。まあ、現場ですよね。
村井
ある記事に取り上げてもらった事があって、そこで言った事なのですが・・・。演技をしているというのは、舞台上でちゃんと生きて死にたいという。
__
生きて死ぬ?
村井
あたりまえの事なんですが、役者はその人の人生の断片を表現するんですね。役は本番という時間でしか息が出来ない。だから自分の持てる限りのものをめいっぱい費やして、ちゃんと死なせたい。一日に本番が3回あったとしても、二度とやれないじゃないですか。
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では、村井さんにとっていい役者というのは、舞台でちゃんと生きて死ぬ事が出来る人なんですね。
村井
そうですね。私は、本番に入った途端生き生きする人が好きです。お客さん、小屋、本番の時間が好きな人ですね。そういう役者を見ると、脅かされます。やべっと思います。いい緊張感、刺激になります。

タグ: 声優になりたかった 非日常の演出 何色何番 見世物


ホウキ

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ホウキと闘うとか、凄いですね。
高間
あれは、アントニオ猪木さんが「俺はホウキとでも闘える」と。
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なるほど(笑う)。
高間
ホウキが相手の闘いでもプロレスに出来るという技術の話なんですが、あれの・・・。まあ、役者が足りなかったんですけどね。ああいうのは、ちっちゃい団体では良くあるんですけどね。ダッチワイフと戦うとか。
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闘ってないですけどね。
高間
実は僕はあんまり、格闘技には興味がないんですよね。純粋な強さを競うものってのは、見ててもおもしろいと感じないんですよ。それがプロレスだと、ちゃんとお互いが相手の技を受けてお客さんが受ける展開を作ってるじゃないですか。
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ああ、なるほど。
高間
実際に戦うんだとしたら、普通に考えたら、まず防御しますよね。
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でも、あんまり避けたりしませんもんね。プロレスでは。
高間
首から落ちるなんて、それこそ本気でやったらみんな死んじゃいますからね。本当にガチで強い鍛えた人達が、技を魅せるのが魅力なんですよ。演出があるからって、プロレスを八百長だとか批判する人がいるけれども、スポーツだろうとなんだろうとチケット売っている見世物である以上勝負どうこうより客を楽しませてナンボ。それを真剣にやってる人たちに八百長ってのは見当違いな批判だと思うんですね。まあ、我々は鍛えている訳じゃないし、試合も技出す順番1から10まで全部本ありですけど、その分すごくおもしろいものになってるとは思うので胸を張って八百長じゃないと言い張れます。

タグ: 見世物