「ダムで芝居したい」

__ 
ちょっと話題を変えて。ありえない想定として、300億円あったらどんな作品を作りたいですか?
戒田 
ええと・・・ダムで芝居したいかな。
__ 
ああ、いいですね。300億は丁度いいですね。
戒田 
そう、ものすごいお金掛かるらしいですからね。
__ 
1日借りるぐらいならいいですよね。
戒田 
コンクリートの巨大な壁を背景に芝居してみたいですね。決壊させたいな。300億じゃ済まないですね。
__ 
プロジェクションマッピングとかじゃなくて、本物の。
戒田 
役者が流されていって終わり、みたいな。
__ 
カーテンコールは救命ボートで。いつかやってほしいですね。

タグ: 泡のように消えない記憶 舞台美術 妄想


さよならのための怪獣人形劇『パフ』

__ 
劇団しようよでは今年、『パフ』の再演がありましたね。東京、京都でツアー上演でした。その中の西村さんの演技で一番印象的だったのが、怪獣の鳴き声がですね、たまんない可愛さでしたね。「パフー」とかって。
西村 
ありがとうございます。良かったです。あれは何でやる事になったのかな、確か「おもちゃ箱をひっくり返したみたいな作品にしたい」と言われたからかな。内部でも評判が良くて、着信ボイスに出来たらいいねみたいな話になりました。
__ 
素晴らしい。待っています。ご自身ではどんな経験でしたか。
西村 
初演から数えて3回の公演をやってきていて、これだけ長い時間を共にする作品は他になかったんです。作品が変わっていく流れが面白かったというのもあります。作家は苦しんでいて、でもその結果がきちんと出たというのを目の当たりに出来て。嬉しかったです。
__ 
『パフ』は構成がとても面白かったですね。一つの楽曲のような戯曲でした。妄想の世界に逃げてしまった少年が現実の中に戻ってきてしまって、もう一度妄想の世界に旅立って、またもう一度現実と向き直すという。その構成自体が非常に美しくて、まとまっていました。
西村 
ありがとうございます。東京で色んな方に見て頂いて、構成に関するご感想も頂いて。思うのは、やっぱり別の地域の方に見て頂くのはすごく重要なんだなと。
__ 
というと。
西村 
私は元々九州の生まれなんですけど、京都で作った作品を東京に見せに行くと、京都よりもさらに広く、色んな価値観の人と触れ合う事になるんですよ。俳優としても成長出来るし、人生が広がっていくような気がします。
__ 
地方に行くって確かに大事ですよね。全然違う価値観の人に捉え直してもらう。というか、そうじゃなければ先入観がどうしても入ってきてしまうのかもしれない。
西村 
『パフ』では、描いていることのひとつに「災害」があるんですけど、京都と東京の受け止め方の違いはありますね。
__ 
そうですね、かなりバックグラウンドの違う人達ではありますからね。
西村 
はい。面白い事だと思うんです。また色んな作品を、違う土地に持っていけたらと思います。
さよならのための怪獣人形劇『パフ』再演ツアー
公演時期:2014/8/15~18(東京)、2014/9/5~7(京都)。会場:王子小劇場(東京)、KAIKA(京都)。

タグ: 自分を変えた、あの舞台 外の世界と繋がる 遠征公演 王子小劇場 再演の持つ可能性について 人形劇にまつわる話題 妄想


質問 作道 雄さんから 真壁 愛さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂いた、月面クロワッサンの作道さんから質問です。ちなみにこの人達は25歳台なんですけど、TVドラマを作ってるんですよ。30分枠の。それを京都テレビで放映してるんです。この間会社を立ち上げたそうです。
真壁 
へえー、すっご!
__ 
代表の作道さんから質問です。「演技の事を考え過ぎて、夜眠れなくなったりする事はありますか?」
真壁 
(笑う)ありますね。私の場合は、不安で眠れないというより、作品の妄想に走ってしまうんですね。それが楽しくて、興奮して眠れないという事が多いです。
__ 
妄想!
真壁 
例えば、自分が一つの作品を打っているとして、その事ももちろん考えるんですけど、「こういう話あったら面白いよなあ」って。以前見た夢を一人芝居にしたらどうだろう、とか。ワクワクして眠れないんです。
__ 
出演者でありながら、その作品のファンになっているんでしょうね。
真壁 
そうですね、きっと。まあ私は元々、あまり寝ないんですけど。
__ 
え、普段はどのくらい眠るんですか?
真壁 
3、4時間くらいですかね。6時間も寝たら寝すぎというぐらいです。疲れていたら逆に眠れないし、寝るのって体力使うから・・・体力があり余ってて眠れない場合もありますね。

タグ: アドレナリン 妄想 元気が有り余っている


vol.376 真壁 愛

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2014/春
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真壁

芝居と結婚

__ 
是常さんがお芝居を始めたのは、どんな経緯があったのでしょうか。
是常 
演劇を始めたのは高校からなんですけど、中学の頃に宝塚にハマってたんです。中学の時にTVで天海祐希さんを見て、ハッとなりまして。いとこも偶然宝塚が好きだったので、天海さんが出演されている作品のビデオを借りて、何回も見返しました。でも、思い返してみたら元から芝居には興味があったみたいで。小一の頃に、親子旅行で宝塚ファミリーランドに行ったんですが、雨が降ってきて。遊園地の代わりに入った宝塚の舞台を食い入るように見ていたそうです。
__ 
なぜ、舞台に引かれていたんでしょうね?
是常 
変身願望が強かったのはあるかもしれません。これは関係あるかどうか分からないんですが、上に二人姉がいるんですが両親は男の子が欲しかったそうで、産み分けのためのサプリメントを飲んでいたそうなんです。
__ 
えっ、そんな事が出来るんですか。
是常 
当時信じられていたんでしょうね。子供心に「男の子に変わらないと」という刷り込みがもしかしたらあったのかもしれない。昔は妄想癖がすごくて、本とかを大量に読んでいて。宝塚は身長が足りないので諦めて、憧れの天海祐希さんが高校時代演劇部だったこともあって、演劇部に入りました。
__ 
なるほど。失礼しました。そこから、大学でも演劇部に?
是常 
いえ、実はそこを区切りにして芝居をやめようとしていたんです。男役も出来ないし、演劇が好きかどうかというと、その演劇部が好きだっただけなんだろうと思って。大学では合気道部に入ってたんですけど、一年後のある夜、寝てたらいきなり「芝居がしたい!」と突然思ったんです。自分でもびっくりしました。私、芝居が好きだったんだ。
__ 
おお、ある種の回路が結びついたんですかね。
是常 
結局二回生から演劇部に入ったんです。卒業後もいくつか出演したり舞台も見ていたんですけど、ある公演がすごくしんどい事があったんです。そこでまた「芝居はもういいかな」と。
__ 
そこでも区切りを迎えようとしていた。
是常 
こんなんやってられへんという状態になって。でも、同じ出演者の方に誘っていただいた舞台を経験して、それからまた出演し続けているんです。
__ 
それはつまり、辞めるに辞められない状態?
是常 
うーん、何て言うのか。元々自分は外に出るのも億劫な人間で、でも芝居に関われるなら外に出れるというのがあって。芝居に出られるんなら仕事も出来るし。芝居が、自分の行動の動機付けになっていたのかもしれません。敬愛する作演出家のひとりであるGRAVITY VANISHEDの村田絵美さんに、「いい役者ってどうやったらなれるんかな」って相談した事があって。そしたら、「いい人間になるしかないんじゃない?」って。ごもっともだな、と。
__ 
確かに。
是常 
いい役者でいるために、いい人間になりたいと思ってます。ただの趣味として何かをやろうというのは私にはピンとこない。芝居をするというのが、自分の活動の動機付けになっていて・・・こんなんでええんやろうか、と自分の中ではコンプレックスなんですけどね。でも、昔ある人と話していたんですけど。芝居が大好きな人いうんは芝居を恋人にしていて、是ちゃんは、芝居と結婚したんじゃないの?って。芝居という存在にいてもらわないと困るんちゃう?って。
__ 
リビドーじゃなくて、自分の体重が乗っているって感じなのかもしれない。だから、きっと、次のこまち日和の芝居には合ってるんじゃないですか?
是常 
どうですかね、でも、その場所に、無理せずに楽にいる事を心がけてからは、だいぶ楽しくなりました。

タグ: 結婚について 「変身願望」 SeizeTheDay 妄想 自分は何で演劇を


妄想にくるまれた大川

__ 
3週間にわたる公演期間の中で、ご自身にとって最大のハプニングを教えてください。
山西 
すごく個人的なことだったら。長時間の公演なので、途中にトイレ休憩が一回あったんですけど、僕はその案内する役をしてたんです。で、駅のトイレにお客さんを連れて行ってたんですけど、そこの掃除のおばちゃんとほぼ毎日会うので妙に仲良くなったんです。で、ある日の公演中に、そのおばちゃんがいつもの清掃服じゃなくて、私服で駅を歩いてて、いつも通り声をかけたら「いや今日はプライベートやから」って言われて。
__ 
清掃のおばちゃんがそれを言う衝撃は凄いですね。
山西 
まさかそんな感じだと思わなくてびっくりしました。(笑う)
__ 
では、最大のアクシデントは何でしたか。
山西 
不確定な要素が多かったので、本当にいろいろあった気がします。すぐ思い出すのはやっぱり船着き場の渋滞ですかね。屋形船が何艘かお客さんを降ろしていて、僕らの船が停泊できない、不思議な無の時間が流れて。
__ 
でも、そういう時間での役者のアドリブが素晴らしかったです。アクシデントでもハプニングでも、そこを笑いに変えてしまう力がありますよね。
山西 
リハをするまでは、もう少しセリフが決まってたシーンがあったんですよ。でも実際に船の上に乗って移動してやってみたら、ボスが「台本じゃなくて、リアルに見たもの聞いたもので会話した方が面白いんじゃないか」と。ほんとにそうだったと思います。
__ 
ちなみに、私が参加した回で面白かったのは乗船中の小中さんかな。カヌーを漕いでいる人達を川で追い越した時、船に付いている拡声器で「邪魔をしてすまない、今大阪を救っている途中なんだ」って言った事です。あれは本当に頭がおかしかった。「妄想」がキーワードの作品という事もあって、白昼夢感が凄かったです。

タグ: アドリブについて 妄想


重なる背中

__ 
鈴木さんがお芝居を始めたのはどのようなキッカケが。
鈴木 
元々は、地元いわきの高校の演劇部からでした。でも、2年くらいからあんまり部員と上手くいかなくて。大学に入ってどのサークルにしようかと思ってたらやりたい部活がひとつもなくて。やっぱり演劇部に入ろうかと思って劇団紫に入りました。でも、もやもやした気持ちで・・・そしたら、大学1年の春休みに帰省した時に、東日本大震災を経験したんです。しばらくは放心状態というか、演劇をするとか全く考えられず、芝居自体をすごく嫌なものだと思ったこともあって、大学2年の秋の公演で演劇部自体をやめようと思っていました。そうしたら、2年生の10月公演が終わった時くらいに笑の内閣の高間さんから外部出演のお話を頂いたんです。「ヅッコケ三人組の稽古場有料化反対闘争」という作品。学生だけの公演とはちょっと違うんですよね、共演している方々も意気込みが違うし。初めて、芝居が楽しいと思ったんです。今までは、本番を迎えるまでに必ず1回は「もう辞めよう」と思ってたのに。
__ 
なるほど。
鈴木 
外部に出た時はそういう後悔が1回もなくて。それが、みんながお芝居に没頭している理由なのかなと思ったんです。
__ 
「ヅッコケ三人組の稽古場無料化闘争」。傑作でしたね。面白かったです。その後は「非実在少女のるてちゃん」でしたね。鈴木さん演じる腐女子の妄想シーンが評判が良かったですね。
鈴木 
実はKAIKAで、のるてちゃんの公演を見て。聖羅さんがのるてちゃん役でのびのび演技しているのを見て、羨ましいなあと憧れたんです。私がよく分からないまま演技しているのに比べて・・・。だから、今自分が実際にその場に立って、当時の自分が憧れるに相応しい演技をしているだろうかと。そういう事を考えています。石原正一さんが「筋肉少女」に私を呼んで下さった理由を聞いたんですが、「『のるてちゃん』での私の演技が伸び伸びしていて、いまこれだけ演技をやれている人がいるならオファーしたい」と仰って頂いたんです。そういう気持ちは演技に出るのかなと思います。
__ 
そう、石原正一ショーではテリーマンの娘役でしたね。
鈴木 
物凄く貴重な体験でした。周りの方々は全員私より断然経験の差があって、どうしていいか分からないくらいの。私なんかで大丈夫かと思っていました。
第14次笑の内閣ヅッコケ三人組の稽古場有料化反対闘争
公演時期:2012/1/20~22。会場:東山青少年活動センター。
第16次笑の内閣 「非実在少女のるてちゃん」全国ツアー
公演時期:2012/8全国各地でツアー。
石原正一
演劇人。石原正一ショー主宰。1989年、演劇活動開始。1995年、"石原正一ショー"旗揚げ。脚本演出を担当、漫画を基にサブカル風ドタバタ演劇を呈示。関西演劇界の年末恒例行事として尽力する。自称”80年代小劇場演劇の継承者”。外部出演も多数。肉声肉体を酷使し漫画の世界を自身で表現する"漫画朗読"の元祖。"振付"もできるし、”イシハラバヤシ”で歌も唄う。(公式BLOG『石原正一ショールーム』より)
第27回石原正一ショー「筋肉少女」
公演時期:2013/5/1~3(東京)、2013/7/5~8(大阪)。会場:こまばアゴラ劇場(東京)、in→dependent theatre 1st(大阪)。

タグ: 伸び伸びと演技 石原正一ショー 石原正一 妄想 もう、辞めたい


vol.318 鈴木 ちひろ

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2013/春
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鈴木

妄想とネガティブ

__ 
石原正一ショーで森口さんがやってたギャグが凄く面白かったんですよ。森口さんみたいな上品なイメージの美人が赤塚不二男みたいなタッチの笑いをやると何だかもの凄く映えますよね。
森口 
ありがとうございます。ああ恥ずかしいですね。
__ 
俳優としての森口さんに伺いたいんですが、どんなタイプの役者だとご自身では思われますか?
森口 
うーん。妄想します。台詞を覚えながら、色々考えます。どういう風にしたら面白いのかはもちろん、この人はどう思っているんだろうとか、周りに・観客にどう思われるんだろう、とか。そういう事を妄想して、最後は繋げていきます。結構ぶっ飛んだところまで考えすぎて、行き過ぎたこともあります。
__ 
今まで、一番上手くいった役は。
森口 
上手く行ったとかは全然思わなくて。いつも、ダメだなあと思っちゃうんですよ。周りから「良かった」と言われてようやく安心するんですけど、基本ネガティブなんですよ。
__ 
ネガティブ?
森口 
というか、根暗?ポジティブなんですけど考え方が根暗なんです。困りますよねこんな事言われると。前々回のパプリカンポップはそういう話で、周りを拒絶したひとりぼっちの女の子が一人暮らししている所に、色々な人が来て、というお話だったんですよ。そういう、私の根暗性が出ている話でした。

タグ: 役者の積み上げ ネガティブ志向 妄想


インスピレーションズ

__ 
サーカストレイン」をひきずっていて申し訳ないんですが、あの作品は言葉での説明がなく、でも絵本はあって、お客さんが自由に想像していくという余地のあるものだったと思います。最近、面白さとは、想像が広がった時の快感じゃないかと思うんです。
木下 
はい。そんなに違わないと思います。もちろん、いくつもの面白さの一つだとは思います。
__ 
種類の一つ。
木下 
特に演劇においては、演者の熱を含めて、勝手に想像が広がっていくものが好きなんですね。お客さんが寝る芝居も、あながち悪くないと思っていて。あれ、アルファ波が出てるんですよきっと。気持ちよくなっていい夢が見れるんなら、それも面白いに入れていてもいいんじゃないかなと思うんですよね。ただ、面白くない芝居は寝れないですよね。
__ 
ウォーリーさんが思う、ご自身が大切にしたい、自分にしか生み出せない面白さとは。
木下 
僕はなんだかんだ言って戯曲を書くところから始めたのでこう考えるのですが、物語が一つある事で自由になることは多いと思うんです。シンプルなギリシャ神話でも、日本書紀の伝説でも、物語の原型というかアーキタイプを使って作品を作れる事は、僕の能力だと思っています。それは何故重要かと言うと、夢と一緒で逆になんでもありになっていくというか。
__ 
原理的な、物語のアーキテクトという事なのかなと。これは個人的な妄想なんですが、2001年宇宙の旅で出てきた「モノリス」ってありますよね。あれは猿を人間にする装置だとかって説明されてましたけど、きっとあれは石版で、人間が根幹に持っている各種の大切な概念を図形にしてまとめたものだと思うんですよ。
木下 
はいはい。
__ 
その図形は社会とか男女とか、知以前の原理を抽象化したもので、それを目にした瞬間、猿は人間になっていくんじゃないか的な妄想で。だったら各地の神話が似通ってるのは当たり前だなと。で、ウォーリーさんの作品を見て、そういうものを見ているという直感があります。
木下 
想像の広がりが持つ快感=面白さ、という仮説に繋がっていくと思うんですが、ラスコーの壁画ぐらいの抽象性にこそ物語が宿るかもしれない。ラスコーの壁画で芝居を作る、というのが僕の夢です。

タグ: 妄想


質問 三名 刺繍さんから 伊集院 聖羅さんへ

___ 
前回インタビューさせて頂きました、劇団レトルト内閣の三名刺繍さんから質問です。「演劇をアートだと考えた事はありますか?」
伊集院 
アートの一種だと思っています。でも、私が言い切っていいのかな。色んな意見があると思います。
___ 
演劇を芸術として捉える時、どんな定義が必要になりますか?
伊集院 
その作品が公演される事自体が芸術なんじゃないかなと。のるてちゃんも風刺を主にした作品なんですけど、それが今の社会で上演される事が一つの事件なんですよね。
___ 
「のるてちゃん」テーマの青少年健全育成条例改正案に関する騒動は少し前の事件ですけど、この作品はそうした題材を通して普遍的なものにたどり着いている。アートと言い切れるかは、どうかな。
伊集院 
人それぞれかもしれませんけど、単純に面白い作品に仕上がっていると思います。好きなシーンの一つに、腐女子の女の子が出てきて、自分の勝手な妄想が繰り広げられる場面があるんですけど。
___ 
ああ、あのシーンですね。
伊集院 
単純なギャグシーンで、ベタなんですけどね。

タグ: 「ベタ」の価値 妄想


vol.264 伊集院 聖羅

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2012/春
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伊集院

お弔い

__ 
これまで、目標にしてきた事は。
中西 
これまでは、自分が作りたい世界を忠実に再現したいと考えていました。今はそうではないですね。出来るだけ、人であるとかテーマであるとかにフラットで多角的な目線で観察していいところを引き出そうとしています。
__ 
以前の、妄想を形にするやり方とは。
中西 
一番最初に作ったのは自分の性についてでした。毎月生理が来て、元々卵子だったものが血に変わって落ちるんです。子供になれたかもしれない無数のものをたれ流してしまった、そのお弔いをしないといけないと思ったんですね。そういう妄想を、いかに再現するか。今は考えなくなりましたねー。
__ 
考えなくなりましたか。
中西 
そういうのはもっと適した形式があると。きっとマンガとか小説とか。どうしてもしたかったらその形式ですればいいけど、舞台でする事じゃないなと思うようになりました。広がりがないからかな・・・。
__ 
お客さんにはどのように受け止められていたんでしょうか。
中西 
まあまあ伝わっていたと思いますけど、女性にはより強く通じて、男性にはそんなにだったと思います。ダンス作品として受け止められていたんじゃないかと。
__ 
そして、そういう表現をやめてしまった。
中西 
興味が無くなったんですかね。いや、限りがあるからかな?いつか、自分の世界とか妄想とかって、枯渇してしまうなあと思うんです。そうしないためにはどうすればいいかなと思ったら、やっぱり人と関わるしかないんじゃないかと。

タグ: 妄想


地底人のやり方

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
3号 
今後。地底人のやり方としては、前回の番外公演が割と良かったんですよね。番外公演と本公演で回していけたらなと思います。
__ 
面白かったらしいですね。番外公演というか、平日にやっていた番外公演「君がいなくても」
3号 
いやー。お客さん入らなかったですけど、色んな人が面白いといって下さって。今回の東京公演で成功したら、色んなところでやれるかもしれないと思います。
__ 
どんなお話だったのでしょうか。
3号 
母親がずっと息子を探すという話で、息子の声だけずっと聞こえていて、あたかもいるように母親が答えている。そこに本当に息子がいるのか、母親の妄想なのか分からないという演出だったんですけど、割とオーソドックスにまとめました。
__ 
何かの機会で拝見出来たらいいですね。
ピンク地底人番外公演「君がいなくても」
公演時期:2012/4/23~24。会場:アトリエ劇研。

タグ: 今後の攻め方 妄想


水先案内人

__ 
さて、バーニングスキン。大変謎めいた作品で。影山さんはカウボーイ役でしたね。
影山 
色んな解釈があると思うんですけど、僕は主人公のマリが生み出したキャラクターなんじゃないかと思っていて。
__ 
なるほど。
影山 
マリは本当はお茶目な女の子で、こういう人達がいたら癒されるかもという心の働きがあるのかもしれません。
__ 
それが、自分の妄想に取り込まれていくと。
影山 
というか、その水先案内人は僕だったと思うんですけど。
__ 
子供鉅人で影山さんは結構な割合で穴を掘っていますが・・・。
影山 
そうなんですよ。高校の時も益山さんに演劇を教えて貰っていたんですけど、おじいちゃん役で、やっぱり穴を掘っていました。そこから始まったんです。
__ 
あの、スコップを持ち上げる瞬間に力を溜めて、すぐクンッと力を離すのが美しいですよね。
影山 
ありがとうございます。

タグ: お茶目さについて 妄想


「ピラカタ」という白紙

__ 
そうした、ごまさんの妄想という神話から生まれた街「ピラカタ」。この街を、国生みの瞬間からマクロ・ミクロな視点にかけて色々な部分から切開し、そこに住む人々を描き出すという作品でした。
ごま 
ガルシア・マルケスという人の書いたシリーズに、マコンドという街の話があるんです。「祖先の墓が出来るまでは、そこは我々の故郷とは言えない」っていう記述があってね。枚方も、僕ら新しい住民にとっては、まだ誰もそこに骨を埋めていなかった。
__ 
でも、次第に人は死んでいく、
ごま 
そう。例えばニュータウンでも死者の形跡というか、証やエピソードは残る。マンションの7Fに住むあの奥さんが育児ノイローゼで子供を落としちゃったとか、あの角で誰かが交通事故に遭って亡くなったとか。怪談話のような体裁で人から人へ伝えられていく。そういうイカガワシイ話を思い切り引き伸ばして神話にまでしてしまった。
__ 
なるほど。
ごま 
でも、枚方って無個性な街なんですよね。神戸とか京都とか、特色があるじゃないですか。枚方にはそういう、これといった特徴もないし、生み出せないところがある。
__ 
真っ白な、歴史のない土地に経済的な理由だけで街を作る。でも、そこに生きている人々は紛れもなく生きているんですよね。例えば、高原さんが演じる少年が自分のおしっこを掛けて形作った「尿神様」(にょうがみさま)。あの存在が非常にリアルに感じたんですよ。
ごま 
適当やね。あの高原さんがやった役が今回一番好きやったね。
__ 
最後のシーン、人々がピラカタ=枚方という街の夜景を眺める時に、それまでの時代も場所も世界の切り取り方も全然違う全てのシーンや、俳優の姿が一つになって、客席をどこか知らない街まで連れ去ってくれたような。その時、舞台で高原さんが電車を持ち上げてしまうみたいな演技までが新鮮だったんですよね。そのラストの演技にドライブ感があって、だから傑作だと思ったんですよね。
高原さん
ニットキャップシアター。女優。

タグ: 一瞬を切り取る 妄想 作家の手つき