fukuiiiii企画「うねる物語と、お前とおれとおれの剣」

__ 
去年の夏に上演されたfukuiiiii企画「うねる物語と、お前とおれとおれの剣」これがですね、大変面白かったんです。
福井 
ありがとうございます。
__ 
この話の大きな特徴は転調でした。最初はジャンプ漫画だった劇中劇が、別の作者の手による創作になり、「あいのり」や「テラスハウス」のような恋愛番組に変貌してしまう。そのダイナミックな転変が素晴らしかったです。そのモチーフになった番組について考えたんですが、これら番組の違いは「距離」の性質の違い、なのではないかと。
福井 
はい。
__ 
恋愛と距離は非常に良く似た性質のもので、どちらも人間を困らせる問題です。恋愛を物語の中心に据え、距離を視覚化したのが「あいのり」だったのでしょうね。一方、「うねる物語」。芝居の最初は能力モノアクション漫画が多少のギャグを含みながら始まり、それがあいのりになってしまうと同時にギャグは一切入らなくなる。その落差に客席はずっと笑い続けている。しかし、僕ら観客が笑ってたものは純粋な恋愛そのものだった。そのおかしさに分かっていながら笑うのを止められない、その共犯関係。
福井 
そうですね、どう壊すかで行き着いたのが「あいのり」だったんですよ。「テラスハウス」も見たんですが、正直クソみたいだなと思ったんです。僕は「あいのり」をずっと見ていたんですが、あれは恋愛に器用じゃなかったんですよ。付き合うか付き合わないかのせめぎ合いが良かったんです。「テラスハウス」は付き合った後もずっといられるじゃないですか。あれはホンマくだらんなと思いまして。あまり参考にはしていません。
__ 
なるほど。あいのり、お好きなんですね。
福井 
僕はその、どちらかと言うと女の子の気持ちで見ていて。「なんで男が待ってんねん」て気持ちで見ていて。見返してみたらやっぱり面白いんですよね。主人公のかんすけという漫画家の作品を壊す材料として「あいのり」をもう一度見なおして。中学の3年間で見たあいのりがホンマに面白くて、その面白さを詰めた感じです。作品自体は賛否両論だったんですけど。
__ 
(笑う)
福井 
怒って帰る人もいれば、「『面白くない』言ってる人の気持ちがわからん」って言ってくれる人もいて。でも一番嬉しかったのは兄に褒められた事ですね。今までの作品で一度も褒められたことが無かったので。嬉しかったです。
__ 
去年の夏に拝見しましたが、内容を結構覚えてるんですよ。船に集められたダークヒーロー達が、暗転と同時にあいのりを始めるんですからね。
福井 
僕も漫画家を目指していて、ずっと読んでもらっていた親友に「ストーリーは良いけど絶望的に絵は下手」と言われて諦めた事があって。まあそこも下敷きに。ジャンプにも、たまに面白くない作品がありますよね。こうすればもっと面白くなるのに、とか思う経験もあって。
__ 
なるほど。
福井 
実はこの作品の出発点は下北沢で見たお芝居でした。それがですね、「何でみんな笑わんの」ってぐらい面白かったんです。いや、コメディではないんです。「うねる物語」の前半でやってたような、「あ・・・頭が!頭が疼く!」みたいなノリの芝居で、お客さんがずっと黙って見てたんですよ。僕は見ている内に、「10秒後こいつの頭にトマトが降ってくる」とか勝手に想像しちゃうわけですよ。ずっと僕だけ顔を隠して笑ってたんです。今思うと最低の客やったと思うんですけど。その作家さん的には、あの芝居で真剣に感動させようと思ってたんでしょうけど、その能力が稚拙やと凄い事になるんやなと。僕が親友に言われたように。周りのお客さんも「なんやこれ」と思ってた人はいるんじゃないかなと。その経験を3年ぐらい寝かして作った作品でした。まあ、役者さんの中には「この芝居の何が面白いのか分からない」と思っている人もいたと思います。物語を壊すことに面識がない人からすれば当然だとは思いますけど。
__ 
悪趣味ですね。
福井 
最初は結構、濃いジャンプ漫画から入って。稚拙なジャンプみたいなシーンが続いて「この芝居ヤバい」「おいどうした」って思わせて、そこでさらにあいのりが始まって、ついてきてくれるかどうか。あいのりを見る感覚、つまりキャラクターに感情移入出来る人はきっとすごく楽しめたんだと思うんです。でも客観的に全体の構成を考えながら見る方は、何やこれと思われたのかもしれないです。
__ 
私は・・・どうでしょうね。感情移入もしたけど、構成が壊れている作品は大歓迎なので。
福井 
自分の作品を成功・失敗では考えないですけど、この公演は失敗だったのかなと。でも自分の糧になる作品になったと思います。
fukuiiiii企画「うねる物語と、お前とおれとおれの剣」
公演時期:2014/8/1~4。会場:人間座スタジオ。

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「注文の夥しい料理店」

__ 
危口さんが演劇を始めた経緯を教えてください。また、悪魔のしるしを結成したきっかけは。
危口 
これはもう、完全な事故ですね。(詳しくはこちら
__ 
それにしても、ただただ驚き続けるであろうと思うんですよ、「注文の夥しい料理店」は。
危口 
いやあ、料理の内容や出し方はこだわったんですけど、演技面とか脚本はあまり稽古する時間がなくてぐだぐだだったんです。形式の面白さと料理でなんとか持ったという。
__ 
いやあ、そこはもう・・・出演者の肉がだんだんと減っていく舞台なんて、食い入るように見ると思います。
危口 
悪趣味と言われるかもしれませんね。
__ 
そうした思いつきやアイデアが、仰るように図式化と複数化から導き出されるというのが信じられなくて。悪意がきっとあると信じたくなっているんです。
危口 
あの作品については最初のきっかけとなった一撃がありますね。映画の「ホステル」です。雑誌か何かであらすじを読んだ時に、直感的に、図式としては宮沢賢治の「注文の多い料理店」と同じ作りだなと考えたんです。「搬入プロジェクト」よりも、むしろこのような舞台作品を作る時の方が、建築的な考え方を活かせているように思います。
完全な事故
interview#023 危口統之

タグ: 悪意・悪趣味


暗くて息も出来ない

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願い致します。丸山さんは最近はどんな感じでしょうか。
丸山 
おかげ様で、結構忙しくさせて貰っています。KAIKAのgateでやらせてもらう公演の脚本と、9月のコント企画の本の執筆と。月面クロワッサンのドラマの撮影もあって、結構忙しいですね。
__ 
丸山さんはどんなコントを書くんですか?
丸山 
暗い奴を書きますね。明るいのは、ウッてなっちゃんで。どうしても、暗い方を好んで書いてしまいます。
__ 
それは、人間の暗い部分を描いているという事ですか?
丸山 
何でしょうね、筒井康隆さんの影響をめちゃくちゃ受けていると思います。3本のコントを書いたら、1本は人の肉を食べてるような。暗さを突き抜けて笑けてくるようなのを目標にしている所がありますね。それで笑って貰えると一番嬉しいですね。
月面クロワッサン
2011年、本公演の全作品の脚本と演出を、作道雄がつとめる演劇団体として設立。劇団員は随時募集しているが、基本的には作品ごとにキャスト・スタッフを集め、公演を行っている。2月、「月面クロワッサンvol.0/どっちみち阪急河原町」が、京都学生演劇祭にて第2位、最高総得点を記録。6月、「バイバイ、セブンワンダー」を京都市内2会場で公演、380人を動員。緻密でスピード感溢れるストーリー構成の脚本と、観客からの視覚的構図を意識した演出で独自の劇的世界を構築する。(公式サイトより)
つくる場・KAIKAの試演会 特別版『gate in コックピット』
公演時期:2013/9/14~15。会場:KAIKA。

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努力クラブ 必見コント集「正しい異臭」

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。最近、九鬼さんはどんな感じでしょうか。
九鬼 
最近は努力クラブの稽古ですね。
__ 
あ、必見コント集「正しい異臭」ですね。どのような作品になるのでしょうか。
九鬼 
お客さんの反応が全く分からないんですよね。こんな笑いがあるのか、というか、これで笑っていいのか分からない、みたいな。私、稽古場で全然笑ってないですよ。わからなくて。
__ 
私は最近、そういうものは「悪趣味な笑い」と呼べるのではと思っています。
九鬼 
悪趣味。
__ 
自分にしか分からない、他人にはとっては価値がないポイントの笑いであり、その事に対し自覚的であるという事から、そう呼べるのではないかと。努力クラブはそういう笑いの可能性を広げていこうとしているんじゃないかと思っています。
九鬼 
合田君や丸山君、その呼び方を聞いたらどう思うんですかね、反応が気になります。
努力クラブ
元劇団紫の合田団地と元劇団西一風の佐々木峻一を中心に結成。上の人たちに加えて、斉藤千尋という女の人が制作担当として加入したので、今現在、構成メンバーは3人。今後、増えていったり減っていったりするかどうかはわからない。未来のことは全くわからない。未来のことをわかったようなふりするのは格好悪いとも思うしつまらないとも思う。だから、僕らは未来のことをわかったようなふりをするのはしない。できるだけしない。できるだけしないように努力している。未来のことをわかったふりをしている人がいたら、「それは格好悪いしつまらないことなのですよ」と言ってあげるように努力している。(公式サイトより)
努力クラブ 必見コント集「正しい異臭」
公演時期:2011/12/2~4。会場:XXXX。

タグ: 客席と舞台の共犯関係 ユニークな作品あります 自分の演技を客観的に見る 悪意・悪趣味


何をしても一人

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ベトナム時代とは違って、役者が黒川さん一人だけになりましたが、どのような点が違いますか?
黒川 
単純に、稽古が一人なんですが、辛いですね。何をしても一人。これが面白いかどうかの判断も一人ですし。まあ、丸井も中川さんもいますけど。「これで合ってるのか?」と悩む事は増えましたね。もちろん、一人しかいないから生まれてくるものもあります。
__ 
出演者一人だけという事で、何というか、黒川さんの方向性に合ったらどこまででも笑う事が許されるような気がします。逆に言うと、観客個人が持つ悪趣味を、そのまま肯定してくれる気がする。そういう意味で、優しい笑いなのかもしれないと思っています。
黒川 
僕は、その辺に落ちてる石ころでも面白いと思ったら引き出しに入れてしまうので。だから受け付けない人は全く受け付けないと思います。仕方ないんですけど。受け付けない人でも、ちょっとでも笑ってほしいんですよね。

タグ: 役者のその場の判断 孤独と演劇 役作り=個人の人間力 悪意・悪趣味


毎回違うものを提示するのが・・・

__ 
男肉の魅力を教えて下さい。
高阪 
やってる側の魅力なんですが、すごくスリルがあるんですね。僕らは台本を使わずに全て口立てで行うんです。だから、本番直前どころか本番中にもセリフが変わるんですよ。
__ 
というと。
高阪 
袖で団長が、「この回で○○○○って言え」って来るんですよ。団長はかっちり固まったものを作りたくはないみたいで。生でやっている以上、毎回違うものを提示するのが醍醐味だと考えているようです。それを味わえるのが役者としては楽しいですよね。観る側としてはどうか分かりませんけれども。
__ 
個人的な話ですが・・・何故こうまで私は男肉に執着するのか。それは多分、その一過性なんじゃないかなと思うんですよ。当時就活していて、演劇を辞めようと思っていたんですが、ピリオドを見た時に、そういう一瞬の熱狂だけを追い求める男肉パフォーマンスに立ち会う事が出来て。
高阪 
はい。
__ 
一時いっときのパフォーマンスが、とにかくその時だけのものだと気持よく割り切ったスタイルに元気づけられました。悪趣味なまでに自分達の好きなものを詰め込んで、100%のオナニーの強度を信じる男肉。可能性を実感したんですね。人間の出来る事には限界があって、でもベストを尽くせばそれで良いんだと。男肉の魅力は、そうした、一瞬にして生まれるアイデアの冴えにある。
高阪 
僕もそこは魅力だと思います。作り方が独特なんですね。自分たちの好きなものをどんどん放り込んでいく。面白いと思っているものについての雑談で稽古が終わった事があるぐらいです。

タグ: 表現=「自己満足、オナニー」? 悪意・悪趣味 もう、辞めたい


!!!coming soon!!!

__ 
2011年は色々起こりすぎでしたね。災害もあったり、国際情勢も無茶苦茶動いたし。BABさんはこの一年、いかがでしたか?
BAB  
結婚して子供も産んで、新婚旅行も行ったり。本厄だったのに全部やりました。中々めまぐるしかったですね。
__ 
芝居も出てましたしね。
BAB  
4月以降は出てないですよ。さすがにお腹が大きいと無理出来なくて。子供鉅人の舞台は出演したら必ず怪我するし。だから、危ない。
__ 
あはは。
BAB  
と言いつつ、原宿でやったプレイ小屋では半裸で踊ってました。お腹にcoming soonって書いた紙をはって。
__ 
マジですか。
BAB  
あのとき妊娠9ヶ月だったかな。直前でした。
__ 
coming soon。言葉はあれですけど、悪趣味でいいですね。
BAB  
妊婦の身体って、エイリアンみたいで気持ち悪いですよ。見せられる人ってどうなのかなあと。
__ 
今年はどうしますか?
BAB  
子供がいるからねー。サポートしてくれる人がいればなあ。母乳なので、常におっぱいをあげる体勢が整っていれば。
__ 
授乳の為に舞台からハケられればいいですね。
BAB  
あるいは、舞台上に連れていくか。子連れ狼みたいに。
__ 
なるほど。お子さんは可愛いですか?
BAB  
可愛いですね。そりゃ可愛いですよ。

タグ: 結婚したら・・・ 悪意・悪趣味 外傷・内傷


無目的ビーム

___ 
最近はどんな感じでしょうか。
佐々木 
月面クロワッサンが終わって、努力クラブの稽古ですね。
___ 
「無目的ビーム」。多目的ホールをもじったんでしょうね。いいタイトルですよね。
佐々木 
合田さんのあのセンスは大好きですね。
___ 
ビームという、指向性そのものが無目的という矛盾が面白いですね。ここで改めて伺いたいのですが、努力クラブとは何なのですか?
佐々木 
僕が三回生の時、西一風の座長をやっていたんです。その時高田ひとしさんが企画した、学生劇団の代表を集めようという会があって。その時に彼に会いました。
___ 
第一印象は。
佐々木 
変なビジュアルで気持ち悪いなあと思いました。その後劇団紫を観に行ったんですよ。出た事もあります。大好きなんですよ。本番の前にアップしないし、セットも作らないし、西一風だったら「ちゃんとせな」って怒られるような感じでした。だからショッキングでしたね。
___ 
それで結成したんですね。
佐々木 
去年C.T.T.に出そうという計画があったんですが、一年くらいぐだぐだしていて。その後ようやく旗揚げしました。
努力クラブ3「無目的ビーム」
公演時期:2011/12/23~26。会場:壱坪シアタースワン。
C.T.T
C.T.T.とはContemporary Theater Trainingの略で「現代演劇の訓練」を意味する。1995年に京都のアトリエ劇研で発足し、70回以上の上演会を行う。現状、3カ月毎の上演会を予定。(公式サイトより)

タグ: 自分を変えた、あの舞台 わたしとわたしの矛盾 タイトルの秘密 悪意・悪趣味 旗揚げ


失敗する人間が好き

__ 
「牛」、一番のお気に入りは。
合田 
数字の奴が気に入ってるんですよ。あんまり周りの評判はよくないんですけど。
__ 
あ、私は好きでしたよ。ただただ「光る」という事しか言及されていない数字の表示をめぐって、エンジニア?と使用者?の男女が使用説明に振り回される話ですよね。やっぱり全員死ぬし、徒労感が素晴らしかったです。時間の無駄でした。
合田 
ありがとうございます。全く意味のない事を積み重ねていったりとか、同じ事を失敗するとか、わざと失敗するとか。そういう人間の行動がすごく好きなんですよ。
__ 
私も興味があります。人間はたまに、失敗したくなるんですよね。
合田 
昔、劇団紫の時に「バナナの皮」というコントをやったことがあるんです。道に落ちているバナナを見ている二人が、すべってこける人を想像するという話です。「そのすべった人は、起きあがってもう一度同じバナナに滑って転ぶはずだ」とか。
__ 
人間は、あえて失敗したがりますからね。
合田 
そうですか?
__ 
成長したい・進化したいという気持ちと、失敗したい・落ちこぼれたいという気持ち。実はどちらも、人間に備わっているんじゃないかなと。生命が持っている、進化へのベクトルとは矛盾しながらも。
合田 
マジすか。
__ 
失敗したところを誰かに見られたいとか、失敗した自分を可愛がりたいという自己愛とか、未熟な自分を認めてそのポジションにいることを確認したいとか。
合田 
耐えられないですもんね。ちゃんとしてる自分って。完璧な自分でいることには、疲れるし、そうありたくないのかも。
__ 
あるいは、他人の失敗を見たいという欲求もあるのかもしれません。
合田 
ああ、自分もあいつも駄目やと思って安心するんですね。完璧なものを求められるから、正しいやり方で仕事するんですけどね。

タグ: 成長拒否 悪意・悪趣味 とんでもない失敗をしてしまった


みんな死にましょうよ

__ 
一瞬聞いただけで残りますよね。さっき気づいたんですが、五・七・五ですよね。
合田 
あ、ホンマや。全然気づいて無かったです。
__ 
いいタイトルですね。牛の鈍重さ、4回も反芻するという執拗さ、時折発揮する野生。そういう、上品さとは無縁の牛らしさ。それが芝居の様々な場面に反映されていました。
合田 
はあ・・・。ちょっと分からないですけど。
__ 
お互いが話していてもちっとも理解の進まない登場人物たち、ほぼ全てのコントが最後は同じ結末―つまり全員が何か殺害されて、やがて夕陽に照らされると生き返って立ち上がり、斜陽に目を細めて終わる―を迎えるという繰り返し。
合田 
ふふふ。
__ 
まず、それにはどういう意味があったんですか?
合田 
とりあえず、ルールは守りたいなと思ったんですね。各コントの終わりに夕陽に照らされるというルールが決まったんですよ。で、やってる内に、「みんな死にましょうよ」って事になって。夕陽か死か迷ったんですけどね。先に死んで、夕陽を浴びる事にしました。
__ 
その、下らなさはもちろんとして。夕陽を浴びると今までのがまるでコントだったかのようになるんですよね。
合田 
夕陽、関係ないですからね。
__ 
だからあの一瞬、当助人物が本当に生き返ったという描写と、コントの練習が終わった役者たちの黄昏という図が同時に成立するんですよね。コントで描かれる下らない人々と、それを練習している役者達のわびしさが。
合田 
そうですか。めっちゃいいふうに解釈して下さって(笑う)。
__ 
いや、もちろん全部悪ふざけと取りましたよ。本当に下らないし。でも、あってもなくてもいいような芝居ではなかったですね。
合田 
ありがとうございます。

タグ: 殺す おふざけ ネガティブ志向 悪意・悪趣味


らぶドロッドロ人間はダーク。キョムは?

___ 
そうそう、前回のらぶドロッドロ人間、面白かったです。
大川原 
ありがとうございます。ありがとうございます。あの公演は本当にお客さんに支えてもらった公演だったと思います。
___ 
最後の方の、3人の女による責任の擦り付け合いは見所でしたね。
大川原 
あれは楽しかったですね。直接攻撃はしないんですけど、あっちからこっちからちくちくやり合うという。
___ 
あのシーンが一番、醜かったですね。
大川原 
ありがとうございます(笑う)。らぶドロッドロ人間は1階と2階で分かれている作品でした。上では日常の身体の演劇と、下では演劇らしい演劇があって。
___ 
そうそう。大川原さんは上だけの出演でしたけど、ダークな感じでしたね。悪い芝居を見ていていつも思うのは、悪意でもって作られているなあと。これは悪い意味じゃなくて。
大川原 
毎回、あえて一般的に誰でも通じる主題を選んでいます。ちょっとネガティブで後ろ向きなテーマだったりするんですけど、そこをポップに切っていくっていうか。普段だったらわざわざ暗い部分に突っ込んでいかないところ。そこに挑戦する姿勢が魅力かなと思っています。見に来る人も、ちょっと斜に構えて来る人も多いように思うんですけど、そういう人たちと正面から向きあって楽しい時間を作れたらなと思います。
悪い芝居vol.11「らぶドロッドロ人間」
公演時期:2010/5/19~23(京都)2011/6/11~14(東京)。会場:アートコンプレックス1928(京都)王子小劇場(東京)。

タグ: 悪意・悪趣味 悪いけど、芝居させてください


前回公演「No Meet No Life」

__ 
さて、前回公演の「No Meet No Life」のお話に移りたいと思います。高杉さんは、いわゆる勝ち組がバカをネタにする悪趣味なパーティに招かれた、鉛筆で模型を作る体育教師の役でした。演じられて、いかがでしたか?
高杉 
いやあ、凄く楽しかったですね。僕はバカが好きなので。
__ 
何か、苦労した事などはありませんでしたか?
高杉 
僕はテンションの高い役だったんですけど、それで稽古中も一人だけ突っ走ってて、共演者の演技を見れていなかったというか。他の人との帳尻合わせに苦労しました。
__ 
確かに熱い演技でした。そういうのが得意なのかなと思いましたが。
高杉 
いや、そうですかね。自分では分かりませんが、とりあえず疾走感は大切にしたいなと思いますね。
__ 
疾走感。出てましたね。演技の流れが一つ一つ、置き去りにされずにキレイに流れていったというか。
高杉 
あれは漫才を意識していますね。かと言って、テンポを速すぎたりし過ぎるとお客さんがポカーンとしてしまうので、その点はかなりダメ出しされました。本番直前まで稽古していましたから。
イッパイアンテナ 3th session 「No Meet No Life」
公演時期:2008/8/29~30。会場:新風館トランスジャンル。

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